日刊鹿島アントラーズニュース

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2013年9月9日月曜日

◆内田ガーナに感謝「はるか遠い国に来て」(ニッカン)


http://www.nikkansports.com/soccer/japan/news/f-sc-tp2-20130908-1186229.html

 日本代表DF内田篤人(25=シャルケ)が8日の練習後、10日の対戦相手のガーナに感謝した。

 内田のチームメート、MFボアテングら主力を欠くメンバーでの来日だが「W杯予選を戦った後で、このはるか遠い国に来て練習試合をしてくれるだけでありがたい。それはいつも思っている。しっかり自分たちが練習でやっていることを出したい」と話した。

◆内田、五輪東京開催決定もマイペースぶり発揮(サンスポ)


http://www.sanspo.com/soccer/news/20130909/jpn13090905190005-n1.html

DF内田はマイペースぶりを発揮「(20年五輪に)日本が立候補しているのはうすうす感じていたけど(日本時間8日早朝に決まることは)知らなかった。まあ、サイドバックは若い選手が出てくるでしょう」

DF今野「みんなが冗談半分で、(20年五輪の)OA枠のことを話していましたが、ぼくは絶対にないです」

2012年ロンドン五輪では主将として4位に貢献したDF吉田「自国でやる利を生かしてメダルを狙うべき。(OA枠出場は)ないことはないかな」

◆内田篤人、東京五輪出場は否定「オーバーエイジは無理でしょ」(サッカーキング)


http://www.soccer-king.jp/news/japan/national/20130908/133537.html



 日本代表は8日、「キリンチャレンジカップ2013」に向けた合宿7日目の練習を横浜市内で実施した。

 練習後、内田篤人は以下のようにコメントした。

―東京オリンピックが。
「出た。聞かれると思った」

―実際に出た選手からすれば、オリンピックが来ることは感慨深かったりするか?
「いや、俺知らなくて。テレビ見なかったので、日本が立候補していることも薄々気づいていたくらいで。そんな意識していなかったので」

―昨日が(開催都市が決定する)そういう日だということも?
「知らなかった。起きたらみんながオリンピックって」

―テレビつけたら?
「いや、テレビつけずに。もういいやと思って。そういうことかと」

―オーバーエイジで?
「いや、無理でしょ、サイドバックは。俺いくつのときだろ」

―32歳。行けそうじゃないですか?

「いやいや。サイドバックは若い選手がいるから。もっと出てくるんじゃない。誰か居るのかね、この中でオーバーエイジでは。柿谷(曜一朗)とか、年齢的に一番若いやつ」

―そんな話はしたり、せずに?
「してないですけど。(後ろを通った槙野智章に対して)行く、オーバーエイジ?」

槙野「オリンピックのこと」

内田「うん」

槙野「答えられないね」

内田「記事にしないからな、お前のことなんて(笑)」

―サッカー選手にとってオリンピックはどんな舞台?
「ヨーロッパからすれば、結構日本とはまた違った見方でやっていますけど。国を代表して試合をするからね。あんまり言わない方がいいかなと」

 6日にグアテマラ代表を3-0で下した日本代表は、10日にガーナ代表と横浜国際総合競技場で対戦する。

◆シャルケ同僚のボアテング欠場を残念がる内田(ゲキサカ)


http://web.gekisaka.jp/402633_124912_fl


 ガーナ戦を2日後に控えた8日、日本代表DF内田篤人(シャルケ)が今夏、ミランからシャルケに移籍してきたMFケビン・プリンス・ボアテングが来日メンバーに入っていないことについて「チームメイトとやるチャンスはなかなかないので残念です」と話した。

 シャルケの同僚と国際Aマッチで対戦することになれば、11年6月1日のキリン杯・ペルー戦でMFジェファーソン・ファルファンと戦ったとき以来だったが、「移籍してきたばかりなので(来日しなかった)気持ちは分かる。(ドイツに住んでいる)僕らからすれば(日本は)はるかに遠い国ですから。来なくていいですよ」とおもんぱかった。

 練習前にはガーナのビデオを見た。10年の南アフリカW杯でベスト8に入ったアフリカの強豪は、6日のブラジルW杯アフリカ予選でザンビアを2-1で下して最終予選進出を決めるなど、高いレベルの実力を保っている。「ビデオを見たけど、やっぱりスピードが速いし、体も強いし、身体能力が高い」と内田も警戒を強める。

