日刊鹿島アントラーズニュース

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2024年4月9日火曜日

◆【得点力不足という最初の難局。ポポヴィッチ鹿島はなぜ点を取れないのか】(サッカー批評)






鈴木優磨も2試合シュートゼロ。土居聖真が「受け手の欲しいタイミングから2個3個…」と説く“改善点”


 2024年J1の今後を占うと見られた3月代表明けの3連戦。3月17日の第4節で因縁の相手・川崎フロンターレを9年ぶりに撃破した鹿島アントラーズは充実した中断期間を過ごし、万全体制で序盤の勝負どころを迎えたはずだった。

 一発目だった3月30日のジュビロ磐田戦を首尾よく1-0で勝利。チーム全体に弾みがついたはずだったが、続く4月3日のアビスパ福岡戦で0-1とまさかの黒星を喫してしまった。ここで連敗は許されなかったが、7日のFC東京戦も相手に鋭いカウンターを発動され、仲川輝人と原川力に2発を浴び、終わってみれば0-2の完敗。7試合終了時点で勝点10の8位に後退し、首位を走る町田ゼルビアとは6差をつけられてしまっている。

 順位表を見ると、やはり気になるのが得点の少なさだ。鹿島の総得点は7でリーグ全体では下位。開幕の名古屋グランパス戦で3得点発進したことで「今季の鹿島は鈴木優磨依存から脱却できる」という前向きな手ごたえも感じられたが、4月に入ってからは無得点。エース・鈴木優磨も福岡・FC東京戦でシュートゼロという厳しい状況に陥っているのだ。

「流れからゴールを取れていないのは課題。トレーニングで改善して精度を高めていきたい」と指揮官も語ったが、得点力アップはポポヴィッチ監督率いる新生・鹿島の最重要テーマだったはず。そこが目下、足踏み状態に陥っているのは、やはり見逃せない点だ。

「結局、最後の精度じゃないですかね。いくら崩しても、最後のパスと最後のシュートがよくなきゃ点は入らないんで、そこの質は俺を含めて1人1人が上げる必要があるかなと思います」と背番号40は自戒を込めて語っていた。が、FC東京戦を見る限りだと、彼に点を取らせる形も作れていない印象も拭えない。

「カウンターの時に自分のところでリスク管理ができずに何度かやられてしまった」と、ボランチ・佐野海舟も反省の弁を口にしたが、チャレンジのパスが引っ掛かり、相手の逆襲の餌食になるというシーンは何度か散見された。もともと本職でない知念慶と守備職人の佐野というボランチコンビだと、効果的なタテパスがなかなか入らないのも1つの事実。


■土居聖真が説く「組み立ての改善」


 そこで指揮官もここまで土居聖真を下げたり、樋口雄太を起用したりと、さまざまなボランチコンビを編成してきたが、守備はよくても攻めが物足りないという現実はある。

 FC東京戦で新戦力のミロサヴリェビッチがデビュー。彼がもう少しフィットして来れば攻撃リズムも変わるだろうし、キャプテンで10番の柴崎岳の復帰も待たれるところ。ただ、柴崎は4月初旬の時点で全体練習に合流しておらず、ピッチに戻ってくるのはしばらく先になりそうだ。となれば、ある程度、現有戦力で乗り切るしかない。

「僕らの悪い時は外回しさせられちゃう。福岡戦もそうだったんですけど、受け手の欲しいタイミングから2個3個遅れてボールを出されても、相手に寄せられるし、相手を簡単に守れちゃう。そういう流れを変えないといけない」と土居も強調していた。組み立てのところからの改善が今の彼らには必要なのだ。


