日刊鹿島アントラーズニュース

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2017年12月3日日曜日

◆大迫イエロー2枚で退場「PKになるかと飛び込んだ」(ニッカン)




<ブンデスリーガ:シャルケ2-2ケルン>◇2日◇ゲルゼンキルヘン

 FW大迫勇也が所属するケルンはアウェーでシャルケと2-2で引き分けた。

 前半36分に先制され、後半5分にFKからのこぼれ球をFWギラシが押し込んで追い付き、同27分に突き放されたが、同33分に再びギラシがPKを決めてドローに持ち込んだ。

 大迫は前半11分、スルーパスに抜け出して相手GKと1対1のビッグチャンスをつかんだが、右足シュートは力なく相手GKにはじかれた。後半ロスタイムにはペナルティーエリア左からのドリブル突破の際に相手DFに倒されたように見えたが、これがシミュレーションを取られ、前半32分と合わせ2枚目のイエローカードとなって退場となった。

 大迫は「タイミング的にPKになるかなと思って飛び込んだ。イエローじゃなくてもいいかなと思った。もうちょっと(相手に)かかりに行っても良かったですね」と退場となったシーンを振り返った。またチャンスを逃したことについては「ああいうのをしっかりと決めたいですね。苦しいときに」と悔やんだが、「ただ今日はチームとして踏ん張ることができた。そこはすごいプラスだと思うし、で次につながるんじゃないかと」と、追い付いて引き分けとしたゲームには満足そうだった。

 W杯の組み合わせ抽選はテレビで見ていたそうで、気になるチームには「レバンドフスキがいるから」とポーランドを挙げた。コロンビアについては「初戦がすべてだと思うんで、そこに本当にトップで持って行ければいいですね」。またセネガルに対しては「身体(能力)が高い選手、日本が一番苦手としているんじゃないですか? そういう国が。だから、いかに組織的にそこを補っていけるかが大事になると思うし、ほんとに意志統一というのが、カギになってくる」とした。本番は6カ月後。「代表とクラブチームでのポジションが違って、難しさはありますけど、もっとゴールを狙う姿勢を出さなきゃいけないと思いますし、ここで結果を出せればワールドカップでも結果を出せると思うので、1試合、1試合、しっかり積み重ねてやっていきたいです」。

 いまだ勝ち星のないケルンは3分け11敗の勝ち点3で最下位。17位のブレーメンとは8差。

大迫イエロー2枚で退場「PKになるかと飛び込んだ」

◆就任1年目で初V、川崎F鬼木監督の野心…バルサ、レアルに勝つ「可能性を五分まで」(ゲキサカ)




[12.2 J1第34節 川崎F5-0大宮 等々力]

 就任1年目で川崎フロンターレに悲願の初タイトルをもたらした。5シーズン指揮を執った風間八宏前監督のあとを継ぎ、コーチから昇格した鬼木達監督は「言葉では表せられないほどの喜びがある。やっとフロンターレの歴史というか、時計の針が動き出したのかなと思う」と、クラブが勝ち取った初タイトルの意味を語った。

 ついに“シルバーコレクター”を返上した。今季のルヴァン杯を含め、これまで実に8度の準優勝。2度のJ2優勝を除けば、J1ではいまだタイトルを手にしたことがなかった。今季も秋まで4冠の可能性を残しながらACL、天皇杯は準々決勝で敗退し、ルヴァン杯は決勝で敗戦。それでも「大きな敗戦という意味ではACL、ルヴァン杯。ここはすごく大きなものになったと思う」と、敗戦を糧に這い上がってきた。

 なぜ“万年2位”から脱却できたのか。記者会見ではその要因を聞かれ、「正直、何で勝ち取ったかというのは自分自身、ハッキリしない部分もある」としたうえで、「敗戦を引きずらない。そういうのがすごく大事なんだなと思った」と、自身の見解を述べた。

「現役時代のときは、負けた次の日とかに笑顔があるとイライラする感じだったけど、こういう立場になると(選手を)笑顔にしてあげたいなと。下を向いてはいけない。笑顔があるところに活気があるんだなと。一回一回、切り替えて次の試合に挑んでくれたことが今日につながったのかなと思う。自分が引きずってないよという姿勢を(選手に)見せるというか、引きずっても何も変わらないので。未来を変えられるのは、そのときの自分たちだけだから」

 風間サッカーをベースに攻撃的なスタイルを貫きながらも“鬼木流”を注入した。それは「負けないチームをつくりたい」という鬼木監督の信念でもあった。今季公式戦初戦となった2月22日のACL水原三星戦(等々力)。1-1で迎えた後半27分、最初の交代カードはMF阿部浩之に代えてDF奈良竜樹を投入するというものだった。この交代により、システムも4-4-2から3-6-1に変更。結果は1-1だったが、結果的にACLは2勝4分という粘り強さで水原や広州恒大をおさえ、グループリーグを首位通過した。

