日刊鹿島アントラーズニュース

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2021年5月30日日曜日

◆【茨城から世界をにらむ】関彰商事・関正樹社長の「コロナ禍での地域活性化論」(財界ONLINE)






「コロナ禍で、より良く生きるためには? など、企業哲学を考える時間が増えた。“地域の代理店の集合体” から一歩を踏み出し、新たな価値を創造する地域にとって不可欠な企業でありたい」

 1908年(明治41年)、関氏の曽祖父にあたる関彰(あきら)氏が創業し、旧・日本石油の販売特約店として出発した関彰商事。そこから113年、茨城県を中心に首都圏や東北でガソリンスタンドの運営から始まり、自動車販売、モバイルショップ、コンビニエンスストア、特別養護老人ホームなど、幅広い事業へ業容を拡大してきた。

 この1年はコロナ禍であっても、法人向けオフィス機器や勤怠管理システムなどのビジネスソリューション部門が伸長。グループの売上高は約1600億円と、茨城の中核企業として成長している。

「もちろん、コロナの影響を受けた部門もあるが、ビジネスソリューションのように最高益を出した部門もある。これまで当たり前だと思っていた無駄を見直すなど、数字に表れない損失をきちんと直視し、当社の強みである法人営業に磨きをかけて行けば、まだまだ成長できる」

 近年は初の海外拠点となるベトナムに進出。現地の理工系高度人材と日系企業を結び付ける人材サービス事業を行っている。

20年には筑波大学のスポーツ活動をマネジメントする専門部局「筑波大学アスレチックデパートメント」と共同研究を開始した他、21年からは長年パートナーとして関係を構築してきたJリーグ・鹿島アントラーズとビジネス分野で協業するなど、地域振興と共に新たなビジネスの芽を探る考えだ。

「最大の地域貢献とは雇用を生むことだと考えている。地域のため、次の世代につなぐために、われわれは何ができるのか。その時代にあった商品やサービスを創り出すことで地域に貢献していきたい」

 関氏が掲げるスローガンは『自立と交流』。2400名の社員が社内外との交流を深め、世の中の変化に対応できる人材を育成することが目標だ。


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◆【茨城から世界をにらむ】関彰商事・関正樹社長の「コロナ禍での地域活性化論」(財界ONLINE)





◆鹿島・相馬監督 川崎F・鬼木監督と“師弟対決”へ闘志(スポニチ)






 鹿島・相馬監督が“師弟対決”に闘志を燃やした。30日にアウェーで川崎Fと対戦する。川崎Fの鬼木監督とは現役時代に鹿島、川崎Fでチームメート。11~12年途中まで川崎Fの監督を務めた際には、鬼木監督がコーチを務めた。

 逆転優勝には絶対に負けられない相手だが指揮官は「オニ(鬼木監督)の方が(3学年)年下だけど尊敬できる。ただ、勝負事なので。自分が認める男から勝てるように準備したい」と力を込めた。


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◆鹿島・相馬監督 川崎F・鬼木監督と“師弟対決”へ闘志(スポニチ)





◆【森保ジャパン】DF植田が熱く語ったベルギーとフランスの違い(東スポWEB)






 日本代表DF植田直通(26=ニーム)がベルギーとフランスの違いについて語った。

 2018年にJ1鹿島からベルギー1部セルクル・ブリュージュに加入し、昨季までの2シーズンで40試合に出場した。ただ、今季は思うような出場機会を得られず、フランス1部(当時)ニームに期限付き移籍。

 29日のオンライン取材では「ずっと移籍したいっていう思いはあった。そのチャンスがいいタイミングで来たのもあったが、自分自身ベルギーで2年半やっていて、違う環境に身を置きたいと思っていて、今の環境にいては自分の成長がないかもという危機感は持っていた」と明かした。

 チームは無念の2部降格となったが、28日には完全移籍が決まった。「ベルギーと違う部分がたくさんあって、クオリティーの高い選手もたくさんいた。少しの差でも、スキを見せるだけで得点になってしまうと思った。僕が一番感じたのは、距離感を空けてしまえば、完全に失点してしまうと思った。決め切る力っていうのは、相当レベルが上がったと思う。少しでもポジショニングを間違えたらやられるっていう危機感を持っていて、少しずつ修正していく力が必要だと思った」と大きな学びを得た。

