日刊鹿島アントラーズニュース

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2017年2月20日月曜日

◆ジーコ氏 古巣ウディネでファン500人と食事会(デイリー)


ジーコ氏

 元ブラジル代表MFのジーコ氏が18日、古巣であるイタリア・ウディネの街を訪れ、熱烈な歓迎を受けた。19日付のガゼッタ・デロ・スポルトが報じた。

 市内のウディネーゼ・ストアには約1000人がつめかけ、夜には抽選で選ばれた500人のファンと夕食会を開催。ジーコ氏は1983-85年までウディネーゼでプレーし、2シーズンで合計30得点を挙げたが、往年のサポーターだけでなく、子供たちも集まったことに、「お父さんたちは私のことを褒めちぎって、次世代に伝えてくれていたのかな。グッド・ジョブ!」と笑顔だった。

https://www.daily.co.jp/soccer/2017/02/19/0009929406.shtml

◆J1復帰へ決意新た 松本山雅の選手ら意気込み語る(中日新聞)


写真

 サッカーJ2松本山雅FCの選手たちが今季への意気込みを語る「2017キックオフイベント」が十九日、山形村のアイシティ21で開かれ、選手たちが約千人のサポーターを前にJ1復帰に向けた決意を新たにした。

 反町康治監督と選手二十八人が参加し、一月二十四日から今月十七日まで実施した静岡、鹿児島両県での一次~三次キャンプの仕上がり状況を交えて抱負を語った。

 昨季はJ1鹿島アントラーズから期限付き移籍で出場し、今季は完全移籍したFW高崎寛之選手は「良い時も悪い時もあるが、皆で笑って終われるように今年一年よろしく」と呼び掛けた。

 反町監督は「昨年感じた勝ち点1の重みを、どう捉えて今年戦っていくかが大切。開幕戦に向けて、皆さんの気持ちに応えられるように、ベストを尽くして頑張りたい」と意気込んだ。

 チームは二十二日から静岡市内で最終調整に入り、開幕戦となる二十六日の横浜FC戦に臨む。駒ケ根市の専門学校一年金野遥さん(19)は「開幕戦にも行くので、ますます今季が楽しみになった」と笑顔で話した。

 (水田百合子)

http://www.chunichi.co.jp/article/nagano/20170220/CK2017022002000034.html

◆大迫がアシスト&惜しいミドルも…ケルンは開始65秒に失点もモデスト弾でドロー(サッカーキング)


大迫勇也

 ブンデスリーガ第21節が19日に行われ、日本代表FW大迫勇也の所属するケルンと、DF内田篤人の所属するシャルケが対戦した。大迫は先発出場、内田はメンバー外となった。

 試合は開始わずか65秒で動く。シャルケは左サイドでのパス交換から、ダニエル・カリジュリが1人かわして突破。相手GKとDFの間にグラウンダーのクロスを入れると、ファーサイドに走り込んでいたアレッサンドロ・シェプフが合わせてゴールネットを揺らした。

 出鼻を挫かれたケルンだが、前半の内に試合を振り出しに戻す。43分、敵陣中央でボールを受けた大迫が背負った相手をターンでかわし、前線へ鋭いパスを供給。これを受けたエリア手前で受けたアントニー・モデストがワントラップから右足を振り抜き、豪快にゴール右隅に突き刺した。前半は1-1で折り返す。

 後半に入ると試合は膠着状態が続く。ケルンは70分、大迫がエリア手前中央から強烈な右足ミドルシュートを放つが、わずかに枠の右に逸れた。シャルケは77分、グイド・ブルグスタラーがエリア内左に抜け出し、飛び出したGKを見てループシュートを放つが、枠を捉えられない。

 攻勢を続けるシャルケは80分にはセアド・コラシナツの折り返しを、エリック・マキシム・チュポ・モティングがワントラップからボレーシュートを放つが、クロスバー上に外れた。ケルンは後半アディショナルに右サイドのFKから、ファーサイドのドミニク・ハインツがゴール前に飛び込んで合わせるが、これも枠の上に外れた。

