日刊鹿島アントラーズニュース

Ads by Google

2018年8月12日日曜日

◆三竿健斗は足りないものを求めて 「ギラギラした姿勢で練習した」(Sportiva)



三竿健斗 Kento.Misao

遺伝子~鹿島アントラーズ 絶対勝利の哲学~(24)
三竿健斗 後編

◆土居聖真「ボールを持つのが 怖くなるほど、鹿島はミスに厳しかった」(Sportiva)
◆中田浩二「アントラーズの紅白戦は きつかった。試合がラクに感じた」(Sportiva)
◆中田浩二は考えた。「元選手が 経営サイドに身を置くことは重要だ」(Sportiva)
◆スタジアム近所の子供が守護神に。 曽ヶ端準とアントラーズの幸せな歩み(Sportiva)
◆曽ヶ端準「ヘタでも、チームを 勝たせられる選手なら使うでしょ?」(Sportiva)
◆移籍組の名良橋晃は「相手PKに ガックリしただけで雷を落とされた」(Sportiva)
◆名良橋晃がジョルジーニョから継ぎ、 内田篤人に渡した「2」への思い(Sportiva)
◆レオシルバは知っていた。「鹿島? ジーコがプレーしたクラブだろ」(Sportiva)
◆「鹿島アントラーズは、まさにブラジル」 と言い切るレオシルバの真意(Sportiva)
◆「ジーコの負けず嫌いはハンパなかった」。 本田泰人はその魂を継いだ(Sportiva)
◆「アントラーズの嫌われ役になる」 本田泰人はキャプテン就任で決めた(Sportiva)
◆ユースで裸の王様だった鈴木優磨が 「鼻をへし折られた宮崎キャンプ」(Sportiva)
◆鹿島・鈴木優磨のプロ意識。 いいプレーのため、私生活で幸運を集める(Sportiva)
◆岩政大樹の移籍先は「アントラーズと 対戦しないこと」を条件に考えた(Sportiva)
◆三竿健斗は感じている。勝たせるプレーとは 「臨機応変に対応すること」(Sportiva)


 アディショナルタイムに突入している。残り時間わずかで迎えたFK。それは多分、最後の得点機になると誰もが思っただろう。

 8月5日カシマスタジアム。清水エスパルスを迎えた鹿島アントラーズは、連戦の疲労を考慮し、ベテランの小笠原満男、若い金森健志、移籍加入したばかりのチョン スンヒョンとスターティングメンバーを大幅に入れ替えていた。試合開始前のウォームアップ中にGKのクォン スンテが負傷し、急遽、曽ヶ端準が出場するというアクシデントにも見舞われている。  

 堅い守備でゴールを守る清水相手に得点を奪えない。逆に清水のカウンターでピンチにさらされてもいた。シュートがポストに当たり救われるシーンは2度もあり、スコアレスドローで逃げ切ることができれば、幸いなのかもしれない、そんな試合展開だった。

 後半41分、大岩剛監督は遠藤康に代えて、内田篤人をピッチへ送り込み、3枚目の交代カードを切った。右サイドバックを務めていた西大伍が1列前にポジションをとる。

「僕は得点を決めるタイプの選手じゃない。だけど、考えたのは、ドログバのように途中出場すると、空気が変わってしまう選手のこと。相手が嫌だなぁと思う選手。そういうことを意識していた」と話した内田。スペースがあると感じていたサイドで、何度もパスを前線へ供給し、攻撃のリズムを作った。

 この試合、クサビのパスを受けるたびに相手の守備により、プレー続行が叶わないシーンが繰り返されていた鈴木優磨。アディショナルタイムでのFKも鈴木が倒されて得たものだった。永木亮太が蹴ったボールをゴール前でスンヒョンが落とす。そして、右手に立つ西がそれを蹴り、ゴールが生まれ、試合は1-0で終了する。

「粘り強い」

 以前、鹿島について訊いたとき、スンテはそう答えた。しかし、今季の鹿島はその粘りをなかなか発揮出来ていなかったのも事実だ(逃げ切ることはあっても、勝ち切ることは少ない)。だからこそ、これがジーコ効果なのかと、テクニカルディレクターに就任したばかりのジーコのことを思わずにはいられなかった。 