 カタールW杯アジア2次予選ミャンマー戦(28日、フクアリ)で10―0と圧勝し、最終予選に駒を進めた日本代表。7大会連続のW杯出場へ、異国の地での経験をピッチ上で発揮したいところだ。




◆【森保ジャパン】DF植田が熱く語ったベルギーとフランスの違い(東スポWEB)





◆鹿島がカナリア軍団に!ブラジル代表ほうふつサードユニ、王国への敬意と感謝表現(スポニチ)






 J1鹿島がカナリア軍団に変身する!? クラブは29日、今季のサードユニホームのデザインを発表。上半身は黄色を基調に文字色は緑、パンツは水色とまさにブラジル代表のユニホームをほうふつさせるカラーリングとなった。6月23日のアウェー大分戦で着用予定で、20日のホーム仙台戦の来場者を対象に先行販売される。

 鹿島の象徴であるジーコテクニカル・ディレクター(TD)を始め、クラブ史に名を刻む歴代ブラジル人選手からインスピレーションを得て「サッカー王国」のクラシックカラーを採用。クラブ創設30周年のアニバーサリーイヤーにふさわしい特別なユニホームであり、クラブが抱くブラジルフットボールへの敬意と感謝を表現したという。

 また、仙台戦では1席30万円の「30周年記念レジェンズシート~10 ZICO」を10席限定で抽選販売することも発表。特典にはジーコTD、中田浩二クラブ・リレーションズ・オフィサーとの交流のほか、ジーコTDのサイン入りのサードユニホームなどが含まれる。






◆【J1プレビュー】互いに狙う「K点越え」 川崎と鹿島の強豪対決!(サッカー批評)






J1リーグ第17節 川崎フロンターレ―鹿島アントラーズ
5月30日(日)|19:00 等々力陸上競技場





 かつて川崎フロンターレは、J屈指の名門である鹿島アントラーズを何とか乗り越えたいと、対戦の際には「K点越え」と銘打って一層の気持ちを込めて試合に臨んでいた。
 初対決となった2000年には、リーグ戦で2敗し、勝ち進んだナビスコカップ(現ルヴァンカップ)決勝でも退けられた。高い壁であり続けたが、長い時間を経て、今では川崎が大きく勝ち越している。
 むしろ今回は、鹿島にとっての「K点越え」となる一戦かもしれない。リーグ戦での最後の勝利は、2015年の2ndステージまでさかのぼらなければならない。いつの間にか、大の苦手な相手になっていたのだ。
 さらに、今の鹿島は再建の途中だ。名古屋グランパス、横浜F・マリノスと上位を連破したが、サガン鳥栖には1-2で敗れた。再び強い鹿島になるために、川崎は乗り越えなければならない壁なのだ。
 常勝軍団でありながら、いつもハングリーさを忘れない。どこか似通った根底を持つ2チームの激突は、間違いなく好ゲームになる。


■川崎フロンターレ


1位  勝ち点49 15勝4分0敗  47得点14失点 得失点差33

【出場停止】なし

【直近5試合結果】
L△1-1 湘南(A)
L○3-1 横浜FC(H) 
L○2-0 札幌(H)
L△2-2 仙台(H)
L○2-0 G大阪(A)

【通算対戦成績】
H 23試合・14勝 4分 5敗
A 23試合・ 8勝 6分 9敗
計 46試合・22勝10分14敗

【直近対戦成績】
2020年11月14日 J1第27節  △1-1(A)
2020年 8月 5日 ル杯第2節   ○3-2(A)
2020年 7月 4日 J1第 2節  ○2-1(H)
2019年11月 9日 J1第31節  ○2-0(A)
2019年10月13日 ル杯SF 2節 △0-0(A)

【今節のみどころ】
 5月に入って川崎は、何度かつまずきかけた。ベガルタ仙台と湘南ベルマーレという、まずはJ1残留が目標となるチームと引き分けたのだ。
 だが、仙台戦の後には北海道コンサドーレ札幌を相手に勝利を取り戻した。湘南相手のドローに続く今回も、「反発力」を示す必要がある。
 また、この試合の後でチームを離れる選手たちがいる、日本代表に加わる谷口彰悟と、U-24日本代表に選ばれた田中碧ら3人だ。代表合流後も緊張は続くが、しばらく着られない水色のユニフォームでの大暴れを期待したい。