土居聖真が感じる常勝時代との違いとは……柴崎岳、遠藤康、小笠原満男を例に出して話したこと


 ランコ・ポポヴィッチ体制の鹿島アントラーズは今、最初の難局に直面している状況。ここでズルズル行ってしまえば、上位躍進、優勝争い参戦はもちろんのこと、多くのサポーターが望む常勝軍団復活は遠のくばかりだ。ここで踏み止まらなければ、致命的な状況になりかねない。だからこそ、確実にチャンスを作り、ゴールをこじ開けられるチームに変化していくことが強く求められる。

「今は流れから点を取れてないっていうところで、成功体験がみんなの中にないんで、自信になりきってないのかなと。そこは試合重ねて、そのチャレンジしていくしかないのかなと思います」と語気を強めるのはベテランの土居聖真だ。

 2010年代から在籍し、小笠原満男(鹿島アカデミー・アドバイザー)や本山雅志(鹿島アカデミースカウト)、遠藤康(仙台)らと共闘し、タイトルを取れるチームの一員だった彼は当時と今の違いをこう語っていた。

「僕と(柴崎)岳の例で言うと、ホントに話さなくても、見てなくても、パスが来るというのがある。満男さんだったり、ヤス君だったりもそうでしたけど、『こいつだったらこう動いてくれる』『こいつならここに出してくれる』っていう信頼関係があったと思う。それがやっぱり同じ絵を描けてたっていうことなんだと思います。だからこそ、今のチームでももっと密に信頼関係築いていかないといけない。プライベートとかじゃなくて、サッカー面で積み重ねていかなきゃいけないのかなと感じます」


■3試合連続で異なるトップ下


 今季の鹿島攻撃陣を見ると、絶対的エースの鈴木優磨は不動だが、彼と組むトップ下が試合毎に変わっている。今回の3連戦で言えば、ジュビロ磐田戦が名古新太郎、福岡戦が土居、FC東京戦が樋口雄太と全て異なっている。

 ポポヴィッチ監督には「毎回メンバーを変えて攻撃に変化をもたらしたい」という思惑があるのだろうが、人が変われば連携やコンビネーションも違ってくる。土居がかつての鹿島で感じていた「阿吽の呼吸」は生まれにくくなってしまうのだ。

 ボランチに関してもタテパスを思うように入れられないという課題がある。ここ3試合は知念慶と佐野海舟のコンビだが、彼らは守備のバランスはいいが、攻撃の違いを作るようなプレーはやはり苦手だ。むしろ土居が下がった方がいいボールが供給される。彼らと鈴木優磨、そして今はサイドで起用されているチャヴリッチらとの関係性を研ぎ澄ませていくことが、得点力不足解消へのカギになってくるのではないか。

「今は結果が出てないですけど、悲観する必要はないと思いますし、ずっとチャレンジするだけなんで。『鹿島は今年も常勝にはなれないのかな』と思われてもしょうがないですし、それはみんなも思うことでしょうけど、やってる僕らは負けを引きずってもしょうがない。監督も『下を向かずにやっていくぞ』って試合後のミーティングでも言ってくれたんで、それにしっかり乗っかって、下向かずに進んでいくだけかなと思います。

 とにかく今の僕らに必要なのは成功体験。それさえあれば絶対によくなる。僕はそう信じています」


■京都戦までの準備期間


 年長者の土居が語気を強めるように、今の鹿島に必要なのは勝利という結果に他ならない。鈴木優磨、あるいは別の選手に流れの中からゴールが生まれ、1つ勝つことができれば、この停滞感は払拭できる。今はチーム全体がそういった前向きなマインドを持っている。そこは明るい材料と言っていい。

 4月13日の次節・京都サンガ戦までは1週間の準備期間がある。これをどう有効活用していくかが重要だ。主軸メンバー固定が顕著なポポヴィッチ監督にしてみれば、疲労困憊の関川郁真、安西幸輝、濃野公人らを休ませられるのもポジティブな材料だろう。

 ここでしっかりと攻守両面で組織を立て直せるか否か。今こそが今季鹿島の今後を左右する重要局面なのは間違いない。

(取材・文/元川悦子)




