日刊鹿島アントラーズニュース

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2022年6月28日火曜日

◆鹿島FW上田綺世の“ハンド判定”は妥当? 元レフェリー・家本政明氏が見解「100%ボールに触れたとは言い切れない」(FOOTBALLZONE)






【専門家の目|家本政明】名古屋×鹿島、上田の得点がハンドの反則で取り消しに


 J1リーグ第18節・名古屋グランパス対鹿島アントラーズの一戦(1-1)が6月26日に行われたなか、鹿島の日本代表FW上田綺世の得点がハンドの反則で取り消された。リプレー映像では腕にボールが当たっているように見える反面、そのジャッジに真偽性を問う声が噴出。2021年シーズン限りでサッカー国内トップリーグの担当審判員を勇退した家本政明氏は、このジャッジについて「100パーセント(%)ボールに触れたとは言い切れない」と見解を示している。(取材・文=FOOTBALL ZONE編集部)

   ◇   ◇   ◇

 議論となったのは前半20分のシーンだ。鹿島GKクォン・スンテが前線へロングパスを供給し、そのボールをMFアルトゥール・カイキが頭ですらす。バイタルエリアへのこぼれ球に再びカイキが反応し、最終ラインの背後へ抜け出した上田へラストパスを通すと、これを右足でゴールに沈めた。

 得点は一度認められたものの、山本雄大主審はビデオ・アシスタント・レフェリー(VAR)の介入を経て、オンフィールド・レビューを実施。そのうえでハンドの反則とジャッジし、得点を取り消した。リプレー映像では、名古屋DF中谷進之介と競り合った際、上田の左腕がボールに触れているようにも見えるが、公にされた映像だけでは確証を得にくいジャッジでもあった。

 元レフェリーの家本氏は、ハンドの反則になる条件を「1つは自分の手をボールの方向に意図的に動かして触れるということ。もう1つは、偶発的であってもボールが自分の手や腕に触れた直後に得点をすること」だと説明。そのうえで、今回のシチュエーションに関しては、ディフェンスとコンタクトがあった事実を踏まえ「左腕が自分の意図とは関係なく動かされたとも言えますし、自ら腕をボール方向に伸ばしたとも言えます。もしくは、意図とは関係なく腕に当たった直後にシュートを打った。いずれにせよ、ボールが腕に当たっていれば得点は認められないという条件になります」と見解を示す。

 焦点は、上田の左腕がボールに触れていたかどうか。この点については「VARから提示された映像を見る限り、100パーセント(%)ボールに触れたとは言い切れないと、個人的には思います。確かにボールに触れた『ように』は見えます。ただ、あのアングルだけだと『それ触ったの』というところでは議論の余地があると思います。触ったと断言できるのかと問うと、個々の解釈によって分かれると思うんです」と述べ、さらにこう続ける。


「J1リーグのカメラ台数は、海外に比べるとそれほど多くない」


「そうなると別のカメラアングルが欲しいという話になるんですが、それがあったのか、なかったのかという話で言うと分かりません。J1リーグのカメラ台数は、海外に比べるとそれほど多くないんです。ベストなアングルの方向、例えばバックスタンド側からの真横のアングルに関しては、おそらくないと思います。そうなると、確実に腕に当たったと言い切れる映像がない可能性がある。主審とVARがどのようなコミュニケーションを取ったのかは分かりませんが、そもそも、オンフィールド・レビューで見せたことが良かったのか、主審も見たのは良かったんでしょうけど、あの映像だけで確実に当たったと言い切って良かったのかは議論の余地があるというのが、個人的な見解です」

 この場合、レフェリーはどのような対処を施すべきだったのか。重要なポイントとして、家本氏は「その映像だけで、10人中9人が『ボールが手に当たった』と確実に確認できるような映像をもとに最終決断をすることが非常に重要」だと指摘。今回、VARから提示されたリプレー映像のみで真偽性を問われた場合、確証度は下がってしまう。そこですべてを判断してしまうことは、リスクがあるとしている。

「あの映像だけを見てはっきりと手に当たったと言えるのかと問われると、やはり厳しいと思います。そこで、他のアングルがないのかという問いが立つんですけど、ほかの映像でも不確定だとなると明白なハンドの反則があったとは言い切れない。僕がもし同じような状況でジャッジを担当したならば、ボールが手に当たった可能性は否めないものの、その事実を明確に映し出したものがないので、証拠不十分として得点を認めている可能性は高いですね」

 VARを介したジャッジながらも議論に発展した今回のシーンは、レアケースといえるだけに「このあたりの見解については、DAZNさんの『ジャッジリプレー』で識者の方たちがどのような意見を述べてくれるのかも興味深いです」と、家本氏。他者による見解の行方にも注目していた。




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◆【番記者の視点】スプリント減に見る鹿島の現実的選択で夏を乗り切れるか(報知)






◆明治安田生命J1リーグ▽第18節 名古屋1―1鹿島(26日・豊田スタジアム)

 1―0で迎えた前半終了間際。鹿島のレネ・バイラー監督はテクニカルエリアの最前線に立ち、手のひらを下に向け、腕を上下させた。DFラインで回していたボールを、そのまま保持するように指示したのだった。元々、試合中のアクションが少ない監督。それよりも目を引いたのは内容だ。素早く前線へというサッカーを掲げてきた中で、送ったメッセージは真逆の「急ぐな」だった。