■鹿島アントラーズ


6位  勝ち点27 8勝3分5敗 27得点18失点 得失点差9

【出場停止】なし

【直近5試合結果】
L○1-0 C大阪(H)
L●1-2 鳥栖(A)
ル△0-0 札幌(A)
L○5-3 横浜FM(H)
L○2-0 名古屋(A)

【通算対戦成績】
H 23試合・ 9勝 6分 8敗
A 23試合・ 5勝 4分14敗
計 46試合・14勝10分22敗

【直近対戦成績】
2020年11月14日 J1第27節  △1-1(H)
2020年 8月 5日 ル杯第   2節   ●2-3(H)
2020年 7月 4日 J1第   2節   ●1-2(A)
2019年11月 9日 J1第31節   ●0-2(H)
2019年10月13日 ル杯SF2節 △0-0(H)

【今節のみどころ】
 ミッドウィークの前節は、小泉慶を3試合ぶりに先発起用するなど、相馬直樹監督がやり繰りして、セレッソ大阪相手に勝利を取り戻した。ディエゴ・ピトゥカも3試合ぶりに先発するなど、合流したブラジル人選手たちは着実にプレータイムを増やしている。
 1-2で敗れたサガン鳥栖戦に続き、連敗を喫しなかったことは評価できる。ただし、2試合連続1点で止まっているのは、やや気になるところ。
 強烈な攻撃力を備える川崎を相手に、ぐっと安定感を増してきた守備が活きるのは間違いない。一方で、勝利のために必要なのは得点だ。1点だけで勝ち切ることが簡単ではない相手を前に、勝負どころではチャンスを確実にものにしていく攻撃陣の高い集中力を見せてもらいたい。



◆【J1プレビュー】互いに狙う「K点越え」 川崎と鹿島の強豪対決!(サッカー批評)







◆【川崎Fvs鹿島プレビュー】2つの記録達成に王手をかけた川崎F…鹿島は指揮官の古巣下して鬼門突破なるか(サッカーキング)






■川崎フロンターレ 開幕からの無敗記録と指揮官のJ1通算100勝。ダブル達成なるか





【プラス材料】
 ミッドウィークに行われた前節の湘南ベルマーレ戦は1-1。引き分けながら、これで昨季からの連続無敗記録を「24」とし、自分たちの記録をさらに更新した。開幕からの無敗記録も「19」に継続し、こちらは2015年に浦和レッズが記録した数字と並んだ。今節負けなければ「20」となるため、開幕からの無敗記録もリーグ新記録となる。

 かかっている記録はこれだけではない。鬼木達監督はJ1通算100勝達成に王手がかかっている。過去4シーズン、鬼木監督はリーグ戦で鹿島アントラーズ相手に負けたことはない。自身の古巣相手にJ1通算100勝を達成できるか。注目となる。

 今節は水曜日にベンチスタートだった主力選手がスタメンに名を連ねるだろう。ベストメンバーでさまざまな記録達成を目指す一戦となる。

【マイナス材料】
 勝利して反省するチームになっている以上、引き分けによる無敗記録を拠りどころにしている選手たちはいない。指揮官も「負けないことではなく勝ちたい」と常々口にしている。

 懸念材料としては、MF田中碧やDF山根視来など、常に出続けている主力選手の疲労が色濃く感じられる節があることだろう。試合後、「僕自身もランニングが少なかった」と反省を述べていたのは田中。ダイナミックなスプリントが鳴りを潜め、動きによる打開策を言い出せなかった。中3日での連戦が続く中、どれだけチームのコンディションを戻せるか。球際の勝負がカギを握る相手でもあるだけに、強度が問われる一戦となる。

 かつて川崎フロンターレで指揮を執っていた相馬直樹監督を『等々力陸上競技場』に迎えることで注目も集まるだろう。連勝が止まり、仕切り直しとなるが、ここから連勝街道を突き進みたい。