 6日のグアテマラ戦は先発をDF酒井高徳(シュツットガルト)に譲った。試合終盤にベンチから呼ばれて交代出場かと思いきや、結局出番はなかった。合宿が始まった当初、「いい相手と2試合やれるので、しっかり結果を残したい」と話していただけに、アフリカ勢との貴重な一戦となるガーナ戦に向かう意気込みは強い。

「うまくやれたらいいと思うけど、特別意識することはないと思う」。クールな言葉の奥に闘志をにじませていた。

(取材・文 矢内由美子)

◆ガーナのボアテング欠場を惜しむ内田篤人「なかなかないので残念」(サッカーキング)


http://www.soccer-king.jp/news/japan/national/20130908/133533.html



 日本代表は8日、「キリンチャレンジカップ2013」に向けた合宿7日目の練習を横浜市内で実施した。

 練習後、内田篤人は以下のようにコメントした。

―(ケヴィン・プリンス)ボアテングが来られなくなったみたいだが、やっぱり残念か?
「そうですね。チームメートとやるのはなかなかないので。(ジェフェルソン)ファルファンとペルーでやったりしましたけど、なかなかないので残念ですけど、移籍してきたばっかりだし、気持ちはすごくわかるので来なくていいと思います」

―ドイツやチャンピオンズリーグでアフリカ選手とたくさんやっていると思うが、ガーナの印象は?
「今日ちょっとビデオを見ましたけど、すごいスピードは速いですし、体も強いですし、身体能力もある感じなので。まあ、上手くやれたらいいかなと思いますけど、別に特別意識することはないと思いますけどね、やっていますし」

―前線の選手は、ブラックアフリカンのチームはDFラインがバラバラになることが多いと言う選手は多いけれど、DFから見てそういう傾向はある?
「どうですかね、あの国は」

―メンバーを少し落としてくるかもしれないがやることはきっちりやってゼロで抑える試合が続くと自信になったりするか?
「こんな隅の国に来て試合をいつもやってくれるんでね。ヨーロッパからしたらこっちははるか遠い国ですからね。そういうところに来て練習試合をしてくれるだけでも本当にありがたいですよね。それはいつも思っていますけど。ワールドカップの予選が終わって来てくれるだけでも俺らは十分ですし。しっかり自分達の練習でやっていることをやるだけだと思う」

「(グアテマラ戦は)自分達がしっかりやったからああいうゲームになったというのはあるけど、やっぱり個々の能力はあったので、チームの差というか」

―ガーナ戦へのミーティングでの守りのポイントは?
「特別にやることはないですけど、自分達が練習でやっていることをしっかりと、距離感もそうですし、カバーリング意識もしっかりしてという感じですね」

 6日にグアテマラ代表を3-0で下した日本代表は、10日にガーナ代表と横浜国際総合競技場で対戦する。

◆9/8A代表練習後の選手コメント(ゲキサカ)


http://web.gekisaka.jp/402646_124923_fl


 日本代表は8日、横浜市内で練習を行い、10日のガーナ戦(日産ス)に向けて調整した。左膝痛のため代表離脱が決まったFW岡崎慎司を除く21選手で冒頭15分以外、非公開で練習した。

以下、練習後の選手コメント

●MF清武弘嗣(ニュルンベルク)
―スローインの練習をみっちりやっていたが?
「いつもやっていますよ」
―ガーナ戦に向けて自分のテーマにしたいことは?
「個人もそうですけど、チームとしてやるべきことを、しっかりやらないといけない。チームのバランスがすごい重要になるので、そういうのを考えながら自分の特徴を出していけたらいいと思う」
―次は右で出る可能性が高いのでは?
「メンバーはどうなるか分からないけど、出たらしっかりやるべきことをやりたい」
―合宿が1週間を過ぎ、連係が深まっているのでは?
「すごく手応えはある。あとはそれをピッチの上で表現するだけだと思う。練習中にうまくいっていることが試合でうまくいくかどうかは分からないけど、次の試合でいろいろなことにチャレンジして、最終的にいい結果に結びつけばいいと思う」
―ガーナの印象は?
「ガーナは強いし、速いという印象。身体能力がある。スピードがある。そういう相手にどれだけできるかというのはすごく楽しみ。でも、ディフェンスに隙はある。個人の能力は高いけど、組織としてはどうかなという感じ。僕はアフリカのことはよく分からないけど、そういう特徴があるので、自分たちが組織的に崩せばチャンスになると思う。僕に求められているのはゴールやアシストだと思うので、そういう結果を残したいし、全員が守備をして全員が攻撃をするという、しっかり全員が走らないといけない試合になると思う。運動量が求められるので、そういうところをしっかりやりたい」
―1トップの柿谷、大迫との練習が続いているが、どういう特徴があると見ている?
「(柿谷)曜一朗と大迫は両方違うタイプ。2人にいい形でボールを送ってあげられればいい。2人とも裏に抜ける動きは抜群だと思う。それに合わせていいボールを供給したい」

