日刊鹿島アントラーズニュース

Ads by Google

2016年9月14日水曜日

◆レオナルド氏が低迷するミラノ勢を酷評「ベストプレイヤーがいない」(サッカーキング)


http://www.soccer-king.jp/news/world/ita/20160913/492350.html?cx_cat=page1



 元ブラジル代表MFレオナルドが、自身がかつて指揮した日本代表DF長友佑都が所属するインテルと、同代表MF本田圭佑が所属するミランの現状を嘆いた。イタリアメディア『スカイスポルト』が12日に報じている。

 レオナルド氏は2009-10シーズンにミラン、その翌シーズンにインテルを指揮した経験を持つ。ミラノに本拠を構える2クラブを率いた同氏が、低迷する両クラブの現状に関してコメントした。

 同氏はインテルについて「僕からすれば、インテルの選手たちは世界のベストプレーヤーではないし、トップ10に入る選手はいないよ。残念だけどそうなんだ。バルセロナやマンチェスター・Uにいるような選手ではない」と戦力が低下していることを嘆いている。

 ミランについては「チャンピオンズリーグ(CL)に出ていない。つまり強い選手が来ないということ。来るのは他のクラブで余ってしまった選手だけだ」と一刀両断。伸び悩む成績とうまくいかない補強を批判している。

 今シーズンこそ成績を残したい両軍だが、セリエ第3節を終えた時点でインテルが11位、ミランが15位とスロースタート。まだまだ挽回のチャンスはあるが、決して順調な出だしでないことは確かだ。苦しむ名門2チームの奮起に期待したい。

◆失点増加で不安定な戦いが続く鹿島 守備陣が見たその要因とは?(Sportsnavi)


http://sports.yahoo.co.jp/column/detail/201609120015-spnavi

石井監督のリーグ復帰戦でリスタートを切りたかったが……

敵地で勝利を挙げ、石井監督の復帰戦を飾りたい鹿島だったが……

 体調不良を訴えて8月27日の第10節、横浜F・マリノス戦(2−2)を休養した石井正忠監督の復帰後、最初のリーグ戦となった9月10日の第11節・柏レイソル戦。ファーストステージ覇者の鹿島アントラーズは敵地で勝利を挙げ、Jリーグチャンピオンシップ(CS)に向けて確かなリスタートを切りたいところだった。

 この日の陣容は、ベテランGK曽ケ端準がいつも通りゴール前に陣取り、最終ラインは9月3日の天皇杯2回戦・カターレ富山戦で負傷した西大伍に代わって伊東幸敏が右サイドで先発した。センターバック(CB)は日本代表に選出されるも、左内転筋の違和感を訴え離脱した昌子源がファン・ソッコに代わって復帰し、ブエノとコンビを組んだ。

 左サイドバック(SB)は山本脩斗が務める。ボランチは小笠原満男が控えに回り、永木亮太と柴崎岳の2人が先発した。2列目は右に成長著しい鈴木優磨、左には土居聖真が入り、赤崎秀平と金崎夢生が2トップを形成するという形だった。

 鹿島としては、相手の助っ人外国人のディエゴ・オリヴェイラ、クリスティアーノを軸とする攻撃陣を封じるところから、慎重にゲームを運びたかった。

「ディエゴ・オリヴェイラ選手を見ていて『何が特長なんだろう』と考えていたのですが、くさびを受けにいっても、すごいと思う部分はなかった。前半は(攻撃の)起点になるシーンもありませんでしたし、自分とブエノの関係も悪くなかったと思います。僕自身、ブエノのカバーができていたし、自分のミスで危ない場面を作られても、ブエノがカバーに入ってくれていました」と昌子は前半の守備に手ごたえを感じていた。

「駆け引きに負けた」鹿島らしくない失点シーン

柏戦の先制点の場面は、実に鹿島らしくない失点シーンだった

 しかし、後半に入り柏が若きスピードスター・伊東純也を投入すると状況が一変する。後半13分、茨田陽生の縦パスに反応した伊東が右サイドを抜け出してクロスを上げた瞬間、ブエノと伊東幸敏はディエゴ・オリヴェイラに巧みに逆を取られ、一発を浴びてしまった。

「純也がボールを上げる瞬間、DFが前を取ろうとしたので、それを逆手にとって2歩後ろに移動した。それで完全フリーになれたので、あとは合わせるだけだった」とディエゴ・オリヴェイラはしてやったりの表情を浮かべたが、鹿島の守備陣は大きなショックを受けたようだった。

