日刊鹿島アントラーズニュース

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2024年2月29日木曜日

◆鹿島サポ怒号「ブラジルに帰れ!」 罵声浴び「非常にショックでした」…来日後の“カシマ騒動”【コラム】(FOOTBALLZONE)



オズワルド・オリヴェイラ


2007年に新指揮官として迎えられたブラジル指揮官、日本で苦難の船出に


 創設から32シーズン目に突入したJリーグの歴史のなかで、あとにも先にも3連覇を成し遂げているのは鹿島アントラーズだけだ。2007年に新指揮官として迎えられたオズワルド・オリヴェイラ監督の下、6年ぶりにJリーグを制すると、続く08年、09年も覇権を譲ることはなく、“常勝”の名をほしいままにした。

「このような素晴らしい成果を上げられたのは、何より選手たちの努力の賜物です。一時的な努力なら大半の選手ができるでしょう。しかし、努力をし続けるのは大変難しいことです。チームの勝利のために1人1人が責任を持ち、どんなことがあっても諦めず、自分の役割を全うしようと伝えてきました。それを選手たちは実践し続けてくれました」(オリヴェイラ監督)

 チーム力が拮抗し、群雄割拠と言われているJリーグのなかで、3シーズンにわたり“てっぺんの座”を明け渡さなかった事実は、やはり称賛に値するだろう。名うてのモチベーターと称されるブラジル人指揮官に率いられた鹿島は、まさに我が世の春を謳歌していた。

 だが、その船出は苦難に満ちていた。

 07年のJリーグ開幕戦は川崎フロンターレに0-1で惜敗し、第2節のガンバ大阪戦も同スコアで涙を飲んだ(連敗スタートは02年以来、2度目のこと)。中盤の要である野沢拓也が怪我のために離脱中。期待された新外国籍選手が今1つフィットせず、また、開幕2戦ともに退場者が出てしまい、10人での戦いを強いられるなど、躓きの要因が重なった。

 Jリーグと並行するナビスコカップ(現ルヴァンカップ)では公式戦初勝利を飾っていた。だが、好転のきっかけにならなかった。

 そんな最中に騒動が勃発する。

 07年4月7日、Jリーグ第5節の試合後のことだ。地元カシマスタジアムに大宮アルディージャを迎えての一戦。後半10分に相手選手が1人退場するなか、全体的に試合の主導権を握りながらも決め手を欠き、スコアレスドローに終わった。開幕2連敗のあと、これで3連続の引き分け。リーグ戦5試合を終えた時点で、未勝利のままはクラブ史上初めてのことだった。

 こうした事態に業を煮やす一部サポーターが、大宮戦を終え、スタジアムをあとにするチームバスを取り囲んだのだ。怒号が飛び交い、騒動が収まる気配はなかった。

「ブラジルに帰れ!」

 新指揮官に向けられた罵声は辛辣だった。なかには耳を疑うような暴言もあった。唯一の救いは、その日本語による非礼をオリヴェイラ監督が理解していなかったであろうことだ。

「大宮戦のあとの出来事は忘れられません。非常にショックでした。私が監督になって、鹿島は新たにスタートしたばかり。助っ人というべき外国籍選手も変わっていましたし、シーズン序盤はいろいろな面で手探り状態です。私の指導法や考え方を選手たちに理解してもらい、逆に、私が選手たち1人1人の特徴を理解するまで、やはり時間が必要だったと思います」


徐々にチーム状況は好転、終盤に破竹の9連勝を飾り頂点に


 鹿島の勝利を願い、熱量を持って選手たちを支えてくれるファンやサポーターの期待に応えられず、歯がゆい思いを募らせていた指揮官は「だからこそ——」と、その胸中を次のように打ち明けていた。

「苦しい状況をともに乗り越えようと、選手たちを励まし、あと押ししてほしかった。鹿島の勝利を願う気持ちを違う形で示してほしいと思いました」

 不穏な雰囲気に包まれた騒動から1週間後、第6節の横浜FC戦で、リーグ初白星を挙げ、ひと息ついた鹿島は、徐々にだが、チーム状態が上向く。11試合を終えた時点で、ついに貯金ができ、折り返しに入るころには3位にまで上昇。そして、終盤に破竹の9連勝を飾り、最後の最後に頂点に上り詰めた。

 シーズン中、一度も首位に立つことがなかった鹿島が劇的な逆転優勝を果たし、通算10個目のタイトルを手中にする。クラブ史上、最悪のスタートと言われた07年。躓きを躓きのままで終わらせず、飛躍の原動力に変えていった。

 Jリーグ史上初の3連覇という金字塔を打ち立てた09年12月5日は、鹿島にとってクラブの歴史と伝統を彩る記念日にほかならない。実は、その日はオリヴェイラ監督の59回目の誕生日でもあった。人智を越えたこの巡り合わせに、ただただ驚嘆するばかりではないだろうか。

(小室 功 / Isao Komuro)




◆鹿島サポ怒号「ブラジルに帰れ!」 罵声浴び「非常にショックでした」…来日後の“カシマ騒動”【コラム】(FOOTBALLZONE)





2020年9月29日火曜日

◆内田篤人を鹿島恩師&ブラジル勢も敬愛 マルキーニョス「アツは特別なアミーゴ、兄弟だ」(Number)






 2006年に清水東高校を卒業して17歳で鹿島アントラーズへ入団した内田篤人は、シーズン前の宮崎キャンプでブラジル人のパウロ・アウトゥオリ監督に高く評価され、3月5日のJリーグ開幕戦(対サンフレッチェ広島)に先発フル出場。以後も、シーズンを通して試合に出続けた。

 高卒新人が強豪クラブでレギュラーを張るのは、日本のフットボール史上、極めて稀である。抜擢したアウトゥオリ(現ボタフォゴ監督)は、こう述懐する。







「宮崎キャンプで彼を見て、目を見張った。敏捷でテクニックがあり、クロスの精度が高い。気持ちが強く、どんどん前へ飛び出していく。守備も悪くない。

 当時、日本人のサイドバックは守備を気にするあまり、攻撃参加に消極的なタイプが多かった。でも、アツトは違った。まるでブラジル人のようにアグレッシブで、失敗を恐れず、伸び伸びプレーする。

 先輩からのアドバイスを素直に聞く一方で、萎縮している様子はない。若さに似合わず人間としてバランスが取れており、誰からも好かれていた。これほどの逸材を起用しない理由はどこにもなかった。驚いた人もいたようだが、私は自分の判断に自信があった」


アウトゥオリからオズへの“引継ぎ”


 アウトゥオリは、2006年限りで鹿島を退団。2007年から指揮を執ったのは、やはりブラジル人のオズワルド・デ・オリヴェイラだった。




「就任前、パウロからクラブやチームの状況について説明を受けた。内田については『若いが、能力的にも人間的にも非常に頼りになる。いずれチームの屋台骨を背負う存在になれる男だから、大切に育ててほしい』と言われた。