 試合はこのままタイムアップ。1-1でケルンとシャルケは勝ち点1を分け合った。なお、大迫はフル出場で今シーズンのリーグ戦4アシスト目を記録している。

 ケルンは次節、25日に敵地でライプツィヒと対戦。シャルケは22日にヨーロッパリーグ決勝トーナメント1回戦セカンドレグのPAOK戦を経て、26日にホッフェンハイムをホームに迎える。

【スコア】
ケルン 1-1 シャルケ

【得点者】
0-1 2分 アレッサンドロ・シェプフ(シャルケ)
1-1 43分 アントニー・モデスト(ケルン)

https://www.soccer-king.jp/news/world/ger/20170220/553817.html?cx_cat=page1

◆柴崎 21日にも合流か?ホームで試合観戦「不安障害」克服前進(スポニチ)




 鹿島からスペイン2部テネリフェに移籍し、体調不良で離脱しているMF柴崎岳(24)が“引きこもり状態”を脱した。18日にホームで行われたアルメリア戦をスタンドで観戦。早ければチーム練習が再開する21日にも合流する可能性が出てきた。

 引きこもり状態と地元メディアで報じられていた柴崎が久々に公の場に姿を見せた。18日に本拠スタジアムで開催されたアルメリア戦をスタンドから観戦。胃の不調のため7日から離脱し「不安障害」の可能性も指摘される中、1―0で勝利した試合に熱視線を送った。有名レストランで食事する姿が目撃されるなど回復に向かっており、同日付の地元ニュースサイト「エル・ドルサル」は「今週中の全体練習合流を目指している」と報道。早ければチーム練習が再開する21日から合流する可能性も出てきた。

 柴崎は急激な環境の変化に適応できず、体調を崩してダウン。現地報道によると、食事が合わずに体重は昨季64キロから6キロも減ったという。非常事態を受け、13日には代理人、セラーノ・スポーツディレクター、クラブ幹部らを集めた緊急ミーティングを実施。専門医の診察も受けて復帰を目指すことになり、一時は日本代表スタッフも現地入りしていた。

 この日の試合はテネリフェに本拠を置くスペイン女子1部グラナディージャに所属するDF堂園彩乃(26)も観戦。柴崎は順応に協力する姿勢を示してくれている元U―20女子日本代表DFと初対面を果たした。食事以外はほとんど部屋を出られなかったと伝えられた状況を考えれば、大きな前進だ。チーム内の信頼低下は避けられない中、どん底からはい上がれるのか。巻き返しへ向け、ようやくスタートラインに立つ日が見えてきた。

http://www.sponichi.co.jp/soccer/news/2017/02/20/kiji/20170219s00002020385000c.html

◆テネリフェ柴崎 スタンドで観戦、地元レストランで食事の報道も(スポニチ)




 鹿島からスペイン2部テネリフェに移籍し、7日から離脱しているMF柴崎岳(24)が18日、ホームのアルメリア戦をスタンドで観戦した。地元情報サイト「エルドルサル」によると、スタジアムでテネリフェの女子チームでプレーする元U―20日本代表のDF堂園彩乃(26)と対面。柴崎は来週中にも全体練習に合流できるよう、心理療法士と治療に取り組んでいるという。地元メディアでは“ホテル引きこもり報道”もあったが、地元有名レストランで食事するまで回復していると伝えた。

 柴崎について、テネリフェは当初、胃の不調で離脱と発表していたが、クラブの医療部門が13日に「不安障害」の可能性を指摘。ボレゴ・ゼネラルディレクターは地元メディアで「適応に苦しんでいる」「適応過程がいつ終わるのか、誰にも分からない」などと説明。退団報道については否定していた。

http://www.sponichi.co.jp/soccer/news/2017/02/19/kiji/20170219s00002020242000c.html

◆コーチ1年生・岩政大樹が東大蹴球部コーチに就任「この上ない舞台」(ゲキサカ)




 関東1部リーグの東京ユナイテッドFCは19日、今季からプレイングコーチを務めているDF岩政大樹が東京大学ア式蹴球部コーチに就任することを発表した。

 東京大学ア式蹴球部のフェイスブックを通じて岩政は、「東京ユナイテッドと併せて、東京大学ア式蹴球部のコーチもさせていただくことになりました。私のコーチ業のスタートとして、この上ない舞台を用意していただいたと感じております。私もコーチ一年生です。学生たちに成長度で負けないコーチでいようと決めています。よろしくお願いします」とコメントしている。

http://web.gekisaka.jp/news/detail/?209861-209861-fl

◆湘南曹監督「うちの選手」鹿島三竿雄斗らにダメ出し(ニッカン)




