日刊鹿島アントラーズニュース

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2018年10月4日木曜日

◆ACL準決勝あわや乱闘騒ぎ! 鹿島GK権と水原MF林が小競り合い(デイリー)





 「アジアCL・準決勝第1戦、鹿島-水原」(3日、カシマサッカースタジアム)

 初の決勝進出を目指す鹿島は開始早々に2失点を喫したが、前半21分にFW鈴木優磨が相手のオウンゴールを誘発して1-2で前半を終えた。

 前半終了間際には両チームがエキサイトし、あわや乱闘となる場面もあった。前半44分、クロスボールのこぼれ球を水原MF廉がシュート。鹿島GK権とDF内田がゴールライン上で防ぎ、ボールがこぼれる。すばやく権が抑えたが、詰めていた水原MF林が遅れて突っかかりファウルとなる。

 これに権が激怒。激しく林に詰め寄り、小競り合いが発生。両軍の選手が集まり、試合が一時ストップした。結局、権と林にはイエローカードが出され、試合が再開となった。




◆ACL準決勝あわや乱闘騒ぎ! 鹿島GK権と水原MF林が小競り合い(デイリー)


◆日本代表初招集なるか。ACL準決勝で貴重なOGもたらした鈴木優磨は「俺、何も…」(サカノワ)



鈴木優磨 Yuma.Suzuki


Jリーグ3試合連続ゴール中、今季公式戦は43試合17ゴール15アシストと大当たり。


[ACL 準決勝 1st] 鹿島 3-2 水原三星/2018年10月3日/県立カシマサッカースタジアム

 アジアチャンピオンズリーグ準決勝ファーストレグ、鹿島アントラーズが水原三星に2点先取されたものの、オウンゴール、セルジーニョ、そして後半アディショナルタイムの内田篤人のゴールで3-2の劇的な逆転勝利を収めた。

 2点先取されたなか、多くの選手が「前半1点返せたことが大きかった」と振り返った。

 それが21分、右サイドの永木亮太の縦パスから、セルジーニョがクロスを放ち、ゴール前にいた鈴木優磨が合わせようとしたところ、前に体を入れた水原三星のディフェンダーの頭に当たって、オウンゴールに。

 鈴木のポジショニングであり、相手DFとの駆け引きから生まれた1点だったと言えた。しかし、鈴木は試合後のミックスゾーンで、「今日、俺は何もしていないですから。(体を寄せたから決まったのでは?)触ろうとしたけれど、届きませんでした」と語り、相手選手と足が交錯し合ったことで決まったと振り返った。

 セルジーニョとの2トップの連係は日を追うごとに高まり、Jリーグでは3試合連続ゴール中など好調をキープしている。今季公式戦は43試合17ゴール15アシストと、とにかく当たっている。

 パナマ戦(12日/新潟)、ウルグアイ戦(16日/埼玉)に向けた日本代表メンバーが10月4日に発表される。果たして、鈴木の招集はあるのか――。

 日本代表でのプレーをぜひ一度見てみたい、今、乗りに乗っている旬な22歳のストライカーだ。

取材・文:塚越始
text by Hajime TSUKAKOSHI




◆日本代表初招集なるか。ACL準決勝で貴重なOGもたらした鈴木優磨は「俺、何も…」(サカノワ)





◆「普通に打ったら入らない」「脩斗さん触るな…って」内田篤人、劇的AT弾を冷静に振り返る(ゲキサカ)






[10.3 ACL準決勝第1戦 鹿島3-2水原三星 カシマ]

「たまたま俺のゴールだっただけ」。後半アディショナルタイムに劇的な決勝弾を沈めた鹿島アントラーズDF内田篤人は、鹿島で決めた約8年半ぶりのゴールをあくまでも冷静に振り返った。

 後半アディショナルタイム、チームが相手陣内のやや右サイド寄りでFKを獲得すると、内田はPA際まで上がってMFセルジーニョのFKに備えた。しかしこの時はまだ、自らが得点を決める予感はなかったという。

「優磨(FW鈴木優磨)にヘディングさせようと思って、自分はディフェンスをブロックしに入っただけ」。そう振り返った内田だが、相手のクリアボールが近くにこぼれると、迷わず右足を振り抜いた。