 実際に彼を見て、アウトゥオリが言ったことの意味がよくわかった」


マルキーニョスが称える最大の特徴とは


 この年、鹿島に新加入したブラジル人選手が3人いた。

 そのうちの1人が、2001年以降、東京ヴェルディ、横浜F・マリノス、ジェフ市原、清水エスパルスを渡り歩き、常に点を取り続けていたマルキーニョスである。





「アツは、スピード、技術があるのはもちろんだけど、最大の特徴はインテリジェンスだと思う。

 守備では、チームにとって最も危険な事態を予知し、それを防ぐためのポジショニングを常に考えていた。プレーに関しては、複数のオプションを用意し、その中から試合の状況に応じてべストの選択をしていた。

 このような姿勢は選手として成長していくうえで非常に重要だと思うんだけど、そのことをまだプロ2年目の若手が理解し、実践していることに驚いた。この賢さがあれば将来、素晴らしい選手になると確信したよ」


祝賀会で「外国へ行くのかい?」と聞くと


 2人は、2010年7月に内田がシャルケ(ドイツ)へ移籍するまでの3年半、一緒にプレーした。そして、年齢、キャリア、国籍、ポジションの違いと言葉の壁を越えて、特別な関係を築いた。

「アツとは、片言の日本語とポルトガル語でよく話をした。僕は、幼い頃からプロ選手になるのが夢だった。若くして親元を離れ、19歳で念願のプロになり、ブラジル国内でステップアップしてから日本へやってきた。最初は言葉、気候、食事、プレースタイルなどの違いに戸惑ったけれど、障害を一つひとつ克服し、継続して結果を出すことができた。そのことに、アツはとても大きな敬意を払ってくれた。

 僕の方も、謙虚でありながら自分の考えをしっかり持っているアツのことが大好きになった。やがて、彼とはアミーゴ(真の友人)になり、いつしか兄弟のような間柄になった。

 2009年末、Jリーグ3連覇の祝賀会で彼に『外国へ行くのかい?』と尋ねた。『どうしたらいいと思う?』と逆に聞き返されたので、『行った方がいいよ』と答えた。

 アツが抜けたら、チームにとって大きな痛手となるのはわかっていた。でも、僕自身がそうだったように、外国で生活し、プレーすることで選手として人間としても大きく成長できる――そう思って『弟』にアドバイスしたんだ」


ダニーロやファボンも懐かしそうに語る


 MFダニーロとCBファボンは、共に2004年から2006年まで名門サンパウロで活躍し、2005年、アウトゥオリ監督が率いるチームで南米クラブ王者、世界クラブ王者となっていた。アウトゥオリ監督の推薦で、同時期に鹿島へ移籍した。

 ダニーロは、2009年まで3シーズン、内田と一緒にプレーした。

「とてもスピードがあり、攻撃参加するタイミングが素晴らしかった。日本最高のサイドバックの1人で、それだけに年齢別日本代表やA代表と掛け持ちで試合に出ていて、いつも大忙し。見ていて可哀そうになるくらいのハードスケジュールだったけど、一生懸命頑張っていた」

 CBファボンも、1シーズン限りだったが一緒にディフェンスラインを組んだ。

「彼の無尽蔵のスタミナには驚いた(笑)。岩政(大樹)、小笠原(満男)ら先輩からのアドバイスを、いつも真剣に聞いていた姿が印象に残る。とても真面目で、誠実。真正面からフットボールに取り組んでいて、向上心の塊だった」


対戦相手として内田を見たクルピの視点


 当時、内田と対戦したブラジル人監督がいる。2007年からセレッソ大阪を率いて香川真司(現サラゴサ)、山口蛍(現ヴィッセル神戸)らを育てたレヴィー・クルピである。

「敵ながら、素晴らしい選手。彼のサイドからの崩しは脅威だったし、守備も急速に上達していった。パウロ(アウトゥオリ)とオズワルド(デ・オリヴェイラ)が彼を重用したのは当然だろう。もし彼が自分のチームにいたら、やはり17歳だろうが18歳だろうが起用したはずだ。

 でも、1つだけ理解できなかったことがある。どうして、あんなに女性ファンが多かったんだい?(笑)」


「いずれ“彼のチーム”と対戦できたら」


 なお前述したマルキーニョスは2015年末、ヴィッセル神戸を最後に現役を引退。現在は、ブラジル南西部に住み、広大な牧場で3000頭もの牛を飼育するかたわら、44歳だがフットバレー(ビーチバレーのコートで、脚、頭、胸などを使ってプレーする)の選手として活動している。

「アツが現役を引退したと聞いて、驚いたよ。だって、まだ32歳だろ? 僕は39歳までプレーしたし、彼もまだまだプレーするものだと思っていた。でも、近年はずっと怪我に苦しんでいたから、仕方がないのかな。

 20年間の選手生活を通じて多くの友人ができたけど、その中でもアツは僕にとって非常に特別な存在。新型コロナウイルスの問題が片付いたら、日本へ行ってぜひ会いたいね」

 ダニーロは昨年5月、40歳で現役を退いた。

「選手の頃から、将来は監督になりたいと考えていた。これからブラジルサッカー連盟の監督コースを受講して、ライセンスを取得するつもりでいる。

 アツトも指導者を目指しているらしいね。2人が監督になって、いずれ僕のチームが彼のチームと対戦できたら素晴らしいね」

 今回、内田篤人にまつわる話を聞かせてくれた6人は皆、選手・内田はもちろんのこと、人間・内田を高く評価し、懐かしがっていた。

 日本とドイツで多くのファンから愛された男は、百戦錬磨のブラジル人にも強烈な印象を与え、なおかつ敬愛されていた。


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2019年12月30日月曜日

◆<2019ベストヒット!>番記者が選ぶ、平成の鹿島アントラーズベスト11! “常勝軍団”を象徴する11人はこのメンバーだ!(サッカーダイジェスト)






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“ジーコイズム”が血となり、肉となって


 2019年の名場面を『サッカーダイジェストWeb』のヒット記事で振り返る当企画。今回は、平成から令和に切り替わるタイミングで『サッカーダイジェスト』誌が5月9日号(4月25日発売)で行なった『番記者が選んだ平成ベストイレブン』をお届けする。果たして、番記者が選んだ常勝軍団のベストイレブンとは?