 試合前日の8月4日から、チームに帯同しているジーコは、鹿島アントラーズの礎を築いた人物だ。「アントラーズのユニフォームに袖を通すことの意味を改めて伝えたい」と、テクニカルディレクターとしての仕事について語っている。そんなジーコイズムのひとつが「どんな試合でも勝つこと」である。

 勝利がもたらす好影響は数多い。クラブ運営、選手育成、チーム強化に繋がるのは当然だが、同時に大きな喜びや希望を人々に与えてくれる。

 劇的な勝利によって、歓喜に揺れるスタンドがそれを示していた。





 2018年5月、ワールドカップロシア大会のメンバー選考合宿の一員に選出されながらも、大会メンバー入りは果たせなかった三竿健斗。ワールドカップ出場、そしてそこでの活躍は、2013年U-17ワールドカップ出場時からの目標だ。2022年のワールドカップカタール大会へ向けた森保一新日本代表監督就任を受けて「鹿島で活躍することが、一番代表入りのチャンスに繋がる」と語っている。

――U-17ワールドカップに出場したとき、自分と世界との距離をどんなふうに感じていましたか? 大会後には(ドイツ・ブンデスリーガの)ブレーメンが興味を持っているという報道もありました。

「僕たちは個というよりも集団で戦うチームだったので、そういう戦いをすれば、17歳同士であれば、世界とも戦えると。でも、差が出るのは17歳以降だと思ってもいました。僕ら日本人の選手は、高校生のチーム、ユースチームに所属しているけれど、海外の選手は早いと16歳とか17歳でトップチームでプレーをしている。そのトップチームも非常に高いレベルだから、そこで差が出るなと。だから、なるべく早くトップチームに上がって、どんどん上へ行きたいというイメージを描いていました。U-20とか、オリンピックというふうに段階を踏んでというよりも、ワールドカップ、フル代表を目標にしていました。年代別の代表に入っていなくても、フル代表で活躍している選手はたくさんいるので、そこはあまりこだわっていませんでした」

――「U-17ワールドカップの経験を忘れずに」という選手もいますが、やはりそれを大会後も維持するのは難しいものでしょうか?

「そうですね。スピードが違うので、最初の1週間くらいしか持たない。しかも、トップチームでプレーしている選手たちは、プロとして、生活を賭けてやっているから。高校生チームでプレーするのとではプレッシャーも違うので」

――当時所属していた東京ヴェルディは、下部組織のレベルも高く、トップへ上がる選手も多い。

「ユースをすごく大事にしてくれて、4,5人毎年上がっていたし、そういう場を作ってくれるクラブだったから、それはとてもありがたかった。高校生であっても2種登録でトップチームで活躍するのが当たり前という感じでしたから。そこを目指してやっていました」

――そして、高校卒業後の最初のシーズン、レギュラーとしてJ2で戦ったあと、2016年シーズンに鹿島アントラーズへの移籍を果たします。

「鹿島以外にもいくつかのクラブからオファーを頂いたんですが、鹿島でやりたいと思いました。実は、子どものころ、ヴェルディへ入る前には、鹿島のサポーターだったんです。夏休みには、父の運転する車でカシマスタジアムへも行き、ゴール裏で応援したり、味の素スタジアムにも何度も鹿島の試合を見に行っていたので、移籍が決まったときは、うれしかったですね」

――レベルも高いし、競争も厳しい鹿島で試合に出られるだろうかという不安はなかったですか?

「試合に出られないなんて思っていなかったですね。そんな弱気でいたら、この世界ではやっていられない。もちろん自分がスタメンで出るというふうに思って鹿島へ来ました。チームメイトのプレーを見ることで学べるし、成長のきっかけが鹿島ではたくさんつかめると」

――しかし、移籍後の最初のシーズンは4試合しか出場できませんでしたね。

「プレッシャーの速さが全く違いました。パスコースが空いていると思ってパスを出したら、すぐに奪われる。パスを誘われていたんですよね(笑)。そのうえ自分が強みだと思っていた守備も、誰もが普通にやっていた。レベルが本当に高かった。自分がやるべきこと、伸ばさないといけないことがたくさんあると痛感しました。力不足を感じることばかりでしたね。(小笠原)満男さんを見て、(永木)亮太君を見て、(柴崎)岳君を見て、学ぶことも多かった。僕はサッカーノートを書いているんですけれど、当時はいろいろと書くことがたくさんありましたね。いろんなタイプの選手がいるから」





――試合出場までの道のりは長い。悔しさが大きかったのでは?

