日刊鹿島アントラーズニュース
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2015年11月14日土曜日
◆新星・金崎を“ヒデ級”起爆剤に(サンスポ)
http://www.sanspo.com/soccer/news/20151114/jpn15111405030002-n1.html
元日本代表主将でサンケイスポーツ専属評論家の宮本恒靖氏(38)が、3-0で勝利した12日のロシアW杯アジア2次予選シンガポール戦を分析。FW金崎夢生(むう、26)=鹿島=とMF柏木陽介(27)=浦和=の新戦力を高評価した。また、今後も続くアジア予選で、守りを固める相手から得点を奪うための“秘策”として、ポジションチェンジの活用を提言した。
3トップの中央に金崎、ボランチに柏木を起用。“初顔”の選手と序盤は考えを共有できていなかったが、尻上がりに調子がよくなった。
前半20分、金崎の1点目。武藤の折り返しを胸でトラップして放ったボレーシュートは簡単ではない。高い技術とバランス感覚が表れていた。
ユニホームのぬれ方を見ても分かるとおり、激しい運動もいとわない。躍動感あふれるスタイルや自分の意見を仲間にもはっきりとぶつける独特の個性はチームの起爆剤になるはずだ。
日本人は面と向かってものごとを言わないとされているが、チームをよくするためには意見を言うことは大切だ。私が代表で主将を務めていたときは、ヒデ(中田英寿)と福西(崇史)が戦術面の食い違いなどからよく言い合いをしていた。
ヒデは昔からはっきりと意見を言うタイプ。それは周囲にもいい刺激になり、当時はみんながしっかりと発言していた。数人が一方的に言うだけではいい状況とは言えないが、金崎の登場は今の代表にいい効果をもたらすだろう。
リズムを作るのが得意な柏木も随所に特長が出ていた。例えば前半40分の場面だ。右サイドで本田、酒井宏と3人で短いパス交換を行い、最後は裏に抜けた酒井宏に柏木がスルーパスを送って切り崩した。これまでボランチはボール奪取にたけた長谷部、山口が出場してきたが、遠藤保仁(G大阪)のような司令塔の役割ができる柏木の存在は、今後のオプションになり得る。
1つ提言するなら、守りを固める相手には前線の選手のポジションチェンジを増やしてほしい。フリーランニングをすることで相手DFが引っ張られ、スペースが生まれるからだ。そこに別の選手が入り込む。あとはギアチェンジでテンポを上げれば、どんな相手でも嫌がるだろう。
テンポの上げ方でいえば、前半26分の本田の得点シーンがよかった。ワンタッチで長谷部が縦に入れ、ボールを受けた金崎が裏に走った清武へ。中央の武藤が清武のクロスを落とし、走り込んだ本田がゴールした。スペース作りを意識しつつ、こうしたダイレクトパスをつなぐ場面が増えればより効果的になる。
ただ、今回の相手はFIFAランク152位の格下で満足はできない。金崎と柏木はまだスタートライン。レベルの高い相手と戦うチャンスが巡ってきた時、本当の力が試されることになる。 (元日本代表主将)
12日のシンガポール戦VTR
敵地での対戦はMF香川、FW岡崎がベンチスタートとなり、代わってFW金崎ら新戦力が先発。前半20分にFW武藤の折り返しを金崎がけり込んで先制すると、同26分にはFW本田がW杯予選4戦連続となるゴールを挙げリードを広げた。後半に入ると、やや運動量が落ち攻撃が停滞したものの、42分にDF吉田が駄目押しのゴール。同予選いまだ無失点の守備陣も奮闘し3-0の勝利をおさめ、E組首位に再浮上した。
◆代表軽め練習 金崎は右足打撲、清武は靴擦れで欠席(ニッカン)
http://www.nikkansports.com/soccer/japan/news/1565624.html
日本代表は、3-0で快勝したW杯アジア2次予選シンガポール戦から一夜明けた13日、午前中に現地で軽めの練習を行った。
シンガポール戦で代表初ゴールとなる先制弾を決めたFW金崎夢生が右太もも打撲、トップ下で先発したMF清武弘嗣が靴擦れのため練習を欠席。2人とも宿舎ホテルで静養した。
練習の前後にはカミナリが鳴り、注意を促すサイレンがグラウンドに鳴り響いた。
同代表はこの日夕方に、シンガポールから空路プノンペンに移動する予定。17日にはW杯アジア2次予選カンボジア戦に臨む。
◆金崎1トップ1発回答 美しボレーで3発火付け(ニッカン)