 最初のシュートは相手ブロックに阻まれるも、跳ね返りは再び内田のもとへ。「普通に打ったら入らないので、ちょっとアウトにずらした」。冷静に放たれたシュートが相手に当たってゴールマウスに吸い込まれた。

 シュートを打ってからゴールに入るまでの間、浮き球に多くの選手が詰めようとしていたが、「脩斗さん触るな、って。オフサイドになるから」と冷静に眺めていたという内田。その場で喜びを表現した背番号2の周りには、間もなく大きな歓喜の輪ができた。

 鹿島でのゴールは2010年3月30日のACLペルシプラ戦以来3109日ぶり。自身のゴールに感慨を見せることなく「首の皮がつながった」と勝利を喜んだ30歳は、「鹿島で取っていないタイトル。こんなチャンスはなかなかないし、こんなメンバーが揃っているので取りたい」と悲願のアジア制覇に意気込みを示した。
(取材・文 竹内達也)




◆「普通に打ったら入らない」「脩斗さん触るな…って」内田篤人、劇的AT弾を冷静に振り返る(ゲキサカ)





◆鹿島 劇的な逆転勝利 内田 唯一手にしていないタイトルへ「ぜひものにしたい」(スポニチ)






 鹿島はホームでACL準決勝第1戦・水原(韓国)戦に臨み、3―2で勝利した。前半6分までに2点を失いながら、3点を奪い大逆転。後半アディショナルタイムにDF内田篤人(30)がドイツから復帰後初、10年3月のACL1次リーグペルシプラ戦以来となる鹿島での劇的な決勝ゴールを決めた。公式戦の連勝は7に伸びた。

 途中で下がったMF遠藤に代わり、キャプテンマークを巻いてのゴール。膝からピッチに滑り込むと、次々に仲間が覆い被さった。「0―2は負けだから、普通。でもその中でも負けない、勝ち癖がついていくのは良かったし、サポーターの後押しがあったから。スタジアムに入ってくる時もサポーターの後押しがあって、選手として感じるものがあった」。

 ホームで貴重な勝ち点3を奪い、24日に行われるアウェーでの第2戦は、引き分け以上で決勝進出が決まることに。ACLは、国内主要タイトル19冠を獲ってきた鹿島が唯一手にしていないタイトル。内田は「これだけのメンバーがそろっているのでぜひものにしたい」と力を込めた。


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◆鹿島 劇的な逆転勝利 内田 唯一手にしていないタイトルへ「ぜひものにしたい」(スポニチ)


◆鹿島内田V弾「チャンスきたら離さないよう」ACL(ニッカン)



内田篤人 Atsuto.Uchida


<ACL:鹿島3-2水原三星>◇準決勝第1戦◇3日◇カシマ

日本勢で唯一、勝ち残っている鹿島アントラーズがホームで水原三星(韓国)に3-2で逆転勝利し、初の決勝進出に前進した。第2戦は敵地で24日に行われる。

苦しみながらの勝利だった。開始早々の前半2分にセットプレーの混戦からオウンゴールでまさかの失点。同6分には、相手のFWダムヤノビッチにゴールを許し2点リードを許した。

鹿島は同21分に反撃を開始。FW鈴木優磨が相手ゴール前で競り合いオウンゴールを誘って1点差とした。

後半39分、右のグラウンダーのクロスをMFセルジーニョがゴール前で落ち着いて決めて同点。さらに後半ロスタイム、DF内田篤人が今大会初得点となる決勝ゴールで逆転勝ちに貢献した。

2010年ACLの1次リーグ以来、日本復帰8年ぶりの劇的弾を決めた内田は「早い時間に失点して、自分たちでまいた種なので…。(これまでも)ズルズルと勝ち点を落としていたけど、みんなで点を取って勝てた。平日の夜にもかかわらず、たくさんのサポーターにきていただいた。(応援)フラッグ、声で、(選手の)バスを迎えてくれたので力になります。(初の決勝へ)なかなか運、チャンスは転がってこないので、きたらつかんで離さないようにしたい」と気を引き締めた。




◆鹿島内田V弾「チャンスきたら離さないよう」ACL(ニッカン)




◆劇的V弾は鹿島で3109日ぶりゴール!内田篤人「早い時間帯の2失点で説教ですね」(ゲキサカ)






[10.3 ACL準決勝第1戦 鹿島3-2水原三星 カシマ]

