日刊鹿島アントラーズニュース

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2017年9月21日木曜日

◆韓国・済州だけじゃない! サッカー界で起こった前代未聞の『悪行列伝』(AREAdot.)


サッカー 金崎選手に関連した画像-01

 サッカーは格闘技という言葉もあるが、中には行き過ぎた暴力行為が生まれてしまうこともある。ここでは、サッカー界で生まれた数々の問題行為を取り上げてみたい。

 前代未聞の行為としては、今年5月のAFCアジア・チャンピオンズリーグ(ACL)で済州ユナイテッド(韓国)が浦和レッズに対して行ったものが記憶に新しい。ホーム&アウェー形式の第2戦は、浦和のホーム・埼玉スタジアムでトータルスコア2-2の延長戦にもつれ込んでいたが、そこで事件が起こった。

 バックスタンド側で両チームの選手が小競り合いを起こした場面で、済州のベンチにいたDFペク・ドンギュがピッチを横断していくように70メートルほど走り込んで、浦和のMF阿部勇樹にジャンピングエルボーを見舞った。試合に出場していないビブスを着たままの選手がピッチに入ること自体がイエローカードの対象だが、もはやそういう次元の話ではない。当然、ペクにはレッドカードが提示されたが、あまりにも衝撃的なその行為は、試合後に済州の選手たちが浦和の選手たちに襲い掛かった場面と合わせて世界中で報道された。

 また、韓国と並んでラフプレーが目立つとされる中国サッカーだが、日本人にとってその印象が鮮明になったのが2008年の東アジアカップでの出来事ではないだろうか。この時、前線の田代有三や中村憲剛、遠藤保仁に対しては、ボールを見ない足裏でのタックルが連発された。また、ゴール前に抜け出した安田理大は飛び出してきた相手GKから、人を蹴る意図があったとしか思えないような片足を伸ばしたジャンピングキックを胸に受けて悶絶した。ベンチの岡田武史監督が激怒するシーンも何度となく映し出され、中国サッカーには“カンフー・サッカー”という悪名が定着した。

 Jリーグにも問題行為がなかったわけではない。2015年4月、鹿島アントラーズとサガン鳥栖が対戦したゲームで、鹿島の金崎夢生が左サイドから鳥栖のキム・ミンヒョクを抜き去ろうという場面で、金崎が倒れ込んだ。すると、あろうことか、キムは左足を金崎の顔面に向けて振り下ろして勢いよく踏みつけた。後にキムには4試合の出場停止が科されるが、当たり所次第では選手の日常生活に影響を与えるような大ケガにつながった可能性もある、Jリーグ史上ワーストとも言えるラフプレーだった。

 ヨーロッパに目を向けると、“故意”のタックルで相手に大ケガをさせた元マンチェスター・ユナイテッド(イングランド)のロイ・キーンが浮上する。

 因縁が生まれたのは1997年のマンチェスター・ダービー。キーンがペナルティーエリア内にドリブルで侵入するも転倒したところで、マンチェスター・シティ(イングランド)のアルフ・インゲ・ハーランドから「大げさに倒れ込むな」という罵声を浴びた。しかし、実際のところ、キーンはこのプレーでひざの十字靭帯を損傷する重傷を負っていた。

 すると4年後のダービーマッチで、キーンはハーランドの右ひざに向かって足の裏から突進。当然レッドカードが提示されるプレーで十字靭帯断裂の重傷を負わせ、後に出版された自伝で故意のプレーであることを示唆するような記述もされた。キーンはゴーストライターによるものであると否定したが、イングランドサッカー協会からは5試合の出場停止と罰金が科されている。

 また、イングランドのジョーイ・バートンが演じた大立ち回りも、歴史に残るかもしれない。

 そのキャリアの中で数々のラフプレーや問題行為を起こしてきたバートンだが、12年に当時所属のクイーンズ・パーク・レンジャーズ(QPR、イングランド)が最終戦でマンチェスター・シティと対戦した際に、ボールと関係ないところでカルロス・テベスにひじ打ちを入れて昏倒させた。そして、主審にレッドカードを提示された際に両チームがもみあいになったところで、シティのセルヒオ・アグエロを後ろから蹴り上げた。さらにバンサン・コンパニに頭突きを見舞い、関係者に引きずられるようにピッチから去った。

 これにより、バートンは12試合出場停止。それも、移籍先のマルセイユ(フランス)でも処分継続という重いものになった。シティの優勝とQPRの残留が掛かった一戦だっただけに、レッドカードが珍しくない彼のキャリアの中でも、多くのサッカーファンの記憶に残るものとなった。

 また、現在バルセロナ(スペイン)でプレーするルイス・スアレスによる3度にわたる“噛みつき”事件もサッカー界の問題行為として歴史に残る。スアレスの“初犯”はアヤックス(オランダ)時代の2010年、ライバルクラブ・PSVアイントホーフェンのオトマン・バッカルの左肩に噛みつき、7試合の出場停止処分を受けた。

 移籍したリバプール(イングランド)でも13年にチェルシー(イングランド)の ブラニスラフ・イバノビッチの腕を噛んで、10試合の出場停止処分。さらに、ウルグアイ代表として出場した14年のブラジルワールドカップでは、イタリア代表のジョルジョ・キエッリーニの肩に噛みついた。試合中の噛みつき行為が3度目となることを国際サッカー連盟(FIFA)も問題視し、ウルグアイ代表として公式戦9試合出場停止、スタジアム入場禁止を含むサッカー関連活動の4カ月間禁止、さらに罰金という厳罰が下っている。

 サッカースタジアムの熱狂的な雰囲気や、国同士、選手同士が持つ因縁から必要以上にヒートアップしてしまう場面は見られる。しかし、スポーツの枠を超えたレベルのラフプレーや問題行為は根絶されるべきだ。こうした、悪い意味で記憶に残るシーンが生まれなくなることを願いたいものだ。