記事初掲載:2019年4月30日

――◆――◆――

【ベスト11選出理由】
 常勝を志向してきた鹿島ゆえ、タイトルを獲得したチームにいかに貢献したか、その功績を重視しながらベスト11を導き出した。監督は在任5年で6冠を手にしたオリヴェイラを推す。

【鹿島アントラーズの平成史】
 住友金属工業蹴球団を母体とする鹿島のクラブ創立は平成3年、つまり91年の10月だ。Jリーグ創設時の「オリジナル10」では唯一JSL(日本サッカーリーグ)2部からの参加で、チーム力がもっとも不安視されていた。そんなクラブを牽引したのが世界的なスーパースターのジーコだった。
 徹底的に勝負にこだわり、クラブの結束力を重視するジーコイズムが血となり、肉となり、的確な戦力補強も相まってJリーグ初年度はファーストステージの王者に輝く。96年にJリーグ初優勝を果たすと、18年のACL初制覇まで他の追随を許さない通算20冠を数えてきた。

 これまでに成し遂げてきたのは、いくつもの“史上初”だ。00年に国内3大タイトルを総なめ、07年からはJ1で3連覇の偉業を果たし、16年にはクラブワールドカップで準優勝と、歴史の扉を開いてきた。
 それでも選手を含めた関係者が一向に満足した様子を見せないのが、このクラブの伝統だ。時代の流れとともに監督や選手が入れ替わっても、掲げる目標は「全てのタイトルを獲りにいく」。脈々と受け継がれてきたジーコイズムは、今もしっかりクラブに息づいている。
取材・文●小室 功(オフィスプリマベーラ)


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2019年11月2日土曜日

◆“低迷”浦和レッズ、ACL決勝進出もJリーグは9位… “常勝”鹿島アントラーズの差(zakzak)



興梠慎三 Shinzo.Koroki


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 --浦和が2年ぶりにアジアチャンピオンズリーグ(ACL)の決勝に進出。対照的にリーグ戦では9位を低迷中

 清水「おかしな話だよな。ここまで差が出るチームは過去にないよ」

 --2部落ちはないだろうが、入れ替え戦のプレーオフ圏内(16位)とは勝ち点差5しかない

 「さすがにプレーオフはないとは思うけどな(苦笑)。ACLに優勝したとしても、とても手放しでは喜べないぜ」

 --ここ数年浦和のサッカーがつまらなくなったともよく耳にする

 「そりゃ、そうさ。広島の監督をしていたペトロヴィッチ=現J1札幌=を連れてきて、毎年広島の主力を引き抜いてきただけだもん。そして今度は、鹿島で3冠を取ったことがあるからってオリヴェイラ監督を連れてきた。どんなサッカーをやりたいのか土台がないから、負けが込むとすぐに監督をクビにする。悪循環だ」

 --今季の浦和はFW興梠が軸

 「そうさ。興梠が前所属していたのは…」

 --鹿島アントラーズ

 「だろ~?(苦笑)。浦和にはこういうサッカーをしたいというビジョンがないんだよ」

 --なるほど

 「それに引き換え鹿島は、この間フロントに聞いたんだが、チーム作りは“5年周期”でやっているといっていた。世代交代期は、たとえチーム成績が不振でも我慢すると言っていた。常に勝つことが一番なんだけど、こういう視点があるかないかが、鹿島と浦和の差だと思うね」

 --浦和の進むべき道は

 「アジアだけで強いクラブではなく、世界の誰もが知っている強いクラブを作らなきゃ。それはやっぱり浦和がなるべきだと思う。身の丈にあった経営なんて言わないで、お金を使って、アッと驚くことをやって、憎らしいほど強いクラブを作ってほしいよ」(元J1仙台監督・清水秀彦)=聞き手・久保武司


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2019年8月22日木曜日

◆元浦和のオリヴェイラ監督、フルミネンセ新指揮官に就任 降格圏低迷の名門立て直しへ(FOOTBALLZONE)



オズワルド・オリヴェイラ Oswaldo Oliveira


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今季途中で浦和の監督を解任 フルミネンセでは3度目指揮


 今季途中で浦和レッズの監督を契約解除となったオズワルド・オリヴェイラ氏が、ブラジルの名門フルミネンセの監督に就任したことが発表された。クラブ公式サイトで発表されている。

 フルミネンセは現地時間20日の取締役会でオリヴェイラ監督の就任を承認し、21日から指揮を執るとしている。オリヴェイラ監督にとっては、2001-02シーズンと06年に続くフルミネンセで3回目の指揮となる。

 07年から11年まで鹿島アントラーズを率いリーグ3連覇の実績を残したオリヴェイラ氏は、18年4月に浦和の監督にシーズン途中で就任した。守備面の整理とセットプレーを重視するトレーニングを積み、浦和は昨季の天皇杯を制して今季のAFCチャンピオンズリーグ(ACL)出場権を獲得した。

 今季も継続して浦和の指揮を執ったが、シーズン前のキャンプではトレーニングマッチを組んだのが1試合のみとフィジカル中心の構成となり、開幕直後から戦術的な積み上げを欠いて苦戦。ACLではグループステージを突破したものの、リーグ戦での低迷が響いて5月末に契約解除となっていた。

 フルミネンセは現在3勝3分9敗でブラジル・セリエAの降格圏と苦戦している。68歳になったオリヴェイラ氏は“オズの魔法”で母国の名門を立て直すことができるだろうか。

(Football ZONE web編集部)




◆元浦和のオリヴェイラ監督、フルミネンセ新指揮官に就任 降格圏低迷の名門立て直しへ(FOOTBALLZONE)





2019年6月6日木曜日

◆ヴィッセル神戸よりも末期? ”金満クラブ”浦和レッズの病巣とは?(日刊サイゾー)






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 5月28日、浦和レッズのオズワルド・オリヴェイラ監督が解任された。鹿島アントラーズを率いた際にはリーグ3連覇、YBCルヴァンカップや天皇杯などタイトルを6度も獲得し、名将と評されたオリヴェイラ監督が、である。

 2018年に浦和の監督就任後も、1年もかからずに天皇杯優勝をもたらすなど結果を残したが、なぜ解任されてしまったのか?

 今季の浦和はACL(アジア・チャンピオンズリーグ)こそラウンド16に進出しているものの、リーグ戦は4連敗を喫し、14節終了時点で5勝3分6敗の10位に。浦和経営陣は、リーグ戦での成績を重く見て電撃解任したと声明を発表したが、実際のところはどうなのだろうか?

「一番の理由は、オリヴェイラ監督のスピリットと浦和というクラブの色が合わなかったことが挙げられます。オリヴェイラ監督は外部に敵を作り、内側をまとめます。鹿島時代がその最たる例で、審判やリーグ批判を繰り返し、ある試合後には通訳が涙ながらに『なぜ鹿島に不利な判定ばかりするんだ』と叫んだこともありました。その監督の熱に、『俺たちも頑張ろう』と選手たちが結束していく。ですが、鹿島でその手法を散々使っているため、浦和で同様のパフォーマンスをしても、『あぁ、こういうパターンなんだ』で終わってしまう。オリヴェイラ監督は求心力を高め、フィジカルサッカーで勝利を重ねるタイプですから、その掌握がうまくいかないと結果が出ない。それを見切ったのではないでしょうか」

 首都圏から離れた鹿島とは違い、浦和は東京のベッドタウンでもある。都内に住む選手たちも多く、鹿島と浦和では、生活からして色が違う。これが地方のクラブならば、鹿島の二番煎じでもうまくいったかもしれない。さらにいえば、監督と選手のマッチングの問題もある。