「まだ19歳だったし、最初のころは全然できないと思っていました。試合にも出られないし、ヤバいなぁって。でも、できなかったことができるようになったり、失敗が成功へ変わったときの達成感があったんです。誘われてパスを奪われることがなくなったり、逆に僕が相手を油断させて、ボールを奪ったときとか、小さな達成感を味わえる喜びがありました」

――移籍前は試合に出ると思っていたけれど、出られない毎日を過ごしたと。

「時間があるので、結構本を読むようにもなりました。試合に出られない自分の気持ちを持ち上げてくれる言葉や文章に出会って、人間的にも成長できたと思います。そういう言葉によって、心が豊かになったなと思います」

――サッカー以外の時間も上手に使っていたと。

「そうですね。試合に出られないから、練習もたくさんしました。鹿島では、試合に出られない選手がめちゃくちゃ努力しているので、『自分も負けられない』という感じで、相乗効果が生まれていました。試合に出られない現状について、理解はしていたし、納得する部分もあったけれど、同時に『すぐにでも試合に出たい』という気持ちは常にありました」

――鹿島で試合に出るための準備期間だったんですね。

「自分に足りないものを補う時間に使えました。試合をスタジアムの上から見て、戦術や人の動きを見ながら、自分の能力をあげる時間にもなりました。それに控えチームが強いときって、本当にチーム自体が強いんですよね。2016年は、紅白戦をやっても、控えのチームが勝つことが多かったし。それは『スタメンで出てやる』という気持ちや気合が入っていたからだと思います。(鈴木)優磨は当時、ベンチ入りし、途中から試合に出て、点も決めていた。あいつの『やってやろう』という感じは、僕にはまだ足りないものだなと思っていました。だから、自分もギラギラした姿勢で練習していたし、それが試合出場に繋がった。出られていない選手が、なんで出られないんだという悔しさを、ぶつけることは大事だと思います。現状を理解しつつ、でも、俺を出せっていう気持ちも持たなくちゃいけない。理解できていないと、ただの不満にしかならないから」

――ワールドカップロシア大会の最終メンバー選考合宿に招集されましたね。連戦を経て、膝の負傷もあったなかでの選出でした。

「コンディション的にはよい状態ではなかったですけれど、呼んでもらえたのだから、痛いとか言っている場合ではなかったですね」

――それでも、メンバー入りは果たせませんでした。

「メンバーに選ばれることを目標にしていたので、悔しかったです。でも、よくよく考えたら、自分はワールドカップの半年前に初めて代表に呼ばれた。J1で試合に出られるようになったのは、その半年前。鹿島で1年通して試合に出られてなかったことを考えたら、頑張ったなという感じもあります」

――次のワールドカップへ向けた4年間がスタートしましたが、ワールドカップというのは三竿選手にとってどういう大会なのでしょうか?

「現在の僕にとって、結構重いし、大事な大会です。ワールドカップに出るために、そこで仕事をするために、いうのは、いつも考えていることだから。ワールドカップでチームを勝たせる選手になること、活躍したいから、海外でプレーしたいという気持ちもあります。でも、ワールドカップでプレーすれば、自分の足りないものを痛感できるだろうし、そこで活躍することが、欧州チャンピオンズリーグ出場が当然というクラブに所属するチャンスになるだろうし。だから、ワールドカップは一番でもあるけれど、一部でもある……難しいところですね」




◆三竿健斗は足りないものを求めて 「ギラギラした姿勢で練習した」(Sportiva)

◆イニエスタとの1対1をファウルで止めた磐田MF宮崎、負傷交代だった(ゲキサカ)



宮崎智彦 Tomohiko.Miyazaki


[8.11 J1第21節 神戸2-1磐田 ノエスタ]

