日刊鹿島アントラーズニュース

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2022年1月27日木曜日

◆【インタビュー】黒崎久志氏が山東泰山のヘッドコーチとして2冠達成「行って良かった、それが正直な感想です」。今季ACLは浦和と同組に(サカノワ)






就任の経緯は!? ACL出場権はく奪、中国サッカーバブル崩壊…さらにレオナルド移籍、エース・フェライニの存在――注目のトピックスについて語る。


 鹿島アントラーズや大宮アルディージャコーチ、アルビレックス新潟では監督を務めた黒崎久志氏が2021シーズン、山東泰山FCのヘッドコーチとして、リーグ優勝、さらに中国FAカップの2冠達成に貢献した。

 異国の地で指導者として結果を残した。その経緯と現地での生活、そして昨年“バブル崩壊”など世界中で話題となった中国サッカー事情など、その“ど真ん中”にいた元日本代表ストライカーでもある黒崎氏に語ってもらった。

――・――・――・――

――日本人の指導者として中国リーグで初の「快挙」と言えます。山東泰山のヘッドコーチとしてリーグ優勝を果たし、さらにカップ戦との2冠を達成。おめでとうございます。

「ありがとうございます。出発したのが、ちょうど今から1年前でした。あっという間でしたね、1年間、とても短かったように感じます」

――2021シーズン、黒崎さんが山東でのヘッドコーチ就任に至った経緯を教えてください。

「JFA公認指導者派遣事業でドイツに滞在した2017年、日本へ戻る前に中国から話があり、モスクワ経由で広州に一度立ち寄りました。その時実現はしなかったのですが、シャンドン(山東)の現在の監督であるハオ・ウェイがアシスタントコーチをしていて、一緒にいろいろなサッカー談義をしたことは、今でもよく覚えています。

 それから私は鹿島で2018年途中からコーチを務めました。2019年のACL(アジアチャンピオンズリーグ)では鹿島がシャンドンとグループステージで二度対戦し、その時の監督が現在中国代表監督のリ・シャオペンでした。その時もコーチにハオ・ウェイがいて、あいさつなどしました(鹿島は2018年ACL優勝、2019年ベスト8。山東泰山は2019年ベスト16)。

 そして2020年の年末頃、ハオ・ウェイが監督になったシャンドンから、ヘッドコーチとして、ぜひ来てくれという話をいただきました。シャンドンは環境など非常に充実していましたし、ぜひチャレンジしてみたいと思いました」

――クラブ公式サイトでみると、山東泰山は素晴らしい施設を備えています。

「ピッチ2面と人工芝があり、ジムも広々として、トレーニング施設も充実しています。温・冷水の風呂やプールなども完備されて、私もドイツでいくつかのクラブを見ていましたが、環境はまさにヨーロッパクラブのようでした」

――通訳は?

「日本生活が長くJクラブでも仕事をしていた方が通訳でついてくれました。現地にはクラブの外国人専用のマンションもあり、そこで生活をしていました。ビュッフェスタイルで3食とれて、いろいろな配慮がされていました」

――サッカーの面で、ハオ・ウェイ監督と黒崎さんの役割は?

「ハオ・ウェイ監督が上手くチームをマネジメントしてくれていました。私がヘッドコーチという立場で、トレーニング、選手のサッカーに対する面などを担当し、練習メニューなどを組み、それをチームの状況に応じて落とし込んでいました。その関係性が上手くマッチしたと思います。ピッチに立って仕事をさせてもらい、私も得るもの、学ぶことが多かったです」

――浦和レッズにいたレオナルドが開幕前、山東に電撃移籍しました。ただ夏、すぐ河北FCにレンタルされましたね?

「レオナルドはなかなかチームにフィットできずにいました。素晴らしいフィニッシャーでしたが、そこに至る作りのところでチームから要求され、そこで上手く噛み合ってきませんでした。中国人選手との関係性も難しさを感じていたようです」

――マンチェスター・ユナイテッドから加入した元ベルギー代表FWマルアン・フェライニはどんな選手でしたか?

「プレーは見たそのままで、足元のプレー精度が高く、ヘディングの高さと強さもある。しかも、動けます。

 加えて、あらゆるシーンで、プロフェッショナルな選手でした。しっかりチーム状況を俯瞰し、いろいろ気づいたこと、すべきことを話して、周りの選手の話にも耳を傾けたうえで、自分のやりたいことも伝えていました。

 また、全体練習の前に自分で先に走って準備もしていました。むしろ一番最初にピッチへ出て来て、ちょっと体を動かしていたという印象が残っている選手です。

 それでいてムードメーカー的なところもありました。輪の中にもどんどん入ってきていましたね」

――昨年は、広州恒大の恒大グループのバブル崩壊が世界中で話題となりました。そういったビッグスポンサーが付く多くのクラブで、選手への給与未払いも問題となりました。山東は?