「オリヴェイラ監督が結果を出した時の鹿島は、勝利至上主義の選手が多かった。一方で今の浦和に在籍する選手たちは、現在コンサドーレ札幌を指揮し、攻撃サッカーで旋風を巻き起こしているミハイロ・ペトロヴィッチ監督の申し子が多い。彼らは、サッカーそのものに楽しみを求めている。審判や相手選手に敬意を払い、美しいサッカーを見せる半面、勝負弱さがある。そんな選手たちとオリヴェイラのサッカーが合うはずがない。ペトロヴィッチの戦術から、オリヴェイラの戦術にかじを切ったフロントが、一番の問題です」(同)

 ヴィッセル神戸のように、オーナーである三木谷浩史会長の独裁に問題があるのならば、ある意味で病巣ははっきりしている。

 だが、浦和の場合、経営陣はサラリーマンばかりで、数年後にはほとんどがクラブを去る。にもかかわらず、クラブ創設以来、同じ問題を抱え続けている。途中、サッカー界からGMを引っ張ってきて任せても、数年後にはスクラップされる。ビルドされることなく、積み上がらなかった石の残骸が浦和には散らばっている。今回でいえば、オリヴェイラ監督を就任させるならば、選手を総入れ替えするくらいの決断をフロントは行うべきだった。

 そういった背景を見ると、神戸よりも浦和のほうが末期に思える。金満な2つのクラブが惨憺たる状況というのは、なんとも皮肉なものである。

(文=TV Journal編集部)




◆ヴィッセル神戸よりも末期? ”金満クラブ”浦和レッズの病巣とは?(日刊サイゾー)


2019年5月29日水曜日

◆浦和がオリヴェイラ監督を電撃解任!! 後任には“組長”大槻氏、クラブは緊急声明を発表(ゲキサカ)



オズワルド・オリヴェイラ Oswaldo Oliveira


鹿島アントラーズ三連覇 (単行本・ムック) / 茨城新聞社


 浦和レッズは28日、オズワルド・オリヴェイラ監督を解任し、前ヘッドコーチの大槻毅氏が新監督に就任することを発表した。

 浦和は現在、J1リーグ戦で5勝2分6敗の11位。AFCチャンピオンズリーグ(ACL)では決勝トーナメント進出を果たしたものの、リーグ戦では直近4試合4連敗と大きく苦戦していた。

 オリヴェイラ監督は昨年4月下旬に就任したが、わずか1年余りでの解任。“組長”の愛称で親しまれる大槻氏は昨季、オリヴェイラ監督の就任前にトップチームの暫定指揮官を務め、公式戦4勝2分という快進撃を牽引した実績を持つ。

 浦和は同日、立花洋一代表名義での声明を発表した。以下、公式サイトより全文を引用する。

「日ごろより浦和レッドダイヤモンズをサポートいただき、ありがとうございます。

 オズワルドオリヴェイラ監督には、就任以来、勝利へのこだわり、メンタリティーなどを選手に植え付けていただき、本当に感謝しています。また、彼の力があったからこそ、天皇杯を最高の形で優勝することができました。本当にありがたかったです。特にこの優勝で、浦和レッズに関わる人たちが一つになったときの強さをあらためて体現してくれました。

 今年は、ACLとリーグの2冠を目標に掲げスタートしていますが、リーグでは、思い通りの結果が出ておりません。特にホームゲームでの試合内容が悪く、トレーニングでも改善されず、非常に苦しい状況が続いています。

 これまでチームに対しては、ACLとリーグを戦い抜けるだけの戦力補強を行いました。また、オリヴェイラ監督の要望を受け、コンディション回復機器の導入や、食事の提供などのサポートを実施してきました。

 しかしながら、それらを生かし切れているとは言えない現状があり、このままでは、優勝はもとより上位進出もままならないと判断し、監督、ヘッドコーチの経験がある大槻 毅氏に監督に就任していただくこととしました。

 大槻氏は、チームを外から見ていて足りない部分も把握しており、その戦術的な部分を植え付けることで、チームを躍動させてくれると確信しています。何より、クラブとして掲げている、浦和のために最後まで走り、闘い、貫くことを体現させ、特にホーム埼玉スタジアムでの強い浦和レッズを復活させてくれると期待しています。クラブとしても、その構築に向けて全力でサポートしていきます。

 みなさまにはご心配をおかけし、大変申し訳ありませんが、引き続きのサポートをよろしくお願いいたします」。



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◆浦和がオリヴェイラ監督を電撃解任!! 後任には“組長”大槻氏、クラブは緊急声明を発表(ゲキサカ)





◆浦和オリベイラ監督の契約解除 後任「組長」大槻氏(ニッカン)



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浦和レッズがオズワルド・オリベイラ監督(68)を解任し、後任に前ヘッドコーチの大槻毅氏(46)が就くことが28日、分かった。

この日、午前10時から行われた上武大との練習試合はオリベイラ監督が指揮を執ったが、終了後に通達。リーグ戦4連敗と低空飛行が続く現状の責任を取る形となった。29日の練習から大槻新監督が現場復帰し、6月1日のJ1リーグ川崎フロンターレ戦(等々力)に向けた立て直しの指導が始まる。鹿島アントラーズで07~09年にリーグ3連覇を達成したオリベイラ監督は昨年4月、当時の大槻暫定監督の後を受けて途中就任。下位に沈んでいたリーグ戦を5位まで押し上げ、天皇杯優勝にも導いていた。続投し「リーグとACLの2冠」を掲げた今季は、ACLこそ今月21日に1次リーグをグループ2位で突破したものの、リーグ戦は低迷。現在10年ぶりの4連敗中で11位まで落ち、降格圏まで勝ち点5差の5勝2分け6敗と負け越していた。得点力不足が深刻で、得失点差もマイナス7まで落ち込んでいる。

2日前のサンフレッチェ広島戦はホームで0-4の大敗。メンバーを固定しすぎている弊害か、若手が躍動した広島に走り負けた。試合後の会見では「悲惨な午後になってしまった。前の試合(21日のACL北京国安戦)で掛かった負荷の影響が大きかった。中4日あったので十分に回復できているという見込みでメンバーを編成したが、不運なことに消耗の度合いを評価し切れなかった」と肩を落としていた。

同日、報道陣に囲まれた中村修三GMは進退について「今日、終わったばかりだから。いつも通り」と即日解任を否定していたが、ホームで1勝1分け5敗という内容、オリベイラ監督がフィジカルコーチ出身ながら生命線の体調管理で優位に立てなかった事実などを重く受け止め、オフ明けまでにクラブとして苦渋の決断を下し、発表した。

内部昇格となる大槻氏は昨年4月2日、開幕5戦勝ちなしの成績不振で解任された堀孝史前監督に代わって、育成ダイレクター兼ユース監督から暫定監督に昇格した。黒スーツに、気合を入れるためのガチガチのオールバックの髪形。北野武監督の任侠映画「アウトレイジ」シリーズに登場する人物そっくりな風貌で、選手やサポーターから「組長」と愛されていた。

