日刊鹿島アントラーズニュース

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2024年7月8日月曜日

◆【 鹿島】師岡柊生、待望初ゴール。アシストした鈴木優磨が掛けた言葉とは?(サカノワ)






「あまり早く動き出すとオフサイドになってしまうと思ったので、周りを見てタイミングを計っていました。優磨君が上手く出してくれたので、そこは優磨君に感謝しかありません。ボールが出てくると思っていたので、準備していました」


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◆【 鹿島】師岡柊生、待望初ゴール。アシストした鈴木優磨が掛けた言葉とは?(サカノワ)





藤井智也との交代直前、「本当、危なかったですね」。


[J1 22節] 鹿島 2–0 札幌/2024年7月6日18:00/カシマ サッカースタジアム

 J1リーグ22節、 鹿島アントラーズが鈴木優磨の2アシスト、師岡柊生のリーグ初ゴール、藤井智也の一撃で、北海道コンサドーレ札幌に2-0とリーグ5試合ぶりの勝利を収めた。

 待望の初得点を決めた師岡は、「前半に自分のところであれだけチャンスがあったけれど決められなくて、前半で交代かなと思っていました。でも代えられなくて、後半、チャンスがあったら、とにかく思いきり足を振ろうと思っていました。ホームで決められて良かったです」と喜んだ。

 スコアレスで迎えた61分、鈴木のスルーパスから抜け出して、GK菅野孝憲の脇をすり抜ける鋭いショットを突き刺した。残り30分を切り、師岡から藤井智也への交代の準備が進められていて、「やはり点を取るにはゴール前に入っていかないといけないので、貪欲にゴールに向っていきました。(藤井と交代する直前だったが?)本当、危なかったですね」と苦笑いを浮かべた。

 そして師岡もボランチにチャレンジした時期があったと明かす。

「シーズンが始まって、ボランチとか、いろいろなポジションをやりましたが、その積み重ねが今に生きていると思います。まだまだ課題はたくさんあり、これからも点が取れるようにやっていきたいです」

 そしてアシストした鈴木から掛けられた言葉は――。

「いやあ、やっとだなと言われました(苦笑)。(それに対して)ありがとうございますと、返しました」

「あまり早く動き出すとオフサイドになってしまうと思ったので、周りを見てタイミングを計っていました。優磨君が上手く出してくれたので、そこは優磨君に感謝しかありません。ボールが出てくると思っていたので、準備していました」

 肩の荷が下りたに違いない。師岡は「やはり最後の質。点を取っている人のプレーも参考にしながらやっていきたいです」と頷いた。

「ケガなどいろいろありました。でも、きつい時期を乗り越えての今だと思うので、もっと上にいくために努力を続けないといけない。同じ世代の(佐野)海舟が海外にステップアップしていますし、自分も負けられないなと思います。2列目がどんどん点を取っていかないと上にはいけないので、そこはたくさん取っていきたいです」

 師岡は2列目に強度をもたらし、大事なゴール前の局面で、推進力を与える存在になっている。そこにゴールを決め切る力が付いていけば、 鹿島の優勝は現実味を増す。



◆「あらゆる手段で“鹿島らしさ”を未来につなげていく」どんな形でも頂点に立つ――斬新なチャレンジに期待だ【吉岡宗重FDインタビュー③】(サッカーダイジェスト)






「今後はアカデミーから育ってきた選手もより戦力になってくれると思います。すでに徳田(誉)がJ1デビューを果たし、彼と松本遥翔、佐藤海宏の来季トップ昇格が決まっていますけど、ユース監督の柳沢(敦)、テクニカルアドバイザーの満男、GKコーチの曽ケ端(準)、アカデミーダイレクターの鈴木修斗らOBが育成に尽力してくれています。


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◆「あらゆる手段で“鹿島らしさ”を未来につなげていく」どんな形でも頂点に立つ――斬新なチャレンジに期待だ【吉岡宗重FDインタビュー③】(サッカーダイジェスト)





指揮官の手腕が問われるシーズン後半戦


 今季から鹿島アントラーズを率いるランコ・ポポヴィッチ監督は、2009年の大分トリニータを皮切りに、FC町田ゼルビア、FC東京、セレッソ大阪とJリーグの4クラブで指揮を執った経験のある指導者だ。

 森重真人や徳永悠平など日本代表クラスのタレントを擁したFC東京、柿谷曜一朗や山口蛍らに加えてディエゴ・フォルランも加わったC大阪時代はタイトルへの期待も高まったが、結果を出せないままチームを去る形になっている。