韓国・済州だけじゃない! サッカー界で起こった前代未聞の『悪行列伝』

スアレス(右)は度重なる噛みつき行為で重い処分を下された(写真:Getty Images)

◆柴崎の「5つ星プレー」がリーガ第4節ベストゴールに選出(ゲキサカ)




 ヘタフェに所属するMF柴崎岳がバルセロナ戦で決めたゴールが、リーグ公式の第4節ベストゴールに選出された。

 スコアレスで迎えた前半39分、後方からDFダミアン・スアレスがゴール前に送ったロングボールをMFマルケル・ベルガラが体を張って落とすと、後方に位置する柴崎が反応。ボールの落ち際を左足ダイレクトで合わせたボールは、鮮やかな軌道を描いてゴールネットに突き刺さった。このゴールは柴崎にとってスペイン1部初得点となった。

 リーグ公式ウェブサイトでは、今節の「5つ星プレー」と紹介されており、ベストゴールに選出。「PA外からの正確なシュートでテア・シュテーゲンにが守るゴールを破り、1-0とした。また、バルセロナとレアル・マドリーからゴールを奪った初の日本人選手となった」と評価されている。

 なお、同試合で負傷交代した柴崎は約1か月半離脱することが報じられている。

柴崎の「5つ星プレー」がリーガ第4節ベストゴールに選出

◆大迫は絶好機生かせず、ケルンが泥沼5連敗…長谷部フル出場フランクが2戦ぶり勝利(サッカーキング)




2017.09.21 01:30
ライン・エネルギー・シュタディオン
ケルン 0 終了 1 フランクフルト

 ブンデスリーガ第5節が20日に行われ、日本代表FW大迫勇也の所属するケルンと、同代表MF長谷部誠とMF鎌田大地の所属するフランクフルトが対戦した。大迫は2トップの一角で、長谷部はボランチで先発出場、鎌田はベンチスタートとなった。

 試合は20分、相手のパスミスに反応したミヤト・ガチノヴィッチがペナルティエリア内でGKティモ・ホルンに倒され、フランクフルトがPKを獲得。22分、キッカーのセバスティアン・ハラーがGKの動きを冷静に見てゴール左隅に沈め、先制点を挙げた。

 反撃したいケルンは27分、大迫がエリア内右でボールを収めてチャンスを作る。落としを受けたレオナルド・ビッテンコートがクロスを送るが、中央のジョン・コルドバのボレーシュートはうまくミートせず、こぼれ球を巡って混戦に。最後はゴール前左のシモン・ツォラーが左足を振り抜くが、至近距離からのシュートは長谷部の体を張った首でのブロックに阻まれ、ゴールに結びつかなかった。

 1点ビハインドで折り返したケルンは49分、大迫がエリア内左に抜け出し、フリーでゴール右隅を狙ったシュートを放つが、これは相手GKにキャッチされた。フランクフルトは62分、長谷部からの絶妙なスルーパスで、ティモシー・チャンドラーがエリア内左に抜け出すが、中央へ送ったクロスは相手DFに阻まれた。

 1点を追うケルンは66分、大迫からパスを受けたミロシュ・ヨイッチがエリア手前中央から左足シュート、70分には右サイドからのクロスにファーのビッテンコートがヘディングシュートを放つが、いずれもGKルーカス・フラデツキーにキャッチされた。フランクフルトは68分、アンテ・レビッチを下げてジョナサン・デ・グズマンを投入。また、3バックに変更し、ボランチの長谷部は最終ラインの中央に入った。

 78分、大迫に決定機が訪れる。左サイドからのクロスは長谷部にクリアされるが、セカンドボールをエリア手前右のルーカス・クリュンターが右足ダイレクトボレー。ボールは相手DFに当たると、ゴール前に詰めていた大迫が右足ダイレクトでシュートを放つが、わずかにクロスバー上に外れ、絶好のチャンスを生かせなかった。

 試合はこのままタイムアップを迎え、アウェイのフランクフルトが1-0で2試合ぶりの勝利。ケルンは泥沼の開幕5連敗で最下位脱出は叶わなかった。なお、大迫と長谷部はフル出場。鎌田は出番がなかった。

 ケルンは次節、24日に敵地でハノーファーと対戦。フランクフルトは23日にライプツィヒとのアウェイゲームに臨む。

【スコア】
ケルン 0-1 フランクフルト

【得点者】
0-1 22分 セバスティアン・ハラー(フランクフルト)

大迫は絶好機生かせず、ケルンが泥沼5連敗…長谷部フル出場フランクが2戦ぶり勝利

◆【G大阪】セレーゾ氏ら新監督候補とブラジルで面談「うちの要求を表現できるか確認」(報知)




 G大阪の梶居勝志強化部長(54)が20日、新監督候補として調査している元鹿島監督のトニーニョ・セレーゾ氏(62)とブラジルで会談したことを明かした。同強化部長は約1週間ブラジルに滞在し、19日に帰国。現地でセレーゾ氏を含む5人程度の候補者と会ったという。「うちが要求することを表現できるのかを確認した」と、ブラジル人に限らず調査を行い時間をかけて人選する方針を示した。

 G大阪は7日に、今季限りで長谷川健太監督(51)が退任することを発表している。

【G大阪】セレーゾ氏ら新監督候補とブラジルで面談「うちの要求を表現できるか確認」

◆【鹿島の深層|石井正忠×岩政大樹#2】舌を巻いたオリヴェイラの見極め。「優勝争いのポイント」を知っていた(サッカーダイジェスト)


オズワルドは、選手に本気度を伝え、モチベーションを高めるのが上手かった。


 鹿島OB対談の第2回は、J史上初の3連覇を達成した名将のチームマネジメントや、石井氏が監督を休養した2016年について踏み込んでいく。

岩政 将来的に監督もやってみたいなと思ったタイミングはいつでしたか?
 