「攻撃的なチームという形でスタートした中で、あの試合で最初に交代で入れたのはDFの選手だった。あのとき交代によって負けていたら歯車が狂ったかもしれないが、負けないチームをつくりたいと。あの試合が自分の中でターニングポイントというか、“簡単に負けないよ”という今年に懸ける決意だった」

 あらためて当時の意図を説明した指揮官が将来の理想図として思い描くのは、川崎Fのスタイルで世界の強豪と互角に渡り合うことだ。

「このサッカーが世界に通用するものだと信じている。例えばバルセロナやレアル・マドリーのようなチームと10回対戦して、そのうちの1回勝ちを狙うなら、下がってカウンターでも(1回目に勝利が)来るかもしれない。しかし、自分たちでボールを握って攻撃して、そういうサッカーをすることによって、もしかしたら(勝つ)可能性を五分まで持っていけるかもしれない」

 来季はACLにも2年連続で出場する。過去最高の8強を超え、アジアの頂点、そしてその先にあるクラブW杯も見据える鬼木監督は「日本サッカーの先頭に立っていければいいなという思いはある」と、大いなる野心も口にした。

(取材・文 西山紘平)

就任1年目で初V、川崎F鬼木監督の野心…バルサ、レアルに勝つ「可能性を五分まで」

◆逆転弾は増田誓志の移籍後初ゴール、悔しいシーズンに「自分の力のなさを痛感した」(ゲキサカ)




[12.2 J1第34節 神戸1-3清水 神戸ユ]

 流れを呼び込む値千金の逆転ゴールだった。1-1に追いついた前半26分、MFミッチェル・デューク、MF金子翔太とつないだボールにMF増田誓志が反応。「転がってきたら枠に飛ぶように意識しいていた」。ペナルティーアーク内で迷わず右足を振り抜き、鮮やかなボレー弾を叩き込んだ。

 残留争いは最終節までもつれ込み、引き分け以下ではJ2に降格する可能性があった。勝利だけを目指した大一番。起死回生の逆転弾を「普通にボールがきたので蹴っただけ。ラッキーですよね」と控えめに喜んだ。

 今夏、3年ぶりにJリーグに復帰した増田はこれが移籍後初ゴール。04年に鵬翔高から鹿島に加入し、13年に韓国リーグの蔚山現代に移籍。14年はレンタル先の大宮でプレーし、15年に蔚山現代に復帰。今季は7月までUAEのアル・シャールジャに所属していたが、8月上旬に完全移籍で清水エスパルスに加入した。

 しかし、加入直後に左ハムストリングスの肉離れで戦線を離脱。試合出場はこれが4試合目だった。「今季は自分の力のなさを痛感させられた。チームに還元することができなくて悔しいシーズンだった」。元日本代表ボランチは加入後にチームを引き上げられなかったことを悔やみ、自ら責任を背負った。

 残留争いに巻き込まれ、甲府と残り1つの残留枠を争った最終節で9試合ぶりの勝利。「サポーターがいたから今日勝てたんじゃないかな」と感謝の言葉を口にした増田は「勝つしかないプレッシャーの中で僕らはしっかりと戦えた。こういう気持ちを忘れず、一つ一つ戦っていければ」と来シーズンの飛躍を誓った。

(取材・文 佐藤亜希子)

逆転弾は増田誓志の移籍後初ゴール、悔しいシーズンに「自分の力のなさを痛感した」

◆内田篤人が古巣鹿島に復帰か クラブ幹部獲得示唆(ニッカン)


内田篤人

 ドイツ2部ウニオン・ベルリンの元日本代表DF内田篤人(29)が、古巣の鹿島アントラーズに復帰する可能性があることが2日、分かった。

 鹿島クラブ幹部は「まだ何も話はしていない」と前置きした上で「今のチームでは(右サイドバックの)1番手ではないから」と状況は把握。昨季後も「篤人がその気なら、いつでも門戸は開いている。そのために(背番号)2番も空けてある」と獲得を示唆しており、来季に向けて今冬の獲得に動く可能性を否定しなかった。

 内田は15年6月に右膝を手術し、長期のリハビリを経て昨年12月に実戦復帰。日本代表復帰のためにも、国内復帰も視野に入れているという。ウニオン・ベルリンとの契約は来年6月まで残っているが、違約金などの交渉がまとまれば、10年以来となる「鹿島のウッチー」が実現する。

内田篤人が古巣鹿島に復帰か クラブ幹部獲得示唆

◆【動画】「てっぺんに立たないと意味がない」連覇を逃した鹿島、昌子源が明かすジーコとのエピソード(GOAL)




