日刊鹿島アントラーズニュース

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2021年2月12日金曜日

◆「やっとマレーシアにも来てくれた」鹿島で10番を背負った元日本代表の海外挑戦に、現地ファン・メディアのリアルな反応は?(サッカーダイジェスト)










本山雅志が41歳にして海外へ!ただし、現地の状況は…


 Jリーグで輝かしい功績を残した蹴球アーティストがまたひとり、東南アジアへ向けて旅立った。国内通算527試合、国際Aマッチ28試合に出場した元日本代表、本山雅志である。

 向かった先はマレーシアだった。プレミアリーグ(国内2部)に所属するクランタン・ユナイテッドFC(以下、KUFC)への移籍が発表されたのが年の瀬の12月30日、正直驚かされたというのが本音だった。

 昨季は所属なし、一昨季に在籍したJ3ギラヴァンツ北九州での公式戦出場はゼロ。家業を手伝いながら選手復帰へ向けたトレーニングを継続していたとは聞くが、1年間の選手ブランクは計り知れないだろう。マレーシア2部といえども助っ人として計算が立つのか疑問だったからである。

 今回の移籍、現地ではどのように報じられているのか。マレーシアフットボール事情に詳しい現地人ジャーナリスト、アハマド・リズアン氏に話を聞いた。


――◆――◆――


――まずは本山選手が移籍したクランタン・ユナイテッドFCとはどんなチームなのか教えてください。
「タイ国境と南シナ海に面したクランタン州の州都、コタ・バルをホームとする2016年に創設された新興チームです。元々は、恐らく世界一長かったであろうものから、2019年にいまの名称へと変更されました」

――今回の本山選手の移籍について、現地ではどのように報道されているのでしょうか?
「国内大手メディアは挙って移籍を報じており注目度は高いです。またファンの間では、タイ(細貝萌/バンコク・ユナイテッドFC所属)やベトナム(松井大輔/サイゴンFC所属)では欧州での経験を持った元日本代表選手がプレーしている中で、やっとマレーシアにも来てくれたという嬉しさを抱いているのも事実。隣国とのライバル心ゆえの感情ですよね」

――本山選手はすでにマレーシア入りしていると日本でも報じられています。チーム合流しているのでしょうか?
「マレーシアには到着していますが、クアラルンプールのホテルで隔離中のようです。隔離完了後にコタ・バルへ移動し、合流となるのだと思います。ただし現在、マレーシアはパンデミックの影響でロックダウン中、チーム練習は行なわれていないんです」

――KUFCは今季から日本人監督を招聘したとも聞いていますが。
「はい、昨季クチン・シティFCで監督を務めていた日本人指導者(東山晃監督/昨季マレーシアリーグ優秀監督賞候補にノミネート)を迎え入れました。実はマサシ・モトヤマの他にも日本人選手を2人(深井脩平/前ヴァンラーレ八戸、谷川由来/前クチン・シティ)獲得しているんです。チームの骨格を“ジャパン”で固めてシーズンに挑むようですね」


11チーム中2チームが昇格となるものの、昇格条件を持つのは6チーム


――今季リーグ開幕はいつなのでしょうか?
「当初は2月27日に開幕して、8月21日に閉幕する日程でしたが、ロックダウンの影響で延び、3月5日に開幕すると発表があったばかりです。でも状況によってはまた延びるかも知れませんが」

――KUFCは来季1部昇格を見据えての補強だと理解しています。その昇格条件は?
「プレミアリーグ成績上位2チームが、スーパーリーグ(1部)へ昇格資格を得るレギュレーションになっています」

―――ずばりKUFCの1部昇格の可能性はどのくらいだと踏んでいらっしゃいますか?
「可能性は高いと思いますよ。全試合消化したらという過程のもとで75%。今季プレミアリーグは11チームで争う予定ですが、内5チームは昇格条件を持っていないんです。なので、実際は6チームでふたつの昇格スロットを争うことになります。昨季の実績や補強状況等を考慮すれば、クチン・シティ、ヌグリ・スンビランとの三つ巴レースになるだろうと予想しています」

―――なるほど。では最後に。本山選手は今季、マレーシアで輝くことが出来るでしょうか?
「またも難しい質問ですね(苦笑)。正直、五分五分ではないかと。環境やチームに馴染めるかが鍵でしょう。チームからは若い選手の多いグループへ彼の経験を伝えてくれることにも期待しているようですし、プレー以外の役割も重視されているようには感じます。ただそうは言えども、やっぱりハジメ・ホソガイやダイスケ・マツイと比較される立場ですよ。開幕が楽しみです」


――◆――◆――


 彼の豊富な経験を買い、それをチームへ落とし込んでほしいというクラブ側の心情は理解できる。しかし数字では表現し難いもの、またすぐに効果が表われる類のものでもない。外国籍枠を使いプレーする助っ人選手として、分かり易い数字を示さなければ世論から良い評価は得られない世界がそこにはある。

 とはいえ筆者と同世代、41歳を迎えてのチャレンジ精神には大いに刺激されている。ピッチにしっかりとした足跡を残して欲しいと願っている。

取材・文●佐々木裕介(フリーライター) 




◆「やっとマレーシアにも来てくれた」鹿島で10番を背負った元日本代表の海外挑戦に、現地ファン・メディアのリアルな反応は?(サッカーダイジェスト)


◆鹿島・永戸 状態上向き「勝ち星取るために準備したい」(スポニチ)