 J2湘南ベルマーレの曹貴裁監督(48)が19日、神奈川県平塚市内で講演会「共走会議」を開いた。その中で、湘南ベルマーレから鹿島アントラーズに移籍した、DF三竿雄斗(25)に対し、チクリと一刺しする発言が飛び出した。

 曹監督は、前日の18日に行われた富士ゼロックス・スーパー杯の鹿島-浦和戦で、先発し、後半37分までプレーした三竿雄のプレーをチェックしていたようだ。昨季まで指導した教え子について「本当にあいつ、昨日、何もしていないんで」とダメ出しした。

 曹監督が率いる湘南からは、16年にMF永木亮太(28)が同じく鹿島アントラーズに移籍し、日本代表にまで登り詰めたが、その永木も後半24分に、新戦力のレオ・シルバとの途中交代での出場にとどまった。曹監督は、永木の名こそ出さなかったが「うちの選手、ダメでしたね、昨日ね。もうちょっと、ちゃんとやってほしい」と苦笑交じりでダメ出しを連発した。

 辛口ではあったが、移籍した2人を「うちの選手」と口にし、教え子をいまだに気遣い、移籍した先のプレーをも見守る曹監督の優しさがかいま見える一幕だった。集まったサポーター、関係者も大笑いで、会場は明るく盛り上がった。【村上幸将】

http://www.nikkansports.com/soccer/news/1781343.html

◆鹿島・永木、立て続けの失点に反省「自分の役割できなかった」/ゼロックス杯(サンスポ)


鹿島MF永木は反省しきり

 富士ゼロックス・スーパーカップ(18日、鹿島3-2浦和、日産ス)「FUJI XEROX SUPER CUP 2017」が2月18日、日産スタジアムで行われた。試合は3-2で、鹿島アントラーズが浦和レッズに勝利。鹿島が同大会六度目の栄冠に輝いた。試合後、ともに湘南出身のMFである菊池と永木が囲み取材に応じた。

 今季、湘南ベルマーレから浦和に加入した菊池は先発出場。64分に交代で退くまで左ウイングバックとしてプレーした。菊池は湘南について「基本的な戦うことだったり、切り替えることだったり、規律のあるチーム。そういうところでしっかり選手を育ててくれるチーム。みんな、そういうものが基盤としてある」と話し、活躍することが「恩返し」になると話した。そして「きょうは(湘南出身選手としてのクオリティーを)出せなかったので、もっともっと、やっていかないと」と続けた。

 具体的な課題については「うまく行った部分もありましたけど、攻から守の切り替えの部分だったり、相手と対面した時の判断だったり、対応だったりっていうところで、少し後悔というか、もう少し考えながらやれたんじゃないかな」と振り返った。

 記者からの「周囲に気を遣っているのでは」との問いには、「いや、そんなことはないですけどね。でも、もちろんそういうところも必要だと思います。それとは逆に、自分らしさというか、貪欲に自分を出していくのも必要だと思います。そこは自分の中で整理しながら、やらないといけない」と答えた。

 一方、昨季に湘南から鹿島に移籍した永木は、69分からの途中出場。その直後の74分と75分に鹿島は立て続けに失点を喫した。「向こうも、あの時間帯でパワーを使ってきて、攻撃的になって、PKを与えてしまったり、クロスの形を作られたりで」と振り返り、「防げた点数でもあるので、もったいなかった」と、悔しさをにじませた。

 「自分たちがボール持って、主導権を90分間通して握らなきゃいけない。そういうチームだと思ってますし、そういうメンバーもそろってます。押し込まれる時間帯でも、もう少しボールを保持できればいいと思っています」と、課題を挙げた永木は「自分の役割をできなかった」とこの日の自身のプレーを反省。21日に行われるAFCチャンピオンズリーグ(ACL)の蔚山現代FC戦に向けては、「ホームで最初のACLなので、きょうと同じミスはしないように、やっていきたいと思います」と決意を示した。(Goal.com)

http://www.sanspo.com/soccer/news/20170219/jle17021912440010-n1.html

◆鹿島・昌子、ターンオーバーに前向き…その背景には昨年12月の連戦(サンスポ)