 今季鹿島アントラーズに復帰したDF内田篤人がチームを救った。

 3日、AFCチャンピオンズリーグ(ACL)準決勝第1戦でホームに水原三星(韓国)を迎えた鹿島。前半2分、6分と立て続けに失点してしまったが、前半のうちにオウンゴールで1点を返すと、後半39分にMFセルジーニョが同点ゴールを挙げ、試合はそのまま2-2で終了すると思われた。

 しかし、“常勝軍団”は最後まで諦めなかった。後半アディショナルタイム3分、鹿島は敵陣中央でFKを獲得。時間的にもラストチャンスという中、セルジーニョがゴール前に放り込み、こぼれ球に反応した内田が右足を振り抜く。一度は相手のブロックに阻まれたが、跳ね返りから再び右足シュートを放つと、相手に当たってゴールに吸い込まれ、土壇場で逆転に成功した。

 今季ウニオン・ベルリンから鹿島に復帰した内田は、これが復帰後公式戦初ゴール。鹿島でのゴールは2010年3月30日のACL第4節ペルシプラ戦以来、実に3109日ぶりとなった。

 試合後のヒーローインタビューで内田は「早い時間帯に2失点したので説教ですね。自分たちで蒔いた種。今日は最後みんなで1点取ったので勝てたと思います」と厳しいコメントを残し、「運とかチャンスはなかなか転がってこない。チームとしてその時が来たら掴んで離さない」とアウェーでの第2戦に意気込んだ。




◆劇的V弾は鹿島で3109日ぶりゴール!内田篤人「早い時間帯の2失点で説教ですね」(ゲキサカ)





◆内田篤人が劇的決勝弾! 初のACL決勝進出を目指す鹿島、序盤に2失点も逆転勝ち(サッカーキング)






 AFCチャンピオンズリーグ(ACL)・準決勝ファーストレグが3日に行われ、鹿島アントラーズと水原三星が対戦した。

 試合は早い時間に動く。2分、水原三星のヨム・ギフンが右CKをニアサイドに蹴り込むと、ゴール前の内田篤人に当たったボールが自陣ゴールラインを割り、オウンゴールとなった。先制した水原三星は直後の6分、高い位置でボールを奪ったデヤン・ダムヤノビッチがそのまま右足のシュートを流し込んで貴重な追加点を奪った。

 ホームで2点を許してしまった鹿島は21分、セルジーニョが右サイドから上げたクロスがオウンゴールを誘発し、1点を返す。さらに終盤の83分、途中出場の西大伍からのラストパスをセルジーニョが流し込み、同点に追いついた。

 このままタイムアップかに思われた後半アディショナルタイム4分、セットプレーのこぼれ球を内田が押し込み、鹿島が土壇場で逆転に成功。2つのアウェイゴールを許したものの、鹿島がファーストレグを3-2で制した。セカンドレグは24日に行われる。

【スコア】
鹿島アントラーズ 3-2 水原三星

【得点者】
0-1 2分 オウンゴール/内田篤人(水原三星)
0-2 6分 デヤン・ダムヤノビッチ(水原三星)
1-2 21分 オウンゴール/チャン・ホイク(鹿島)
2-2 84分 セルジーニョ(鹿島)
3-2 90+4分 内田篤人(鹿島)

【スターティングメンバー】
鹿島アントラーズ(4-4-2)
クォン・スンテ;内田篤人、チョン・スンヒョン、犬飼智也、山本脩斗;遠藤康(83分 西大伍)、永木亮太(72分 土居聖真)、三竿健斗、安部裕葵(56分 安西幸輝);セルジーニョ、鈴木優磨

水原三星(3-4-3)
シン・ファヨン;ク・ジャリョン、チョ・ソンジン、クァク・グアンソン;チャン・ホイク、エルヴィス・サリッチ、パク・チョンウ、イ・キジェ、イム・サンヒョプ(71分 ハン・ウィグウォン)、デヤン・ダムヤノビッチ、ヨム・ギフン




◆内田篤人が劇的決勝弾! 初のACL決勝進出を目指す鹿島、序盤に2失点も逆転勝ち(サッカーキング)




◆鹿島、立ち上がりに課題…大岩監督「修正しなければいけない」/ACL(サンスポ)