石井 オズワルド(・オリヴェイラ)が来た2007年くらいから、「自分も監督としてやってみたい」と少しずつ思い始めました。
 
岩政 どういった姿を見て「監督をやりたい」と思ったのでしょう?
 
石井 オズワルドはコーチにも役割をしっかり与える監督だったので、私がチームに貢献できる部分が増えたんです。そこにやりがいを感じ、「こんな風に指揮を執ってみたいな」という気持ちが大きくなりました。
 
岩政 コーチにどこまで役割を任せるかは監督によって変わりますね。
 
石井 それまでの監督もいろんな仕事を与えてくれましたが、オズワルドの時は戦術面に関わる機会が一番多かったですね。
 
岩政 石井さんは多くの監督の下でコーチを務めてきました。監督が選手に見せる姿とコーチングスタッフに見せる姿は違うと思うのですが、そこで学んだこと、参考にされたエピソードはありますか?
 
石井 オズワルドは、監督の本気度を選手に伝えるのが上手だなと思いましたし、モチベーションを高めるのも上手かった。例えば、優勝争いのポイントになるゲームを見極めて、家族からの激励メッセージを用意したりする。後々考えると「ここがポイントだったな」と分かりますが、その試合を前もって予想しているのがすごかったですね。
 
岩政 確かに、そういうポイントの試合は、後になって振り返ると分かりますが、前もっては分かりませんよね。
 
石井 オズワルドからは、そういう面を学びました。(トニーニョ・)セレーゾから学んだのは、グラウンド上で監督が明るく振る舞う重要性です。セレーゾも負けた時はスタッフルームで落ち込むんですが、ピッチに出ると陽気にできる。そうすると選手も気持ちが切り替えやすくなるんです。
 
岩政 そうした様々な監督像を見ていて、自分はどういうタイプになろうと思いました?
 
石井 私は中学、高校とかなりスパルタで教育されてきました。指導者の顔色を見て自分を殺してプレーする時代だったので、指導者になったら選手が自主的に練習に取り組めるチームにしたいと思っていたんです。戦術面では、自分たちからボールを奪いに行く、アグレッシブなサッカーをしたいなと。鹿島は堅く守ってカウンターがベースでしたが、それをちょっと変えたいと思っていました。

監督に求められるのは、自主性と管理のバランス。



岩政 自主性を持たせるのは難しいですよね。私も指導を始めて直面している課題です。自主性の持たせ方は、日本サッカーとしても考える時期だと思うんですが、実際に石井さんが監督になった時は、どんな方法で取り組みました?

石井 練習の雰囲気があまり良くなかったので、そこを変えれば、選手が自分たちから「このチームを立て直していくんだ」という気持ちを持つようになると思っていました。方法としては、まずはあまり規制をせずに普通のゲームをやらせましたね。

岩政 なるほど。

石井 選手は監督交代に責任を感じて、より積極的に練習に取り組むようになったし、私もそれを後押しするような形を取りました。そのあたりが作用してナビスコカップ(現・ルヴァンカップ)を獲れたのではないかと思っています。

岩政 選手に任せる部分と管理する部分のバランスは、指導者として一番難しいと思います。反省点はありますか?

石井 あります。監督は、選手にある程度の自由度を持たせながらも、はみ出してはいけない枠を示さなくてはいけない。私はその枠の幅を広くし過ぎたかなと思っています。

岩政 セレーゾは枠にきっちりはめ込みましたが、石井さんは選手たちに自主性を持たせました。最初はその変更によってチームのバランスが整ったけど、徐々に自主性のほうに振れ過ぎてしまったということですよね。

石井 そうです。振れ幅のコントロールは難しいですね。

岩政 オリヴェイラの時も、同じような現象が起きましたね。1年前に指揮を執っていたパウロ(・アウトゥオリ)が相当厳しかったところに、オリヴェイラが自主性を持ち込んだ。選手たちに良い雰囲気が生まれて上手くいった部分がありました。そうした経験も参考になりましたか?

石井 なりました。オズワルドの時になぜ成功したかと言えば、前の年のパウロのきっちりした形が選手の身体に染みついていたから。そこに自主性を持ち込んだオズワルドのやり方がハマった。私の場合もセレーゾのきっちりした戦術のベースがあり、そこに自主性を加えたことで上手く行った部分がありました。
 ただ、16年はチームの振れ幅が自主性のほうに傾き過ぎました。17年できっちりした方向に戻そうとしたんですが、「上手くいかなかった」とクラブ判断されたのだと思います。

休養した2016年は「自分の経験不足が出たと思う」。



岩政 2016年に一度休養されましたが、あの頃はそのバランスで悩んでいたんですか?

石井 そうですね。自分の経験不足が出たと思います。あの時は自分だけでなにかしようとしていましたが、いろんな人に任せてもよかったのではないかと反省しています。

<<第3回『明かされた“金崎事件”の真相。解任の理由はACL敗退以外にも
』は21日17時公開予定>>

【プロフィール】
石井正忠(いしい・まさただ)/1967年2月1日、千葉県出身。91年に住友金属(現・鹿島)に移籍加入し、97年まで在籍。98年に福岡に移籍し、そのまま現役を引退した。99年からは指導者として鹿島に復帰。以降はコーチ、監督とステップアップし、17年5月末に解任という形でクラブを去った。鹿島在籍期間は、現役時代を含めてのべ26年。まさに常勝軍団を知り尽くした男だ。

岩政大樹(いわまさ・だいき)/1982年1月30日、山口県出身。J1通算290試合・35得点。J2通算82試合・10得点。日本代表8試合・0得点/鹿島で不動のCBとして活躍し、2007年からJ1リーグ3連覇を達成。日本代表にも選出され、2010年の南アフリカW杯メンバーに選出された。2014年にはタイのBECテロ・サーサナに新天地を求め、翌2015年にはJ2岡山入り。岡山では2016年のプレーオフ決勝に導いた。今季から在籍する東京ユナイテッドFCでは、選手兼コーチを務める。


