オランダ1部フェイエノールトに加入した日本代表FW上田綺世(24)は7日、オランダのロッテルダムで入団会見を行った。昨季ベルギー1部サークル・ブリュージュでリーグ戦22ゴールと活躍し、オランダ王者として今季は欧州チャンピオンズリーグ(CL)に出場する強豪入り。日本人ストライカーが欧州の名門に数えられるオランダの強豪に加入した価値を、金川誉記者が読み解く。
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フェイエノールトが、日本人ストライカーを得点源として迎え入れた。移籍金は1000万ユーロ(約15億円)プラス出来高で、クラブ史上最高額と言われる。会見で上田は「まずは自分のポジションで出場時間を確保することが大事」と話したが、この移籍金と与えられた背番号9はクラブが大きな期待をかけている証拠。
アヤックス、PSV、フェイエノールトのオランダ3強は、欧州ビッグクラブへの“登竜門”だ。かつてフェイエノールトから04年にアーセナルへ加入したオランダ代表FWファンペルシのように、近年でも数々の選手たちがオランダ3強を経てリバプール、マンチェスターUなどへ移籍した。
日本のファンには、代表の次期エース候補でもある上田に、5大リーグ(イングランド、スペイン、ドイツ、イタリア、フランス)への移籍を期待する声もあった。しかし裏への鋭い動き出しなど、パスを引き出して得点を重ねるタイプの上田にとって、5大リーグの下位チームより、オランダ強豪は力を発揮しやすい環境のはず。さらに上田が「選手として(CLで)プレーできるチャンスがあるのは幸せなこと」と語るように、欧州最高峰の舞台に立てることも大きい。
Jリーグでも多くのクラブが得点源には外国人FWを据えており、世界トップを狙える本格派ストライカーの輩出は長年にわたり日本の課題。かつてはMF香川ら、現在ではアーセナルDF冨安が欧州ビッグクラブで戦うが、日本人ストライカーでその場所に上り詰めた選手はいない。上田がフェイエノールトでゴールを量産すれば、その“挑戦権”を得ることになるはずだ。
◆フェイエノールト 1908年創立。オランダ・ロッテルダムに本拠地を置くサッカークラブ。ホームスタジアムはフェイエノールト・スタディオン(通称デ・カイプ)。欧州チャンピオンズカップ(現欧州チャンピオンズリーグ)優勝1度、欧州カップ(現欧州ヨーロッパリーグ)優勝2度。昨季は6年ぶりにリーグ優勝し、優勝11回はアヤックス、PSVに次ぎ同国3位。かつてMF小野伸二=現札幌=、FW宮市亮=現横浜M=も在籍。
◆上田 綺世(うえだ・あやせ)1998年8月28日、茨城・水戸市生まれ。24歳。鹿島ノルテジュニアユース、鹿島学園高を経て2017年に法大進学。3年時の19年、南米選手権でA代表デビュー。同年夏、21年から加入内定の鹿島へ前倒しで加入。22年7月、ベルギー1部サークル・ブリュージュへ完全移籍。J1通算86試合38得点。昨季40試合22得点。代表通算15試合1得点。182センチ、76キロ。右利き。
◆上田綺世、フェイエノールトでビッグクラブ挑戦権つかむ!5大リーグ下位より力発揮しやすい環境…担当記者が読み解く(報知)