 緊張感のあるマッチアップだった。前半38分、初ゴールで活きづくMFアンドレス・イニエスタが、左サイドのタッチライン際をFW郷家友太とのワンツーで抜け出す。ドリブルを仕掛けると、ジュビロ磐田のMF宮崎智彦と1対1になった。

 イニエスタは細かなフェイントを入れながら前進。宮崎は後退を余儀なくされながらも、しっかりとコースを消す。その結果、交錯。宮崎のファウルという判定がされた。

「(イニエスタは)ボールタッチの数が多かった。その中で変幻自在にプレーしてきた。(ファウルで止めた場面は)普通だったら体を入れられて止められるシーンだったと思うけど、そこらへんも世界でやってきた選手ですし、世界トッププレーヤー。あれをファウルに出来たのは僕からしたら凄いことだなと思います」

 4-1-2-3のミラーゲーム。中盤の底でプレーした宮崎は、十分に対策をしてタレント軍団に対峙していた。しかし世界を思い知らされた。「イニエスタ選手が受ける前のところで上手く潰せたらなと思っていたけど、一枚上手だった。自分の力不足を感じた。反省して練習からやっていきたい」。

 宮崎は前半で交代となった。イニエスタのドリブルを止めた際に、膝が右脇腹に入ってしまったための負傷交代だったという。磐田に戻った後、病院で検査することになると明かした宮崎だが、「怪我もありましたけど、戦術的にもあった。チームとしては良い流れできていてたので、勢いを大事にしたかった。結果が残せなかったことが非常に残念」とうつむいた。

(取材・文 児玉幸洋)




◆イニエスタとの1対1をファウルで止めた磐田MF宮崎、負傷交代だった(ゲキサカ)


◆“紳士”トーレスの金崎への気遣いに「ほかの選手はやらない」、スペイン『アス』が報じる(ゲキサカ)



金崎夢生 Mu.Kanazaki


 J1リーグ第21節が11日に行われ、サガン鳥栖が浦和レッズを1-0で下し、2連勝を達成した。スペインメディアはこの試合で、FWフェルナンド・トーレスがFW金崎夢生を気遣った場面を取り上げている。

 この試合の60分、ペナルティーエリア内右に位置したF・トーレスの折り返しをゴール手前の金崎がフリーで受けたが、トラップをミスしてしまい絶好機を物にすることができなかった。すると悔しがる金崎にF・トーレスが近づき、抱き寄せ、背中を2回叩いて励ましている。

 スペイン『アス』は、F・トーレスの紳士な人柄が表れていたこの場面の映像を「ほかの選手ならばやらないだろう。F・トーレスがチームメートに行った品位ある振る舞い」との見出しで紹介。映像の内容については、次のように描写している。

「ストライカー(F・トーレス)はボールを奪い、ゴールをお膳立て立てした。が、金崎が信じられない形でミスした。スペイン人のリアクションは、敬意を示すべきものだった」

 それでも鳥栖は、53分にMF高橋秀人が決めた得点を最後まで守り切り、2連勝を達成。同日に名古屋グランパスが勝利して一時は最下位に転落したが、一転して16位に浮上した。




◆“紳士”トーレスの金崎への気遣いに「ほかの選手はやらない」、スペイン『アス』が報じる(ゲキサカ)




◆大迫勇也がヘディング弾! 土壇場で追いつくも後半ATの失点でチームは敗北(サッカーキング)



大迫勇也 Yuya.Osako


 ブレーメンに所属するFW大迫勇也が11日に行われたビジャレアルとのプレシーズンマッチでゴールを記録した。

 シーズンが始まる前の最後のプレシーズンマッチで途中出場を果たした大迫は、1-2で迎えた89分、右サイドからのクロスにゴール前で頭で合わせゴール。試合終了間際の土壇場同点弾を決めた。

 試合は大迫のゴールで同点に追いついたが、その後ブレーメンは後半ATに失点を許してしまい2-3で敗戦。最後のプレシーズンマッチを勝利で終えることはできなかった。

 ブレーメンは8月18日に行われるDFBポカール(ドイツ杯)ヴォルマティア・ヴォルムス戦で今季が本格的にスタートする。




◆大迫勇也がヘディング弾! 土壇場で追いつくも後半ATの失点でチームは敗北(サッカーキング)