「シャンドンはそういった経営はしていないと聞いていました。私自身への影響は一切ありませんでした。コロナ禍でお客さんもスタジアムに入れず、不動産業がスポンサーになっているクラブはいつか問題が起きるだろう、運営が厳しくなるだろう……と言われているのは耳にしていました。ただ、そういった面ばかりが話題にはなりますが、一方で、ひたむきに、とても一生懸命にプレーしている選手も多くいました。私はそんな選手たちの姿勢に、心が打たれることもありました」

――他に中国サッカーの中心にいて感じたことは?

「選手によって、姿勢の差にすごくばらつきがありました。フェライニのようなプロフェッショナルに徹する選手もいれば、そうでない選手もいて、彼らを一つの方向へ向かわせるためには、日々のトレーニングで時間をかけるしかありませんでした。そこは監督と話をしながら、少しずつ修正していきました。

 ハオ・ウェイ監督は日本のサッカーをリスペクトしてくれていて、そういう意味ではすごく信頼してくれていました。私の話を聞いて、それを中国人コーチ陣にも伝えて話を通してくれたりもしました。多々苦労はありましたが、そこはやはり監督が上手く対応してくれました」

――タイトルを獲れるチームだけあって、コンセプトがしっかり確立されていたのでは?

「チームのコンセプトは3つありました。選手もスタッフもハードワークをする、そしてチーム内で正当な競争をすること。中国は伝統的に、どうしても年功序列的なところなところがあり、ベテラン選手は練習をやらなくても試合に出られる雰囲気がありました。そこを変えていかなければ、正当な競争を植え付けて、強くなっていけないという話はしていました。そして最後の3つ目はタイトルへ向かう団結力。一つに向かうこと、それも大切にしていました」

――山東は昨シーズン開幕直後、ACLへの出場権がはく奪されました。かなり以前の2016年から17年まで率いたフェリックス・マガト体制時代(チーム名は山東魯能)のコーチが、給与未払いを訴えて、それがAFCに認められたための措置でした。この制裁には正直、驚かされました。さすがにショックだったのでは?

「昨年のカップ戦を制し、その出場権を得ていました。ACLは私にとっても目標で、だから日本を離れて日本のチームと対戦したいという思いが強かったです。

 それが叶わなくなったのはすごく残念でした。ただ結局、中国のチームは前回大会、ACLに難しい状況で臨むことになりました(編集グループ注:国内リーグへの影響を考慮し、若手など“2軍”と言えるメンバーを送り込んだ)。

 そもそも自分がいたチームで獲得した権利ではありませんでした。だからそこは気持ちを切り替えました。新シーズン、自分たちの力で絶対ACLの権利を掴もうと、そこへ目標も絞ることもできました」

――2022シーズンのACLは「POT1」に入り、グループステージでは浦和と同組に入りました。

「リーグ戦を制したことで、POT1に入れたのは嬉しかったです。(2022シーズン)コーチを担うことになれば、ACLで日本チームと戦うことが目標でした。ACLのほうが自分はターゲットしてやりたい思いは強いです。(浦和には)一緒だった犬飼(智也)、江坂(任)がいるので楽しみですね」

――グループリーグは4月、セントラル方式で実施されます。日本開催もあるかもしれません。

「日本開催になってほしいですね」

――黒崎さんの今後は?

「いろいろな話をしているところです。ただ、まず一度、ゆっくり休ませてもらっています。昨年8月に休暇で日本へ戻れるはずだったのですが、コロナの影響で、丸一年、中国にいました。(移動なども制限されていた生活で)家族とも離れていたので、まずこの時間を大切にしたいです。コロナでの難しさもありますが、認められればJリーグクラブのキャンプなども訪問したいです」





――27日に埼玉スタジアムで行われるカタール・ワールドカップ(W杯)アジア最終予選の中国代表戦は、両チームの視点から見ることができますね。

「楽しみですね。シャンドンのレギュラークラスの選手10人ほどが代表候補にも入っていました。監督が交代したことで、前回対戦とどのように変わるのか注目しています」

――杭州緑城を岡田武史さん(現・今治FCオーナー)がコーチングスタッフチームを組んで率いて以降、日本と中国のサッカー界では、指導者の人材の行き来があまり聞かれずにいました。黒崎さんが「結果」を残したことで、また日中の新しい道が切り開かれるかもしれませんね。