http://www.nikkansports.com/soccer/japan/news/1565390.html
<W杯アジア2次予選:日本3-0シンガポール>◇E組◇12日◇シンガポール・ナショナルスタジアム
日本代表FW金崎夢生(26=鹿島)が、国際Aマッチ初得点を挙げた。5年ぶりのA代表復帰戦となったシンガポール(FIFAランク152位)戦に1トップで先発し、前半20分に左足で先制ゴール。2点目の起点にもなって勝利に火をつけ、日本(同50位)をE組首位に押し上げた。前回6月のホーム戦でまさかのスコアレスドローに終わった相手を切り崩す活躍で1トップ争いが激化した。17日はアウェーでカンボジアと対戦する。
ハリルジャパン初招集で即、センターフォワード(CF)に抜てきされた金崎が、鮮やかで力強い代表初ゴールを決めた。前半20分、本田の右クロスを武藤が頭で折り返し。真ん中に陣取っていた金崎が胸でトラップし、左足でボレー。指導書のような美しい一撃をゴール右上に突き刺した。6月のホーム戦で神セーブを連発したGKイズワンも防ぎようがない。10年10月12日の韓国戦以来5年ぶりの代表戦で1発回答した。
日本を楽にした。5カ月前は0-0で逃げ切られた相手。今回も点を取れなければ悪夢の再現もあるアウェー戦だったが、先制して活性化した。前半26分には清武へスルーパスを出して本田の得点の起点になり「今日はキヨ(清武)の誕生日だったんでね。(大分から)ずっとやってきて、一緒の場でプレーしてゴールできた。うれしかったです」と楽しむ余裕があった。
19歳で代表デビューした男の26歳での再ブレーク。海の向こうで意識が変わった。13年からドイツのニュルンベルク、ポルトガルのポルティモネンセを渡り歩き、ドリブルで鮮やかに抜いても点に直結しないと相手にされなかった。泥臭くても結果を出す方が重要。14-15季の前半戦は10番を背負い、球際で削り合いながら17試合9得点と爆発した。鹿島でもナビスコ杯5戦5発で優勝に貢献した。
勝ち気あふれる男だ。名古屋時代は年上のDF闘莉王とロッカールームで怒鳴り合い、U-22(22歳以下)代表候補合宿では鹿島柴崎の胸ぐらをつかんだ。「ポルトガルでも選手全員とケンカしたよ。思ったことは伝えた方がいいから」。鹿島でも「正直、ジーコスピリットと言われても分からない」と絶対視される領域にも踏み込む。チームに多少の苦手意識があったシンガポール戦でも尻込みしない。前半の早い時間にゴールをこじ開けてみせた。
わが道を行く点取り屋の台頭に、滝川二高の先輩FW岡崎も「いろんな選手が力をつければ、自分ももっと試合に出たくなる」と歓迎。「真ん中にパワーが足りない」と継続調査してきたハリルホジッチ監督も満足させ、不動のCF争いに風穴をあけた。伝説の「ムー大陸」から夢生と名づけられた金崎が、日本にロマンをもたらしていく。
<金崎夢生(かなざき・むう)アラカルト>
◆生まれ 1989年(平元)2月16日、三重県津市。
◆サッカー歴 安濃小2年時にフットサルを始め、東観中でサッカーに転向、高校は滝川二へ。
◆サイズ等 180センチ、70キロ。A型。利き足は右。
◆タイトル男 大分で08年にナビスコ杯で初優勝、ニューヒーロー賞に。名古屋では10年にJ1リーグ制覇。鹿島では今年のナビスコ杯V。
◆海外挑戦 13年1月にドイツ1部ニュルンベルクと契約。同年秋にポルトガル2部ポルティモネンセへ。今季から鹿島で、27戦9発。J1通算178試合25得点。
◆代表 U-18、20を経て09年にA代表初選出。同1月20日イエメン戦でデビュー。通算6試合1得点。
◆おとこ気 4月3日J1鳥栖戦でDFキムに顔面を踏まれ、後日謝罪に来たキムと記念撮影。関係者は握手を求めたが「それじゃ和解にならない」と金崎から肩に手を回した。
◆代表初ゴールの金崎をレンタル元も絶賛「我々の夢生が最高の活躍」(サッカーキング)
http://www.soccer-king.jp/news/japan/national/20151113/369615.html
日本代表初ゴールを喜ぶFW金崎夢生(左) [写真]=Getty Images
鹿島アントラーズに所属する日本代表FW金崎夢生が、12日に行われた2018 FIFAワールドカップ ロシア アジア2次予選のシンガポール戦で先制点を決めた。これを受けて所属元のポルティモネンセが同日、クラブ公式サイトにコメントを掲載している。