◆植田直通がデビュー戦で無失点に貢献…チームは開幕から無敗を継続(サッカーキング)






 11日、ジュピラー・プロ・リーグ第3節が行われ、サークル・ブルージュとスタンダール・リエージュの一戦はスコアレスドローで終了。

 サークル・ブルージュは開幕から1勝2分けと無敗を継続している。なお、サークル・ブルージュの日本代表DF植田直通は先発フル出場し、欧州デビュー。チームの無失点に貢献した。

 次節、サークル・ブルージュはズルテ・ワレヘムと、スタンダール・リエージュはロケレンと対戦する。

【スコア】
スタンダール・リエージュ 0-0 サークル・ブルージュ

【スターティングメンバー】
スタンダール・リエージュ(4-2-3-1)
オチョア;カヴァンダ、ファンフースデン、ライフィス、ポコニョーリ;ツィミロット、アグボ(46分 マリン);ジェネポ(75分 オルランド)、バスティエン(58分 カルセラ・ゴンサレス)、ムポク;エモン

サークル・ブルージュ(4-4-2)
ナルディ;パリュン、植田直通、ランボット、エティエンヌ(79分 ヴィティーニョ);コネ、オモロ、ルサンバ、メルシエ(57分 デラコート);ブルーノ、トーミン(38分 ボンジョバーニ)




◆植田直通がデビュー戦で無失点に貢献…チームは開幕から無敗を継続(サッカーキング)



◆鹿島、最下位・名古屋に苦杯 大岩監督「カウンター対応できず」(スポニチ)



鈴木優磨 Yuma.Suzuki


明治安田生命J1第21節   鹿島2―4名古屋 ( 2018年8月11日    豊田ス )


 鹿島は相手の2倍以上のとなる20本のシュートを浴びせながら、最下位・名古屋に競り負けた。 

 大岩監督は「ボールを握っている時間は前に出る力があったけど、カウンターに対応できずに失点した。修正しないといけない」とガックリ。特別指定選手として順大から加入し、後半41分に初出場したMF名古は「もっとチャンスをつくって、決められれば良かった」とホロ苦いJリーグデビュー戦となった。




◆鹿島、最下位・名古屋に苦杯 大岩監督「カウンター対応できず」(スポニチ)


◆鹿島、一度もリードできず 大岩監督、得点後すぐの失点が「きょうの全て」(サンスポ)



大岩剛 Go.Oiwa

 明治安田J1第21節最終日(11日、名古屋4-2鹿島、豊田)前半に先制された鹿島は後半5分に同点としたが、直後に勝ち越しを許した。その後も追い付いては突き放され、一度もリードできなかった。4季ぶりに名古屋に敗れ、大岩監督は「点を取った後、すぐ失点したのがきょうの全て」と肩を落とした。

 4失点は今季最多タイ。7月に守備の要で日本代表の昌子をけがで欠いてから、守備陣が安定せず連勝が遠のいている。監督は「リスクマネジメントできてなくて失点したと分析しているので、修正する」と渋い表情だった。




◆鹿島、一度もリードできず 大岩監督、得点後すぐの失点が「きょうの全て」(サンスポ)

◆鹿島「粘り強さがない」最下位名古屋に4失点大敗…(ニッカン)



ジーコ Zico


<明治安田生命J1:名古屋4-2鹿島>◇第21節◇11日◇豊田ス

 鹿島アントラーズは2度、追いついた。ただ、それが精いっぱいだったのか。

 先制され、後半5分に追いつくも、1分後に突き放された。後半27分にPKで再び追いつくも、三たび勝ち越された。

 4月の川崎フロンターレ戦以来、今季2度目の4失点で大敗。MF三竿健斗は「中断明けから、点を取った後に、すぐ入れられている。良いときは1点でも取れれば勝てるというのがあるが、自分たちで試合を難しくしている。自分のマークに負けない、走り負けない、球際で勝つという、当たり前のことができていないから、やられていると思う。粘り強さがない」と反省した。