 試合後、MF仲間隼斗は「どういうサッカーでも厳しい時期になってきている。試合前から、後ろで受ける時間を作ろうと話していた」と明かした。26日はナイターにも関わらず気温は28度を超え、湿気もあった。さらに天皇杯・大宮戦から中3日のアウェー戦。限りある体力を考慮し、最終ラインで回す時間、戻す選択が多かった。気温40度を超えるエジプトでの指揮経験から、問題視していなかったバイラー監督も日本の暑さに直面し、対応していくことを決めた。

 データにも表れる。名古屋戦のチーム全体の走行量は109・85キロ。今季の1試合平均115・34キロを下回った。同じく平均201本のスプリントは164本。この時期は下がる傾向にあるが、「意図」が加わって顕著になった。仲間は「ただ後ろで時間を作っている訳ではない。前を見つつ、ボールを動かしている。動き出すタイミングを作っている。そういうことは(チームで)共有できたと思う」と縦への精度を高め、不必要な消耗を防ぐ意図があることを明かした。

 消耗を意識し、交代枠もフルに使ったが、最後は重くなる。まだ6月。今後は、さらに気温は上がる。理想のサッカーを貫くか。現実的なサッカーを選ぶか。バイラー監督はタイトルを求められる鹿島指揮官の責任において、現実路線で夏を乗り切ろうとしている。(鹿島担当・内田知宏)





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◆【J1採点&寸評】名古屋1-1鹿島|攻撃をけん引し同点PK弾のマテウスがMOM。クォン・スンテは好守で敗戦回避(サッカーダイジェスト)






名古屋――前半の終盤から反撃。後半は主導権を握る


[J1第18節]名古屋1-1鹿島/6月26日/豊田スタジアム

【名古屋|採点】
スタメン)
MF
相馬勇紀 6.5
レオ・シルバ 6.5

【名古屋|寸評】
 前半の終盤までは鹿島の猛攻に防戦一方も、徐々に慣れていき反撃を開始。その流れのまま後半早々にPKを奪取しきっちり決め、以降も攻め立てたが決勝点には至らなかった。首位を争う鹿島に対して主導権を握るも、仕留めきれなかった印象。

 5月28日の負傷から守護神ランゲラックが戻り、守備ラインに一つ厚みを増しての試合だった。ランゲラックに主だったセーブ機会はなかったが、それは中谷、藤井らの身体を張った守備あってのこと。古巣対決でもあったL・シルバは押し込まれる展開のなかでもボールの落ち着きどころ、パスの起点として奮闘し、後半のPK奪取の場面では鋭いスルーパスを稲垣に通している。

 同点後は一転して名古屋が押し込む展開になったが、FWが決定機を仕留めきれなかったのは無念の一言。突破力を生かして攻撃をけん引したマテウス、相馬の働きに、チームとして報いたかった。


鹿島――前半は強烈なプレスと怒涛の攻めで圧倒。後半失速で尻すぼみに


【鹿島|採点】
スタメン)
GK
クォン・スンテ 6.5
DF
広瀬陸斗 6.5(59分OUT)
三竿健斗 6
キム・ミンテ 6
安西幸輝 6
MF
ディエゴ・ピトゥカ 6.5(65分OUT)
和泉竜司 6.5(79分OUT)
仲間隼人 6.5(59分OUT)
アルトゥール・カイキ 6.5
FW
上田綺世 6.5
鈴木優磨 6.5(59分OUT)

途中出場)
DF
常本佳吾 6(59分IN)
MF
樋口雄太 6(59分IN)
FW
エヴェラウド 6(59分IN)
DF
関川郁万 6(65分IN)
MF
土居聖真 6(79分IN)

監督)
レネ・ヴァイラー 6


【鹿島|寸評】
 前半は強烈なプレスと怒涛の攻めで名古屋を圧倒したが、VAR介入によるゴール取り消しなどもあり、1点のみにとどまった。後半はややペースダウンし、名古屋の反撃をまともに受けてしまったところもあり、決定機は作ったが尻すぼみのゲームとなった。

 スタメンの11人はハイペース、ハイテンポなサッカーで名古屋を圧倒した。D・ピトゥカのゲームさばきに周囲の選手の反応も良く、ロングボールをゴール前の局面にまでつなげていける上田、A・カイキの威力は圧倒的にも見えた。彼らの空中戦と仲間、和泉の機動力が噛み合い、ボール回収も早かった前半のうちにリードを広げられなかったのが、同点に終えた一因か。

 ディフェンスラインも安定していたが、徐々に押し返されるようになった後半は受けるばかりになった側面も否めない。途中出場の選手も勢いを出せず、クォン・スンテの好セーブがなければ敗戦もあり得た。

※MAN OF THE MATCH=取材記者が選定したこの試合の最優秀選手。
※採点は10点満点で「6」を及第点とし、「0.5」刻みで評価。
※出場時間が15分未満の選手は原則採点なし。

取材・文●今井雄一朗(フリーライター)




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