―柿谷の特徴は?
「曜一朗は技術があるし、すべてにおいてすごいプレイヤーだと思う。一本がありますね。ずっと消えていても最後に仕事をしちゃうという。僕は結構セレッソの試合もインターネットで見ているけど、そういうシーンがたくさんあって、一本のパスでゴールを決めるというシーンが曜一朗はあるし、たぶん曜一朗もそれを狙って動いているんだと思う。そういう選手に対して1.5列目、2列目の選手がいいボールを供給してあげられたらと思う。代表に来るとたくさんの役割、ポストプレーで落とすという役割もあると思うけど、その一本に懸けるという狙いを持っていると思う」
―去年セレッソでやっていたときとは違う武器も持ったように見える?
「いや、曜一朗はもともと持っているものは持っているので。僕がどうこう言うより、自分たちができることはFWの選手にいいボールを供給すること。あとは自分たちも点を取れるように、FWといい関係を保てればと思う」
―大迫は?
「サコ(大迫)はポストプレーもできるし、背負ってからの反転も速い。うまく体を当ててその反動を使って自分が反転するというのを持っている。裏に供給してあげてもピンポイントで合えば、あとは体を入れていけると思うので、僕たちが与えるボールの選択肢が増えたと思う」

―チーム内での個人の競争ということについては?
「チームとして、今まで継続してしてきたことをやり続けて、ワンレベル、ツーレベル上を目指さないといけない。個人もそうだけど、チームとして、やるべきことをみんなでまとまってしっかりやらないといけない。個人の競争という気持ちもあるけど、今は、最近結果がついてこなかった分、チーム一丸となってやるしかない。今はそういう方向にみんなが向いてやっている」
―東京五輪が決まったが?
「今日起きた瞬間、発表の直前でした。そのまま起きていて見たら東京に決まったので興奮した。そのとき自分が何歳になるのか考えたけど、チャンスがあればすごく出たいと思うし、若い世代にはすごくいいことだと思う。自分もその年齢までサッカーをして、しっかり頑張っていたい」
―ロンドン五輪では4位だった。
「すごくやり残したことがある。日本の舞台で、もしかしたらメダルを取れるというのがあるので、しっかりその年齢まで頑張っていきたい」
―早起きして見たのか?
「たまたま起きてしまって。そしたらちょうどあと20分だったので。朝ご飯はみんなバラバラなので(五輪の話はみんなとはしていない)」

●MF長谷部誠(ニュルンベルク)
―今朝、2020年夏季五輪の開催都市が東京に決まったが?
「朝、起きて知ったけど、日本人として、東京で、日本でオリンピックが開催されるのは非常にうれしいし、ハード面、ソフト面でも日本にとって素晴らしいものになると思う」
―国立競技場も新しくなるが?
「イメージ図のようなものを少し見たことがあるけど、自分がそのときプレーしているか分からないので何とも言えないけど、みんな食事の席でもオーバーエイジ枠を狙っているみたいだった。僕はそれに乗れなかったけど(笑)」
―ユース世代の選手にとっても大きいのでは?
「若い選手にとっては新たな素晴らしい目標ができたと思う。僕はオリンピックに出ていないけど、オリンピックに出た選手の中には、例えば悔しさをバネに成長した選手もいる。オリンピックが与えてくれる影響は大きいと思うし、若い選手には喜ばしいことだと思う」
―ガーナ戦に向けては?
「オリンピックも決まって、一昨日の試合も勝って、次の試合は7万人ぐらい入るスタジアムが完売していると聞くし、期待、注目もされていると思う。ガーナは素晴らしい相手。ミーティングで映像も見た。そういう選手が来なくても素晴らしいチーム。そういう相手に勝って、サッカー界を盛り上げたい」
―オーバーエイジでの東京五輪出場は考えない?
「僕は7年後、36歳。そんな先は見れない(笑)」