金崎は2007年に大分トリニータに入団。名古屋グランパスを経て、2013年1月には初の海外移籍を決意し、ニュルンベルクに加入した。その同年の9月にポルトガル2部のポルティモネンセに移籍。今年の2月に鹿島アントラーズへ期限付き移籍を果たしていた。2015明治安田生命J1リーグで27試合に出場し、9ゴールを挙げている。
シンガポール戦でスタメン出場を果たした金崎は、20分にマインツのFW武藤嘉紀が頭で中央に折り返したボールをトラップしてボレーで叩き込み、代表初ゴールを挙げた。
所属元であるポルティモネンセは、「我々の夢生が20分に先制点を決めた。金崎はポルティモネンセから鹿島アントラーズにレンタルしている選手で、おそらくピッチで最高の活躍を見せた」と、称賛する言葉を贈っている。
◆【THE REAL】鹿島アントラーズ・カイオが日本代表入りを熱望する理由…日本への感謝の想いを込めて(CYCLE)
http://cyclestyle.net/article/2015/11/13/29790.html
左右を綺麗に刈り取り、中央部分だけが残る髪の毛にたっぷりとジェルを塗って固める。シーズンを戦いながら仕立ててきたモヒカンを、パリッと際立たせてからキックオフの笛を待つ。
鹿島アントラーズのMFカイオが試合前に必ず行う髪型のセット。おそらくは国民的な流行となったラグビー日本代表・五郎丸歩の「ポーズ」に通じる、集中力を高めるためのルーティンなのだろう。
ウルトラセブンのアイスラッガーをほうふつとさせる、巨大なモヒカンに込めた想いを聞いてみる。はにかむような笑顔とともに、母国ブラジルの英雄の名前が返ってきた。
「ネイマール、です」
クライマックスを迎えた今シーズンの戦いにおいて、憧れの存在に近づけとばかりに、カイオのパフォーマンスがさらにまばゆい輝きを放っている。
アントラーズが通算6度目の頂点に立った、10月31日のナビスコカップ決勝。途中出場した背番号7は後半41分、電光石火のカウンターからガンバ大阪の息の根を止める3点目を叩き込んだ。
1週間後の11月7日。ホームに横浜F・マリノスを迎えたセカンドステージ第16節は、負けはもちろんのこと、引き分けてもサンフレッチェ広島の優勝が決まる正念場だった。
ここでもカイオが群を抜く存在感を放つ。4試合ぶりに先発すると前半10分に先制弾、後半19分にはダメ押し弾をゲット。キックオフ前の時点で最少失点を誇った、マリノスの堅守に風穴を開けた。
1ゴール目はカウンター。自陣から約40mをドリブルで突破していったMF遠藤康の左後方をトップスピードでフォローして、スルーパスを難しい角度から左足で叩き込んだ。
「中盤の攻防から僕たちが競り勝って、そこからカウンターを仕掛ける形になった。いい形でフリーになった僕を見てくれた味方には感謝したいし、幸いにも得点につなげることができてよかったです」
■入団2年目でゴールは二桁に到達
圧巻は2ゴール目だ。センターサークル付近でボールを受けると、柔らかいボールタッチを駆使して、間合いに入ってきたマリノスのMF三門雄大を一瞬にして置き去りにする。
そのままドリブルで攻め上がり、ペナルティーエリアの外、約20mの距離から右足を一閃。狙い澄ました一撃が、ゴール右隅に吸い込まれていった。
入団2年目で堂々の二桁に到達させるファインゴールを、カイオは自信を込めて振り返る。
「ちょうど仕掛けていったところで、相手のディフェンスラインがズルズルと下がっていってシュートコースもできた。練習通りにミートできたというか、ボールの当たりが非常によかったので、見ての通り綺麗な形のゴールとなりました」
千葉国際高校を卒業し、アントラーズの一員となった昨シーズン。初先発を果たした4月6日のガンバ大阪戦で初ゴールを決めると、カイオは一気に注目を集める。
173cm、69kgのやや華奢な体に搭載された、多彩なテクニックと圧倒的なスピード。クラブの高卒新人最多得点記録を更新する8ゴールをマークするなど、決定力も高い。柳沢敦の1年目は5ゴール、大迫勇也は3ゴールだった。
シーズン後の12月に行われたJリーグアウォーズでは、アントラーズでは柳沢、柴崎岳に次ぐベストヤングプレーヤー賞を外国人選手としてJリーグ史上で初めて受賞した。
アントラーズへの感謝を込めながら、カイオは晴れ舞台でこんなスピーチを残している。
