近畿大学(大阪府東大阪市)のサッカー部員である2~4年の男子学生5人の大麻使用発覚について、近大は5日、大阪市内で会見した。今月1日から無期限の活動停止となった同部の松井清隆監督(59)は「ショックを受けた。まさか大麻とは。指導者として甘かった。関西のサッカー界の皆さんに申し話ない」と厳しい表情を見せた。
先月30日、複数のサッカー部員からコーチに「部内に大麻を使用している者がいるというウワサがある」と具体的には2人の名を挙げた報告があり、今月1日、グラウンドで58人の部員を集めてミーティングを開き、キャプテンの進行で事情を聴いたところ「やりました」と該当部員が事実と認めた。その後、教職員が該当部員にヒアリングし、同日午後に警察に連絡した。現在、逮捕には至っておらず、5人は自宅待機を命じられている。
サッカー部は部の規定で、20歳以上の部員でも、たばこの喫煙すら認めていない。大麻使用が発覚した瞬間は、最後のリーグにかけていた4年生の部員がグラウンドに頭を突っ伏して、泣き崩れたという。関西学生サッカー連盟主催の本年度リーグ戦の残り日程の出場は辞退した。
学生の申告によると、3年生のAは昨年12月から今年5月にかけて、ツイッターを通じて売人と接触して「興味本位で」大麻を、1グラム(8000円相当)購入。一人暮らしの自宅で5、6回使用した。今年3月の使用の際は「コロナで暇だったから」などとも話しているが、コロナ禍でのサッカー部の活動自粛は4月3日~6月26日で、休止時期とは合致していない。
4年生のB、3年生のC、2年生で未成年のDの3人はAに勧められ、Aの自宅で大麻を無償でもらって使用。B、Dは1回、Cは2回使用した。「お酒を飲んで、たばこの感覚で“回した”ようだ」と松井監督。3年生のEは昨年10月、大阪・ミナミのクラブで知り合った人物にもらい、クラブ付近の路上で1回使用したという。
近大では調査チームを立ち上げ、さらに詳しい調査を進め、学生や指導者、部への処分は今後、学内規定に則って決定する。結果によっては、サッカーのスポーツ推薦入学を見送る可能性もあるという。全キャンパスの学生約3万3000人を対象にしても調査するという。
サッカー部は1972年創部。現在、部員62人(選手58人、女子マネジャー4人)。2019年の第97回関西学生サッカーリーグ1部リーグでは8位だった。
◇大麻使用の近大サッカー部員の3年生「コロナで暇だったから」(報知)