 DF犬飼智也は「自分たちの悪い奪われ方からの失点や、ちょっとした隙からやられた。自分たちで崩してしまった」と口にした。

 前節清水エスパルス戦で、ロスタイムで競り勝つという勝負強さを取り戻したのもつかの間、最下位の名古屋グランパスに敗れた。

 後半41分に初出場を果たした強化指定選手のMF名古(順大)はほろ苦いデビュー戦となったが「これがプロの世界だと思う。チャンスを与えてもらったからには、結果を出さないといけない。勝ち続けてやっていくしかない。鹿島はそういうチーム」と話していた。




◆鹿島「粘り強さがない」最下位名古屋に4失点大敗…(ニッカン)


◆2018明治安田生命J1リーグ 第21節(オフィシャル)


名古新太郎 Shintaro.Nago


明治安田J1 第21節

敵地で4失点。鹿島、名古屋に惨敗。

満員の敵地で、鹿島が最下位相手の打ち合いに屈した。チケット完売のアウェイゲーム、豊田スタジアムでのJ1第21節。名古屋グランパスと激突した鹿島は、2度のビハインドを負う苦しい展開から2-2と追い付いたものの、残り10分で2失点。2-4と敗れ、今季8敗目を喫した。

1週間前、聖地は歓喜に包まれていた。後半アディショナルタイム、西が突き刺した会心のボレー。ゴールネットとともに、アントラーズレッドが揺れた。清水戦、1-0。苦しみ抜いた90分を乗り越え、3試合ぶりに3ポイントを掴み取った。ウォーミングアップで負傷したクォン スンテに代わって曽ケ端が急遽出場し、チョン スンヒョンがデビューを果たした一戦。ジーコTDの合流後、初めて迎えたホームゲームで勝利を収めた意味は計り知れない。

次なる戦いは6日後だ。連戦を突き進む鹿島にとって、中5日の準備期間を得るのは久しぶりのこと。そしてこの期間を終えれば、10月中旬まで中4日以下のペースで試合が続いていく。まずは心身のリフレッシュを図り、そしてクラブハウスで準備を進めていった。ジーコTDが鋭い眼差しを注ぐグラウンドで、切磋琢磨は熱を帯びていく。遠藤が清水戦で復帰を遂げ、山本も練習に合流。セルジーニョの選手登録も完了し、試合メンバー入りを懸けた争いもさらなる高みへと導かれていった。

そして試合前日には、鈴木が7月のJ1月間MVP、そして安西のドリブルシュートが月間ベストゴールに選出されるという、嬉しい知らせも届いた。「これからも、チームの勝利に貢献していきたい」。責任と自覚を胸に躍動を続ける若武者たちは声を揃え、次なる戦いを見据えていた。全ては、勝利のために――。「このクラブは勝つことで強くなってきた。それは未来も変わらない」。ジーコTDが刻んだ言葉、その魂を継承するために、一歩ずつ進んでいかなければならない。

セットプレーの連係を入念に確認した前日練習を終え、永木は「自分ができることを全部出したい」と決意を語った。そして指揮官は「総力戦ということは常々言っている。100%を出せる状態であること、それがまず大事」と、連戦を突き進む覚悟を述べていた。ここ2試合、1得点ずつに終わっている攻撃の活性化を促すうえでも、チーム全体が絶えず連動していかなければならない。遠藤は「ボールを触ることだけがサッカーではないので、ボールを受けない時でも周りが活きればいい」と、献身を誓ってクラブハウスを後にした。



中5日で迎える一戦、大岩監督が施した先発変更は2名だった。ボランチの一角に三竿健斗、そして前線に土居が復帰。その他、GKは曽ケ端、最終ラインは西、犬飼、スンヒョン、安西が並ぶ。ボランチは健斗とともにレオ シルバが先発し、ミドルゾーンを制圧すべくピッチに立つ。そして攻撃陣、2列目には永木と遠藤が並び、前線は土居とともに鈴木が虎視眈々とゴールを狙う。そしてベンチにはGKの川俣、内田、山本、町田、安部、特別指定選手の名古、山口が座る。 



40度近い高温に見舞われた豊田に、アントラーズレッドが続々と足を運んでいく。1週間以上前にチケット完売が発表された敵地での一戦。ホームチームに数では及ばなくとも、ビジタースタンドの熱量は時間を追うごとに増していった。特別指定選手ながら、初のメンバー入りを果たした名古へのコールも響き渡る。新たな力とともに、連勝を目指す90分が始まる。