 時に感情を爆発させたり、語気を強めたりする印象も強かったため、鹿島監督就任が明らかになった時、「彼のようなタイプの指揮官がこのチームに馴染むのか」といった懐疑的な目線を向ける人も少なくなかった。

 鹿島というクラブには、何があっても自らの考えをブレずに貫ける小笠原満男や本山雅志のような達観した選手がいたため、監督の気性が荒くてもあまり問題にはならなかった。が、今の若い選手は繊細でナーバスな傾向が強く、物事を深刻に受け取りがちだ。何か言われて委縮してしまう人間がいても不思議はない。そこは不安視された部分だろう。

「ポポヴィッチ監督も『鹿島で成功したい』という思いが強くて、今は我々とのコミュニケーションも密に取ってくれています。セルビア語で激しく喋ってくると、聞く側が想像以上に強く感じるということも伝えて、『お互いにアジャストしていこう』と言ってくれています。

 ピッチ内外での彼の立ち振る舞いをよく見ていますが、今は“堪えること”をすごくやってくれている。言いたいことはたくさんあるし、勝つためには言わないといけないことは躊躇なく指示しますが、状況によってはそれをグッと飲み込んで、いったん頭の中で整理して、言うべきことをシンプルに話す。そんな姿が印象的ですし、大分時代とは大きく変わったところかなと思います」と、鹿島の強化責任者である吉岡宗重フットボールダイレクターは、これまでの月日を噛みしめている様子だ。

 確かに今季のポポヴィッチ監督は、時に激しさや怒りを前面に押し出すものの、常に感情を起伏させているわけではない。

 6月30日のヴィッセル神戸戦を見ても、1-3で逆転負けした直後なら、不機嫌でロクに喋らないといった態度に出てもおかしくないだろう。だが、指揮官は熱心に応援してくれたサポーターに心からの感謝を口にし、鈴木優磨不在の課題についても、これまで以上に懇切丁寧に説明してくれた。

 その一挙手一投足を間の当たりにし、筆者も「ポポさんは年齢や経験を重ねて丸くなった」と痛感させられた。今の接し方が鹿島の若い世代には合っているのかもしれない。

 鹿島への適応・順応を進めるポポヴィッチ監督の手腕が問われるのは、ここからの後半戦だ。吉岡FDは「これまでやってきたことの成熟度を上げていく必要がある」と語っていたが、得点力アップと失点減という課題の両方に向き合っていくことが重要なのだ。

「アグレッシブなプレッシングやハードワークを前面に押し出した守備をしているので、連戦や夏場になってくると、どうしても守りが崩されることも増えてくる。失点数が増えるのはある程度、仕方ないと考えていたところもありました。その改善はマストですが、より点を取れるようにしなければいけないのも確かです。

 首位・町田ゼルビアとの直接対決が最終節にありますけど、それを待たずしてタイトルが取れる状態に持っていきたい。すでにルヴァンカップを失っているので、残されたのはJ1と天皇杯ですけど、優勝できるように最善を尽くしていくつもりです」


鹿島のDNA継承の重要性を強調


 吉岡FDが語るような成果を得られれば、常勝軍団復活への布石を打てるし、“鹿島らしさ”を継承していくことも可能になる。

 小笠原満男という偉大なプレーヤーの引退後、鹿島はタイトルから遠ざかっているが、小笠原とともにプレーした経験のある柴崎岳、土居聖真、植田直通、鈴木といった面々が今のチームにはいる。柴崎、植田、鈴木はみな海外から戻ってきた選手だが、鹿島の文化というものを知り尽くし体現できる存在を戻しながらチームを強くするという形は、これからも続けていく方向だという。

「昨季、植田と岳、今年移籍した昌子(源)が帰ってきて、何も語らなくても鹿島の伝統を示してくれていることで、多くの選手が自覚を強めていると思います。優磨も去年はその作業がうまくいかなくて苛立っているようにも見受けられましたけど、彼らが戻ってきて負担も軽減されたと感じています」と、吉岡FDは前向きに発言している。

 実際、植田などは、ことあるごとに「鹿島は常にタイトルを求められるクラブ」「負けは許されない」「2位で満足していられるチームじゃない」と言い続けており、まだ優勝経験のないメンバーも危機感を募らせているに違いない。

