日刊鹿島アントラーズニュース
Ads by Google
2013年9月9日月曜日
◆コラム:柿谷と大迫、ザックジャパンの新FW争いが面白い(スポナビ)
http://sportsnavi.yahoo.co.jp/sports/soccer/japan/headlines/article/20130908-00000021-goal
7月の東アジアカップ(韓国)でともに代表デビューを果たし、中国戦と韓国戦の2試合で合計3得点を挙げた柿谷曜一朗(C大阪)と、オーストラリア戦で2得点を奪った大迫勇也(鹿島)。その2人が目下、ザックジャパンの1トップ争いを繰り広げている。6日のグアテマラ戦(大阪・長居)では大迫が先発で前半45分間プレー。後半から柿谷が登場し、本田圭佑(CSKA)ら主力メンバーと非常に息の合った連携を見せた。8月のウルグアイ戦(宮城)で1試合プレー、経験値で上回っていたことも幸いし、現時点では「柿谷一歩リード」といった情勢である。
遡ると、彼らはU-17代表時代からライバルだった。2007年8月に韓国で開かれたU-17ワールドカップに挑んだ日本代表FW陣はエース柿谷を軸に、大塚翔平(千葉)、端戸仁(横浜)らで構成された。が、城福浩監督(現甲府)は大迫の才能も買い、2カ月前の韓国遠征まで候補として呼んでいた。最後の最後で落選を突きつけられた男は悔しさと失望感に打ちひしがれたという。
しかし、柿谷もその後は伸び悩んだ。ユース代表こそメンバー入りしたが、五輪代表は一切お呼びがかからなかった。鹿児島城西高校で名を馳せ、鹿島入りした大迫の方はユース代表には選ばれ、五輪代表もアジア予選では主力級に位置づけられたが、肝心の本大会では落選。揃って紆余曲折の人生を強いられた。ともにスキルと得点感覚に秀でたオールラウンド型の点取屋ということもあり、彼らがA代表でしのぎを削るのは前々からの運命だったのかもしれない。キャリアやスタイルなど共通点が多いからこそ、柿谷は「サコとは1トップ同士、日本が強くなるためにどうすべきか話をしている。お互い成長していけるといい」と共闘宣言をしたのだろう。
グアテマラ戦を見る限りだと、大迫は敵を背負いながらのポストプレーや遠目からのシュートで存在感を発揮していた。「サコは体が強いし、ボールが収まる。相手が引いていた分、サコはスペースを消さないように下がらず前に張っていたと思うけど、僕はすごくやりやすかった」と清武弘嗣(ニュルンベルク)も初先発のFWを前向きに評価した。ただ、大迫自身は「クサビは受けることができていたけど、もっと練習から自分のプレーを分かってもらうのが一番。もっといい距離感でやれればよくなる」と周囲とのコミュニケーション不足を実感したようだ。
柿谷の方は出てきてすぐ本田の先制点を引き出す。長友佑都(インテル)が左クロスを上げた瞬間、ニアに走ってDFとGKを引き寄せ、本田のマークを1枚にしたのだ。それ以外にも緩急をつけながらスペースを作ったり、60mのドリブル突破からカウンターをしかけるなど、多彩な動きを披露。「今まで日本代表のFWは両極端で、デカくても足元を得意としなかったり、足元はうまくても前で得点を挙げられない選手だったけど、曜一朗はすべてを兼ね備えている。やっとこういう1トップが出てきた」と本田に言わしめた。
「理解のスピードが他の人と一緒ならここにいる意味がない。取られてもいいからただドリブルするだけなら小学生でもできる。自分の役割を頭に入れながら状況判断しないといけない」と話す柿谷は、代表で何をすべきかがハッキリ見えてきたようだ。
今季J1でともに14点をマークし、得点ランキングトップの大久保嘉人(川崎F)の4点差と迫る若き2人がザックジャパンに何をもたらすのか…。10日のガーナ戦(横浜)、そして10~11月の欧州遠征での彼らとチームの変化をよく見極めたい。
文/元川悦子
1967年長野県松本市生まれ。94年からサッカー取材に携わる。Jリーグ、日本代表、海外まで幅広くフォロー。特に日本代表は練習にせっせと通い、アウェー戦も全て現地取材している。8月末に上梓した近著に「日本初の韓国代表フィジカルコーチ 池田誠剛の生きざま 日本人として韓国代表で戦う理由」(カンゼン刊)がある。
(C)Goal.com
Ads by Google
日刊鹿島
過去の記事
- ► 2024 (1036)
- ► 2023 (1261)
- ► 2022 (1152)
- ► 2021 (1136)
- ► 2020 (1404)
- ► 2019 (2168)
- ► 2018 (2557)
- ► 2017 (2892)
- ► 2016 (2193)
- ► 2015 (1859)
- ► 2014 (2464)
- ▼ 2013 (1411)