鹿島・昌子、ターンオーバーに前向き…その背景には昨年12月の連戦

 「FUJI XEROX SUPER CUP 2017」が2月18日、日産スタジアムで行われた。試合は3-2で、鹿島アントラーズが浦和レッズに勝利。鹿島が同大会六度目の栄冠に輝いた。試合後、鹿島DF昌子源が囲み取材に応じた。

 勝利こそ収めたが、74分と75分に連続で失点。このシーンについては「集中力ではない気がするけど、あれは、ナオ(DF植田直通)といっぱい話したんで。こっちで解決します」とコメントするにとどめた。

 鹿島はAFCチャンピオンズリーグと明治安田生命J1リーグを並行して戦うため、スケジュールもタイトになる。だからこそ昌子は、ターンオーバーについて前向きな考えを示す。「これからの連戦、全部スタメンで行けるかと言ったら無理だと思う。きょう(ゼロックス杯)のスタメンがベンチ外ということもあり得る。チーム全員の力が必要だし、そのことを鹿島のみんなは分かっている」と話す。

 こうした境地に至った背景には、昨年12月の連戦、明治安田生命2016Jリーグチャンピオンシップ、FIFAクラブワールドカップ、天皇杯全日本サッカー選手権大会を戦い抜いた経験がある。「そういうのを経験してるし、それが分かってるんじゃないかな」と話した。

 その昌子は「マチ(DF町田浩樹)なんかも、やっぱりいいものを持ってる。それをもっと出して(ほしい)」と、育成組織出身の19歳に期待を寄せる。「一対一で僕が簡単に抜かれてるところを見せたら、それはダメだと思う。だから最後まで食らいつく、一対一は全部勝つとか。そういう見せ方を僕は伝える部分もあるのではないかな」と、ディフェンスリーダーとしての自覚を語る昌子。

 「だってセンターバックで最年長ですもん。昨年は(ファン・)ソッコがいてくれたから。ソッコは経験のある選手やし、いろいろ言ってくれた。そういう人がいなくなって。もちろんソガさん(GK曽ヶ端準)とか、(西)大伍くんとか、(山本)脩斗くんとかはいますが。自然と責任感は(出てくる)」と続けた。

 一方、途中出場で決勝ゴールを決めたFW鈴木優磨については、「入ってきたら何かやるなっていうのは感じてる。オーラじゃないけど、点決めますよみたいな。俺のところにボールをよこせ。っていうのを感じる。偶然ではないのかなって感じます」と、存在感を高めていることを示唆。

 「茶髪でオラオラしてるけど、根はしっかり者。あいさつは、ちゃんとする。そういうやつなんで。でも、やっぱりそういうギラギラ感がいいんじゃないですかね」と鈴木評。「6試合6得点決めて、サブですからね。それは本人が一番納得が行ってないでしょう。途中からでも結果を出すからスーパーサブとして(評価されている)っていうのはあるけど、本人はそれじゃ絶対納得せんと思う。(きょう出場したFWの中で)自分だけが(点を)取ったっていうのは、すごいアピールになると思う。くさらずやってほしいなと思います」と、さらなる飛躍に期待を寄せた。(Goal.com)

http://www.sanspo.com/soccer/news/20170219/jle17021911580009-n1.html

◆アジアでの戦いをにらみながらの頂上決戦 ゼロックスで感じた、鹿島と浦和の強み(Sportsnavi)


蛍光ピンクのセカンドユニホームでゼロックスに臨む鹿島は4人の新戦力がスタメン出場

 新しいシーズンの開幕を告げるFUJI XEROX SUPER CUP(以下、ゼロックス)。今年は昨シーズンのJリーグと天皇杯を制した鹿島アントラーズ、そしてリーグ年間1位(チャンピオンシップ=CSでは2位)の浦和レッズというカードになった。ゼロックスは、本来的にはJ1チャンピオンとカップウィナーによる「頂上決戦」だが、今回は鹿島が2冠を達成したことにより、くしくも昨年のCS決勝のカードが再現されることとなった。ちなみにゼロックスは今回が24回目だが、この顔合わせは意外にも今回が初めて。会場となる日産スタジアムは、空気は冷たいものの快晴に恵まれ、4万8250人の観客を集めた。