◆【得点力不足という最初の難局。ポポヴィッチ鹿島はなぜ点を取れないのか】(サッカー批評)





◆「すごく腹立たしい」鹿島アントラーズ、屈辱的な連敗の理由。相手から「キツそうだった」と言われてしまう現状【コラム】(フットボールチャンネル)



鹿島アントラーズ


明治安田J1リーグ第7節、FC東京対鹿島アントラーズが7日に国立競技場で行われた。連敗を避けたい鹿島だったが、ミスが目立つなど立ち上がりから流れを作れず、後半に入り2点を失って0-2の完敗を喫している。一体なぜ、屈辱的な連敗という結果になってしまったのだろうか。(取材・文:元川悦子)


「鹿島はキツそうだった」


 3月の代表ウィークが終わり、3月29日から4月7日にかけて3連戦となった2024明治安田J1リーグ。A代表とU-23日本代表に選手派遣をしなかった鹿島アントラーズは2週間じっくりと調整でき、今季就任したランコ・ポポヴィッチ監督の目指すゴールに直結したサッカーを突き詰められたはずだった。

 鈴木優磨のPK 1本で1-0と勝利した3月30日のジュビロ磐田戦では成果の一端は見られたものの、続く4月3日のアビスパ福岡戦は0-1と完敗。指揮官も「あれだけイージーなパスミスが出るのは技術・メンタルの両方がいい状態ではなかった」と苦言を呈した。

 悲願のJ1タイトル奪還を目指すなら、リーグ戦連敗は許されない。しかも7日のFC東京戦は5万人超の大観衆が集まる東京・国立競技場での一戦。そこで勝ち点3を手にし、鹿島らしい強さと老獪さを示す必要があった。

 今回、ポポヴィッチ監督がスタメンに抜擢したのはトップ下の樋口雄太と左ワイドの仲間隼斗。チャヴリッチは右ワイドに配置した。ただ、3試合を通して見ると、変化を加えたのは2列目の組み合わせだけ。最前線の鈴木優磨とボランチより後ろは全て同じで、選手たちの疲労が気がかりだった。

 案の定、この日の鹿島はスタートから疲れが見て取れた。相手ボランチの高宇洋も「鹿島は疲れていてキツそうだった」と言う。佐野海舟と知念慶の両ボランチを軸にボールを奪って速く攻めようという姿勢は感じられたが、ミスパスが目立ち、逆襲を食らう場面が散見された。


主力への負担が大きすぎるのか


「自分たちが攻撃している時こそ、リスクマネージメントにはこだわりたいけど、引っかかる時もあるし、それがカウンターになるのは僕の中では仕方ないかなと思う部分。そこは割り切って、1対1になるシーンも増えてくるので、個人の力を出すことが大事。それは自分に任せられた仕事だと思う」と最終ラインを統率する植田直通も強調していたが、それができているうちはまだよかった。

 しかしながら、後半に入ると守備陣中心に跳ね返せばOKいうわけにはいかなくなった。象徴的だったのが、55分の1失点目だ。

 樋口がボールを失ったのをきっかけに、FC東京は俵積田晃太がドリブルで持ち上がり、これを佐野が寄せたものの、セカンドボールが再びFC東京にこぼれた。そしてエンリケ・トレヴィザンからバングーナガンデ佳史扶、松木玖生とつながり、次の瞬間、仲川輝人が植田と関川郁真の間に侵入。打点の高いヘッドを叩き込んだ。これは鹿島にとって致命的な1失点目だったと言える。

 そこからポポヴィッチ監督は重い腰を上げ、藤井智也を投入。ラスト10分となったところで土居聖真、松村優太、新助っ人のミロサヴリェビッチを3枚替え。攻撃に迫力をもたらそうと試みたが、後半アディショナルタイムにミロサヴリェビッチのパスをカットした原川力に松木とのワンツーから豪快な2点目を決められたのだ。