「完全に駆け引きに負けた」と伊東がガックリと肩を落とす一方、昌子も「伊東選手が入ってきて、ああなるのは分かってたいたから、(山本)脩斗君に『極端に縦は切っていいよ』とは言ってたんですけれど……。相手のやりたいことをやられたという感じです」と悔しさをにじませた。実に鹿島らしくない失点シーンだった。

 その6分後にはペナルティーエリアでブエノがクリスティアーノを倒してPKの判定。しかし、ベテラン守護神の鋭い読みが光り、2点目は与えなかった。これで巻き返しの可能性が広がったが、この日の鹿島は最後まで踏ん張り切れなかった。

 後半36分、自分たちの攻撃が中途半端な形に終わり、中盤で奪われたボールを柴崎らが奪い返しにいくも寄せ切れず、小林祐介から右サイドのオープンスペースに走り込んだクリスティアーノに縦パスを出されてしまった。クリスティアーノは豪快なドリブルから右足一閃。これはさすがの曽ケ端も反応できず、スコアは0−2となりこのまま試合は終了。鹿島は石井監督体制でのリーグ戦再出発を白星で飾ることができなかった。

セカンドステージはここまで11試合で17失点

「今日は球際のところで全部負けていた。監督は(続投という)答えを出したわけで、僕たちはそれに応える立場だったのに、勝負弱さが出てしまった。自分たちが戦う姿勢を出せていないことに情けなさを感じました。監督が戻って、天皇杯に勝ったからいいわけではないのに、それでOKみたいな雰囲気があった。それが今の僕達の弱さです。優勝争いをして、セカンドステージ、年間王者の座を奪いにいくチームのやることではないと思います」と昌子は試合後の取材ゾーンで自戒を込めて言った。

 彼がこれだけ厳しい発言を繰り返すのも、常勝軍団の絶対的ベースである守備の踏ん張りが利かないことが大きい。川崎フロンターレの失速も追い風となり、ファーストステージを制した後、彼らの守りは急激に崩れ始めた。

 7月2日のセカンドステージ初戦・ガンバ大阪戦(1−3)を皮切りに、ここまで11試合で17失点を喫しているのだ。この数字はセカンドステージ最少失点の浦和レッズ、G大阪の約2倍(両チームの失点数は9)。ファーストステージは17試合を10失点の最小で乗り切った鹿島だけに、いかに失点が大幅に増加しているかがよく分かる。

昌子、植田が分析する失点増加の要因

昌子のCBのパートナーが定まらず、連係が落ち着かないことも失点増加の要因の1つと考えられる

 その要因を分析してみると、昌子のCBのパートナーが植田直通、ファン・ソッコ、ブエノと頻繁に変わることで、連係があまり落ち着かないことや西と山本の両SBが高い位置を取り過ぎて、相手に裏を突かれる回数が多いこと。攻撃陣やシステムの変化によって前からのプレッシングがうまく連動しないことなどが挙げられる。こうした中で、最終ラインの統率役である昌子は、負の連鎖に歯止めをかけようと努力を重ねてきたという。

「セカンド(ステージ)に入ってから、まずSBの位置を修正することに取り組みました。ウチの失点パターンは大伍君や脩斗君が高い位置を取った時、背後のスペースを使われて、クロスを入れられる形が多い。僕らCBも先に触りますが、そのクリアが中途半端になって、セカンドボールを拾われて決められるというパターンが多かった。それを踏まえて、SBの位置を後ろ目にするよう仕向けていきました。

 それ以外にも変化をつけないといけないと思い、CBの位置取りを変え、自分が右、ソッコが左に入る形にしました。自分が右にいた方が大伍君の攻め上がりの特長を消さずに済む。大伍君も僕を信頼して後ろのカバーリングを任せてくれたので、だいぶ問題は改善されたと思います」と昌子は7月23日の第5節浦和レッズ戦(1−2)から8月10日のスルガ銀行チャンピオンシップ、インディペンディエンテ・サンタフェ戦(0−1)にかけての公式戦4連敗を抜け出した後、努めて前向きに語っていた。

 しかし、石井監督の進退問題もあり、鹿島は横浜FM戦、柏戦とリーグ2戦未勝利と再び足踏み状態に陥った。柏戦は右サイドに伊東が入り、CBも昌子が左、ブエノが右と普段と異なる形でスタートしたことも混乱の一因になったのかもしれないが、誰が出ても安定した戦いができなければ、年間王者の座はつかめない。