土壇場で優勝を逃した鹿島アントラーズ。DF昌子源が涙を浮かべながらフラッシュインタビューに応えた。

鹿島アントラーズは2日に行われた明治安田生命J1リーグ最終節で、ジュビロ磐田とスコアレスドローで終了。リーグ連覇を逃した。試合後、DF昌子源がフラッシュインタビューに応じた。

「前節、ホームで僕たちの力不足で決めれなくて、僕が最後のスピーチしたんですけど『必ず勝つ』って約束して今日も勝てなかったので本当に申し訳ない」と、サポーターへの謝罪を口に。

さらに「悔しくない人なんかいないと思うし、本当に力不足で、また一段と強くなるための試練と思って頑張ります」と涙を浮かべながら語った。

最後にジーコ氏とのエピソードを明かした昌子。「夏にジーコさんがきて、最後にてっぺんに立ってないと意味がないと直々に言っていただいて、最後まで上にいながら、最後は下から景色を見る形になったのは、ジーコさんにも申し訳ないし、ほんとにそれに尽きる」




【動画】「てっぺんに立たないと意味がない」連覇を逃した鹿島、昌子源が明かすジーコとのエピソード

◆監督交代など辣腕、“ゴール前差し切り”V逸に鹿島鈴木満強化部長「責任は感じている」(ゲキサカ)




[12.2 J1第34節 磐田0-0鹿島 ヤマハ]

 鹿島アントラーズはジュビロ磐田に0-0で引き分け。勝てば優勝だったが、川崎フロンターレに勝ち点で並ばれると、得失点でかわされ、20冠目のタイトルを逃した。強化責任者を務める鈴木満常務取締役は、試合後に報道陣に対応し、「責任は感じている」と話した。

 今季の鹿島は5月31日に石井正忠監督を成績不振などを理由に解任。当時コーチだった大岩剛氏を監督に昇格させる人事を行った。そしてこれが好転。見事な立て直しで前半戦の首位ターンに成功すると、一時は逆転優勝を許した川崎Fに最大8差をつけるなど、首位を独走していた。

 しかし結果はゴール前での“差し切り”を許して2位。2位という成績を誇れるチームはあると思うが、自他ともに常勝軍団と認める鹿島にとしては、到底受け入れられるものではない。

 鈴木常務は「勝つために編成して勝つために監督交代などをやった責任は感じているし、もう少し整理したい」。ただこの日の試合については、前半44分のCKをDF植田直通が頭で合わせたゴールが、ファウルで取り消された場面があったことで、「1点は取っている。本当は1-0」と口惜しそうにしていた。

(取材・文 児玉幸洋)

監督交代など辣腕、“ゴール前差し切り”V逸に鹿島鈴木満強化部長「責任は感じている」

◆V逸鹿島、MF遠藤康は声詰まらせる「勝負強さが出せなかった」(ゲキサカ)




[12.2 J1第34節 磐田0-0鹿島 ヤマハ]

 20冠目前の常勝軍団のV逸。まさかの光景に、1万4696人が詰めかけたヤマハスタジアムが一瞬、静まり返った。勝てば優勝という状況で残り2節を戦った鹿島アントラーズ。まさかの連続スコアレスドローで、川崎フロンターレに逆転初優勝を許した。

 試合終了のホイッスルが鳴ると、ほぼ全員が腰に手を当てて呆然。そしてDF昌子源は目頭を覆うようにして仰向けに倒れ込み、MF三竿健斗は人目をはばからず号泣。整列しなければいけなかったが、ペナルティーエリア内にしゃがみ込んでしまった。

 試合後のミックスゾーンは、多くの選手が険しい表情で素通り。MF小笠原満男やDF植田直通、そして三竿も報道陣の問いかけには答えず、足早にバスに引き上げていった。

 そんな中で、この試合のキャプテンマークを巻いたMF遠藤康は一番に出てきて報道陣に対応。ただ「勝てなかった、勝負強さが出せなかったのは悔しい」と話すと、声を詰まらせずにはいられなかった。

「誰が悪いとかではなく、チーム全体がそういう(勝負強い)雰囲気に持って行けなかった。この試合はキャプテンマークを付けさせてもらって、そこで出せなかったのが自分の力不足ですし、誰のせいとかなく、チームのせいだと思っている。悔しさを来年にぶつけたい」

「優勝のプレッシャーはもちろんありましたけど、プレッシャーの中で、いかに良いプレーができるか、みんなに勝利を届けられるかが仕事だと思っている。鹿島アントラーズにいたら、常に背負っているもの。勝ち続けないといけない使命の中で勝てなかったのは本当に悔しい。ジュビロの守備には手こずりましたけど、そこを崩せなかったのはうちの弱さであるので、そこは来年に向けてしっかりやっていきたいなと思います」