 鹿島DF永戸が開幕ダッシュを誓った。宮崎キャンプ8日目の練習後にオンラインで取材対応。10日の甲府との練習試合ではゴールを挙げるなど状態は上向きだ。

 昨季終盤に新型コロナウイルスのPCR検査で陽性判定を受け、以降は一度も出場機会を得られずにシーズンが終了した。「(昨季は)序盤の取りこぼしが響いた。最初からどの試合も勝ち星を取るために準備したい」と意気込んだ。




◆鹿島・永戸 状態上向き「勝ち星取るために準備したい」(スポニチ)






◆5年越しの覇権奪回へ――。チームは一気に若返りも、“バチバチ”の練習で伝わる鹿島の「やってやる感」(サッカーダイジェスト)






締めるべき部分、緩みはここまであまり見られない


 2021年の鹿島アントラーズも、相変わらずバチバチしている。

 よろめいたら負け。タッチラインを割ろうかというボールへのスライディングを怠れば、「おい!」とチームメートから怒られる。ゲーム中に際どい判定があれば「マイボーっしょ!」とあちこちから声が上がる。毎年、新加入選手が驚くという鹿島らしい雰囲気での練習が、宮崎キャンプで連日続いている。

 DF陣では最年長となった在籍4年目の犬飼智也は「バチバチやり合えているし、みんな意欲的で、いい競争が生まれている。優勝を目指そうと言っているだけじゃなく、練習の取り組みからそういう姿勢が見える」と手応えを口にした。

 昨夏に内田篤人氏が現役を引退。この冬には曽ケ端準氏もGKアシスタントコーチに就任した。山本脩斗、伊藤翔も新天地を求め、30代以上の選手4人がチームを離れたことになる。新加入は28歳のブラジル人2人と、大卒新人3人、高卒新人3人。国内クラブからの補強はなく、年齢層は一気に若返った。

 陣容が変われば空気も変わる。キャンプ中の練習を見る限り、雰囲気も強度も、とても若々しい。練習前や練習後の「ノリ」は、一見やんちゃなチームなのかなという印象も受ける。

 しかし、練習中の雰囲気はこれまでと変わらない。スイッチのオン、オフのボタンを全員が持っている。仮にボタンを押し忘れても、周りの雰囲気が気づかせてくれる。伝統的にバチバチしているクラブではあるが、若い選手たちがバチバチやれば、迫力というか、勢いというか、「やってやる感」が凄い。

 主将の三竿健斗、日本人最年長の遠藤康、ディフェンスリーダーの犬飼智也らが、締めるべき部分をしっかり締めている……と言いたいところだが、締めるべき部分、緩みはここまであまり見られない。

 2年目で余裕の生まれた荒木遼太郎、松村優太らが調子に乗ることもないし、エヴェラウドとファン・アラーノは黙々と走り込みのメニューをこなしている。昨季定位置を失ったクォン・スンテは若手GK陣に積極的にアドバイスを送りながらも、レギュラー奪取へギラついている。小泉慶のスライディングの切れ味は鋭いし、関川郁万の縦パスはいつだって速く、永木亮太は自慢のケツで10代の若手を吹っ飛ばしている。


アクシデントが生まれては意味がないとは言え…





 ある日のゲーム形式の練習では、熊谷浩二コーチから「球際はいいけど、アフター(チャージ)は気をつけよう」と繰り返し指示が飛んだ。ボール保持選手へのプレッシャーがひとつのテーマだったその日の練習では、タックルやスライディング、引っ張り合いが各所で見られており、それが前出の「警告」につながった。

 アクシデントが生まれては意味がないとは言え、コーチが「ちょっとそのぐらいにしとこうか」と声をかけるぐらいが、優勝を目指すプロクラブの練習強度としてはちょうどいい。

 7日の大分とのトレーニングマッチ(45分×3、報道陣非公開)は1-1で引き分けたが、3バックのシステムを試した模様だ。鈴木満フットボールダイレクターも「内容は良くなかったけど、いろいろ試していたからね」と及第点。報道陣に公開された11日の甲府戦(35分×4)は3-1で勝利した。内容はパッとしなかったが、戦術的な練習をこなしているわけではない。結果的にスコアで相手を上回ったことによる自信、今ひとつのパフォーマンスからくる反骨心のふたつを得られるいい機会だったのではないだろうか。

 ブラジルの名門サントスから加入し、ゲームメーカーとしての期待がかかるディエゴ・ピトゥカ、サイドアタッカーのアルトゥール・カイキは緊急事態宣言が解除になってからの来日となる見通し。新型コロナウイルスの陽性判定により来日が遅れたレオ・シルバは、キャンプ後の17日に合流予定となっている。特に新外国人2人に関しては、公式戦をこなしながらチームへの適応が求められる形になるだろう。難しいミッションかもしれないが、単純にこのキャンプメンバーに今後3人の実力者が加わると思うと、楽しみで仕方がない。

 昨シーズンは戦術の浸透に時間がかかり、開幕4連敗と泥沼のスタートに。0を1にする作業に時間を要した形となったが、ザーゴ体制2年目の今季は、チームとしての戦術的コンセプト、決まり事は変わらない。ザーゴ監督は「去年からのベースがあるので、質を高めていく」と語り、失点数の改善に取り組むことを明言。試合展開に応じたシステム変更の選択肢を準備することを示唆している。

 選手がザーゴの考えを理解していることはもちろん、ザーゴが選手個々の特徴、組み合わせの最適解、連戦が利くタイプか否か……などを把握していることも大きい。選手層、雰囲気、戦術理解度。2016年度以来の優勝を狙えるだけの材料は、揃っている。

取材・文●岡島智哉(報知新聞社)




◆5年越しの覇権奪回へ――。チームは一気に若返りも、“バチバチ”の練習で伝わる鹿島の「やってやる感」(サッカーダイジェスト)






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