文:いしかわごう


■鹿島アントラーズ 戦術の浸透度の差にスタジアムとの相性。乗り越えるべき壁は多い





【プラス材料】
 ホームで戦った前節のセレッソ大阪戦に1-0で勝利し、連敗を阻止した。第15節のサガン鳥栖戦の逆転負けを払拭できたこともプラス材料に挙げられる。鹿島アントラーズの歴史を見ても、不敗記録が途絶えた後はその反動を受けるように勝てない試合が続くことがある。勝利で仕切り直せたことは、今取り組んでいる相馬直樹監督のサッカーを信じていくきっかけになったことだろう。

 C大阪戦でMF荒木遼太郎が奪った決勝点も、相手のパスミスを見逃さず、つないできっちり決めきった。ミス絡みとはいえ、集中力とゴール前の落ち着きがチームにあることを証明する得点でもあった。

 今節の相手は首位を独走する川崎フロンターレ。無類の強さを誇る王者ではあるが、今の鹿島なら止めることができるのではないか、という期待を抱けるだけのチーム状態にある。

【マイナス材料】
 国内主要3大会とACLで合計20個のタイトルを獲得してきた鹿島にとって、鬼門と呼ぶスタジアムは本当に少ない。しかし、『等々力陸上競技場』は昔から勝てないスタジアムである。

 リーグ戦でのアウェイゲームはこれまで17試合を戦い、3勝4分10敗と大きく負け越している。『県立カシマサッカースタジアム』と比較してかなり短くカットされる芝を苦手な理由に挙げる声がチーム内にもあるが、原因はよく分かっていない。直近5年の成績も2分3敗と振るわず、そこに川崎Fのチーム力を加えれば、鬼門で勝利するシーンは浮かびにくい。

 また、相馬監督の就任後にチームが持ち直したとはいえ、シーズン途中の就任で戦術を浸透するまでには至っていない。川崎Fの成熟した攻撃や守備を考えれば、不安要素が多い一戦になる。

文:totoONE編集部




◆【川崎Fvs鹿島プレビュー】2つの記録達成に王手をかけた川崎F…鹿島は指揮官の古巣下して鬼門突破なるか(サッカーキング)





◆プロ分析官が注目の『川崎×鹿島』を徹底展望! 両チームCBのパフォーマンスが命運を分ける!?(サッカーダイジェスト)






川崎は2つの大記録が懸かる重要な一戦!


 単独首位を走る川崎フロンターレが、ホームに直近6試合で5勝1敗と上昇傾向にある6位の鹿島アントラーズを迎える一戦。川崎にとってはリーグ新記録となる開幕20戦負けなしと、鬼木達監督のJ1通算100勝最速達成が懸かる注目の戦いが、5月30日に等々力陸上競技場で行なわれる。

『サッカーダイジェストWeb』では、Jリーグの各クラブでスカウティング担当を歴任し、2019年には横浜でチームや対戦相手を分析するアナリストとして、リーグ優勝にも貢献した杉崎健氏に、17節・川崎対鹿島の勝負のポイントを伺った。

 確かな分析眼を持つプロアナリストは、この注目のゲームをどう見るのか。予想布陣の解説とともに、試合展開を4つの状況に分け、それぞれの見どころを語ってもらった。


――◆――◆――



両チームのマッチアップ図。


●川崎フロンターレ
今季成績(16節終了時)※19試合消化:1位 勝点49 15勝4分0敗 47得点・14失点

●鹿島アントラーズ
今季成績(16節終了時):6位 勝点27 8勝3分5敗 27得点・18失点

【予想布陣解説】
 予想した川崎のスタートは、2節前の横浜FC戦と同じ形です。前節の湘南戦はそこから若干メンバーを変えて挑み、結果的に追いついてドロー。一方、横浜FC戦のパフォーマンスは非常に良かったと思いますし、次は鹿島が相手というところで、長く使われている選手たちがメインになってくるかなと。

 ただ変更があるとすれば、インサイドハーフの旗手怜央選手が脇坂泰斗選手になる可能性もあります。ですが、鹿島のダブルボランチが三竿健斗選手とレオ・シルバ選手なのであれば、脇坂選手よりもより機動力があって、三笘薫選手の周りのサポートをしやすい旗手選手を選びました。