「育成年代では日本人の方が中国でも活動されています。そういった方にとっても、希望になればと思います」

――今後、中国のサッカーも大きく変わっていきそうです。

「経営難など悪いニュースがどうしても目立ちますが、中国はすごくポテンシャルを感じます。本当にやり方次第によっては可能性も感じます。そのあたりがどうやっていくのか、非常に楽しみです。

 何より、行って良かったっていうのが正直な感想です。これまで数多くの日本人の指導者が中国に来ていましたが、そういった意味で一つ結果を残せて、改めて日本のサッカーをアピールできたのではないかなと感じています」



◆【インタビュー】黒崎久志氏が山東泰山のヘッドコーチとして2冠達成「行って良かった、それが正直な感想です」。今季ACLは浦和と同組に(サカノワ)





◆J2仙台 J1鹿島から加入の遠藤康「目標は仙台を優勝させること」・・・「新鮮力」紹介(報知)






 J2仙台は1月10日から1か月を超える長期キャンプをスタートさせ、現在は宮崎・延岡市での2次キャンプを行っている。原崎政人監督(47)の下で攻撃的なサッカーの体現を目指している。「とうほく報知」では「新鮮力」と題し、新型コロナ禍の入国制限措置で合流日が未定の助っ人2人と3年ぶり復帰のMF梁勇基(40)を除く、今季加入した7選手を紹介する。第1回は強豪・J1鹿島から加入した実力者・MF遠藤康(33)。

 自然体でチームを勝利へ導く心強い選手が加わった。鹿島では国内主要タイトル10冠、2018年のACL初制覇も経験。プロ入りから15年間、常勝軍団を長く支え、初めての移籍となった遠藤は、「目標は(仙台を)優勝させること」とキッパリ。1年でJ1復帰の使命を胸に開幕への準備を進めている。

 左足で独特なリズムを刻むドリブル、高いキープ力、精度の高いパスで攻撃のアクセントをつくる。鹿島時代の同期でもあった元日本代表DF内田篤人氏(33)が最も守備がしにくい選手と名前を挙げる実力者だ。普段の練習への姿勢でも既に周囲に好影響を与えており、FW富樫敬真は「(遠藤は)多くを語るわけではないですが、一人一人としっかりコミュニケーションをとってる。練習も毎日毎日、無駄にしていない。選手同士で求め合う雰囲気が自然と生まれている」と感銘を受けていた。

 サッカーを含め、好きなことにはしっかりこだわるタイプ。宮城県塩釜市出身のMFの一番の趣味は釣り。「好きなことに関しては努力します。僕と釣りに行けば楽しいですよ。必ず釣れます」と自信を見せ、「仙台では釣れるポイントはまだ知らない。探りを入れてきます」と笑顔を見せた。

 168センチと小柄で、スピードなどの身体能力に恵まれた選手ではないが、磨きあげてきた左足を武器に、J1通算304試合出場46得点の堂々たる数字を積み上げてきた。「トラップ、パス、シュートなんでもできる選手が一番いい選手だと思っている。自分の限界というのは自分しか知らない。まずは、この1年やり通すという思いです」と向上心は尽きない。新たな精神的支柱としても期待されるMFは、確かな技術を新天地でも披露し、チームを引っ張っていく。(小林泰斗)




◆J2仙台 J1鹿島から加入の遠藤康「目標は仙台を優勝させること」・・・「新鮮力」紹介(報知)





◆新生・鹿島はなぜブラジル→欧州路線へ? 「もっとやるべきことがあったんじゃないか」…最多20冠の“常勝軍団”が抱いた危機感(FOOTBALLZONE)







【J番記者コラム】国内タイトルと無縁、“常勝”鹿島にとって受け入れがたい現実


 勝っているチームはいじるな。

 サッカーに限らず、勝負の世界の常套句だが、裏を返せば、勝てないチームは何かしらの手を打て、ということになる。

 2018年にクラブの悲願であるAFCチャンピオンズリーグ(ACL)を初制覇し、歓喜に沸いた鹿島アントラーズも、その一方で、ここ5シーズン、国内タイトルからは遠ざかっている。これほどの“空白期間”はクラブ史上初めてであり、“常勝”という高い目標を自らに課す鹿島にとって受け入れがたい現実でもある。