18時3分、キックオフのホイッスルが鳴り響いた。鹿島は立ち上がりから積極的に前線へ飛び出す姿勢を示し、ボールホルダーを追い越す動きを繰り返しながら守備網突破を狙っていく。3分には健斗がペナルティーエリア右手前からミドルシュート。5分には中盤左サイドでボールを持った鈴木がサイドチェンジを通し、遠藤を経由して西がボールを持つ。遅れて入ったスライディングで倒されてしまったものの、鋭いショートカウンターを繰り出してみせた。 



10分を経過し、次第に名古屋がボールポゼッション率を高める展開となった。鹿島は前線から連動したプレスをかけ、永木が持ち前のボディコンタクトでカウンターの起点に。無尽蔵のスタミナで推進力であり続ける背番号6は今日も、惜しみない献身を示してみせた。15分には土居がペナルティーエリア手前まで進出し、こぼれ球を拾った鈴木が左足を一閃。強烈なシュートはしかし、枠の右へ逸れてしまった。

次第に鹿島が主導権を掴み、長短のパスで相手のマークを外しながらじわじわと敵陣へ押し込む時間が続いた。だが、決定機を作るには至らない。27分には自陣ペナルティーエリア手前でポストプレーを許し、プレスに戻ろうとした健斗が主審と交錯したことで一瞬、遅れてしまう。ボールを奪い切れずに打たれたミドルシュートは枠を捉えたが、右ポストを直撃。肝を冷やす場面だったが、事なきを得た。

粘り強く時計の針を進めていた鹿島。だが、この夜最初のスコアはホームチームのものだった。33分、ペナルティーエリア右奥へパスを通され、ゴール前での混戦を作られると、最後はジョーに押し込まれてしまった。0-1。暑く息苦しい夜、満員の敵地で鹿島はビハインドを負った。 









反撃に転じる鹿島は、守備ブロックを固める名古屋に対して焦れることなくパスをつないで押し込んでいく。33分にヘディング、36分にはミドルシュートで遠藤が同点弾を狙うなど、少しずつ得点の予感を漂わせていた。だが、ファーストハーフにスコアが刻まれることはなかった。0-1。1点ビハインドでハーフタイムを迎えた。 



アントラーズレッドへ向かって攻める後半、反撃への狼煙を上げたのは背番号8だった。ホイッスルから間もなくして敵陣左サイド深くまで突破し、左CKを獲得。このセットプレーは得点に結実しなかったが、ゴールネットを揺らしてみせたのは5分後だった。

50分、敵陣中央でいち早くプレスをかけた健斗がボールを奪い、鈴木に預ける。ペナルティーエリア左奥へのスルーパス、そこへ走り込んだのが土居だった。ファーストタッチで縦へと持ち出し、マークを剥がして左足を一閃。ニアサイドを射抜いてゴールネットを揺らした。1-1。後半立ち上がり、待望の同点弾だった。 







しかし、1分も経たないうちに次のスコアを許してしまった。51分、ペナルティーエリア左側でポストプレーを許して起点を作られると、最後は金井に右足シュートを決められた。1-2。鹿島は再びビハインドを負った。

反撃するしかない。広大なスペースが生まれ、オープンな展開に推移する中で、鹿島は必死にゴールを目指した。57分には鈴木のスルーパスから遠藤が左足シュート。60分には安部がピッチへ送り出され、ゴールへの希望を託される。相手のセットプレーが連続した時間帯も耐えしのぎ、虎視眈々と同点弾を狙っていた。 







70分。この日2度目の、そして最後の歓喜が訪れる。ペナルティーエリア右角でボールを持った安部が、右外を駆け上がった西へパス。突進した背番号22は、相手との交錯で倒される。ホイッスル、判定はPK。同点の絶好機を得ると、鈴木が冷静にゴール左隅へ蹴り込んだ。2-2。71分の同点弾で、鹿島が再び試合を振り出しに戻した。 