 鹿島も2節前の鳥栖戦とほぼ同じメンバー。ただ鳥栖戦では、常本佳吾選手が出場停止で出ていませんでしたが、現在は常本選手が右サイドバックの一番手になっているので、スタートで起用すると予想しました。

 また、前節のC大阪戦(〇1-0)は結果も出ましたし、その際に先発で出場したディエゴ・ピトゥカ選手や小泉慶選手らを連続で起用するかどうかにも注目です。

 上田綺世選手は怪我によって、途中からの出場が多くなってきています。エヴェラウド選手も練習には参加しているという情報はありますが、彼らをどれだけ使えるのか分からない状態なので、本調子の選手を使うだろうと考えました。川崎が相手ですし、相馬直樹監督になってから結果を出しているメンバーで、チャレンジャーとして挑むでしょう。


川崎の自陣からの攻撃vs鹿島の敵陣での守備


川崎が自陣でボールを保持している際のマッチアップ図


 今回のマッチアップは、川崎の2CBとアンカーに対して、鹿島は2トップ。この3対2という状況を川崎がどう生かすかというところには注目です。

 そこで、アンカーのジョアン・シミッチ選手がどのような動きをするのか。前述した3対2を生かすのであれば、J・シミッチ選手がCBの間に下りて、鹿島の2トップに対して数的優位を作り前進していくことです。

 ただ鹿島は14節の横浜戦で、中盤のミドルゾーンでボールを奪い、相手の陣形が整う前に素早くカウンターを仕掛けたことが結果的に大量5得点に繋がりました。川崎からすると、ミドルゾーンでは絶対にボールを失いたくない。その時に、後ろで3対2を作ったとしても、その先に中盤や前線でどれだけ人数をかけられるかを考えれば、わざわざ1枚を後ろに下げる必要があるのかという考えも浮かびます。ですので、J・シミッチ選手の立ち位置の変化は注視すべき点です。

 またこの図のようにジェジエウ選手がボールを持った場合、どのタイミングで最前線のレアンドロ・ダミアン選手に当てるのかも気になるところ。繋ぐ川崎として、シンプルにL・ダミアン選手にロングボールを入れるシーンはあまりなさそうですが、カウンターやビルドアップで敵陣に侵入するときに、L・ダミアンを使うのか使わないのか。使った場合、しっかり収めてもらえるかどうか。ここでボールを奪いたい鹿島の狙いを回避しながら、川崎が相手を押し込めるかどうかです。

 鹿島の敵陣での守り方は、2トップが相手CBにプレスをかけるよりも構えることが多い。ただ引いて構えるのではなく、図のようにボランチには入れさせない立ち位置を取ります。この時に、アンカーのJ・シミッチ選手がボールをもらいに下がると、鹿島の2トップも少しラインを上げる。この動きによって、川崎のCBが空いたスペースに自分で持ち運ぶことができます。川崎はこれを狙いたいし、鹿島としては2トップがどのタイミングでCBかアンカーにアプローチをかけるのか。そこのせめぎ合いが、川崎が敵陣に進入できるかできないかに絡んでくるかなと。

 ジェジエウ選手と谷口彰悟選手が前のスペースにボールを運べれば、必然的に全体が押し上がるので、サイドバックの山根視来選手や登里享平選手が、この図以上に高い位置を取れることになります。これを川崎として狙いたいところでしょう。

 川崎のCBが前線にどれだけボールを入れられるか、自分で持ち運んで味方を押し上げられるか。鹿島は下がり過ぎずに相手の3トップに対してのパスを潰せるかが、この局面での見どころです。


川崎の敵陣での攻撃vs鹿島の自陣での守備


川崎が敵陣でボールを保持している際のマッチアップ図。


 鹿島は鳥栖戦で相手のインサイドハーフが捕まえ切れなかったというシーンがありましたが、川崎は旗手選手と田中碧選手がどれだけ三竿選手とL・シルバ選手に捕まらない位置に動いて、ボールを握れるか。川崎側からすると、インサイドハーフの立ち位置で優位に立てるかがまず一つ目のポイントです。