 危機感を募らせる理由がもうひとつある。

 Jリーグ連覇中の川崎フロンターレに対し、終わってみれば、2年連続で勝ち点差20以上も引き離された。それはつまり、タイトルに手が届くどころか、タイトル争いさえも演じられなかったことを意味する。

 このままではいけない――。常勝復権に向けて、さまざまな観点から検討が重ねられ、チーム改革に乗り出した。

 これまでの鹿島といえば、クラブの基盤作りに尽力した御大ジーコがブラジル出身ということもあって、外国籍選手の獲得をはじめ、監督やコーチもジーココネクションを最大限に生かしてきた。それによって、クラブ創設30年間で、他の追随を許さない最多20冠を積み上げてきた成功体験がある。

 だが、こうしたブラジル路線の恩恵にいつまでも浸ることなく、未来の鹿島を見据え、今、何をすべきか。具体的かつ明確な施策を次々に打ち出している。

掲げたテーマは「革新と挑戦」だ。クラブが育んできた「歴史と伝統」を重んじつつも固定観念にとらわれず、一からのチーム再建に挑む。

 まず、指導陣が一新された。新指揮官に迎え入れられたのは、スイス国籍のレネ・ヴァイラー監督だ。現在48歳。母国のシャフハウゼンやアーラウといったクラブでキャリアを積み、アンデルレヒト(ベルギー)やアル・アハリ(エジプト)でリーグ優勝を経験するなど、野心に溢れる、叩き上げの人物であることが垣間見える。
 
 コーチングスタッフにJリーグの大宮アルディージャや湘南ベルマーレでのプレー経験を持つセルビア国籍のドラガン・ムルジャコーチ、そしてフィジカル担当としてドイツ国籍のマヌエル・クレクラーコーチが就いた。ヨーロッパ出身の指導陣が就任するのはクラブ史上初めてであり、コーチ陣も含め、ずいぶん国際色豊かになった。


指導陣とともに、強化スタッフの体制も様変わり


 とはいえ、ヨーロッパテイストの導入は今に始まったことではない。2020年に就任したザーゴ元監督はブラジル出身ながらヨーロッパでの選手経験や指導歴もあり、モダンフットボールの戦術に精通していたことから白羽の矢が立てられた。最新テクノロジーや練習の映像を駆使し、個々のプレーを可視化する指導スタイルはこれまでの鹿島には見られないものだった。

 ザーゴ元監督が特に学んでいたのは、エナジードリンクメーカーのレッドブルグループが全面的にバックアップして打ち出されたスピーディーで、インテンシティーの高い戦術と、そのトレーニングメソッドだ。それはアンチポゼッションと言われるが、ザーゴ元監督が目指したのは、あくまでもボールを大事にするスタイル。自身のルーツであるブラジルとヨーロッパをブレンドしたサッカーと言えるかもしれない。だが、新たな戦術の浸透が進まず、結果も伴わず、わずか1年と数か月で、解任に追い込まれてしまった。

 こうした試行錯誤を経ての、ヴァイラー監督の就任でもある。新型コロナウイルスの入国規制のため、いまだに来日できずにいるが、1月22日の新体制会見ではオンラインを通じ、こうメッセージを送っていた。

「選手個々の特徴を生かしたエンターテイメント性のあるサッカーを展開したい。シーズンの最後に皆で笑顔になれたらと思っている」

 指導陣とともに、強化スタッフの体制も様変わりした。長年、チーム編成の最高責任者として手腕を発揮してきた鈴木満フットボールダイレクター(FD)が勇退し、後任である吉岡宗重フットボールグループプロチームマネージャーにバトンが渡された。クラブレジェンドのジーコテクニカルディレクター(TD)もその職を退き、クラブアドバイザーに就任。今後はチーム強化のみならず、さまざまな面から鹿島を後押しする。

 かつて鈴木前FDが発したこの言葉が忘れられない。

「タイトルを獲ってももっと別のやり方があったんじゃないか、もっとやるべきことがあったんじゃないか。いつもそう考えている。これで安泰と思ったことなど一度もない」

 危機感を原動力に変えながら生きながらえてきた鹿島。再びJリーグの主役に躍り出られるか。今季の関心事の1つといっていいだろう。

(小室 功 / Isao Komuro)




◆新生・鹿島はなぜブラジル→欧州路線へ? 「もっとやるべきことがあったんじゃないか」…最多20冠の“常勝軍団”が抱いた危機感(FOOTBALLZONE)






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