 セカンドステージに入ってからミスが増え、コンスタントに出場機会を得られなくなった植田も責任の一端を感じているようだ。

「(柏戦を)外から見ていて、単純にラインが低すぎると思いました。もっとラインを上げれば、ディフェンスも楽になるし、みんなも楽になる。(ラインを上げることは)すごくきついかもしれませんが、ちょっとした頑張りでチーム全体も変わってくると思います。失点はCBの責任ですし、そこを全部僕たちが背負うくらいの気持ちでやらないといけない。僕自身も日頃の練習から細かいところにこだわって、チームを軌道に乗せられるようにしたいです。自分が成長しなければいけないと強く感じます」と強調していた。

 ファーストステージでは昌子・植田のCBコンビが機能していたからこそ、通算失点を10に抑えられたと言っても過言ではない出来だった。その好連係を取り戻すことが、鹿島復活への早道かもしれない。

見直しが必要なのは守備陣だけではない

守備陣だけでなく、中盤から前線の選手たちが守備意識を高めることも必要だ

 加えて、守備陣だけでなく、中盤から前線の守備意識を今一度、高めることも肝要だ。鹿島は世代交代の時期を迎えており、攻守の要である小笠原が出場しない試合も徐々に増えている。激しい寄せを厭わない小笠原がいれば、危ない場面でしっかりとボールを奪ってくれるが、永木と柴崎のコンビになるとその部分では甘くなりがちになる。

 特にデュエル(1対1の競り合い)の脆さという課題を抱える柴崎は守備面のレベルアップに努めなければならないし、永木もゲームコントロールやハードワークといった自身の特長を鹿島というチームでより発揮できるよう仕向けていくべきだ。永木はそんな自覚を強めているという。

「僕も鹿島に来て、少しずつ試合に出られるようになったので、もっと自発的にやっていかなければいけない。下を向いていてもしょうがないし、前に向かって進んでいくしかないと思います」と湘南ベルマーレ時代にはキャプテンマークを巻いていた男は良い意味での割り切りを口にした。

 目下、鹿島は勝ち点14の11位に沈む。年間順位も勝ち点53の3位と、川崎、浦和の2強に大きく水を開けられている。すでにCS出場権を確保しているとはいえ、セカンドステージ残り6試合で復調できなければ、年間王者にも手が届かないだろう。

 差し当たって、9月17日の第12節ジュビロ磐田戦で無失点を目指す必要がある。エース・金崎夢生を筆頭に、攻撃陣の得点力不足も課題だが、失点を限りなくゼロに近づければ、攻撃陣もリスタートやカウンターから勝機を見いだすことができる。それこそが常勝軍団がJリーグ発足以来、積み上げてきた勝利の方程式だ。その原点に回帰すべく、昌子を中心に一丸となって守りの修正を図ることが求められる。

◆プロ入り直前で血栓症の診断受けた山本脩斗。「うまくフィットできた」。鹿島への適応と飛躍【The Turning Point】(フットボールチャンネル)


http://www.footballchannel.jp/2016/09/13/post174296/

サッカー選手の旬の時期は人ぞれぞれ。若くして豊かな才能を満開にする花があれば、辛抱強く力を蓄え、やがて咲かせる大輪の花もある。後者は、いかにしてプロの厳しい生存競争をくぐり抜け、脚光を浴びるに至ったのか。のちの躍進につながるターニングポイントに興味があった。第1回は鹿島アントラーズの山本脩斗選手にご登場願った。盛岡商業、早稲田大、ジュビロ磐田と経て、2014年の鹿島移籍を期に大きく飛躍。不動の左サイドバックとして、常勝軍団の一翼を担っている。【後編】(取材・文:海江田哲朗)

鹿島アントラーズでプレーする山本脩斗

――山本選手にインタビューさせてもらえることになり、下調べと簡単に周辺取材をやってきたんですよ。たとえば、東京ヴェルディの冨樫剛一監督はスカウトを担当していた頃、盛商の山本選手を興味深く見ていたそうです。評価が高かったのは、基礎技術の高さと、人間性、まじめな気質でした。病気を経験してご自身を見つめ直す部分があったにせよ、もともとメンタル面はしっかりしていたのでは?