●DF吉田麻也(サウサンプトン)
―今朝、2020年夏季五輪の開催都市が東京に決まったが?
「朝、起きてニュースを見てうれしかったし、(プレゼンターを務めた)太田さん(フェンシングの太田雄貴)や(フリーアナウンサーの)滝川クリステルさんの喜んでいる姿を見て、どれだけ大変だったのか垣間見えたし、2人だけでなく、招致の関係者全員に感謝したい」
―自分自身、2度の五輪に出場しているが?
「何より東京で開催されるということで、経済効果もそうだし、時差なく国民の皆さんがオリンピックを楽しめるということが素晴らしいと思う」
―オーバーエイジでの出場は考える?
「7年後は32歳ぐらいですから……。オリンピックは開催期間が短い。試合と試合の間の移動も大変だけど、自国開催なので、そういう意味では利がある。(自分の出場も)ないことはないかな(笑)」
―国立競技場も新しくなるが?
「新しくなるイメージ図を見て興奮したし、選手としても立ちたいと思う」
―ユースの選手たちにとっても大きい?
「現時点で小中学生の選手たちにとってチャンスのある大会になると思う。被災地の復興にもつながると思うし、大事な大会になると思う。自国開催の利を生かしてほしい」
―ガーナ戦に向けては?
「たくさんの観客が入るし、間違いなく後押ししてくれる。グアテマラ戦に続いて継続していい形でやらないといけないし、勝利にこだわっていきたい」

●DF長友佑都(インテル)
―今朝、2020年夏季五輪の開催都市が東京に決まったが?
「率直にうれしいなと思ったし、7年後なので、僕も出たいなという気持ちになった」
―北京五輪にも出場しているが?
「オリンピックには特別な思いがある。僕らは全敗した苦い思い出があるし、それを覆すためにも出たいなと。みんな、特に北京世代の選手は、香川にしろ、みんな出たいと言っていた」
―国立競技場も新しくなるが?
「高校生のころから国立が夢だったし、そこでプレーしたいと思っていた。素晴らしいスタジアムになると聞いているし、楽しみにしている」
―ユース世代の選手にとっても大きい?
「ユース世代だけでなく、たくさんの子供たちに夢を与えられると思う。素晴らしい大会になるように僕もサッカー界を盛り上げたい」
―ガーナ戦に向けては?
「僕は1試合1試合、W杯を意識して戦っている。1試合1試合、無駄にできない。結果だけでなく、内容も伴った試合にしたい」
―食事でもオーバーエイジの話になった?
「そうですね。みんな出たいという気持ちが強いみたいですよ」
―北京五輪を経験したことで感じていることは?
「僕らは北京では悔しい思いをした。苦い思いをしたからこそ、もう一回リベンジという気持ちです。僕、(香川)真司、(本田)圭佑という北京世代は、五輪にいいイメージは確実にないので。オリンピックにいいイメージがないのを覆したい気持ちですね。33、34歳。頑張って出たいです」
―北京五輪のころは?
「あのころは僕もJリーグでやっていたから、世界を知る意味でもワクワクしてやっていた。そこで世界を知ったことで新たな目標が出た。ただ、もし可能性があって出られることになったら、違う気持ちで出ることになるんでしょうね。今は世界でプレーさせてもらって、世界のレベルが分かっているので、若い選手にそういう経験を伝える立場で出られたらと、自分の中で想像だけは膨らんでいます」
―それを、ホームである東京でできるのがいい。
「それが大きいですよね。それが夢ですね。ホームで世界大会を迎えるというのはサッカーをやっている人、スポーツをやっている人の夢ですよね」

●DF内田篤人(シャルケ)
―ボアテングが来日メンバーから外れたが?
「チームメイトとやるのはなかなかない。ファルファンとペルーでやったりしましたが、なかなかチャンスがないので残念です。移籍してきたばかりだから(来ないことになった)気持ちは分かるので、来なくていいです」
―ガーナの印象は?
「今日ちょっとビデオを見たけど、やっぱりスピードが速いし、体も強いし、身体能力が高い。うまくやれたらいいと思うけど、特別意識することはないと思う」
―メンバーが落ちているが?
「日本に来て試合をやってくれるので、ドイツに住んでいる僕らからしたら遙かに遠い国ですから、ありがたいです」