就任後はルヴァン杯1勝1分け、リーグ戦3勝1分けと無敗でオリベイラ監督にバトンを渡したが、ヘッドコーチとして支えていた今年3月8日に退任。現場から離れ、立ち上がったばかりの「海外クラブとのネットワーク構築推進プロジェクト」の責任者に“抜てき”されていた。クラブの窮地に、配置転換からわずか3カ月弱でベンチへ戻ることになった。【木下淳】

◆大槻毅(おおつき・つよし)1972年(昭47)12月1日、仙台市生まれ。仙台二高から筑波大。地元宮城の富谷高教員を務めながらJFLソニー仙台などでプレー。高い分析力で筑波大、水戸、大宮のコーチを歴任し、04年に強化本部スタッフとして浦和入り。06~10年はトップチームのコーチを務めた。11年は仙台ヘッドコーチを経験。12年に浦和へ戻り、13年から18年まで育成ダイレクター兼ユース監督として関根貴大や橋岡大樹らを育てた。




◆浦和オリベイラ監督の契約解除 後任「組長」大槻氏(ニッカン)





2019年1月3日木曜日

◆現実主義のオズ&大槻体制の浦和、 最重要な補強ポイントはサイド。(Number)


オズワルド・オリヴェイラ Oswaldo Oliveira


 まるで往年の鹿島アントラーズのような戦いぶりだった。天皇杯を制した浦和レッズのことである。

 12月5日に行われた準決勝では、その鹿島のお株を奪うかのように、セットプレーで得た虎の子の1点を守り抜き、9日のベガルタ仙台との決勝でもセットプレーの流れから宇賀神友弥のスーパーボレーで先制。早くも62分には柏木陽介に代えて“クローザー”の柴戸海を送り出す。

 アディショナルタイムには相手のコーナー付近でボールをキープしながら時計の針を進め、1-0ながら盤石の勝利でタイトルと来季のアジア・チャンピオンズリーグの出場権を掴み取った。

「(試合終了を告げる)笛が鳴ったあと、自分たちらしくないな、ってみんなが言っていた」と槙野智章は苦笑したが、闘う姿勢や勝負強さ、試合巧者のゲーム運びは、鹿島の元指揮官で、4月に途中就任したオズワルド・オリヴェイラ監督が植え付けたものだ。

 '12年から昨季途中まで指揮を執ったミハイロ・ペトロヴィッチ監督が理想を追求するロマン主義なら、現体制は超がつくほどの現実主義。スタイルは完全に切り替わったと言っていい。

'18年序盤戦は苦しんだ。

 それにしても、わずか5節で堀孝史監督が解任されたとき、このようなシーズンのエンディングをいったい誰が予想できただろうか。

 もっとも、シーズン序盤に躓く予兆は、確かにあった。昨季、ACLを制したとはいえ、リーグ戦は3連敗で幕を閉じていた。しかも、始動後しばらくして、得点源として期待していたラファエル・シルバが中国へと電撃移籍を果たす。そのうえ、本格的に導入した4-3-3の攻撃的なスタイルが一向に形にならず、指揮官は求心力を失った。

“大槻組長”で劇的な改善。

 そんな浦和に幸運だったのは当初、新監督への“繋ぎ”と考えられていた、大槻毅暫定監督が予想以上の成果を残したことである。

 浦和ユースの監督から内部昇格した指揮官は、慣れ親しんだ3-4-2-1へと戻して若手を抜擢。指揮を執った公式戦6試合4勝2分の成績をあげてチームを立て直したばかりか、オールバックの風貌と過激な檄で“組長”“アウトレイジ”と親しまれ、大原グラウンドや埼玉スタジアムにポジティブな雰囲気をもたらしたのだ。

 槙野が言う。

「ひと言で言えば、ファンタスティックでしたね。言葉の力で人を動かせる方。練習を終えてクラブハウスに引き上げるとき、選手よりも人気があるくらいでしたから」

 その後、バトンはオズワルド・オリヴェイラへと引き継がれた。就任当初こそ黒星がかさんだが、守備戦術やセットプレーなど足りないものを整理し、夏の中断期間にフィジカル面を鍛え直すと、中断明けから白星が先行していく。16節の名古屋戦から5試合負けなしをマークすると、26節の横浜戦からも4勝1分で順位を上げた。

人材が合わず3バック継続。

 後半戦における巻き返しに向けて大きかったのは、指揮官が形にこだわらず、陣容に合った最適解を見つけたことだろう。

 浦和での就任会見で指揮官は「4バックが私の好む形」と明かし、「夏の合宿中に多くのメッセージを選手たちに伝えられる。より大きな変化をもたらすことができる」と、3バックから4バックへの変更を示唆していた。

 だが、純粋なサイドバックの人材がいないといった事情を考慮したのだろう、中断後も3-4-2-1を継続。さらに、それを進化させ、秋に青木拓矢、柏木、長澤和輝を中盤に並べる3-5-2という最適解を見出すのだ。それは、形にこだわって崩壊した堀体制との大きな違いだった。

W杯直後の槙野と遠藤が天皇杯に。

 また、指揮官の勝負への飽くなきこだわりも、浦和に勝負強さをもたらした。

 7月11日の天皇杯3回戦。松本山雅とのゲームでロシア・ワールドカップを終えて帰国したばかりの槙野と遠藤航を、指揮官はスタメンで送り出すのだ。

 日本代表の吉田麻也がツイッターで「Jリーグ組オフ少なすぎだよー。もっと選手の事労ってよー。笑」と投稿したことでも話題になったこの起用。オズワルド・オリヴェイラ監督は、天皇杯で優勝するために力を貸してくれと訴え、ふたりは了承したという。その試合で松本に2-1と競り勝つと、それ以降の4試合で1点も許さずに頂点へと駆け上がるのだ。

 槙野が振り返る。

「おそらく鹿島にもこういうことを落とし込んだんだろうなっていう勝ち方、勝ちグセを監督は僕らにも植え付けてくれた。苦しくても身体を張って我慢すれば、必ず1点取って勝てる。チームとしてピンチのときこそ楽しむことができたと思います」

ブッフバルト時代への原点回帰。

 一時代を築いたミシャ時代とは真逆のスタイルだが、それはある意味、タイトルを積み重ねた'04年~'06年のギド・ブッフバルト時代のスタイルへの原点回帰と言えるかもしれない。あのときも、固い守備というベースの上に築かれた破壊力のある攻撃によって、タイトルを掴み取ったのだ。

 ベースは築かれた。あとは、それに合った選手補強ができるかどうか。

 12月26日までに浦和が発表した選手補強はFW杉本健勇、MF汰木康也、DF鈴木大輔の3人。もともと前線には興梠慎三、武藤雄樹、アンドリュー・ナバウト、ファブリシオ、3バックも槙野智章、岩波拓也、マウリシオ、阿部勇樹、森脇良太と揃っているため、選手層の充実が図られた。3ボランチも青木、柏木、長澤に加え、柴戸、山田直輝が控えている。