 優勝した川崎Fについては「おめでとうと言いたい。最後にああやって勝てるのはフロンターレの強さだった」と素直に祝福した遠藤。「切り替えて来年に向けてやるしかない」と自らに言い聞かせるように話して、会場を後にした。

(取材・文 児玉幸洋)

V逸鹿島、MF遠藤康は声詰まらせる「勝負強さが出せなかった」

◆優勝を逃した鹿島MF遠藤康…悔しさをかみしめるも「川崎Fにおめでとうって言いたい」(GOAL)




明治安田生命J1リーグ第34節、ジュビロ磐田対鹿島アントラーズはスコアレスドロー。試合後、鹿島MF遠藤康が胸の内を明かした。

明治安田生命J1リーグ最終節が12月2日に行われ、ヤマハスタジアムではジュビロ磐田と鹿島アントラーズが対戦した。試合は0-0の引き分け。鹿島は、最後の最後で首位の座を明け渡すこととなった。試合後、鹿島MF遠藤康が胸の内を明かした。

J1第33節を終えて首位に立っていた鹿島は、この試合で勝利を収めれば文句なしの優勝だった。しかし、結果はスコアレスドロー。他会場で勝利を収めた川崎フロンターレに優勝を譲ることとなった。

遠藤は「悔しいですけど、まず(川崎)フロンターレに僕は『おめでとう』って言いたいです」と話し、「でもこの悔しさを来年に向けて、みんなでまた、次は勝ちたいなと思います」と続けた。

記者から勝負強さを出せなかった理由を問われると、遠藤は「チーム全体がそういう雰囲気に持っていけなかった」と答え、「今回の試合はキャプテンマークを付けさせてもらって、そこで(勝負強さを)出せなかったのは自分の力不足でした」と悔いた。

鹿島はJ1第33節の柏レイソル戦でも勝てば優勝が決まっていたが、その試合もスコアレスドローだった。優勝へのプレッシャーがあったのか?と質問されると、「プレッシャーはもちろんあります」と答え、以下のように続けた。

「でも、うちらの仕事は、プレッシャーの中でいかに良いプレーをできるか、勝利をみんなに届けられるかだと思ってますし、鹿島アントラーズにいたら、それを常に背負ってやってるものなので。その勝ち続けなければいけない使命の中、勝てなかったのは本当に悔しいです。ジュビロの守備には手こずりましたけど、そこで点を取れないうちらの弱さもやっぱりあった。そこは来年に向けてまたしっかりやっていきたい」

優勝を逃した鹿島MF遠藤康…悔しさをかみしめるも「川崎Fにおめでとうって言いたい」

◆後半42分の決定機決められず…鹿島DF山本脩斗「余計に悔しさが増します」(ゲキサカ)




[12.2 J1第34節 磐田0-0鹿島 ヤマハ]

 とにかく1点が欲しい。気持ちもプレーも前がかりとなった終盤、鹿島アントラーズが決定機が訪れた。後半42分、DF伊東幸敏の右クロスがファーサイドまで届くと、フリーでDF山本脩斗が飛び込む。しかし頭に当てたシュートは枠上に大きく外れていった。

 ピッチにいた鹿島のイレブン、そしてベンチの大岩剛監督も頭を抱えた場面。この場面の振り返りを求められた山本は「そこを決めきれなかったので、余計に悔しさが増します」と無念を語った。

「1年間通してチームで優勝を目指してきた。最後にそれが叶わなかったので、力が足りなかったのかなと思います」

 山本は先日発表になったE-1選手権を戦う日本代表に初選出。鹿島での今季は終わってしまったが、すぐに日本代表としての戦いを控えるだけに「選ばれたからにはチャンスだと思うので、自分の持ち味をしっかり出して、チームとしても大会なので、優勝したいなと思います」と必死に気持ちを切り替えていた。
(取材・文 児玉幸洋)

後半42分の決定機決められず…鹿島DF山本脩斗「余計に悔しさが増します」

◆“痛かった”アクシデント…わずか14分で負傷交代の鹿島DF西「僕の責任」(ゲキサカ)




[12.2 J1第34節 磐田0-0鹿島 ヤマハ]

 緊急事態となった。自力で優勝するには、勝ち点3を獲得することが絶対条件の鹿島アントラーズだったが、前半14分に右SBのDF西大伍を早々に失うことになってしまう。

 前半13分、中盤でボールを受けたMFアダイウトンが凄まじい勢いでボールを運び、PA内へと進入してくる。西は体を張って突破を止めようとするが、接触した際に負傷してしまい、ピッチ上にうずくまってしまう。ピッチを離れて自ら立ち上がり歩きはしたものの、プレー続行不可能と判断されてDF伊東幸敏との交代を余儀なくされた。