大岩剛 Go.Oiwa


 アジア・チャンピオンズリーグ準決勝第1戦(3日、鹿島3-2水原、カシマ)ホームで先勝した鹿島は試合の入り方に課題を残した。立ち上がり、山本があっさり突破されてCKを与え、内田のオウンゴールで失点。さらに自陣でのクリアミスから追加点を許した。

 守備的MF三竿健は「立ち上がりは相手の激しさ、勢いに僕たちが対応できなかった」と反省。大岩監督は「もう少し強く警戒して入ろうと選手に言うべきだった。修正しなければいけない」とかぶとの緒を締めた。




◆鹿島、立ち上がりに課題…大岩監督「修正しなければいけない」/ACL(サンスポ)




◆ACL準決勝第1戦 鹿島、執念の逆転劇 水原にホームで先勝(茨城新聞)






サッカーのアジア・チャンピオンズリーグ(ACL)は3日、各地で準決勝第1戦が行われ、初めて4強入りした鹿島はカシマスタジアムで水原(韓国)に3-2で逆転勝ちした。公式戦の連勝は7に伸ばした。

鹿島は試合の立ち上がりに二つのアウェーゴールを許した。前半21分にオウンゴールで1点差とすると、後半は攻勢を強め、39分に西の右クロスをセルジーニョが決めた。同ロスタイムにはFKのこぼれ球を内田が流し込んだ。
第2戦は24日、韓国・水原ワールドカップ競技場で行われる。
2日は、ドーハでペルセポリス(イラン)が敵地でアルサド(カタール)に1-0で先勝した。

■鹿島・大岩監督
先に早い時間に2失点したことが反省材料。水原のアウェーの入り方にはすごく特長があって、アグレッシブに来る。相手の勢いは非常に強く、速かった。

▽準決勝第1戦
鹿島 3-2 水原(韓国)
1-2
2-0

▽得点者
【水】OG(前2分)ダムヤノビッチ(前6分)
【鹿】OG(前21分)セルジーニョ(後39分)内田(後48分)




◆ACL準決勝第1戦 鹿島、執念の逆転劇 水原にホームで先勝(茨城新聞)





◆AFCチャンピオンズリーグ2018 準決勝 第1戦(オフィシャル)






AFCチャンピオンズリーグ 準決勝 第1戦

前半90分、3-2。鹿島が2点差を挽回、内田の劇的逆転弾で水原三星に先勝!

「こえる」ための戦い、第3章。聖地が揺れた。鹿島がファイナルへと力強く前進した。AFCチャンピオンズリーグ準決勝第1戦。カシマスタジアムに韓国の水原三星を迎え撃つと、開始6分までに2失点を喫してしまう。だが、下を向く者は誰もいなかった。21分に1点を返し、迎えた後半。残り10分を切ってもビハインドを負ったままだったが、84分にセルジーニョが同点弾を記録する。そして、後半アディショナルタイム。内田のシュートがゴールネットを揺らし、カシマスタジアムが揺れた。3-2。苦しみ抜いた先に、大事な第1戦を制してみせた。

4つの大会を並行するカレンダー、8試合を戦い抜いた9月。鹿島は時間を追うごとに強く逞しく進化を遂げてきた。9日のルヴァンカップ準々決勝第2戦で川崎Fを撃破してから、公式戦6連勝。急遽の会場変更と台風直撃の苦境を乗り越え、マカオで快勝したACL準々決勝第2戦、帰国から間もなく飛行機移動をして臨んだ札幌戦、そして120分の激闘を制した天皇杯4回戦と、先発メンバーを大幅に入れ替えながら総力戦で突き進んできた。そして9月29日、神戸を相手に会心のゴールラッシュ。満員の敵地で5-0と圧勝し、リーグ戦では暫定3位に浮上した。

6戦連続マルチゴール、4連続クリーンシートと、攻守の充実を物語る数字が並んだ。しかし、選手たちに充足感など宿らない。腕章とともにチームを牽引する遠藤は「連勝の数は関係ない。優勝するために勝ち続けなければいけない」と静かに語った。そして続けた。「自分たちはまだ何も成し遂げていない」と。