 川崎フロンターレも長い時間を要して2017年にJ1初制覇を果たしてから一気に黄金時代を築いたが、優勝というのはそれだけ大きな成長への起爆剤になる。どんな形でもいいから頂点に立つことが、今の鹿島に求められるタスクなのだ。

「今後はアカデミーから育ってきた選手もより戦力になってくれると思います。すでに徳田(誉)がJ1デビューを果たし、彼と松本遥翔、佐藤海宏の来季トップ昇格が決まっていますけど、ユース監督の柳沢(敦)、テクニカルアドバイザーの満男、GKコーチの曽ケ端(準)、アカデミーダイレクターの鈴木修斗らOBが育成に尽力してくれています。

 以前から『アントラーズ技術委員会』という場があって、そこでトップから下部組織の方向性のすり合わせをやっていたのですが、コロナもあって少し中断しています。今は全カテゴリーにOBがいますし、外で指導経験を積んでいる優秀な人材もいる。今後は彼らを監督に呼ぶ可能性もあります。あらゆる手段を講じて“鹿島らしさ”を未来につなげていくつもりです」

 鹿島のDNA継承の重要性を強調する吉岡FD。そのために、過去にクラブで指揮した指導者の再招聘なども模索していくこともあり得そうだ。もちろん今はポポヴィッチ監督体制で優勝することが最優先だが、近未来の鹿島が果たしてどうなっていくのか――。その舵取り役のさらなる斬新なチャレンジに期待したいものである。

※このシリーズ了(全3回)

取材・文●元川悦子(フリーライター)



◆中田浩二・山本脩斗の両レジェンドを抜擢。体制強化で「優磨依存のチーム」をどう引き上げていくのか【吉岡宗重FDインタビュー②】(サッカーダイジェスト)






本人も世界で活躍し、ワールドカップに出るという夢を描いているはず。昨シーズンから海舟とは海外移籍のタイミングについて協議してきましたが、今回のオファーを総合的に判断して、我々もそれを後押したいと考えた。彼を売ることで確実に移籍金を取って、次の補強を迅速に進めていくことが重要なんです。


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◆中田浩二・山本脩斗の両レジェンドを抜擢。体制強化で「優磨依存のチーム」をどう引き上げていくのか【吉岡宗重FDインタビュー②】(サッカーダイジェスト)






「合計11人。ようやく充実した組織で動けている」


 国内随一の“20冠”獲得の原動力となった鹿島の鈴木満元FD(現フットボールアドバイザー)が2021年末に退任し、22年から常勝軍団の強化部門のかじ取り役を引き継いだ吉岡宗重FD。1978年生まれの彼は、中村俊輔や山口智と同い年。40歳そこそこで大役を担うのは、やはり重圧も少なくなかっただろう。

 そこから2年間の鹿島はレネ・ヴァイラー、岩政大樹、今季はランコ・ポポヴィッチと指揮官が目まぐるしく変わったが、まだタイトルに手が届いていない。

 吉岡FDは苦境に直面するたびにメディアの前に姿を現わし、現状を説明していたが、FD1人の力で全ての問題が解決するわけではない。やはり強化体制のテコ入れは鹿島にとっての重要な課題だったのだ。

 そこで、鹿島は2023年途中にレノファ山口FCなどでジェネラルマネージャー経験のある石原正康氏を招聘。今季開幕前には中田浩二、山本脩斗という両レジェンドを強化スタッフに加えた。

「1年前は事実上、現場の強化スタッフが自分1人だけで、チームや選手の状況把握、評価、補強や候補者のチェックなど全てをやらなければいけない状態でした。満さんのような有能なFDだったらそれでも回ったんでしょうが、やはり自分にはそこまでは難しいのが実情です(苦笑)。

 石原が昨夏に加わってくれて、今年からは中田浩二、山本脩斗も入ってきた。今は私と中田浩二、石原が強化担当として練習を見たり、現場に関する業務をこなしていて、山本にはプロ選手をチェックする専門スカウトとして動いてもらっています。今後は彼の見極めた選手リストから補強選手を絞る予定です。

 我々に加えて、椎本(邦一)さんと牛島(真諭)の新卒スカウト2人、フットボールアドバイザーの満さんと、他にも強化管理担当が計4名いるので、強化部は合計11人体制。ようやく充実した組織で動けていると実感しています」と吉岡FDは言う。