 大岩剛監督は、「彼は我々のキープレーヤーだし、彼の負傷が非常に痛かったのは確か」と振り返り、DF昌子源も「動揺はなかったけど、チームとして大伍くんがいないのは痛い」と話したように、不動の右SBを早い時間帯に失ったことのダメージは少なからずあった。

 交代後はベンチで戦況を見守った西が、「前半はよくしのいでいたし、後半はチャンスもあった」と語ったように、前半をスコアレスで折り返して迎えた後半は、幾度となくゴールに迫った。しかし、ネットを揺らすには至らずに0-0のまま試合終了を迎え、川崎Fの逆転優勝を許してしまった。

「僕ら選手も勝つつもりでやっていたし、サポーターも勝つ応援をしてくれていたと思うけど、それを川崎フロンターレが上回った」と優勝チームに賛辞を贈りつつも、「僕の責任ですよ。ケガは必然だった。どこかに隙があったと思う」と、最後の最後でチームの力になれなかったことを悔やんだ。

(取材・文 折戸岳彦)

“痛かった”アクシデント…わずか14分で負傷交代の鹿島DF西「僕の責任」

◆鹿島・西大伍、前半の負傷交代に責任感じる「やっぱり僕がいないと厳しい」(GOAL)




鹿島アントラーズDF西大伍が、最終戦となったジュビロ磐田との一戦で負傷した。試合後にケガの状況を語った。

鹿島アントラーズは、2日の明治安田生命J1リーグ第34節でジュビロ磐田と引き分け、優勝を逃した。この試合で負傷し、前半に退いたDF西大伍がケガの状況を語った。

西は前半の14分に、アダイウトンとの接触で足を痛めた。試合後に、膝を「逆にいっちゃいました」と語り、これから診断を受けることを明かした。

負傷した場面では「どこかに隙があった」と話し、「まあ、ケガは必然ですね」と肩を落とした。

西が退いたあとの鹿島は、磐田に押し込まれる展開に。結局最後まで1点を決められず、スコアレスドローでタイムアップ。大宮アルディージャに大勝した川崎フロンターレに優勝を奪われる形となった。「僕の責任です。やっぱり僕がいないと厳しいなとも感じていたし」と早い時間帯で交代した責任を感じる西。

「僕らはもちろん勝つつもりでやっていたし、サポーターも勝つ応援をしてくれていたと思う。けど、そこを川崎フロンターレが上回っていたというだけです」

12月に開催されるEAFF E-1 サッカー選手権2017に臨む日本代表に招集されていた西だが、今回の負傷により出場に暗雲が立ち込めている。

鹿島・西大伍、前半の負傷交代に責任感じる「やっぱり僕がいないと厳しい」

◆鹿島大岩監督続投へ レアンドロは完全移籍が確実(ニッカン)




<明治安田生命J1:磐田0-0鹿島>◇最終節◇2日◇ヤマハ

 鹿島アントラーズの大岩剛監督(45)の来季続投が2日、決定的となった。

 クラブ幹部は「監督を含めて、スタッフとの来季の話はまだ何もしていない」としたが、「監督就任の時から短いスパンでは考えていない。これからさらに強くしてもらわないと困る」と期待を寄せた。また、ブラジル・パルメイラスから期限付き移籍中のMFレアンドロ(24)も「後はサインだけ」(同幹部)と、完全移籍が確実だ。

鹿島大岩監督続投へ レアンドロは完全移籍が確実

◆鹿島4度目王手もまさか 大岩監督「僕の経験不足」(ニッカン)




<明治安田生命J1:磐田0-0鹿島>◇最終節◇2日◇ヤマハ

 勝てば優勝だった鹿島アントラーズは、ジュビロ磐田に0-0で引き分け、つかみかけていたリーグ連覇を逃した。後半50分20秒。試合終了の笛。9月23日の第27節終了時には勝ち点8差あった2位川崎Fに、最後にひっくり返された。MF三竿健はピッチで泣き崩れた。DF昌子もあおむけに倒れ込み、自力では立ち上がれなかった。今季途中から指揮をとった大岩監督も、試合後の会見で「勝たせてあげられなかった僕の経験不足…」。2度、声を詰まらせて悔いた。

 ACLによる変則日程により、川崎Fの結果次第で「試合なし優勝」の可能性2度。勝利で決まった先月26日の前節柏戦では本拠でスコアレスドロー。4度目の“王手”は、引き分けも許されない重圧が逆にのしかかってきた。昌子はあふれそうな涙を上を向いてこらえながら「また、一段と強くなるための試練。下からの(2位の)景色を見ることになってしまった」。FW土居も「これがあったからと言えるサッカー人生が来ればいい」と必死に前を向くしかなかった。