勝利とともに締めくくった9月を終え、チームは鹿嶋へ帰還した。10月1日、つかの間の充電期間を経て再集合した選手たちは、クラブハウスで集中力を研ぎ澄ましていく。息つく間もなく続いていく連戦、勝負のシーズン終盤へ――。ACL準決勝第1戦、舞台はカシマスタジアム。聖地で迎える“前半90分”で力強くファイナルへと進むべく、リカバリーのメニューで心身のコンディションを整えていった。

10月2日、青空のクラブハウス。瞬く間に迎えた決戦前日、指揮官は入念にミーティングを敢行した。冒頭部分のみが公開された公式練習では、笑顔とともにウォーミングアップ。気負うことなく、しかし闘志を燃やしながら準備を進めていった。最終調整を終えた永木は「チームのモチベーションは高い。2試合合計で勝って、決勝へ行かないと」と準決勝突破を誓う。まずは、聖地での第1戦。前日会見に臨んだ大岩監督は「このタイトルを必ず獲るという気持ちがチーム全体に浸透している」と、懸ける思いを真っ直ぐに刻んだ。



神戸戦から中3日で臨む“前半90分”へ、指揮官は6名の先発変更を断行。右サイドバックに内田、左には山本を復帰させ、センターバックにチョン スンヒョン、ボランチの一角に三竿健斗、2列目に遠藤を起用した。そして前線の一角にはセルジーニョが復帰。その他、ゴールマウスにはクォン スンテ、最終ラインには犬飼が入る。健斗とともに永木がミドルゾーンを制圧し、攻撃陣には安部と鈴木が並んだ。そしてベンチにはGKの曽ケ端、西、町田、安西、小笠原、土居、金森が座る。



10月最初のホームゲーム。鹿嶋は厚い雲に覆われたが、キックオフが迫るにつれて高揚感と勝利への渇望に包まれていった。水曜日の夜だが、背番号12の情熱がスタンドを埋め尽くしていく。GK陣、そしてフィールドプレーヤーがウォーミングアップに姿を現すと、信頼と愛情を乗せた声が響き渡った。舞台は整った。メンバー外となった選手たち、無念の離脱を強いられている仲間、そして出場停止のレオ。全員の思いを一つに戦う、大一番だ。

19時ちょうど、キックオフのホイッスルが鳴り響いた。ラウンド16、準々決勝と同様にホームで試合を優位に運びたい鹿島だったが、痛恨の展開となってしまう。開始早々の2分、右CKからゴール方向へ流れたボールを内田が必死にブロックしたものの、ラインを割ってしまった。オウンゴールで失点。そして6分、自陣左サイド深くからのクリアをブロックされ、最後はペナルティーエリア左奥からデヤン ダミヤノヴィッチにシュートを決められた。



0-2。ホームでまさかの連続失点を喫してしまった。だが、反撃の時間はまだ存分に残っている。自陣に下がって守備を固める水原三星に対し、鹿島はボールを動かしながら少しずつ落ち着きを取り戻していった。13分、ペナルティーエリア右手前からセルジーニョがミドルシュート。直後にはクロスボールをゴール前で収められてピンチを迎えたが、山本が間一髪のブロックで危機を脱した。水原三星は激しいタックルを繰り返してきたが、選手たちは体を張って応戦。虎視眈々と好機を窺い続けた。

反撃の狼煙をあげたのは、21分。敵陣右サイド深くから永木が出したパスはカットされたものの、セルジーニョが粘ってこぼれ球を拾う。ペナルティーエリア右外、背番号18の選択はルーレットだった。華麗なボールタッチでマークを剥がすと、右足でクロスを送る。鈴木が競り合いながら飛び込み、次の瞬間にネットが揺れた。相手DFの頭に当たったボールがゴールへ。1-2。水原三星のオウンゴールで、鹿島が1点を返した。





勢いに乗る鹿島は27分、またもセルジーニョのパスから決定機を迎える。ペナルティーエリア内、走り込んだ安部が左足シュート。しかし、カバーに戻った相手DFに当たったボールは、わずかに枠を越えてしまった。



30分を経過すると、水原三星のボディコンタクトは激しさを増していった。背後からのタックルを連発する相手にも、鹿島の選手たちは体を張って応戦を続けていく。44分には自陣ペナルティーエリア内で必死のシュートブロック、そして小競り合いに。秩序を欠いたレフェリングも相まって、スタジアムはヒートアップしていった。前半は1-2で終了。ハーフタイムを経て、さらなる反撃へ――。サポーターズシートは情熱をたぎらせ、ピッチへと帰還する選手たちを迎え入れた。