アウトサイドの即戦力が欲しい。

 それゆえ、補強すべき最重要ポイントは、アウトサイドだろう。平川忠亮が引退したため、計算できる選手は、宇賀神友弥、菊池大介、橋岡大樹、荻原拓也の4人しかいない。

 しかも、橋岡と荻原はU-20日本代表に招集される可能性が高いのだから、なおさらだ。アウトサイドの即戦力を獲得できるかどうか。

 再びアジアチャンピオンに輝くために掴み取ったACLの出場権がチームにとって重荷にならないためにも賢い補強が必要となる。

 この2年間、シーズン終盤でなんとか帳尻を合わせてきたが、3年続けてスタートダッシュの失敗は、もう許されない。




◆現実主義のオズ&大槻体制の浦和、 最重要な補強ポイントはサイド。(Number)




2018年12月8日土曜日

◆天皇杯準決勝敗退も、今季は改めて 鹿島というクラブの凄さを痛感した(Sportiva)






 天皇杯準決勝で実現した浦和レッズと鹿島アントラーズの対戦は、すなわち、昨季と今季のアジア王者同士の激突である。

 だが、アジアの頂点に立った両チームも、鹿島が一昨季天皇杯を制したのを最後に、国内では無冠。今季残された最後の一冠をかけ、両者のプライドがぶつかり合った一戦は、よくも悪くも、負ければ終わりのトーナメント戦らしい、互いが勝負にこだわった試合となった。

 結果は、1-0で浦和が勝利。前半のうちに浦和がCKから先制すると、その後は鹿島が攻勢に試合を進めたものの、「トーナメントではこういう戦いも必要。割り切って守りに回った」(FW興梠慎三)という浦和が逃げ切った。

 ピッチコンディションが悪く、パスをつなぐのが難しかったため、鹿島はなりふり構わず、シンプルに前線へとボールを入れていく攻撃で浦和に圧力をかけ続けたが、ゴールにはつながらなかった。

 最後の一冠(とともに、来季AFCチャンピオンズリーグの出場権獲得)にかける浦和の意地が勝った格好だが、とはいえ、今季の鹿島の健闘――”異常”とすら表現していいほどの過密日程を戦い抜き、アジアを制した――は、大いに称えられて然るべきだろう。

 浦和のオズワルド・オリヴェイラ監督も試合後、勝利した自チームはさておき、まずは古巣である鹿島に賛辞を贈った。

「鹿島はすばらしいチーム。メンバーを入れ替えてJ1とACLを戦っていたが、どちらのチームもあまりにいいプレーをするので、どちらがレギュラーかわからなくなるくらいだった」

 そもそも今季のJ1は、ワールドカップ開催に合わせた約2カ月間の中断期間を挟んだため、その前後の試合日程に”しわ寄せ”が来るのはやむを得ないことではあった。

 5月のゴールデンウイーク期間中には短い間隔で試合が詰め込まれ、中断前までに全日程のほぼ半分にあたる第15節までを消化。中断明けの再開後も、7月、8月の夏休み期間中は週2試合のペースで試合が組まれた。

 だが、これだけなら全チームが同じ条件である。鹿島の試合日程が本格的に”異常事態”と化していくのは、ACL準々決勝第1戦が行なわれた8月28日からだ。

 この日からACL決勝第2戦が行なわれた11月10日(現地時間)までの75日間で、鹿島がこなした試合数は、J1、ACL、ルヴァンカップ、天皇杯を合わせて19試合。約2カ月半もの間、3~4日に1試合のペースで試合をこなしていた計算になる。しかも、そのなかには、中国、韓国、イランでのアウェーゲームまで含まれているのである。

 こうなると、すべての試合を同じメンバーで戦い抜くのは難しい、というより、不可能だ。必然、鹿島は試合ごとに大きくメンバーを入れ替えることになった。完全なターンオーバー制が採られたわけではないが、大まかに言えば、最重要タイトルであるACLに主力メンバーを、その前後の試合には控えメンバーが起用された。有り体に言えば、ACL以外の試合では、メンバーを落としたわけである。

 ところが、前述のオリヴェイラ監督の言葉にもあるように、それでも鹿島は強かった。

 象徴的なのが、J1第31節のセレッソ大阪戦、第32節の柏レイソル戦の2試合だ。

 セレッソ戦の3日後にはACL決勝第1戦が、柏戦の4日後には同第2戦(しかも、イランでのアウェーゲーム)が控えていたため、鹿島はそれまで以上に主力を温存。DF町田浩樹、DF小田逸稀、MF田中稔也、FW久保田和音といった、今季リーグ戦出場が10試合にも満たない若手選手が数多く起用された。勝負は度外視、とまでは言わないまでも、出場メンバーを決めるにあたり、大岩剛監督にもそれなりの覚悟はあったはずだ。

 ところが、鹿島はこの2試合に連勝。とりわけ柏戦では、先制後に一度は逆転されながらも、どうにか引き分けに持ち込むどころか、3-2で勝ち切ってしまったのである。最終的に鹿島がJ1で、4位と勝ち点1差の3位に入り、来季ACLの出場権を確保したことを考えれば、あまりに価値ある勝利だった。

「試合に出る、出ないにかかわらず、すべての選手がこの試合に向けて準備してきた。チームの一体感が試合を追うごとに大きくなっていると実感している」

 柏戦後、大岩監督はそんなことを話していたが、国内タイトルの試合がすべて終わった現在、指揮官は今季の成果として、改めて強調したのも「一体感」だった。

「今季前半戦は苦しい戦い(中断前の第15節終了時点で11位)だったが、ワールドカップの中断期間を経て、一体感が出てきた。誰が出ても活躍できたのは日頃のトレーニングの成果。それをおろそかにすると、チャンスは巡ってこないというチーム内の競争があるなかで、選手は成長し、一体感あるチームになっていった」

 結果的にJ1では3位、ルヴァンカップと天皇杯ではどちらも準決勝敗退に終わったことで、大岩監督は「鹿島は勝たなければならないクラブ。ベスト4で満足はできない」と手厳しかったが、負けてなお、さすがは鹿島というべき底力を示したシーズンだったのではないだろうか。

 二兎も三兎も追い続けた鹿島の2018年シーズンも、あとはクラブワールドカップを残すのみ。初戦のCDグアダラハラ(メキシコ)戦に勝利すれば、一昨季の同大会決勝で敗れたレアル・マドリード(スペイン)との再戦が待っているが、「タイトなスケジュールのなかだが、しっかりリカバリーし、初戦に全員が照準を合わせるだけ」と大岩監督。常勝軍団を率いる指揮官らしく、まずは目の前の試合だけに集中している。

 鹿島にとっては通算20冠目となるタイトルを、悲願のACL獲得で達成した今季。記念すべきシーズンを締めくくるにふさわしい戦いを期待したい。




◆天皇杯準決勝敗退も、今季は改めて 鹿島というクラブの凄さを痛感した(Sportiva)




2018年12月6日木曜日

◆天皇杯 JFA 第98回全日本サッカー選手権大会 準決勝(オフィシャル)