 前半11分にDF西が右膝負傷で退場。交代で入ったDF伊東も右肩脱臼を負い、痛みを抱えながらプレー。同44分にはCKをDF植田が頭で合わせてネットを揺らしたが、ファウルの判定。昌子は「主審に『誰のファウル』って聞いたら『植田か昌子のどっちか』と言われた。そんな曖昧なのはおかしい」と憤りも隠せなかった。

 過去、国内主要タイトル19冠の鹿島にとって、初の屈辱を味わった。J1タイの年間14完封勝利など安定した強さは示したが、今季無冠。来季は再び、ACLを含めた史上初の年間4冠に挑む。【鎌田直秀】

鹿島4度目王手もまさか 大岩監督「僕の経験不足」

◆連覇を逃した鹿島…大岩監督は悔しさを語る「非常によく戦ってくれた」(サッカーキング)


大岩剛

2017.12.02 14:00
ヤマハスタジアム(磐田)
ジュビロ磐田 0 終了 0 鹿島アントラーズ

 2017明治安田生命J1リーグ第34節が2日に行われ、ジュビロ磐田と鹿島アントラーズが対戦した。

 勝てば優勝の鹿島だったが、幾度となく訪れた決定機を生かせずにスコアレスドローに終わる。他会場では、川崎フロンターレが5-0と大宮アルディージャに快勝。両チームが勝ち点「72」で並んだものの、得失点差で川崎がJ1初優勝飾り、鹿島はJ1連覇を逃している。

 鹿島の大岩剛監督は「選手たちは非常によく戦ってくれた90分だったと思います。最後に1点を取れなかったのは非常に悔しいです」と述べ、スコアレスドローとなった試合を振り返った。

 また、来季へつながるかという質問に対しては「そのつもりです」と語っている。

 加えて、大岩監督はシーズンを振り返るとともに、優勝を期待したサポーターに謝罪の意を述べた。

「監督が代わって、選手たちも非常に奮起してくれまして、最後一番上に立ちたかったんですが、これは僕の経験不足だと思います」

「全国にいるサポーターの皆さん、今日スタジアムに来ていただいたサポーターの皆さんには非常に感謝しています。勝利を届けられず、非常に申し訳ない気持ちでいっぱいです。ただ、一緒にこの悔しさを次につなげたいと、選手にそういう話もしました」

連覇を逃した鹿島…大岩監督は悔しさを語る「非常によく戦ってくれた」

◆鹿島、幻の“優勝ゴール” ファウルの判定で得点ならず ドローで無念のV逸(デイリー)




 「明治安田生命J1、磐田0-0鹿島」(2日、ヤマハスタジアム)

 リーグ戦連覇、そして国内タイトル20冠に王手をかけてから、鹿島は2試合連続で0-0の引き分け。川崎に逆転優勝を許す結果となった。

 シーズン途中に就任する難しい立場でチームを率いた大岩剛監督は「彼らを勝たせることができなかった。私の経験不足を痛感しています」と責任を口にした。

 不可解な判定にも泣いた。前半44分、MF遠藤のCKをDF植田が頭で合わせてゴールに突き刺したが、ファウルの判定で得点にならなかった。

 試合後、「何のファウルか分からなかった」とぶ然として振り返る昌子は「審判に誰がファウル?と聞いたら、『昌子か植田のどっちか』って言われましたよ」とグラウンド上でのやりとりを明かした。

 幻の“優勝ゴール”に後味の悪さを残した。

鹿島、幻の“優勝ゴール” ファウルの判定で得点ならず ドローで無念のV逸

◆鹿島 1点遠く連覇夢散…「昌子か植田のどっちか」あいまい判定にも泣く(スポニチ)


明治安田生命J1最終節   鹿島0―0磐田 ( 2017年12月2日    ヤマハ )


 あと1点で手にできたタイトルは、あえなく転がり落ちた。響き渡る無情のホイッスル。鹿島DF昌子は芝に倒れ込んだ。MF三竿健も起き上がれない。「僕たちは、どうしても勝ちたかった」。ゲーム主将のMF遠藤の両目に涙があふれた。

 前半は序盤にDF西が負傷交代。アクシデントや守勢にも耐え、後半は形勢を逆転した。後半だけで10本のシュート。終盤は5トップ気味に猛攻したが、得点は遠かった。ゴールは“幻”にもなった。前半44分に右CKを植田が頭で決めたが、村上主審は直前でDF昌子のマークについた相手DF大井が倒れた場面のファウルを取った。誰の反則か分からず確認した昌子に主審が「昌子か植田のどっちか」と答えたというあいまいすぎる判定。1点の壁は厚かった。