「これは一歩前に踏み出しただけであって、これ以上のものを出せるように、献身的に忠実にこれからも頑張っていきたい」
存在がクローズアップされるごとに、カイオに対する「ある期待」も膨らんでいった。日本国籍を取得しての日本代表入り。アウォーズ後にはカイオ自身も、日本人になる夢があることを初めて明かしている。
「僕のなかでは常に日本人になりきってプレーしているので、日本人になれるのならば非常に嬉しい。日本は僕をサッカー選手として大きく成長させてくれた国なので」
■心に日本人のメンタリティーを宿す
サンパウロで生まれ育ち、名門サンパウロFCなどの下部組織でプレーしていたカイオが、千葉国際高校へ留学するために来日したのは2011年10月。17歳のときだった。
公の場では通訳を介するが、いまでは日本語でチームメイトとのコミュニケーションを取っている。日本帰化の要件のひとつ「引き続き5年以上日本に住所を有する」を来年秋には満たす。
何よりもJリーグ屈指の伝統と厳しさを誇る名門アントラーズで鍛えられてきた日々で、カイオは日本人のメンタリティーをその心に宿している。
たとえば今シーズンの先発回数。ファーストステージの13回が、指揮官がブラジル人のトニーニョ・セレーゾ監督から石井正忠監督に代わったセカンドステージは7回とほぼ半減している。
「確かに先発として出場できるほうが、選手としては嬉しい部分はあります。ただ、先発であろうとベンチスタートであろうと、チームのために全力を尽くすという自分の考え方はまったく変わりません」
決して腐ることなく、練習から常に全力を尽くしてきた。その結果が、リーグ戦ではチーム最多となる10ゴールをあげる源となっている。ここでもカイオはチームに感謝の思いを捧げる。
「練習は嘘をつかないという部分で、僕はしっかりと取り組んできた。ただ、試合へ向けた準備を積み重ねていくなかで、チームの結束、一体感といったものが、いろいろな部分でいい方向にはたらいている。それらが相乗効果となって、いい結果を生み出していると思う」
先発フル出場でチームの勝利に貢献したマリノス戦後。カイオはあらためて、日本代表への熱い想いを語っている。
「皆さんから聞かれるたびに、僕はぜひともそこ(日本代表)にたどり着きたいと常に言ってきた。ただ、どのような形で進めればいいのか、という詳細が僕にはわからない。そういった情報を教えてもらえれば非常に助かります。さまざまな情報が行き来しているので。プロサッカー選手になるチャンスを与えてくれた日本という国に対して恩返しができれば本当に嬉しいし、そのような形になればと思っている」
カイオが言う情報には、要件のひとつとして前掲した「住所」が民法第22条で定められた「生活の本拠」であり、その定義が曖昧となっていることも含まれているのだろう。
留学ビザでは日本在住と見なされない、という報道もあった。そうなれば今年は日本在住2年目となってしまうが、同じように留学先の渋谷幕張高校を卒業してプロになったトゥーリオは、J2の水戸ホーリーホックに在籍していたプロ3年目の2003年秋に日本人の田中マルクス闘莉王になっている。
日本国籍取得には他にもさまざまな条件があり、申請しても承認まで半年から1年近くの時間を要することもある。つまり、先のことにあれこれ頭を悩ませてもしょうがない。いま現在のカイオの気持ちは、この言葉に凝縮されている。
「アントラーズで結果を出し続けることが、そこ(日本代表)につながっていくと思うので」
■偉大な先輩に続きたい
セカンドステージも残すは1試合。首位サンフレッチェとの勝ち点差は「3」だが、得失点差で大きく離されている現状を考えれば、2位につけるアントラーズの逆転優勝はほぼ絶望的といっていい。
それでも、アントラーズに消化試合はあり得ないとカイオは力を込める。
「アントラーズは常に勝利を求められるチーム。僕だけではなくて、チーム全員が同じ気持ちで最終節へ向かっていく。サポーターの方々もマリノス戦以上にスタジアムへ足を運んで、応援と声援で僕たちの力になってほしい」
最終節の相手はDF闘莉王を擁する名古屋グランパス。日本への帰化から日本代表となり、ワールドカップの舞台にも立った偉大な先輩から奪う初ゴールを未来へつなげるために。カイオはカシマスタジアムで大暴れする自身の姿を思い描きながら、キックオフ前に再びジェルで黒髪を固める。
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