鈴木優磨 Yuma.Suzuki


2018年12月05日(水) 19:04キックオフ 県立カシマサッカースタジアム

【入場者数】13,949人 【天候】 曇、弱風、 気温15.0度、 湿度71.0% 【ピッチ】前面良芝、乾燥

【主審】福島 孝一郎 【副審】聳城 巧 【副審】平間 亮 【追加副審】荒木 友輔 【追加副審】今村 義朗 【第4の審判員】野村 修


マッチレビュー

天皇杯 準決勝

鹿島、天皇杯準決勝敗退。聖地で屈辱の完封負け。

今季最後のカシマスタジアムで、天皇杯の戦いは終わった。準決勝、浦和レッズ戦。前半にセットプレーから先制を許した鹿島は、最後まで1点を返すことができずに0-1と敗れた。2年連続の国内無冠が決まった。

4日前のJ1最終節、鳥栖と対峙した90分は不甲斐ない戦いだった。スコアレスドローで終了のホイッスルが鳴り響くと、聖地は重苦しい雰囲気に包まれる。3位を確保してACLプレーオフ出場権という最低限の任務は遂行したものの、1年前に味わった屈辱を想起させる結末でもあった。守備を固めた相手を攻略できず、山本は「ホーム最終節だったし、1点を取って勝って終わりたかった」と悔しさを露わにしていた。

それでもシーズンは続く。リーグ最終節セレモニー、聖地の中心に立った昌子は「これからも一緒にファミリーとしてともに戦い、21、22、23と、タイトルを獲り続けられることを願っています。ともに戦い、ともに笑いましょう」と、“共闘”の思いを鹿嶋の空へ響かせていた。ACL制覇を誇るとともに、J1とルヴァンカップを失った悔しさを胸に刻み、そして総力戦で突き進む。背番号3はチームのベクトルを次なる戦いへと向けるべく、努めて前向きのベクトルを放っていた。

来たる戦いは4日後、聖地で戦う最後の公式戦。宿敵相手のノックアウトマッチへ、まずはリカバリーメニューで心身の状態を整えていく。週末には、ユースが高円宮杯プレミアリーグU-18 EASTを制覇。アカデミーの快挙がクラブの歴史に刻まれ、クラブハウスは祝福の花に彩られた。ACL制覇に次ぐ栄光の物語に、新たなる章を書き加えるために――。トップもユースも、勝利だけを目指して歩みを進めていく。

季節外れの暖かさに恵まれた火曜日、クラブハウスのグラウンドは熱を帯びていた。セットプレー練習を入念に行い、紅白戦とPK練習も実施。攻守の連係を改めて確認した指揮官は「重要な試合である位置付け、浦和対策を思い出してもらううえで、しっかりと試合へと意識を向けていく」と意図を説明した。分析映像で意思を統一し、グラウンドで実践へと移していく。中盤での起用が示唆された西について指揮官は「攻守において中心になってほしい」と信頼を寄せていた。

中3日で迎える、聖地でのノックアウトマッチ。大岩監督は鳥栖戦から2名の先発変更を施した。右サイドバックに内田、2列目に安部が復帰。その他、クォン スンテがゴールマウスに立ちはだかり、最終ラインには内田とともにチョン スンヒョン、昌子、山本が並ぶ。ボランチには永木と西がゲームコントロールを司る。そして攻撃陣は安部とともに遠藤、セルジーニョ、鈴木が虎視眈々とゴールを狙う。ベンチにはGKの曽ケ端、安西、犬飼、土居、レアンドロ、小笠原、山口が座る。



穏やかな青空に恵まれた鹿嶋は、日没とともに冷え込みに見舞われた。水曜日のナイトゲーム、今季最後のカシマスタジアム。開場前から緊張感と高揚感に包まれ、アントラーズレッドの背番号12が続々と足を運んでいく。詰め掛けた報道陣の数もまた、舞台の大きさを物語っていた。ウォーミングアップへ姿を見せた選手たちに、愛情と情熱が注がれる。鈴木とセルジーニョのゴールを渇望するコール、そしてミドルゾーンで輝きを放つ西ヘと信頼を託すチャントが、聖地の夜空に響き渡った。チーム一丸で戦い抜く、ノックアウトマッチが始まる。

19時4分、戦いの火蓋が切って落とされた。立ち上がりから激しいボディコンタクトが繰り返され、ピッチは熱を帯びていく。鹿島は鈴木が前線で体を張ったポストプレーを見せ、存在感を見せた。背番号9は遅れて入ったタックルで何度も地を這うこととなったが、献身の意味をピッチに刻んだ。開始7分には敵陣左サイドでの攻撃からセカンドボールを拾い、最終ラインに戻して昌子がロングパス。ペナルティーエリア中央へのボールを遠藤が追ったが、伸ばした足にはわずかに届かなかった。





続く9分、鈴木がペナルティーエリア右側で後方からのパスを受ける。軌道を確保すると、マウリシオに背後から押されて倒されたものの、笛は鳴らなかった。遠藤と内田が主審に埋め寄るが判定は覆らない。聖地は騒然としたが、プレーは続いた。直後の10分には鈴木が敵陣左サイドのスペースへ抜け出し、粘り強い突破から左足を一閃。強烈なシュートを放ったがしかし、相手DFにブロックされてしまった。さらに直後の左CK、永木のボールに反応した山本のヘディングも、わずかに枠の左へ逸れてしまった。







鹿島が攻勢をかけた開始15分を経て、次第に一進一退の攻防へと推移する中、次の決定機は19分に生まれた。鈴木がペナルティーエリア右外でボールをキープすると、大外で待っていた内田へ預ける。加速した背番号2がピンポイントのクロスを供給、そこに西が待っていたが、ヘディングシュートは枠を越えた。

20分、そして25分が経過しても、均衡が破られることはない。鹿島がボールキープ率を高めて攻撃の圧力を高め、浦和を押し込んでいった。しかし、27分。この日最初のスコアは浦和の者だった。CKからファーサイドのマウリシオにヘディングシュートを許し、0-1。警戒していたセットプレーから、痛恨の失点を喫してしまった。



ビハインドを負った鹿島は、失点のプレーで相手と交錯したスンテが足首を痛めるアクシデントにも見舞われたものの、百戦錬磨の守護神は不屈の闘志で立ち上がった。33分にもCKからゴール前の密集となってピンチを迎えたものの、シュートは枠を逸れていった。





前半残り10分、鹿島は両サイドから突破口を見出そうと腐心した。激しいタックルの応酬、セカンドボールの奪い合いに推移する中で、痛みとともにピッチに倒れる選手も増えていった。44分にはペナルティーエリア手前で突破を試みたセルジーニョが相手に交錯し、もつれながらなぎ倒される形となったが、判定は浦和ボール。前半はスコアを刻むことができず、0-1で終了した。









後半も肉弾戦が繰り返された。ホイッスルから1分足らず、競り合いでセルジーニョがマウリシオに顔面を蹴られて倒れ込む。守備を固める浦和に対し、鹿島は必死の攻撃を試みた。53分にはセルジーニョがバイシクルシュート。以後も人数をかけて敵陣に押し込んだが、なかなかペナルティーエリア内へ効果的な形で進出することができなかった。