 DAZN元年の今季は、FWペドロ・ジュニオール、MFレオ・シルバらを積極補強。「タイトルを獲るために編成して、監督も代えた。これでダメだったから責任を感じている。どこに問題があったのか考えたい」と鈴木満常務取締役。勝てば優勝していた柏戦、磐田戦に引き分け、20冠目を逃した大岩監督は「私の経験不足」と自らを責めた。

 来季も続投が濃厚な指揮官は試合後、「この悔しさを次につなげよう」と選手に語りかけた。「この悔しさを何も残らないものにしたくない。“これがあったから”と言えるサッカー人生にしたい」とFW土居。失ったものが大きいだけ、糧も大きくなるはずだ。

鹿島 1点遠く連覇夢散…「昌子か植田のどっちか」あいまい判定にも泣く

◆J1連覇を逃した鹿島、主将・昌子は涙止まらず「僕たちの力不足」(サッカーキング)


昌子源

2017.12.02 14:00
ヤマハスタジアム(磐田)
ジュビロ磐田 0 終了 0 鹿島アントラーズ

 2017明治安田生命J1リーグ第34節が行われ、首位に立っていた鹿島アントラーズはジュビロ磐田とスコアレスドローに終わった。2位の川崎フロンターレが大宮アルディージャに勝利したため、得失点差で川崎の優勝が決定。勝てば優勝が決まる鹿島だったが、J1連覇を逃す結果になった。

 磐田との一戦でキャプテンマークを巻いた昌子源は、試合後に号泣。「前節、僕たちの力不足で決められなくて……。僕が最後スピーチで『必ず勝つ』と約束したのに勝てなくて、申し訳ないです」とファン・サポーターへ謝罪するとともに、「悔しくない人はいないです。一段と強くなるための試練だと思って頑張ります」と前を向いた。

 また、今年の夏にクラブOBのジーコ氏が訪れたことについて触れ、「『最後にてっぺんに立っていないと意味ない』と直々に言っていただいたのに、最後に下から景色を見ることになってしまって……。ジーコさんが来てくれた意味というのも申し訳ないと思いますし、それに尽きると思います」と語った。

J1連覇を逃した鹿島、主将・昌子は涙止まらず「僕たちの力不足」

◆「今は何を言っていいか分からない」タイトル逃し号泣の鹿島DF昌子(ゲキサカ)




[12.2 J1第34節 磐田0-0鹿島 ヤマハ]

 試合終了のホイッスルが吹かれる。鹿島アントラーズが2連覇を逃した瞬間となった。笛の音を聞いたDF昌子源は、目頭を腕で抑えるようにピッチ上で仰向けに倒れた――。

 勝てば文句なしの優勝。引き分け以下に終わっても、川崎Fの結果次第で2連覇が決まる状況で最終節を迎えた。しかし、「前半は特に僕らの思いどおりにいかなかった」と序盤の主導権を磐田に握られてしまう。激しいプレッシャーにさらされてボールを前線へと運べずに前半のシュートはわずか1本に終わり、幾度となくゴールを脅かされる場面を磐田に作られた。

 しかし、「前半を0-0で終えた時点で感触的には、後半は行けるという思いがあった」という後半途中からは、「すごく強引さが出てきた」と敵陣深くへとボールを運ぶ回数を増やし、前半とは一転、磐田ゴールに迫った。だが、後半だけで放ったシュート10本は、いずれもゴールに結び付くことはなかった。

「後半は流れ的にもウチのペースだったし、あとは決め切るかの問題だったと思う」

 勝ち点1の上積みに終わったチームは、大宮を下した川崎Fに勝ち点で並ばれると得失点差で上回られ、最後の最後で2位に転落。「非常に残念。ちょっと、今は何を言っていいか分からない」。2試合連続スコアレスドローでタイトルを逃し、肩を落とした。

(取材・文 折戸岳彦)


「今は何を言っていいか分からない」タイトル逃し号泣の鹿島DF昌子

◆鹿島 悪夢のV逸 あと1勝が…あと1点が… 連覇ならず3年ぶり無冠(デイリー)




 「明治安田生命J1、磐田0-0鹿島」(2日、ヤマハスタジアム)

 鹿島が2連覇を逃した。前半終了間際にはDF植田直通(23)のゴールが取り消され、後半の猛攻も及ばず、0-0のスコアレスドロー。得失点差で川崎に及ばず、逆転優勝を許した。あと一歩届かなかった無念のV逸。DF昌子源(24)は悔しさを押し殺しつつ、来季のリベンジを期した。

 あおむけに倒れ込んだDF昌子は、両手で顔を覆ったまま立ち上がれなかった。ゴール前に座り込んだMF三竿健は、磐田MF中村俊に手をさしのべられてようやく立ち上がった。目前で逃した優勝。涙が止まらなかった。