「性格的にその傾向はあるかもしれませんが、高校時代は理不尽な走りのトレーニングなどがあるじゃないですか。それを経験して精神的に強くなった部分はあるでしょうね。僕だけではなく、ほとんどの選手がそうだと思いますけど」

――情熱の人、斎藤重信監督(現総監督)の教えを受けて。

「斎藤先生ほど選手のために尽力される方はいないのでは。たしかにトレーニングは厳しかったです。その分、気持ちが伝わってくるものがありました。大船渡高時代の(小笠原)満男さんは斎藤先生の下宿所で生活し、選手に毎日の食事を用意し、お弁当まで持たせてもらっていたそうです。それも満男さんひとりではなく、4人だったかな。そんなの情熱がないとできませんよ」

――指導者とのめぐり合わせについてはどう感じますか?

「その点、僕はとても恵まれたと思います。小5のときに入った、上田サッカースポーツ少年団は楽しんでプレーすることができ、サッカーをより好きになれた。以降、現在に至るまで指導者の方々がさまざまな要素を分け与えてくれたおかげで、成長できたと感じます」

――タイミングや運にも左右され、自分ではコントロールし切れない部分。

「はい。おそらく自分に合っていたんでしょうね。人によっては、違うタイプの指導者のほうがいい場合もあるかもしれない。そこは選手によると思います」

育成年代で最も印象的だったのは家長昭博

――山本選手の世代、85年生まれの一番星は?

「高校時代、評価が抜けていたのは、兵藤慎剛(横浜F・マリノス)と平山相太(FC東京)かな。ただ、いまの代表で主軸となっている選手はおらず、有名どころでは青山敏弘(サンフレッチェ広島)、丹羽大輝(ガンバ大阪)あたり。ひとつ下の世代が強烈なんですよ。本田圭佑(ACミラン)、長友佑都(インテル・ミラノ)、岡崎慎司(レスター・シティ)」

――たしかに強烈だ。育成年代で、最もインパクトを受けた選手は?

「家長昭博(大宮アルディージャ)。彼はすごかった。国体で対戦し、僕が高2であちらが高1。目の前をドリブルでサーッと」

――プレーの幅を身につけたいまより、天然色が濃い感じ。

「だと思います。もうキュンキュンでしたからね。まったく手がつけられなかった」

――西にガンバの家長あり、と早くから名を轟かせていた選手です。彼我の差を見せつけられ、もっと早く高いレベルに到達したかったと思うことは?

「それも含めて自分の力です。パッと花を咲かせるタイプの選手ではなかった」

――鹿島アントラーズで迎えた3年目のシーズン、活躍が目立ってます。逆サイドから入ってフィニッシュに絡むプレーは、ほとんど山本選手の代名詞のよう。飛び込むタイミングの良さに加え、ヘディングの競り合いも強い。

「右サイドでしっかりタメをつくってくれるから、僕が躊躇なく上がれる。ほかの選手が僕の特長を理解してくれるおかげです。こうなったら最後はここに来そうだというのが少しずつつかめてきた。そのパターンばかりではないですけどね」

――周りを生かし、生かされ。

「僕は完全に生かされている側です」

大きかった小笠原の存在。鹿島にはすんなり溶け込めた

鹿島アントラーズの小笠原満男。山本と同じく東北出身

――鹿島における生存競争の激しさはリーグ屈指と思われますが、2014年の移籍初年度から32試合に出場し、レギュラーの地位を確固たるものにしました。これは適応力の高さによるもの?

「適応力はそれほど高くないと思っています。だから、プロになってもすぐには芽が出なかった。徐々に、徐々に、ですね。ジュビロでの6年間があったので、まだまだ未熟な部分を自覚しつつもある程度は自信があった。それで、うまくフィットできた感じはあります。

 不思議と、最初の試合からやりにくさや違和感がなかったんですよ。周りの技術がある分、カバーしてくれたり、長所を生かしてもらえたんでしょう。初めての移籍で緊張していたんですが、思ったよりすんなりとチームに入っていけた」

――そこは、同じ東北人の小笠原選手の存在が大きいのかな。

「大きいですね。アントラーズとサインしてから、満男さんには『家、決まったか?』と気にかけてもらったり、『始動日の前にちょっと練習するから来ない?』と僕を誘い出し、ひと足早くクラブハウスの案内やスタッフさんを紹介してくれて。満男さんがいたから、同年代の(中田)浩二さん、モトさん(本山雅志/ギラヴァンツ北九州)、ソガさん(曽ヶ端準)からも気さくに接してもらい、ありがたかったです」

――新顔が入りやすい空気をつくったんだ。

「そういうさりげない優しさがある人です」

――先ほど話に出た東京ヴェルディの冨樫監督が、若手の安西幸輝や安在和樹などのサイドバックによく話していることがあるんです。「鹿島の両サイドバック、右の西大伍と左の山本脩斗は育成年代ではともに10番を付けた選手。ゲームメイクの感覚持っている選手がサイドをやることによって戦術に広がりが出るんだぞ」と。かつて中盤でプレーしていたメリットは感じますか?