 鈴木元FDの退任前から「鹿島は強化部門に選手OBを入れて、将来のGM・FD候補を育てていくべき」という指摘があちこちから聞こえてきていた。しかしながら、鈴木氏が剛腕かつ非凡だったがゆえに、そのアクションが遅れがちになっていた。それは紛れもない事実だろう。

 吉岡FDは10年以上、鈴木氏のもとでノウハウを学び、それを受け継ぐべく努力してきたが、やはり選手OBがいた方が現場やクラブにとってもプラスだし、サポーターの理解も取り付けやすくなる。動きが遅れたことは否めない事実だが、ここへきて体制構築が進んだことで、今季の好成績もアップしたのだろう。

「私自身、考える時間や余裕も生まれてきました。満さんと長く一緒にやってきたとはいえ、責任者は全くの別物。より厳しさを感じながらやっています」と、吉岡FDも後半戦に向けて今一度、気を引き締めている。

 彼ら強化部門にとって目下、非常に重要な案件と言えるのが、海外移籍が決まった佐野海舟の穴埋めだろう。鹿島の場合、過去にも内田篤人、大迫勇也、柴崎岳、植田直通、鈴木優磨、上田綺世とチームの主軸として活躍していた若手が海外移籍を選んできたが、その流れは加速する一方だ。

 日本代表としてワールドカップを目ざそうと思うなら、もはや海外移籍はマストといっていい時代になっている。鹿島もその流れは止められない。だからこそ、選手の意思を尊重しつつ、確実に移籍金を得て、次の強化につなげていくというサイクルを作っていくことが肝要なのだ。


直近の神戸戦は1-3の逆転負け


「我々はこれまで数多くの選手を海外に送り出してきましたけど、大なり小なりの移籍金は取ってきました。

 ただ、選手が『お試しで海外に行く』という時代はもう終わった。今回の海舟に関しても、かなりの金額で評価してもらえましたし、本人も世界で活躍し、ワールドカップに出るという夢を描いているはず。昨シーズンから海舟とは海外移籍のタイミングについて協議してきましたが、今回のオファーを総合的に判断して、我々もそれを後押したいと考えた。彼を売ることで確実に移籍金を取って、次の補強を迅速に進めていくことが重要なんです。

 次のボランチ候補には岳もライコ(ミロサヴリェヴィッチ)もいますし、組み合わせで解決できるところもあると考えています」と、吉岡FDは佐野の売却で得られる資金を有効活用し、後半戦につなげていく構えだ。

 そのうえで、チームの成熟度を引き上げ、勝点を積み上げていく必要がある。そのなかでやはり重要になるのは、鈴木優磨に依存しすぎないチームバランスを見出すことだ。

 攻撃面の優磨依存というのは、昨年に比べて解消されつつある印象だ。が、チーム全体における彼の影響力というのは今もなお絶大である。30代の柴崎、間もなく30歳になる植田ら年長者たちも発信力を見せているものの、鹿島アカデミー出身で小笠原満男の40番を引き継いだ優磨には、「常勝軍団復活への強い意欲と責任感」が色濃く感じられる。

 それを吉岡FDはどう見ているのか――。

「優磨がすごく重要なプレーヤーというのは誰もが認めるところですし、本人の勝ちへのこだわりや意気込みというのも絶大。ただ、チャヴリッチや濃野(公人)らがゴール数を伸ばし、得点力が分散していることもあって、優磨が背負っているものは昨年よりも少し軽くなり、本人も自分のプレーに集中できるようになったという見方をしています。

 今季をスタートする前にポポヴィッチ監督と共有したのは『特定の個に頼るのではなく、組織で戦えるチームを目ざす』ということ。優磨は確かに頭抜けた存在かもしれませんけど、累積警告やアクシデントが起きた時に戦えないというチームだと優勝は難しい。私はそう考えています」

 吉岡FDはこう語気を強めていたが、直近の6月30日のヴィッセル神戸戦では優磨不在の攻撃をうまく構築できず、昨季王者に1-3の逆転負けを食らってしまった。

 最前線に陣取ったチャヴリッチがリスタートから先制し、最高のスタートを切ったのだが、ライン間に下りてボールをつなぎ、起点を作れる優磨がいなかったことで、攻撃がノッキングを起こしたのだ。

 厳しい現実をどう受け止め、今後に活かしていくのか。今こそ強化部門と現場が一致団結して、難局を乗り越えていくしかないだろう。

※第2回終了(全3回)

取材・文●元川悦子(フリーライター)



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