(取材・文 西山紘平、矢内由美子)

◆【第93回天皇杯 2回戦 鹿島 vs ソニー】レポート:多くの若手が先発した鹿島だったが試合を決めたのは交代出場したベテランたち。キャプテン小笠原は、若手を叱咤激励して成長を促す(J's GOAL)


http://www.jsgoal.jp/news/jsgoal/00161355.html

9月7日(土) 第93回天皇杯 2回戦
鹿島 3 - 0 ソニー (17:04/カシマ/3,194人)
得点者:81' 山村 和也(鹿島)、89' 野沢 拓也(鹿島)、90'+4 遠藤 康(鹿島)
★天皇杯特集
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小笠原満男が、試合に勝ってもミックスゾーンで苦い表情を見せることは珍しくない。しかし、この日は珍しく本当に怒っていた。
「言いたいことはいっぱいあるけど、本人に直接伝えます」。
聞けば試合中から、そしてロッカーに帰ってからも怒っていたらしい。チャンスをもらった若手選手たちが見せた姿勢と、小笠原が予想していたそれとでは、大きくかけ離れていた。

小笠原には強く心に刻み込まれた試合があった。
つい1ヶ月前に行われたスルガ銀行チャンピオンシップである。17歳や19歳の選手たちが先発として起用されたサンパウロFCは、いわば2軍と呼んでも差し支えない陣容だった。しかし、チャンスを与えられた若手選手にとっては、願ってもないアピールのチャンス。必死にボールに食らいつく姿に改めて感銘を受け、「若い選手がやってやろうという姿勢を向こうが見せたのが自分としては印象的だった」と感想をもらしていた。鹿島の若手にも、そうあって欲しいという親心だった。

しかし、同じようにチャンスを与えられた鹿島の若手選手たちからは、飢餓や渇望を満たすギラギラした目つきはなく、勝負に対する執念もソニー仙台の方が若干上回る展開となる。ボールは鹿島がキープしたものの、攻撃の形がつくれずシュートも散発。前半の終わり際に、小笠原のフリーキックを山村和也が頭で合わせポストを強襲する場面もあったが、前半はわずか4本に抑えられてしまった。

後半は、ソニー仙台がペースを掴みチャンスを迎えたが曽ヶ端準が阻止。瀬田貴仁がゲームをつくり、小泉慶治や中村元が驚異的な走力を見せていたソニー仙台は、この時間帯で得点が欲しいところだった。しかし、前半から守備の時間が多かったこともあり徐々に足が止まると、77分に松岡祐介が2度目の警告を受けて退場。流れは完全に鹿島へ傾いた。スペースができはじめれば、後半頭から入っていた本山雅志、70分に入った野沢拓也、77分に入ったジュニーニョが自由に動き出す。81分にコーナーキックの流れから山村が押し込み先制点を奪うと、89分には本山、ジュニーニョ、野沢と流れるような崩しから2点目を奪い、90+4分にはジュニーニョのクロスを遠藤康がプロ初となるヘディングでのゴールを押し込み、終わってみれば3-0での快勝となった。

若手にとっては結果が残せなかった試合となったが、この試合で学んだものも少なくなかった。試合中、クロスの精度について小笠原から厳しい言葉で指摘された伊東幸敏は「今日の1日は、いままでのなかでも良い経験になった試合だった」と話していた。先発の一角を得ようとしている土居聖真も、若手が先発してベテランが試合を決めたことに「それがベテランと若手の関係性」と触れながらも「逆の立場になってもそうしないといけない」と課題を見出していた。

タイトルを取り続けるクラブでレギュラーとなるためには、どのレベルに達しなければならないのか。若い選手たちには、いままでは漠然としていたものが試合に出たことで、実感として掴めたはずだ。この試合を契機にして、練習で切磋琢磨するようになれば、クラブ全体の質は高まる。次の時代を担う選手たちには、とても良い経験となる試合だった。