「今、失点が続いていて、そこはすごく腹立たしいというか、そこはすごく責任を感じてます」と植田も苦渋の表情を浮かべた。相手の鋭いカウンターに鹿島は屈し、まさかの連敗を喫することになったのである。

「終わり方が非常に悪い。ゲーム自体は我々がコントロールしていたが、前節と同じように決められてしまった」

 ポポヴィッチ監督は悔しさをにじませたが、やはり主軸メンバー固定の弊害が出たと言わざるを得ない部分もありそうだ。今季の鹿島は始動時から主力とサブをある程度、固定してチーム作りを進めてきたため、今回のような過密日程になると、一部の主力に大きな負担がかかる。いくら鈴木優磨や植田、佐野らタフな面々でも、出ずっぱりだとパフォーマンスが落ちて当然だ。


「いくら崩しても…」


 指揮官はFC東京戦前日のオンライン会見で「シーズンを半年で消化したコロナ禍の2020年に私はFC町田ゼルビアで指揮を執っていたが、保有人数もそれほど多くない中、ローテーションをほとんど使わず、ケガ人もほぼ出さずにリーグ戦を戦い抜いた。それを考えると、今の鹿島で『ローテーションを使った方がいい』というマインドになると選手たちが必要以上に疲れを感じる」と発言。固定起用でも問題ないと考えていたことを明かす。

 ただ、この日の鹿島はチーム走行距離・スプリント回数といったデータ面でもFC東京を下回っている。今後は大型連休の連戦も控えるだけに、チームの幅を広げていかなければいけないのは確かだろう。

 もう1つ、気がかりな点は3試合で鈴木優磨の1点しか取れていないこと。

「いくら崩しても最後のパスと最後のシュートがよくなきゃ点は入らないんで、そこの質は自分含めて、1人1人が上げる必要があるかなと思います」と背番号40は反省を口にした。が、彼自身のシュートが2試合続けてゼロというのは直視しなければいけない重大な課題だ。鈴木優磨が最前線にいて、彼のところが攻撃の起点だということは対戦相手もよく分かっているから、徹底的にマークする。今回のFC東京も真ん中に人数をかけて包囲網を作っていた。そうなった時に「次の手」がないのが今の鹿島なのだ。

 開幕3戦はチャヴリッチを中央に置いていた分、ひと味違った攻めの迫力が感じられたが、彼はもともとウインガー。3月17日の川崎フロンターレ戦以降はサイドに主戦場を移している。そこでチャヴリッチが前向きにプレーできる回数が多くなれば、サイドをより効果的に攻略でき、鈴木優磨の決定機も増えるはずなのだが、そういった形にも思うように持ち込めていない。

 だからと言って、指揮官はチャヴリッチを中央に戻す考えはない様子。この3試合を見ると、鈴木優磨の背後にいるトップ下を名古新太郎、土居、樋口と入れ替え、攻撃に変化をつけようと試みてはいるものの、フィニッシュやラストパスの質が上がり切らない。

 土居は「今はまだ攻撃陣全体が同じ絵を描ききれていない」と指摘したが、アタッカー陣の誰が出てもいいリズムで攻撃し、相手のギャップを突いていけるような高いレベルに引き上げていく必要がある。それは簡単ではないだろうが、今の壁を乗り越えない限り、鹿島の上位浮上、優勝争い参戦、ひいては常勝軍団復活は難しいと言うしかない。

「今はポポさんのスタイルにどんどんチャレンジして精度を上げていこうとしている。パスがつながっていればチャンスになるのは間違いないんで、自分たちのクオリティを上げていかないといけないと思います」と鈴木優磨自身も強調したが、彼らは前向きな方向に進めるのか。ポポヴィッチ監督体制発足、最初の厳しい局面に立たされた鹿島がここからどういった軌跡を描いていくのか。それを慎重に見極めたい。

(取材・文:元川悦子)




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