先の小競り合い、守護神に提示されたイエローカードで「スイッチが入った」と内田は言う。後半キックオフのホイッスルが鳴り響くと同時に、鹿島は果敢に攻めた。47分、鈴木とのパス交換から内田がペナルティーエリア右奥へ抜け出す。完全に裏を取った次の瞬間、相手DFに腰を押され、背番号2がピッチへ転がった。瞬時の沸騰、しかし吹かれない笛。PKは得られなかった。怒号に包まれた聖地は、反撃への闘志をさらに熱く燃え上がらせた。















56分、大岩監督は安西を投入。左サイドに推進力を加え、攻撃の圧力をさらに高めていく。60分経過後は水原三星が守備を固め、鹿島が敵陣でのプレーを続ける展開になった。72分には土居が投入され、ペナルティーエリア内に密集する白い壁の突破を図る。75分、80分と、時計の針は進んでいった。2つ目のスコアはまだ刻まれない。





83分、この夜最後の交代カードは西だった。遠藤から思いを託され、戦いの舞台へ。そして、次の瞬間。スンヒョンが繰り出した縦パスを受け、背番号22が反転する。マークを剥がし、鈴木がワンタッチでリターン。走路が開けた西、その選択はグラウンダーのクロスだった。正確無比のラストパス、走り込んでいたのはセルジーニョ。右足で押し込み、ネットが揺れる。2-2。ついに追い付いた。しかし、まだ同点。聖地の視線には勝利しか映らない。残り数分、痺れるような時間が始まった。







安西が仕掛ける。87分、ペナルティーエリア左手前から強烈なミドルシュート。相手GKはその軌道を見送るしかできなかったが、ボールはクロスバーを直撃した。90分、セルジーニョのバイシクルシュートも枠を捉えない。表示されたアディショナルタイムは3分。最終盤、勝ち切れるか――。



90+3分、敵陣右サイドからのFK。セルジーニョが送り込んだボールに選手が殺到し、ペナルティーエリア内が混戦に。こぼれ球に反応したのは、遠藤から腕章を受け継いでいた内田だった。右足でのプッシュは相手DFに当たり、GKの手から遠ざかっていく。ボールは、サポーターの待つゴールへ。3-2。内田篤人、復帰後初ゴール。「タイトルを獲るために帰ってきた」と決意を刻んだ背番号2が決めた。鹿島が大逆転劇を演じてみせた。









前半90分終了、3-2。2つのアウェイゴールを失ったが、ホームでの絶対条件である勝利を土壇場で掴み取った意味は極めて重い。敵地での後半90分は3週間後、10月24日。総力戦で、ファイナルへと突き進むのみだ。そして次戦は4日後、7日のJ1第29節。再び聖地で迎える一戦、対峙するのは川崎フロンターレ。意地と気迫をみなぎらせ、結果で矜持を示さなければならない。勝利だけを目指して、準備を進めていく。












【この試合のトピックス】
・ACL通算31勝目を記録し、G大阪と並んだ。
・水原三星とは今大会3回目の対戦で、2勝目(1敗)を記録した。
・水原三星とのACLでの対戦は通算7回目で、3勝目(2分2敗)を挙げた。
・セルジーニョがACLで3試合連続の3得点目を記録した。
・内田が鹿島復帰後初得点。2010年3月30日のACLグループステージ第5節、ペルシプラ・ジャヤプラとのアウェイゲーム以来だった。


監督コメント

[ハーフタイム]
鹿島アントラーズ:大岩 剛


水原三星ブルーウイングス:イ ビョングン


[試合後]
鹿島アントラーズ:大岩 剛
早い時間帯に2失点したことは反省材料だ。当然、第2戦に向けて修正しなくてはいけない。最後の最後まで、選手たちが戦う姿勢を見せたことで、勝利につながった。非常に評価しているが、週末のリーグ戦に向けて気持ちを切り替えて臨みたい。