【鹿島の深層|石井正忠×岩政大樹#2】舌を巻いたオリヴェイラの見極め。「優勝争いのポイント」を知っていた

◆浦和“したたか”鹿島に屈辱3連敗 興梠「勝負弱さ感じた」(スポニチ)


天皇杯4回戦   浦和2―4鹿島 ( 2017年9月20日    熊谷陸 )


 浦和が撃ち合いの末、4回戦で散った。序盤からボールを支配したものの、少ない好機をものにする鹿島の“したたかさ”に屈した。前半7分、警戒していたカウンターから失点。公式戦5試合連続で先制されると、その後もDFラインの背後を狙われた。

 17日の磐田戦から中2日。先発は5人が入れ替わり、後半21分から途中出場の興梠は「鹿島の勝負強さを感じた半面、浦和の勝負弱さも感じた」と悔しそうだった。

 鹿島には2月の富士ゼロックススーパー杯、5月のリーグ戦に続き屈辱の3連敗。既にルヴァン杯は敗退、リーグ戦も8位と厳しい状況。残すタイトルは27日に上海上港との準決勝第1戦を控えるACLのみとなった。

浦和“したたか”鹿島に屈辱3連敗 興梠「勝負弱さ感じた」

◆【鹿島】曽ケ端、釜本氏に並ぶ天皇杯史上最多タイの59戦出場白星で飾る(報知)



 ◆天皇杯全日本サッカー選手権 ▽4回戦 鹿島4―2浦和(20日・熊谷陸)

 鹿島の守護神GK曽ケ端が偉業を達成した。浦和戦で天皇杯通算59試合目の出場を果たし、ヤンマー(C大阪の前身)などで出場数を重ねた釜本邦茂氏の最多出場記録に、初めてJリーガーが肩を並べた。釜本氏の記録に「恐れ多い」としながらも「偉大な選手(に並べたのは)、素晴らしいこと。(天皇杯優勝5度の)このクラブにいることに尽きる」と周囲に感謝した。

 今季は韓国代表の主戦GKクォン・スンテが加入。ポジションを明け渡した。そんな状況で迎えた6月17日のリーグ札幌戦(カシマ)。第1子誕生で一時帰国し、再来日したライバルに代わって先発した。試合前、ウォーミングアップをベンチ横で見ていたスンテを呼んだ。「チームと一緒に戦いたいというのを感じて、だったらGK練習の近くにいてほしい」

 ポジション奪回のチャンスとなる試合でも「チームの士気を高められる」と迷わずライバルを懐に入れた。この考えで常勝クラブで長年、守護神の座を守ってきた。スンテが8月30日に負傷から復帰後も、高いパフォーマンスでゴールを守り続けている。38歳のベテランは「2失点は反省しないと。チームに助けられた」と謙虚だった。(内田 知宏)

【鹿島】曽ケ端、釜本氏に並ぶ天皇杯史上最多タイの59戦出場白星で飾る

◆鹿島が8強入り GK曽ケ端 釜本に並ぶ天皇杯59試合出場(デイリー)


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 「天皇杯・4回戦、浦和2-4鹿島」(20日、熊谷スポーツ文化公園陸上競技場)
 4回戦8試合が行われ、2連覇を狙う鹿島は浦和を4-2で下し、清水に4-1で大勝した川崎や、G大阪を3-2で破った柏とともにベスト8へ。8強は全てJ1勢が占めた。準々決勝は10月25日に実施される。

 偉大な大先輩に、肩を並べた。鹿島のGK曽ケ端が天皇杯59試合出場を果たし、歴代1位の釜本邦茂氏と並ぶ大記録を打ち立てた。「恐れ多い。偉大な選手。素晴らしい人」と恐縮しきりだった。

 歴史に名を刻んだ試合を「チームに助けられました」と振り返る。2点を先制しながら、一度は同点とされた展開に責任を感じ、8強進出へ勝ち越した仲間に謝意を述べた。
 出場記録4位の56試合は同僚の小笠原で、6位の55試合には元同僚の本山(北九州)。鹿島の天皇杯での強さを物語る。次戦出場で果たす“釜本超え”には「出るかどうか分かりません」と控えめだった。

鹿島が8強入り GK曽ケ端 釜本に並ぶ天皇杯59試合出場

◆鹿島・金崎2ゴール 絶賛の大岩監督、途中交代させた理由は…(デイリー)


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 「天皇杯・4回戦、浦和2-4鹿島」(20日、熊谷陸上競技場)

 鹿島FW金崎夢生(28)が2得点で準々決勝進出に貢献した。前半7分にMFレアンドロのパスをフリーで受けて先制ゴール、後半6分には浦和GK榎本のファウルで得たPKを右スミに決めてお役御免。同13分にFW鈴木と交代してベンチに退いた。

 大岩監督は金崎の存在感を絶賛。試合後の会見で、「前線からの守備も評価していいところ。それをやり続けながら、得点をとる。好調だから回りからボールも集まる。好循環になっている」と話した。

 その一方で早期交代については「体調を崩しているので早めに帰る予定だった。2日間、発熱があった」と説明。「ゲームの中で勢いをつけて、相手にプレッシャーをかけるスプリントを体調が悪い中でやってくれた」。体調不良だが、好調のエースを評価した。

鹿島・金崎2ゴール 絶賛の大岩監督、途中交代させた理由は…

◆鹿島・曽ケ端、釜本に並んだ!天皇杯歴代最多の59試合出場(スポニチ)


天皇杯4回戦   鹿島4―2浦和 ( 2017年9月20日    熊谷陸 )



 鹿島のGK曽ケ端が釜本と並んだ。浦和戦にフル出場し、天皇杯出場数は釜本邦茂と並ぶ歴代最多59試合。

 「追いつかれたけどチームに助けられた」と試合を振り返った38歳は「偉大な選手に並べたのは素晴らしいこと。常にタイトルを獲りにいっていることが、こういう結果につながっている」とチームへの感謝を忘れなかった。