 川崎は当然、鹿島の鳥栖戦や前節のC大阪戦を見てスカウティングをしているはず。そこで何を発見するかというと、単純にサイドバックの後ろのスペース。そこでの一番の狙いは、CBの犬飼智也選手と町田浩樹選手をつり出すことです。鹿島は鳥栖戦で、犬飼選手が外まで出て行って、対応し切れずにクロスを入れられて失点しました。その失敗を踏まえ川崎戦では、左ウイングの三笘選手のドリブル突破や抜け出しに対して、ボランチがカバーしたり常本選手が戻ってきたりといった判断に変更する可能性があります。川崎はそれを逆手に取って、三笘選手や家長昭博選手が積極的に裏に抜け出て、パスを受けようとするでしょう。

 単純にサイドを抜けられる以外に、もうひとつ鹿島が相手にさせたくないことがあります。それは、サイドチェンジです。川崎は頻繁にサイドチェンジをするようなチームではないですが、この図の時に逆サイドの山根選手が大外から上がってくるシーンは容易に想像できます。

 基本的には川崎の攻撃として、素早く縦に行くよりも時間を使いながらいかに隙を突いてゴールを狙うかという戦術がベースなので、サイドチェンジから崩すという狙いも出てくる。そこで鹿島のCBがどこまで外に出るか。一番脅威となるL・ダミアン選手がいる中央を空けたくないでしょうから、その意味も含めて最後の局面での鹿島のCBのカバーリングや状況判断が命運を分けるかもしれません。


鹿島の自陣からの攻撃vs川崎の敵陣での守備



鹿島が自陣でボールを保持している際のマッチアップ図。


 川崎の敵陣での守備では、前線の3枚と2人のインサイドハーフがハイプレスをします。鹿島は両サイドハーフが中に入ってきて、数的優位を作ろうともしますが、ただこれまでの鹿島のビルドアップを見ていると、ハイプレスをかけられた時に徹底的に繋ぐという選択はあまりしません。

 鳥栖戦でもそうでしたが、基本的には2人のCBかGKが前線にロングボールを蹴ってセカンドボールを拾うというイメージがあるので、当然川崎としては待つのではなく、いつも通りのハイプレスでロングボールを蹴らせることを狙う。この時、川崎が一番気を付けないといけないのは、鹿島の松村優太選手や白崎凌兵選手の両サイドハーフが下がってボールを受ける時に、この図のようにサイドバックがついて行きすぎてしまうと、後ろにスペースが生まれてしまいます。

 この時、図では谷口選手とジェジエウ選手が中央にいますが、実際にはもう少しボールサイドに寄せているはず。湘南戦でも見られましたが、この2人のCBがどれだけ後ろをカバーできるかが重要になってきます。

 一方鹿島は、基本的にはショートパスで繋ぎたいでしょうが、どうしても相手のプレッシャーが激しい時はそれができない。やりたい気持ちや狙いは見えますが、結果的にロングボールで進入するということが鳥栖戦やC大阪戦でもありました。この場面での両CBのロングパス成功率にも注目です。

 これまでの試合の平均値としては、鹿島の犬飼選手と町田選手はともに80パーセント台前半ですが、川崎の谷口選手とジェジエウ選手は90パーセント台。この差はシンプルに鹿島の方がロングボールを蹴ることが多いからですが、そのフィードをどれだけ高い精度で供給できるかも、この場面においての両チームのCBの役割として、面白い視点だと思います。

 鹿島は、せっかく自分たちのボールになって、自陣から攻撃を仕掛けられるという時に、簡単に相手にボールを渡したくないはず。川崎に繋がれてしまうと、ボールがしばらく返ってきませんからね……。しかし川崎は、L・ダミアン選手がハイプレッシャーをかけてきて、そこで奪ってゴールまで持ち込むシーンが何回も見られる。

 そこで、自陣でのボールロストを避けてロングボールを蹴らざるを得ないのか、それとも自分たちから意図的にロングボールを蹴って、この図のように荒木選手を走らせる狙いを持ってやれるかの判断が大切。ロングボールにしても繋ぐにしても、どちらの判断をCBが取れるのか。川崎としてはそれをさせない、また選択肢すら与えないぐらいのプレッシャーをかけられるかどうか。この攻防が見どころです。