以上

2013.09.08 Reported by 田中滋

◆コラム:柿谷と大迫、ザックジャパンの新FW争いが面白い(スポナビ)


http://sportsnavi.yahoo.co.jp/sports/soccer/japan/headlines/article/20130908-00000021-goal


7月の東アジアカップ(韓国)でともに代表デビューを果たし、中国戦と韓国戦の2試合で合計3得点を挙げた柿谷曜一朗(C大阪)と、オーストラリア戦で2得点を奪った大迫勇也(鹿島)。その2人が目下、ザックジャパンの1トップ争いを繰り広げている。6日のグアテマラ戦(大阪・長居)では大迫が先発で前半45分間プレー。後半から柿谷が登場し、本田圭佑(CSKA)ら主力メンバーと非常に息の合った連携を見せた。8月のウルグアイ戦(宮城)で1試合プレー、経験値で上回っていたことも幸いし、現時点では「柿谷一歩リード」といった情勢である。

遡ると、彼らはU-17代表時代からライバルだった。2007年8月に韓国で開かれたU-17ワールドカップに挑んだ日本代表FW陣はエース柿谷を軸に、大塚翔平(千葉)、端戸仁(横浜)らで構成された。が、城福浩監督(現甲府)は大迫の才能も買い、2カ月前の韓国遠征まで候補として呼んでいた。最後の最後で落選を突きつけられた男は悔しさと失望感に打ちひしがれたという。

しかし、柿谷もその後は伸び悩んだ。ユース代表こそメンバー入りしたが、五輪代表は一切お呼びがかからなかった。鹿児島城西高校で名を馳せ、鹿島入りした大迫の方はユース代表には選ばれ、五輪代表もアジア予選では主力級に位置づけられたが、肝心の本大会では落選。揃って紆余曲折の人生を強いられた。ともにスキルと得点感覚に秀でたオールラウンド型の点取屋ということもあり、彼らがA代表でしのぎを削るのは前々からの運命だったのかもしれない。キャリアやスタイルなど共通点が多いからこそ、柿谷は「サコとは1トップ同士、日本が強くなるためにどうすべきか話をしている。お互い成長していけるといい」と共闘宣言をしたのだろう。

グアテマラ戦を見る限りだと、大迫は敵を背負いながらのポストプレーや遠目からのシュートで存在感を発揮していた。「サコは体が強いし、ボールが収まる。相手が引いていた分、サコはスペースを消さないように下がらず前に張っていたと思うけど、僕はすごくやりやすかった」と清武弘嗣(ニュルンベルク)も初先発のFWを前向きに評価した。ただ、大迫自身は「クサビは受けることができていたけど、もっと練習から自分のプレーを分かってもらうのが一番。もっといい距離感でやれればよくなる」と周囲とのコミュニケーション不足を実感したようだ。

柿谷の方は出てきてすぐ本田の先制点を引き出す。長友佑都(インテル)が左クロスを上げた瞬間、ニアに走ってDFとGKを引き寄せ、本田のマークを1枚にしたのだ。それ以外にも緩急をつけながらスペースを作ったり、60mのドリブル突破からカウンターをしかけるなど、多彩な動きを披露。「今まで日本代表のFWは両極端で、デカくても足元を得意としなかったり、足元はうまくても前で得点を挙げられない選手だったけど、曜一朗はすべてを兼ね備えている。やっとこういう1トップが出てきた」と本田に言わしめた。

「理解のスピードが他の人と一緒ならここにいる意味がない。取られてもいいからただドリブルするだけなら小学生でもできる。自分の役割を頭に入れながら状況判断しないといけない」と話す柿谷は、代表で何をすべきかがハッキリ見えてきたようだ。

今季J1でともに14点をマークし、得点ランキングトップの大久保嘉人(川崎F)の4点差と迫る若き2人がザックジャパンに何をもたらすのか…。10日のガーナ戦(横浜)、そして10~11月の欧州遠征での彼らとチームの変化をよく見極めたい。


文/元川悦子
1967年長野県松本市生まれ。94年からサッカー取材に携わる。Jリーグ、日本代表、海外まで幅広くフォロー。特に日本代表は練習にせっせと通い、アウェー戦も全て現地取材している。8月末に上梓した近著に「日本初の韓国代表フィジカルコーチ 池田誠剛の生きざま 日本人として韓国代表で戦う理由」(カンゼン刊)がある。

(C)Goal.com

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