鹿島・曽ケ端、釜本に並んだ!天皇杯歴代最多の59試合出場

◆鹿島4発“王者の底力”中村V弾で浦和撃破 金崎2発に土居弾も(スポニチ)


天皇杯4回戦   鹿島4―2浦和 ( 2017年9月20日    熊谷陸 )


 天皇杯は4回戦が各地で行われ、連覇を目指す鹿島は浦和を4―2で下して2年連続8強入りを決めた。2―2の後半29分に、MF中村充孝(27)が決勝点をマーク。27歳初ゴールで白星へ導いた。

 失いかけた流れを引き戻したのは、MF中村だった。2―0から2―2に追いつかれて迎えた後半29分。スローインからの流れで、MF土居のパスを中央で受けた。「今までは(ボールを)止めて考えるプレーが多いけど、自然にダイレクトで打てて良かった」。右足を振り抜くと、ボールはGKに当たった後に左のポストを直撃。はね返って右のネットを揺らした。渾身(こんしん)の力を込めて右の拳を握った。

 一筋縄ではいかない試合だった。前半7分、中村はMF土居からスルーパスを受け、FW金崎の先制点をアシスト。チームは金崎のPKでさらに1点を追加しながら、同点に追いつかれた。「スペースもあったし、突き放せる自信はあった。相手に勢いがあったのは前だけで、後ろはぬるいと思った」。ベストメンバーの鹿島と対照的に、浦和が戦力を落としてきたことも発奮材料だった。突破することだけを考えてボールを追い続けた先に、ゴールが生まれた。

 13日に27歳の誕生日を迎えたばかり。欲しい“プレゼント”を問われると「もっともっと(サッカーが)うまくなりたい、それだけ」と答えた。7月22日、チームはスペインの強豪セビリアと試合を実施。相手とのコンタクト時に日本人は手を使うことが多いが、セビリアの選手は臀部(でんぶ)を使うことが多かった。細部の違いに気がつくと、個人用に試合のDVDも焼いてもらい、映像を見返して研究した。

 飽くなき向上心が決勝点につながった。発熱して試合2日前の練習を休みながら、PKを含む2得点と活躍したFW金崎からも「今日は充孝(中村)のおかげや!」と声を掛けられた。27歳初ゴールが、連覇への布石に。熊谷には「アツタカ」コールが何度も鳴り響いた。

鹿島4発“王者の底力”中村V弾で浦和撃破 金崎2発に土居弾も

◆鹿島・金崎が2発!微熱もなんの「得点は充孝のおかげ」/天皇杯(サンスポ)


浦和と計6ゴールの乱打戦 鹿島が難敵退け4-2勝利、天皇杯8強へ進出

 天皇杯全日本選手権第6日(20日、浦和2-4鹿島、熊谷ス)鹿島は2日前から微熱が続くFW金崎が前半7分の先制点など2得点。4-2の勝利に貢献した。「(熱で体が)だるいけど大丈夫。得点は(MF中村)充孝のおかげ」。また、GK曽ケ端がヤンマー(現C大阪)などでプレーした元日本代表FW釜本邦茂氏の大会通算記録に並ぶ59試合出場を果たした。「(釜本さんは)偉大な選手で、素晴らしいこと。(次に向け)準備をしたい」と記録更新を誓った。

鹿島・金崎が2発!微熱もなんの「得点は充孝のおかげ」/天皇杯

◆鹿島エース金崎2発などで8強進出 浦和ねじふせる(ニッカン)




<天皇杯:浦和2-4鹿島>◇4回戦◇20日◇熊谷陸

 鹿島アントラーズがエースFW金崎夢生の2ゴールなどで4点を奪い、浦和レッズをねじふせた。

 前半7分に金崎が先制ゴールを挙げて試合の主導権を握った。後半開始すぐにはMFレアンドロが浦和GK榎本哲也に倒されてPKを獲得し、キッカーを務めた金崎が2点目。突き放した。

 ここから浦和の反撃にあう。同14分にFWズラタンに決められて1点差とされる。続く24分にはクロスのこぼれ球をMF武藤雄樹に詰められ、同点とされた。

 それでもここから勝負強さを発揮した。29分にMF土居聖真のパスをMF中村充孝が右足ダイレクトで決めてふたたび勝ち越すと、45分には土居が右クロスに合わせてダメ押しの4点目。試合を決定づけた。

鹿島エース金崎2発などで8強進出 浦和ねじふせる

◆浦和に2点差を追い付かれるも…鹿島、中村&土居弾で突き放して熱戦制す!!(ゲキサカ)


浦和-鹿島 後半、ゴールを決める鹿島・中村(左)=熊谷ス

[9.20 天皇杯ラウンド16 浦和2-4鹿島 熊谷陸]

 天皇杯のラウンド16が20日に行われ、熊谷スポーツ文化公園陸上競技場では浦和レッズと鹿島アントラーズが対戦。後半6分までに2点をリードした鹿島は、浦和に一時は同点に追い付かれるも、同29分にMF中村充孝、同45分にMF土居聖真がネットを揺らし、4-2の勝利を収めた。粘る浦和を退けてベスト8進出を決めた鹿島は、10月25日の準々決勝で神戸と対戦する。

 前半7分にいきなり試合を動かしたのは鹿島だった。MFレオ・シルバの縦パスを受けた土居がスルーパスを送ると、中村が最終ライン裏に完全に抜け出す。PA内まで運んでGK榎本哲也の注意を引くと、並走していたFW金崎夢生にラストパスを送り、金崎が無人のゴールに蹴り込んでスコアを1-0とした。