 ゼロックスという大会が素晴らしいのは、当該チーム以外のサポーターにも楽しめる「仕組み」が施されていることだ。前座試合の「NEXT GENERATION MATCH」では、各クラブユース所属の選手が出場するが(今年はFC東京U−18の久保建英に注目が集まった)、ピッチ外で不思議な盛り上がりを見せるのがJリーグマスコット総選挙。実際、自分のサポートクラブのマスコットが、しかお(鹿島)やレディア(浦和)よりも上位となることに、密やかな溜飲を下げているファンも少なくないはずだ。今年、1位となって栄えある「センターポジション」を獲得したのは、サンフレッチェ広島のサンチェ。2年ぶり2回目の栄冠であった。

 前座と余興が終わったところで、いよいよメーンイベント。配布されたメンバー表を見て、まず注目したいのが新戦力の起用である(以下、カッコ内は前所属)。鹿島はGKに不動の守護神、曽ヶ端準ではなくクォン・スンテ(全北現代=韓国)を起用。この他にも三竿雄斗(湘南ベルマーレ)、レオ・シルバ(アルビレックス新潟)、ペドロ・ジュニオール(ヴィッセル神戸)がスターティングリストに並んだ。浦和は対照的に、新加入選手でスタメン起用されたのは菊池大介(湘南)のみ。ただしよく見ると、興梠慎三はベンチスタートだし、柏木陽介や槙野智章はベンチにも入っていない。

 柏木については「前日練習で足を痛めた」(ミハイロ・ペドロヴィッチ監督)そうだが、それ以外の陣容については3日後のACL(AFCチャンピオンズリーグ)を考慮したものと見ていいだろう。火曜日にアジアの戦いがあるのは鹿島も一緒だが、浦和はオーストラリアでのアウェー戦(キャンベラでウエスタン・シドニー・ワンダラーズと対戦)。遠征の負荷を考慮すれば、十分に納得できるラインナップだ。このゼロックスは「現時点の実力」のみならず、ACLも含めた長いシーズンを占う「総合力」が試される一戦と言える。

ペトロヴィッチ監督の修正で同点に追い付いた浦和

前半は優位に立つも2失点を喫した浦和は、興梠と武藤の連続ゴールで同点に追い付く

 キックオフは13時35分。試合開始から25分くらいまでは、ずっと浦和がポゼッションを保ちながら、ほとんどの時間帯を相手陣内でプレーし続けていた。とはいえ、この展開は鹿島も織り込み済み。「浦和が相手だと、僕らがボールを持つ時間はそんなに多くはない」という昌子源の言葉どおり、序盤の鹿島は相手の攻撃をじっと耐え忍んだ。もっとも、攻める浦和にもジレンマがあったことは留意すべきだろう。「前半は攻撃がうまく組み立てられていなかったし、もう少し前が(ボールを)収めてあげないと後ろも入れづらくなる。逆にカウンターをあれだけ食らうときつい」とは武藤雄樹の証言である。

 武藤の懸念は、前半39分に現実のものとなる。西大伍のダイアゴナル(斜め)のドリブルからファウルをもらい、鹿島がペナルティーエリア中央付近でFKのチャンスを得た。今季からJリーグでも採用される、バニシング・スプレーでボールと壁の位置が示されると、レオ・シルバが味方に細かい指示を与える。しかし蹴ったのは左利きの遠藤康。浦和GK西川周作は反応できず、弾道はゴール右隅へ。これが決まり鹿島があっさり先制する。さらに43分には、レオ・シルバがインターセプトからスルーパス。土居聖真を経由して金崎夢生が放ったシュートは、ゴールポスト右にはじかれたものの遠藤が詰めて、鹿島が追加点を挙げる。