2度のビハインドを追い付き、残りは20分。消耗戦の様相が色濃く反映されたピッチで、目指すものは逆転弾のみだった。だが、待ち受けていたのは屈辱の結末。82分、ペナルティーエリア内での混戦から曽ケ端が弾き出したボレーのこぼれ球を拾われ、金井に決められて2-3。そして後半アディショナルタイム、右サイドを破られてクロスを供給され、前田にゴールネットを揺らされた。2-4。今季2度目の4失点で、鹿島が惨敗を喫した。83分に投入された山口、そして86分からピッチに立ってJ1デビューを果たした名古の奮戦も、結実することはなかった。 







次戦は4日後、15日の長崎戦だ。再び迎えるアウェイでの90分へ、チームは明日鹿嶋へ帰還する。現在地を見つめ、這い上がるしかない。 






【この試合のトピックス】
・J1での名古屋戦は2014年5月6日の第12節以来7試合ぶりの黒星となった。
・J1でのアウェイ名古屋戦は2013年7月31日の第18節以来4試合ぶりの黒星となった。
・土居が今季のリーグ戦4得点目を記録した。
・鈴木が今季のリーグ戦8得点目を記録。2016年の自己記録に並んだ。
・名古が公式戦初のベンチ入りを果たし、途中出場。J1デビューを果たした。特別指定選手として、公式戦出場は2013年の赤崎以来2人目。

【動画】DAZNハイライト

▼▼CLICK!!▼▼


監督コメント

[ハーフタイム]
鹿島アントラーズ:大岩 剛
・しっかりビルドアップができているので、後半もこれを続けていこう。
・ボックスの近くでもっとスピードを上げてプレーしよう。
・後半45分、みんなで一つになって試合をひっくり返そう!

名古屋グランパス:風間 八宏
・声を掛け合って正しいポジションをとる。
・ゴール前は冷静にプレーする。
・後半も自分たちのサッカーしよう。

[試合後]
鹿島アントラーズ:大岩 剛
我々が得点を取った後、すぐに失点をしたことが今日の全てだったと思う。最後まで積極的に出た結果が4失点だと思う。しっかりと振り返って、次の試合に活かしたいと思う。

Q.前節から中5日、攻撃の部分を確認したと思うが、改善は見られたか?

A.自分たちがボールを握っている時間は、ボールをよく動かしながら前へ出ていく力はあった。ただ、リスクマネージメントや相手のカウンターへの対応がしっかりとできていなかったために失点してしまったと分析している。しっかりと修正しなければいけないと思う。

名古屋グランパス:風間 八宏
4万3000名を超えるお客さんが入ってくださったのはすごいこと。選手への期待の大きさがあり、一緒に戦ってこの試合を作ってくれた全ての人に感謝したい。主審のジャッジはなかなか納得できるものではなかったが、最後まで戦って差をつけた。素晴らしい勝ち方だった。選手の一人ひとりが逞しくなったことを証明した試合だと思う。


選手コメント

[試合後]

【土居 聖真】
反撃のゴールになると思った。失点はDFだけのせいではない。前から制限できたところもあったと思う。90分を通して詰めが甘い試合だった。1つのミスが失点につながってしまう。それを全員が認識しないといけない。

【曽ケ端 準】
4失点しているし、反省するところはしっかりしないといけない。自分が相手のシュートを弾く位置も、もっとうまくできれば良かった。すぐに試合だけど、やり方を変えるわけではない。もっと注意深くプレーして、全員で修正ができればいい。

【永木 亮太】
全体的にチャンスは作れていたけど、失点をする時間帯だったり、取った後に取り返されてしまったりと、90分を通して締めるところで締められなかった。後手後手になってしまった。

【犬飼 智也】
得点後、すぐにピンチを招いたことを反省しないといけない。もっとボールを回してくるチームだと思ったけど、ジョー選手のところにボールを入れるサッカーをしてきた。自分たちが悪い奪われ方をして、やられてしまった。

【名古 新太郎】
これがプロの世界だと思う。チャンスをもらった中で結果を出せなかったのは自分の責任。次に切り替えてやっていくしかない。勝ち続けるしかないチームの一員である以上、そういう気持ちは強く持っていかないといけない。

◆2018明治安田生命J1リーグ 第21節(オフィシャル)

Ads by Google

日刊鹿島

過去の記事