 1点のビハインドを背負った浦和は前半18分、FW高木俊幸が蹴り出したFKをFWズラタンがヘディングで合わせるが、シュートはゴール左に外れてしまう。その後も浦和がボールを保持する時間こそ長かったものの、粘り強く対応する鹿島守備を攻略し切れず、なかなかフィニッシュまで持ち込めずに前半終了のホイッスルが吹かれた。

 1-0と鹿島がリードしたまま後半を迎えると、後半4分に鮮やかな連係からPA内に進入したMFレアンドロが榎本のファウルを誘って鹿島がPKを獲得。キッカーを務めた金崎がきっちりとネットを揺らし、リードを2点差に広げた。

 後半13分、2点を追う浦和ベンチが動き、高木に代えてMF矢島慎也を投入。すると同14分、矢島が蹴り出したCKのこぼれ球を拾ったDF槙野智章がつなぐと、DF森脇良太がダイレクトで狙ったシュートはジャストミートしなかったものの、コース上にいたズラタンがトラップから冷静に蹴り込んで1点差に詰め寄る。

 流れを一気に引き寄せたい浦和は後半21分、ズラタンに代えてFW興梠慎三をピッチへと送り込む。すると同24分、自陣からボールを運んだMF長澤和輝が右サイドに展開し、走り込んだDF遠藤航がクロスを送ると、ファーサイドで完全にフリーになった武藤が落ち着いてGK曽ヶ端準の股を抜くシュートでネットを揺らし、試合を振り出しに戻した。

 しかし、後半29分に鹿島が勝ち越しゴールを奪取する。DF伊東幸敏のスローインをMFレオ・シルバがヒールで流し、土居が周囲の状況を確認して中央に送ると、待ち構える中村が右足ダイレクトで合わせる。シュートは榎本に触れられながらも、ポストを叩いたボールはゴールマウスに収まり、スコアを3-2とした。

 再びリードを許した浦和は終盤に猛攻をかける。しかし、後半32分に矢島が狙いすましたミドルシュートでゴールを脅かすがポストを叩き、同41分には左サイドを突破した武藤のクロスをFWオナイウ阿道がドンピシャのタイミングでヘッドで合わせるも枠上に外れ、同点ゴールを奪えず。すると、同45分にMF安部裕葵のクロスを土居がヘッドで叩き込んでダメ押しゴールを記録し、鹿島が4-2の勝利を収めた。

浦和に2点差を追い付かれるも…鹿島、中村&土居弾で突き放して熱戦制す!!

◆第97回天皇杯全日本サッカー選手権大会 ラウンド16(オフィシャル)


天皇杯 ラウンド16

底力を見せたのは鹿島!金崎の2発と中村、土居のゴールで浦和を撃破、天皇杯準々決勝進出!

鹿島が難敵を破り、連覇への道のりを力強く前進した。天皇杯ラウンド16、浦和レッズ戦。熊谷陸でのナイトゲームに臨むと、金崎の2得点でリードを奪う、理想的な展開に持ち込む。しかし、59分と69分に失点を喫してスコアは2-2に。思いがけない点の取り合いとなったが、74分に中村、そして90分に土居がゴールネットを揺らして底力を見せつけた。4-2と競り勝ち、ベスト8進出。10月25日の準々決勝では神戸と対戦する。

4日前、鹿島は新潟の夜に大逆転劇を演じてみせた。J1第26節、4-2。最下位に沈む相手に2点を先行される不甲斐ない展開となったが、ハーフタイムに大岩監督がチームを一喝。「前半は“いつかは追いつける”という気持ちがあったかもしれない」と昌子が振り返ったように、幾多もの決定機を生かせなかった45分間は閉塞感が漂っていたが、インターバルを経てピッチに帰還した選手たちはアグレッシブな姿勢を取り戻した。立ち上がりにレアンドロがヘディングシュートを突き刺して反撃の狼煙を上げると、輝きを放ち続ける背番号11はハットトリックを達成してチームを逆転へと導く。そして終了間際には金崎がPKを決め、勝利を決定付けた。

「前半と後半で違うチームになってしまった」と指揮官が反省の弁を述べた通り、改善すべき点が数多く見つかった90分でもあった。とはいえ、勝ち点3という結果を掴んでみせたことが何よりも重要だ。勝利の道のりを突き進みながら、さらなるレベルアップを目指して切磋琢磨を続ける。新潟の地を後にする選手たちの視線は、すでに次なる戦いへと向いていた。

次なる戦い――。中3日で迎える一戦は、元日決勝と連覇を懸けた大一番だ。難敵・浦和とラウンド16で対峙することとなった。新潟戦翌日から、チームはトレーニングを積み重ねて準備を進めた。試合前日にはミーティングを行い、セットプレーの確認を入念に行った。1つのスコアがより重い意味を持つノックアウトマッチへ、集中力を高めていく。グラウンドは熱を帯びた。大岩監督は「どの大会でも勝ちにいくことは変わらない」と語り、山本は「上に行くためには倒さなければいけない相手」と勝利への決意を述べて熊谷へと向かった。

3連戦の2試合目に臨む指揮官は、4日前から先発メンバー3名を入れ替えた。山本を左サイドバックに復帰させ、ボランチの一角には小笠原を指名。さらに2列目には中村を先発起用した。その他、GKは曽ケ端、最終ラインは山本の他、昌子と植田のセンターバックコンビ、そして右サイドバックには伊東が並ぶ。ボランチは小笠原とともにレオ シルバが並び、右サイドハーフは新潟戦でハットトリックのレアンドロ。そして2トップは金崎と土居が務める。ベンチにはGKのクォン スンテ、ブエノ、永木、三竿健斗、安部、鈴木という面々が並んだ。





曇り空に覆われた水曜日のナイトゲーム。アウェイ扱いとなる熊谷での一戦だが、2冠獲得への闘志を燃やす背番号12が続々と足を運んだ。県内から多くのサポーターが足を運んだホーム側スタンドに人数では及ばなくとも、アントラーズレッドの情熱が熊谷の夜を焼き焦がしていく。