「そうなんですか。でも、つくりの部分は僕より大伍のほうがずっと上。右サイドの大伍とヤス(遠藤康)の絶妙なコンビネーションは、ほかではなかなか見られないレベルだと思いますよ」

右利きの左サイドバックならではの難しさ

磐田から移籍後、鹿島では不動の左サイドバックに定着した

――遠藤選手もめちゃ巧いですもんね。

「巧い。あれほど上手にタメをつくり、周りを生かしてくれる選手はそうそういないはずです」

――それで必然的に右でつくり、左で仕留めるケースが多くなる。

「右でつくってくれる安心感があるから、思い切って上がれます。サイドバックの仕事は、まずは守備なんです。石井(正忠)監督の考えも、最初は守備から入れと。ゲームの流れを見ながら、リスク管理の仕方が重要になる。相手が前に何枚残しているのか把握し、それに対し、こちらはセンターバック、ボランチ、サイドバックで何枚残すのか。ぱっと決めて、このタイミングだとなったら一気に前線へ」

――タイミングを計っているとき、味方がボールを失う不安があると。

「高い位置を取りづらくなる。だから、大事なんですよ。右で確実につくってくれるという安心感が」

――左サイドバックは左利きの専門職のイメージが強くあります。右利きにもカットインして中央でプレーできるメリットがありますけど。

「つくりの部分を始め、改善しなければいけないことは多々あります。自分のような右利きの選手と左利きの選手では、相手が寄せてきたときの視野やプレーの角度がかなり変わってくるんです。

 左利きであれば、ボールを相手から遠ざけて縦に置き、前も見られるんですが、右で持つと途端に窮屈になりがち。細かいボールタッチが要求される場面では、どうしても右足で持つことになるので、そのあたりは状況判断を含めてもっとレベルを上げていきたい」

ピークは「もう少し先。まだまだです」

――2016シーズン1stステージは、川崎フロンターレをラストスパートでまくって優勝。なんだ、やっぱり最後は鹿島かよと見慣れた風景を遠くから眺めました。

「最後のほうは他力でもあったので、自分たちは勝つしかないとはっきりしていましたね。勝てば何かが起こるのではないかと。優勝の懸かったゲームは独特の雰囲気があり、競っている川崎にも少なからずあるんだろうなと想像しながら」

――それでちゃんと結果を出し、きれいに6連勝で締めくくってしまうのが鹿島。昔から鹿島と対戦した選手の口から「やりづらさ」をよく聞くんです。相手を気持ちよくプレーさせないために、チームに根づいていることとは?

「まずは綿密なスカウティングが挙げられると思います。ゲームで肝となる部分をしっかり抑え、チーム全体で相手にやらせないように仕向ける。加えて、勝っている状況、負けている状況、それぞれの試合運びを全員の共通理解として持つこと」

――スカウティングの情報を、適切にピッチに落とし込む。

「体現できるかどうかという問題もありますよね。せっかく落とし込んでも試合で出せなかったら意味がない。鹿島がそれを可能にする選手をそろえているということなのでは」

――2ndステージの手応えはいかがですか?

「失点が多く、なかなか結果を出せないゲームが続いています。1stでは失点の少なさが攻撃のリズムを生んでいたので、そこはチームとしてもう一度見直したいです」

――現在、山本選手は31歳。ぼちぼちベテラン扱いされる年頃に。

「自分ではベテランの域に入った感覚は一切ないんですが、フィールドでは上から2番目なんですよ。青木(剛/サガン鳥栖)さんがいなくなって、ついに僕が満男さんの次に」

――鹿島は若手の有望株が目白押しですもんねえ。

「めちゃくちゃ若い。23歳以下で十数人います」

――そうしているうちに貫禄が出てきたり。

「全然。見てわかりません?」

――地味にリーダーシップを発揮して。

「そういうのは大伍の得意分野」

――ベテラン扱いなんてゴメンだ。おれはおまえらより走れるぞと。

「そっちですね。ガンガン走れますから」

――プロ9年目、選手として脂がのり、ピークに差しかかっている実感は?

「もう少し先。あと2年くらいあとかな。まだまだです。これからです」

(取材・文:海江田哲朗)

【了】



Ads by Google

日刊鹿島

過去の記事