 前半に2点のビハインドを負った浦和だが、後半はペトロヴィッチ監督の修正の妙が光った。ハーフタイムで李忠成に代えて興梠を同じシャドーのポジションで起用。さらに後半19分には、菊池と駒井善成を下げて、ジェフ千葉から復帰した長澤和輝と関根貴大をピッチに送り込んだ。そしてボランチの阿部勇樹を最終ラインに下げ、ワイドの右に関根、左に宇賀神友弥を移動させることで、反撃の態勢を整える。後半29分、自身のドリブル突破でPKのチャンスを得た興梠が、冷静にゴール右に決めて1点差。そのわずか1分後には、関根の右からのクロスにズラタンが頭で反応し、ポストにはね返ったボールを武藤が左足で押し込んで、ついに浦和が同点に追い付く。

 ゼロックスは同点で90分を終えれば、延長戦なしのPK戦となる。6年ぶりのPK戦をかすかに予感した後半38分、この試合最後のゴールが生まれた。浦和の遠藤航が、相手の縦方向のパスをGKへのバックパスで処理しようとした時、途中出場の鈴木優磨が背後から左足を伸ばす。ボールはコースを変えてGK西川の横をすり抜け、そのままネットを揺らした。「今日のピッチは水をまいていなかったので、ボールが止まりやすいのも把握していました。可能性があると思って狙った」とは、決めた当人の弁。結局これが決勝点となり、3−2で競り勝った鹿島が今季最初のタイトルを手にすることとなった。

鹿島の手堅い補強、浦和の選手層の厚さ

今季最初のタイトルを獲得した鹿島の石井監督。新戦力の融合に手応えを感じていた

「(融合まで)もう少し時間がかかると思っていたんですけれど、試合を通してコンディションと戦術理解を高めていくというところで、非常に早くチームの戦術も理解してくれていました。今日のパフォーマンスも、とても良かったんじゃないかと思います。出場機会のなかった、レアンドロや金森(健志)といった新しい選手の能力を融合させながら、高いレベルのサッカーを目指していきたいです」

 4人の新加入選手をスタメン起用した手応えについて、鹿島の石井正忠監督はこのように語っている。この試合で最もアピールしたのが、小笠原満男とボランチでコンビを組んだレオ・シルバであったことは、衆目の一致するところであろう。前半の2ゴールに絡み(1点目はボールに触っていないが、間接的には十分関与したと言える)、永木亮太と交代する後半24分まではディフェンス面でも大いに貢献した。他の3人についても、レオ・シルバほどの活躍は見せなかったものの、開幕前の時点で鹿島のサッカーにしっかりフィットしているように感じられた。及第点は与えていいだろう。

 エージェントの人間に話を聞くと、一様に「鹿島の補強は手堅い」と指摘する。確かに、クラブのスカウティングや編成のノウハウに、目を見張るものがあるのは事実だ。しかし「鹿島の一番の武器は何か」と問われれば、明確かつブレないスタイルとフィロソフィー(哲学)であろう。そしてそれは、新加入の選手にとっても「自分にどのようなプレーが求められるのか」という明確なガイドラインとなるはずだ。今季初めての公式戦で、4人の新加入選手が(程度の差こそあれ)鹿島のスタイルに順応したプレーを見せていたのは、そうした背景があったように感じられてならない。

 敗れた浦和についても言及しておこう。この試合のポジティブな要因について、ペトロヴィッチ監督は「カウンターを得意とする鹿島に対して同点に追い付き、逆転してもおかしくない展開に持ち込めたこと」を挙げている。実際、この日の浦和の戦いは、決して悲観するものではなかった。むしろ何人かの主力選手を温存しながら、J1王者に対して互角の戦いを見せたことは好材料だろう。ペトロヴィッチ体制となって6年目。選手層もかつてなく充実している。火曜日のACL初戦では幸先の良い結果を残してほしいところだ。

 今回のゼロックスで明らかになったのは、鹿島も浦和も、国内とアジアの戦いをイメージしながらチーム作りを進めているということである。前者は的確な補強、後者は選手層の厚さから、クラブとしての野望が明確に感じられる。思えば昨年のACLは、5月いっぱいで日本勢はすべて終戦となった。今年は国内リーグのみならず、アジアの戦いでもJクラブの熱き戦いを楽しませてもらいたい。待ちに待ったシーズン開幕は、もうすぐだ。

http://sports.yahoo.co.jp/column/detail/201702190001-spnavi

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