19時、キックオフのホイッスルが鳴り響いた。ここ数試合、開始直後のゲームコントロールに課題を残している鹿島は、進化の証を刻み込むべく、ギアを上げてアグレッシブな姿勢を見せた。浦和にボールポゼッションを許しても、両サイドの深い位置で起点を作られても、動じることなく対応を続けていく。集中力を研ぎ澄まし、激しいボディコンタクトでピンチの芽を摘んでいった。





そして、待望の先制ゴールは7分だった。中盤から土居が繰り出した正確無比のスルーパスで中村が最終ラインの背後を取る。完全にフリーの状態でペナルティーエリアに入った背番号13は、シュートコースを切ろうと飛び出してきた相手GKをあざ笑うかのようなラストパス。左側を並走していた金崎に求められた仕事は、無人のゴールへ難なく押し込むだけだった。1-0。エースがゴールネットを揺らし、鹿島がファーストシュートで均衡を破ってみせた。







進化の証をスコアという形で刻んでみせた鹿島は、反撃を期す浦和にボールポゼッションを許す展開が続く。中盤で起点を作れず、セカンドボールを拾われて二次攻撃を受ける場面も数多くあった。それでも、サイドハーフのレアンドロや中村も精力的にプレスバックし、山本や伊東との連動したプレスで相手に自由を与えない。クロスを上げられても、昌子と植田がしっかりと身体を張り、曽ケ端が安定感抜群のセービングでゴールマウスに立ちはだかった。



鹿島は27分、曽ケ端のゴールキックから最終ラインの昌子、小笠原、山本とつないで浮き球を中盤へ。ポストプレーを成功させた土居が前を向くと、右前方のスペースへスルーパスを通す。最終ラインの背後へ走り込んだレアンドロは迷うことなく右足を一閃。強烈な一撃が浦和を襲ったが、惜しくもサイドネットに飛んでしまった。









前半は残り15分を切った。集中しなければならない時間帯、浦和のセットプレーが続く展開となってゴール前に釘付けになる展開となったが、鹿島の選手たちは身体を張り続けた。1分と表示されたアディショナルタイムもしのぎ切り、前半が終了。しっかりとリードを保ったまま、ハーフタイムを迎えた。



漆黒の闇に包まれた熊谷を、アントラーズレッドの歌声が切り裂く。ピッチへと帰還した選手たちに、ビジタースタンドはさらなるゴールを渇望する声を届け続けた。後半、キックオフ。準々決勝進出へ、勝負の45分が幕を開けた。





指揮官が「集中して、緊張感のある入り方をしてくれると思う」と信頼を語っていたように、この日の鹿島は後半もしっかりと集中力を保ってプレーを開始した。そして再び、立ち上がりにスコアを刻んでみせる。50分、鮮やかなパス交換からペナルティーエリアへ進出し、エリア左奥でパスを受けたレアンドロが鋭い突破。飛び出してきた相手GKに倒され、PKを獲得した。キッカーは、背番号33。鹿島のエースが放ったシュートは、力強くゴール右隅へ突き刺さった。2-0。鹿島がリードを広げた。







少ないチャンスを確実に生かし、2点を先行する理想的な展開となった。しかし、ここから鹿島は後退してしまう。金崎に代えて鈴木を送り出した直後の59分、セットプレーのこぼれ球からズラタンに押し込まれ、失点。1点差に迫られてしまった。さらに劣勢は続き、ゴール前へ迫られる時間が続いた。昌子は「リードしているのに、チーム全体の焦りを感じた」と反省の弁を述べている。







そして69分、次のスコアも浦和のものだった。カウンターから左サイドを破られると、ファーサイドへのクロスを通される。フリーで待っていた武藤にトラップからシュートを決められた。2-0から、2-2へ。4日前の新潟戦を反対の立場から想起するような展開で、鹿島はリードを失ってしまった。





しかし、底力を見せたのは、連覇を狙うビクトリーホワイトだった。失点から5分後の74分、右サイドで得たスローインから土居がペナルティーエリア右手前へカットインすると、ラストパスを中村へ。エリア正面でゴールを視界に捉えた背番号13は、アイデアと技術の詰まった右足を振り抜く。放たれたシュートは相手GKの手を弾き、そして左ポストに当たってゴールへ吸い込まれた。





再び奪ったリードを、失うわけにはいかない。鹿島は浦和の反撃に応戦し、機を見たカウンターで牙を剥いた。残り10分を切ってからピッチへ送り出された永木と安部も、持ち味を存分に発揮してチームのために献身した。





そして90分、勝利を決定付けるスコアが刻まれた。右サイドのスペースへ安部が飛び出し、パスを受ける。解き放たれたかのように加速した背番号30が浦和を切り裂くと、そのスピードと鮮やかなコントラストを描く、冷静な判断でクロスを選択。正確無比のボールに反応したのは土居だった。ヘディングシュートがゴールネットを揺らし、ホーム側スタンドを沈黙させた。4-2。鹿島が打ち合いを制し、準々決勝進出を決めた。





次なる戦いは3日後、J1第27節でG大阪をカシマに迎え撃つ。3連戦を締めくくる90分も難敵との対峙だが、チーム一丸で勝利を掴みに行く。連勝街道を突き進むために、チームは明日15時からのトレーニングでホームゲームへの準備を進めていく。





【この試合のトピックス】
・天皇杯で浦和と対戦するのは1992年、2006年に続いて通算3回目で、初めて勝利を収めた。
・浦和との公式戦は昨季のJ1チャンピオンシップ決勝第2戦から4連勝。今季は3戦全勝となった。
・曽ケ端がフル出場を果たし、釜本邦茂氏と並び天皇杯歴代首位タイとなる通算59試合目の出場を記録した。天皇杯初出場は2000年12月13日に行われた3回戦の鳥栖戦。
・金崎が2得点を記録。公式戦2試合連続でPKを決めた。
・小笠原が公式戦3試合ぶりの先発復帰を果たした。