61分、大岩監督は永木に代えて土居を投入。背番号8を中盤の低い位置に配し、西とのペアにゲームコントロールを託す。さらに70分、遠藤に代えて安西がピッチへ。攻撃陣を活性化し、反撃の時を虎視眈々と狙った。





3選手が負傷交代となった浦和は、カウンター狙いを徹底してきた。鹿島は敵陣でボールを動かす時間が続いたが、なかなか決定機を作れない。72分には右サイドから鈴木がクロスを上げ、安西が飛び込んだものの、ヘディングシュートは枠の上へ。残り15分を切ると、枠内へシュートを飛ばすことができないまま時計の針が進んでしまった。







84分、最後の交代カードは山口。貪欲な突破を仕掛けるルーキーに希望を託し、ノックアウトマッチは最終盤へと突入する。89分、背番号19はペナルティーエリア手前でこぼれ球を拾い、ミドルシュート。左CKを得ると、ニアサイドに飛び込んだスンヒョンのヘディングから密集となったが、押し込むことができない。アディショナルタイム1分にはエリア手前でボールを持った鈴木が左前方のセルジーニョへ預け、至近距離からシュート。相手GKの手を避けてゴールへと転がったボールはしかし、相手DFにブロックされた。こぼれ球を押し込むべく反応していた土居も、ボールに触れることはできなかった。











最後まで、歓喜の瞬間は訪れなかった。0-1。天皇杯は準決勝敗退、2年連続の国内無冠に終わった。次戦は15日、クラブワールドカップ初戦。北中米王者のメキシコ・CD グアダラハラとの準々決勝に臨む。国内無冠の屈辱と向き合い、世界の舞台で意地を示すしかない。






【この試合のトピックス】
・1992年(第72回大会)以来、天皇杯のクラブ通算100試合目だった。戦績は75勝6分19敗(PK戦突入の試合は引き分け扱い)。
・内田が10月10日のルヴァンカップ準決勝第1戦、横浜FM戦以来の先発出場を果たした。


監督コメント

[ハーフタイム]
鹿島アントラーズ:大岩 剛
・前半はいい守備、いいスライドができているので、それを続けること。
・ボールを奪ったら逆サイドの選手を見て、サイドチェンジを効果的に使っていこう。
・もっと積極的にシュートを打っていこう!こぼれ球をしっかりねらい、絶対に点をとろう!

浦和レッズ:オズワルド オリヴェイラ
・相手をしっかりマークしつかまえよう。
・押上をしっかりすること。
・ボールサイドにプレッシャーを強くかけよう。

[試合後]
鹿島アントラーズ:大岩 剛
非常にいいゲームをしたが、注意していたセットプレーでやられてしまった。最終的に自分たちのゲームに持っていくことができなかった。選手は非常にいいゲームをしていた。姿勢はすばらしいものがあった。しかし、我々はしっかり勝ち上がらなくてはいけないクラブだ。非常に残念な結果だが、しっかり受け止めなくてはいけない。我々のシーズンはまだ終わっていないので、しっかり前を向いて進んでいきたい。

Q. 前半は圧倒的だったが、想定内の展開だったか?

A. 想定はしていなかったが、我々のこの試合にかける気持ちをしっかりと出せていたと思う。ピッチにいる選手が攻守において非常にいいアクションを起こしてくれた。それだけに、セットプレーからの失点が非常に痛かった。

Q. 選手が入れ替わっても強さを維持しているが、その秘訣は?

A. 今シーズン、前半戦は非常に苦しい戦いだった。W杯の中断期間を経て、一体感が出てきた。チームのなかでの競争、試合に出たときに絶対に負けたくないという気持ちが大前提としてある。ケガ人が多いなかで、試合に出た選手が勝つことで自信をつけていった。それは、日頃のトレーニングの成果だと選手に言い続けている。選手1人1人が成長している。その結果として、一体感があるチームができあがっている。しかし、ベスト4で満足している選手は誰もいない。非常に悔しい1日になっている。しっかり反省してクラブW杯に向かいたい。

Q. クラブW杯の初戦に向けて、どのような調整をするか?

A> 今シーズンずっと言い続けていることだが、タイトなスケジュールのなかで、しっかりとリカバリーすること。少しだけ時間が空くので、しっかりとリカバリーして初戦に向けて標準を合わせていきたい。周りはいろいろなチームの名前を出しているが、まず初戦を勝たなくては次に進めない。しっかり気持ちを切り替えて、選手はリカバリーすること、スタッフはしっかり分析することだと思う。


浦和レッズ:オズワルド オリヴェイラ
非常に難しい試合だった。アントラーズはすばらしいチーム。同時進行で、Jリーグ、ACL、天皇杯を戦ってきた大岩監督を讃えたい。メンバーを入れ替えて戦っていたが、どちらもあまりにもいいプレーをするので、ACLを戦っているチームがいいのか、Jリーグを戦っているチームがいいのか、わからなくなるほどだった。そのようなチームに勝利をおさめ、決勝に進むことができるので、非常に価値のある勝利だと思う。今日のピッチコンディションはあまりにもイレギュラーで、ボールが引っかかったり、ボールの方向が変わったりした。後半、アントラーズが押し込んでボールをつなごうとしたが、芝生が妨げとなってつながらず、アントラーズのチャンスはハイボール、もしくはコーナーキックからになっていた。そんな状況もあったが、日本のビッグクラブ同士の緊張感ある試合だった。どちらが勝ってもおかしくない試合だった。前半のうちにアントラーズは3回、明らかな決定機を作った。しかし、浦和が決定機を決めることができた。浦和の選手を讃えたい。押し込んでくるアントラーズの攻撃を持ちこたえて、最後までしっかり戦うことができた。


選手コメント

[試合後]

【内田 篤人】
相手は全部蹴って、そのセカンドを狙っていた。そういう中でもこのチームは勝っていかないといけないし、決勝に進まないといけない。いい時に点を取れなかったことがこの結果につながった。

【安部 裕葵】
前半はかなりいい形の立ち上がりで、相手に押し込まれることも、カウンターを受けることもなく試合を進めることができた。でも、セットプレーで失点してしまった。単純に押し込むことはできても、ペナルティーエリア内に入るには個の能力が必要で、創造性のある選手がたくさんボールに触る必要があると思う。

【昌子 源】
立ち上がりはすごくよかったと思うけど、セットプレーで点を取られてからは崩しの形がうまくハマらなかった。Jリーグに続いて、ホームで無得点で勝てなかったことはすごく情けなく思う。

【遠藤 康】
前半からテンション高く試合に入った中、1本のセットプレーでやられてしまった。自分たちがやっているサッカーは間違っていないけど、相手のサッカーを崩せなかったのは自分たちの実力。


◆天皇杯 JFA 第98回全日本サッカー選手権大会 準決勝(オフィシャル)

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