Q. 厳しい日程のなかでの試合だったが、特にメンタル面でどんな準備をして臨んだか?

A. 相手を分析するなかで、アウェイでの試合に入り方にすごく特長があり、アグレッシブにくると選手たちに伝えていた。警戒しつつ、ホームなので、しっかり注意力を持ち、こちらもアグレッシブに入ろうと話していた。相手の勢いは強く、速いものがあった。選手の頭の中がACLに切り替わっていない部分もあった。もう少し強く警戒して試合に入らなくてはいけなかったと反省している。後半は人やシステムを変えるなかで、トレーニングでやったことを選手が出してくれた。次の試合にもしっかり生かしたいと思う。

Q. 1人目の交代で、安部選手と安西選手を代えた意図は?

A. 2枚目、3枚目の交代も考えて、1枚目のカードを切った。安西を入れたのは彼の特長であるワイドの推進力を生かしたかったから。安部が少し内側に入ってくることでプレッシャーを受けていたので、サイドから攻撃することを徹底して、安西を張らせて山本と2人でサイドを制することを意図していた。そこで相手を押し込み、2枚目、3枚目というプランがあった。


水原三星ブルーウイングス:イ ビョングン
負けてしまい残念だが、準備してきたことが出せて、内容はよかった。3-2というスコアだったが、第2戦は勝って決勝進出を決めたい。両チームの選手が非常にいいプレーをしたので、拍手を送りたい。この試合を自信にして、次の試合に臨みたい。次は必ず勝ちたい。


選手コメント

[試合後]

【内田 篤人】
バランスを崩してしまったし、ホームでこのような戦いをしたのはよくない。失点が早すぎたから、このようになってしまった。まずは前半のうちに1点取れたことで、首の皮がつながった。後半始まる前に円陣を組んだ時、「2失点した以上、引き分けか勝ちに持っていかないといけない」という話はした。(ゴールは)DFにぶつかって優磨にゴールさせようとブロックしたところにこぼれてきた。

【セルジーニョ】
試合の入りは自分たちらしくなかった。早い段階で2失点をしてしまったけど、落ち着いてやろうと思っていた。1点を返して、感触を持ってハーフタイムを迎えた。やるべきことをやった。ホームでの自分たちのパワーはわかっていたので、平常心でプレーすればいいと思っていた。

【西 大伍】
自分が点を取るつもりで入った。最近にはない試合の入り方で、受けてしまっているように見えた。後半は相手も落ちてきて、聖真がいい位置で受けてリズムができていた。(ゴールシーンは)いいところにボールを止めて、どうしようかと見た瞬間がいいタイミングだった。

【安西 幸輝】
リズムが良くない状況で途中から出場した時は、流れを変えなければいけない。仕掛けて流れを変えることを意識していた。聖真くんが入って、間(スペース)で受けて縦パスが増えたので、全体が前を向けるようになっていた。相手は気持ちが強く戦っていると思っていたので、負けないように意識した。

【山本 脩斗】
チームとして逆転できたのはよかった。自分は失点に絡んでしまった。相手が前から来ると分かっている中で、自分のところでやられてしまった。アウェイもあるので、次は絶対に同じことがないようにやりたい。

【クォン スンテ】
細かいミスが勝負を分けると強調していた中、もったいない失点が続いてしまった。相手が韓国のチームで、負けたくないという気持ちは持っていた。(警告を受けた場面は)よくないことではあるけど、選手のスイッチを入れるために必要だと思った。勝ててよかった。

【チョン スンヒョン】
(2点目につながる縦パスは)大伍さんだから、信じて出した。韓国のチームとの対戦では負けたくないという思いがあったし、アントラーズのために勝ちたかった。

【遠藤 康】
平日だったけど、たくさんの人がスタジアムに来てくれた。アウェイチームの士気も下がるだろうし、こっちのモチベーションも違う。ただ、勝つことはできたけど、こんな試合では次は勝てない。切り替えないといけない。最初の2失点がなければ、もっといい試合ができたと思う。

【三竿 健斗】
相手の方が気持ちを前に出せていた。こっちは球際や競り合いで戦えていなかったので、ハーフタイムに修正した。前半のうちに1点を取れたのが良かった。後半、ボールの動かし方や人の立ち位置を変えてハマったし、途中から入った選手が仕事をしてくれた。ACLは、Jリーグでの戦いとは違う激しさがある。僕たちの気持ちが準備できていなかった。人に言えるような厳しさを自分が出せていなかったので、まずは自分ができるようにしていきたい。

◆AFCチャンピオンズリーグ2018 準決勝 第1戦(オフィシャル)


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