監督コメント

[ハーフタイム]
鹿島アントラーズ:大岩 剛
・守備の時、コースを限定し、あわてずに外に追い出していくことを徹底しよう。
・ボールを奪った後のファーストプレーは行きすぎず、シンプルにボールを動かしていくこと。
・後半頭からもう1回気持ちを見せてプレーしよう。

浦和レッズ:堀 孝史
・サイドからよい仕掛けができている。
・よいタイミングでローテーションを使おう。
・あわてずにゲームを進めて逆転しよう。

[試合後]
鹿島アントラーズ:大岩 剛
自分たちの課題である立ち上がりに関しては、選手たちが非常に集中して入ってくれたと思う。リードした時に戦い方はもう一度整理して、次へ生かしたい。ただ、最後に突き放す力があるということは自信を持っていいと思う。選手たちにも「評価している。自信を持っていい」と伝えた。

Q.リードされた後の戦い方について、アントラーズとして2-0から2-2というのはあってはならないと思うが?

A.1点目はセカンドボールへの反応が遅れた。2点目はサイドから崩されて、逆サイド(という展開)。メンタル的な部分も当然あるだろうし、2-0で戦うにあたっての時間の使い方を選手それぞれが統一できていなかったと感じている。失点前後の場面については映像で確認しながら選手たちに落とし込みたい。

Q.浦和は監督が代わってシステムにも変更があったが、どのような狙いでこの試合に臨んだのか?

A.ボールの動かし方、攻撃の部分はあまり変わっていないと分析していたが、選手が何人か変わった中で、そのクオリティーに苦労しているという印象だった。自分たちがやるべきことをやっていれば、非常に良い形で守備をしながら、攻撃につなげることができるのではないかとハーフタイムでも話をした。守備に関しては、5枚から4枚になるということで、距離感を掴めていないのではないか、慣れていないのではないかという分析をしていた。そこをうまく突いていければと考えていた。

Q.金崎選手が公式戦2試合で3得点だが、最近の状態やプレーをどう見ているか?

A.彼に限って言えば、非常にコンディションが良いということが大前提として挙げられる。得点に直接つながる要因ではないかもしれないが、前線からの守備は彼の素晴らしい部分で、評価していい部分。それをやり続けながら得点も取る。タスクをしっかりと果たしながら、攻撃の面ではスピードをもってゴール前へ行ける。それで周囲の信頼を得て、ボールが自然と集まる。そのような好循環が生まれていると思う。

Q.金崎選手を下げた後に失点したのは嫌な展開だったと思うが、スピードのある選手をベンチに残していたのは、余裕があったからか?

A.金崎は少し体調を崩していて、早めに代える予定だった。ただ、彼が得点を取ることでチームに勢いが出るという点では評価している。スピードがある選手云々というよりも、交代後は勢いがなかなか出なかった。優磨はなかなか試合に入れていなかった。時間が経つにつれて次第に慣れてはいったが、その部分は私が反省するところだと思う。(トーナメントの)天皇杯なので、延長戦も含めていろいろなことを考えてマネージメントしていた。少し遅くなったが、相手の出方を見ながら交代出場の選手たちがよくやってくれたと思う。

Q.金崎選手は調子が良かったのか、悪かったのか?

A.金崎はこの2日間ほど、発熱があった。次の試合も含めて考えることだが、短い時間でということだった。コンディションという部分では、走る勢いやプレッシャーのスプリントは持ち味なので、体調が悪い中でもよくやってくれたと思う。

浦和レッズ:堀 孝史
前後半ともに立ち上がりに失点してしまって、難しい試合になってしまった。2点ビハインドから選手たちはしっかりと力を使って追い付くところまで行ってくれたが、その後の試合の進め方を含めて、自分の指示の出し方を含めて、力が足りなかったと思う。最後まで諦めずに攻撃をしてチャンスを作れたが、決め切るところが課題になる。多くの失点を喫してしまったことも分析をしていきたい。


選手コメント

[試合後]

【中村 充孝】
前後半とも点がすぐに入ったし、良い入り方はできていた。ただ、自分たちで苦しくしてしまった。反省は次々と出てくるので、しっかりと改善したい。シュートはいつもは止めて狙うけど、今日はダイレクトで打った。ポストに当たった時は「入れ」と思ったけど、ボールの回転を見て入ると思った。もうG大阪戦に切り替えている。

【安部 裕葵】
(アシストの場面は)優磨くんが手前にいて、シュートの選択肢もあったけど、相手DFが張りついていたのでクロスを選択した。一番良い形でチームを楽にすることができたと思う。できることは最低限、できたかなと思う。

【土居 聖真】
得点以外でも何回かゴール前までには行くことができていたけど、チャレンジしたことが報われた。全得点に絡めて素直に嬉しい。勝って次に進めるのは良いこと。点を取りに行く姿勢は、どんな状況でも変わらない。同点に追いつかれても、慌てずに追加点を取れたのは、力があるということだと思う。

【曽ケ端 準】
(釜本氏の持つ天皇杯歴代最多出場記録に並んだが)恐れ多いです。2-0から追い付かれたし、チームに助けられたと思う。2失点をしたことは修正しなければいけない。3点目、4点目を取れたことは良かった。次につなげたい。

【植田 直通】
セットプレーが多かったけど、全部、自分が跳ね返すつもりでやっていた。2-0は危険と言われるけど、少し緩みが出てしまったのかもしれない。同点に追いつかれて、相手に勢いが出るところで3点目を取れたことが大きかった。

【昌子 源】
前後半ともに試合にの入り方は良かったけど、耐えるところで耐えられなかった。1点差にされてから、まるで同点にされたかのような焦りがあった。もっと落ち着いて試合を運びたかった。もっとコントロールできれば、自分たちのペースで進んだと思う。


第97回天皇杯全日本サッカー選手権大会 ラウンド16

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