鹿島の敵陣での攻撃vs川崎の自陣での守備



鹿島が敵陣でボールを保持している際のマッチアップ図。


 川崎は、湘南戦と横浜FC戦での後半の修正ができるかどうか。横浜FC戦は相手が最初は4-4-2でしたが、後半から5-4-1に変更してから、2シャドーを捕まえ切れず押し込まれるシーンが増えてしまいました。それは、5-3-2システムを使用した湘南相手の試合でも多少見られました。

 その理由として川崎は、この図の上の赤いスペースに相手に入られたとき、誰がマークをつくのかがはっきりしないこと。これは4-3-3のシステム上、ほぼ起きることなのですが、鹿島はこのエリアを使うのがとてもうまいチームなので、注意すべきポイントになってきます。

 鹿島は明らかにこのエリアを使うチームなので、どう修正して試合に入れるかどうか。単純に考えれば、インサイドハーフの旗手選手や田中選手が下がればいいだけだと思われるかもしれませんが、そうするとこの図のように、三竿選手とL・シルバ選手がフリーになってしまう。彼らから縦パスが入って、松村選手、荒木遼太郎選手と繋がって、サイドを変えられるというシーンがあった時、鹿島の両サイドバックはかなり高い位置取りをしてきます。この流れで、永戸勝也選手や常本選手が敵陣深くから鋭いクロスを入れてチャンスを作る場面は過去の試合でもありました。

 川崎はインサイドハーフが前からプレスをかけたいけど後ろを使われたくない。後ろを使われたくないから下がると、今度はボールホルダーにいけないというジレンマをどうやって解決するのか。解決策のひとつは、CBが前に出て行って相手を潰すこと。ただ、もしこの図の時に、ボールホルダーの荒木選手にCBの谷口選手がプレスをかけた際、土居聖真選手が斜めに走って、そこにスルーパスを通される可能性もある。一番使われたくないのは背後なので、そこをどうケアするのかです。

 敵陣でボールを保持した際の鹿島は、基本的に攻撃の仕方はどの試合も同じ。両サイドハーフが中に入ってきて中央に人数をかけ、ワイドのスペースはサイドバックが突く狙いがある。問題はそこで、中央パスを繋いでどれだけ両サイドバックが高い位置を取る時間を作れるかです。

 また鹿島の攻撃時、CBの役割として非常に重要なのはリスクマネージメント。川崎のカウンターにも注意しなければいけないので、なるべく相手の陣地内でボール保持をしたいのであれば、どれだけ川崎の3トップをマーキングできるか。守備を考えた時に重要なのはCBの立ち位置です。

 2人のCBに対して、もし川崎の3トップが前線に残っているのだとしたら数的不利になります。そこで両サイドバックがともに高い位置を取るのはかなりのリスクがある。もしかすると、ボランチの三竿選手が残って3人で守備対応する可能性もありますが、鹿島は攻撃の際に、同時に守備も考えながらやる必要があります。ここでも、CBのパフォーマンスが試されますね。


【著者プロフィール】
杉崎健(すぎざき・けん)/1983年6月9日、東京都生まれ。Jリーグの各クラブで分析を担当。2017年から2020年までは、横浜F・マリノスで、アンジェ・ポステコグルー監督の右腕として、チームや対戦相手を分析するアナリストを務め、2019年にクラブの15年ぶりとなるJ1リーグ制覇にも大きく貢献。現在は「日本代表のW杯優勝をサポートする」という目標を定め、プロのサッカーアナリストとして活躍している。Twitterやオンラインサロンなどでも活動中。

◇主な来歴
ヴィッセル神戸:分析担当(2014~15年)
ベガルタ仙台:分析担当(2016年)
横浜F・マリノス:アナリスト(2017年~20年)

◇主な実績
2017年:天皇杯・準優勝 
2018年:ルヴァンカップ・準優勝 
2019年:J1リーグ優勝




◆プロ分析官が注目の『川崎×鹿島』を徹底展望! 両チームCBのパフォーマンスが命運を分ける!?(サッカーダイジェスト)





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