 「今は、なんと言っていいか分からないです」。昌子は率直な心境を述べた。

 この日も前節の柏戦も、勝てば優勝という一戦。勝負強さが身上の常勝軍団は、2試合連続スコアレスドロー。180分の間に、優勝に必要なわずか1点が奪えなかった。

 不可解な判定もあった。前半44分、MF遠藤のCKをDF植田が頭でゴールに突き刺したが、直前にファウルがあったという判定で得点は幻となった。

 昌子は「何のファウルか分からない。審判に誰(のファウル)なんですかと聞いたら『昌子か植田のどっちか』と言われた」と明かす。昌子と相手選手の軽い接触はあったが、鈴木満強化本部長も「何であれがファウルになるのか理解できない」と不満を口にした。

 連覇、そして20冠に王手をかけながら、3年ぶりの無冠。シーズン途中にコーチから昇格して再建に努めた大岩監督は「私の経験不足。最後の2試合で、力を出させてあげられなかった」と唇をかんだ。昌子は「本当に力不足。また一段と強くなるための試練と思って頑張ります」と胸に刻んで、将来の糧にする。

鹿島 悪夢のV逸 あと1勝が…あと1点が… 連覇ならず3年ぶり無冠

◆鹿島遠かった1点 試合の流れ変わる“幻V決定弾”(ニッカン)




<明治安田生命J1:磐田0-0鹿島>◇最終節◇2日◇ヤマハ

 限りなく迫っていた1点は、最後まで遠かった。勝てば無条件で優勝が決まる一戦で勝ちきれなかった。

 2位以下と最大8差あった勝ち点が最後に追いつかれ、得失点差で劣った。鹿島アントラーズが最後に優勝を逃した。日本代表DF昌子源はピッチに突っ伏し、同MF三竿健斗は泣き崩れた。

 大岩剛監督は「非常に悔しい気持ち、残念な気持ちでいっぱいです。ヤマハスタジアムまで来ていただいたサポーターの皆さんには感謝しています。勝利を届けられなくて非常に責任を感じていますし、この悔しさを…(10秒間言葉に詰まる)次につなげようと、選手には話しました。選手は非常によく頑張ってくれて戦ってくれて…。本当に私の経験不足というか、彼らに勝利を…(11秒間、言葉に詰まる)勝たせてあげることができなかった、僕の経験不足だと痛感しています」と責任を背負った。

 2位川崎フロンターレの試合の情報は入れていなかった。自分たちが勝てばいいだけ。そう集中して臨んだジュビロ磐田戦で前半は苦しんだ。日本代表の右サイドバック西大伍が右膝を負傷し、試合開始わずか14分で途中交代を強いられたことも影響した。前半に放ったシュートはわずか1本。終了間際の前半44分に、右CKから日本代表DF植田直通のヘディングシュートがゴールネットを揺らしたかに見えたが、直前の昌子のファウルを取られて無効になった。主審に詰め寄った昌子は「誰のファウルか聞いたら『昌子か植田』と言われた。なんなん、その曖昧さは」と憤った。結果、この試合の大きなポイントとなった。

 後半に入ると怒濤(どとう)の攻め。磐田に10本ものシュートを浴びせた。だが、ことごとく磐田GKカミンスキーの正面を突くか、枠を外れた。後半41分には、右クロスにフリーで日本代表DF山本脩斗が頭から飛び込んだが、ゴール上へ。植田も前線に上げて1点を狙ったが、届かなかった。「流れはかなりうちのペースだった。そこを決めきるかの問題だった」と昌子。前節の柏戦も含めて計180分間で1点さえ入れば良かった。その1点が届かなかった。大岩監督は「得点に向かっていける形をたくさんつくり出してあげられなかった」と頭を下げた。

鹿島遠かった1点 試合の流れ変わる“幻V決定弾”

◆勝てばVの鹿島、磐田とスコアレスでJ1連覇逃す…得失点差で川崎が初優勝(サッカーキング)


金崎夢生

2017.12.02 14:00
ヤマハスタジアム(磐田)
ジュビロ磐田 0 終了 0 鹿島アントラーズ

 2017明治安田生命J1リーグ第34節が2日に行われ、ジュビロ磐田と鹿島アントラーズが対戦した。

 磐田は櫻内渚が出場停止。小川大貴が2試合ぶりのスタメンとなった。勝てば連覇が決まる鹿島は前節と同じ11名。土居聖真と金崎夢生の2トップで臨む。

 開始14分、鹿島にアクシデントが発生する。西大伍がアダイウトンとのマッチアップの際に右足を負傷。プレー続行不可能となり、伊東幸敏との交代を余儀なくされた。磐田は27分に中村俊輔が得意の直接FKで狙うも、わずかに枠の上。対する鹿島は前半終了間際の44分、CKから植田直通がゴールネットを揺らしたが、エリア内でのファールの判定でゴールは認められず。前半はスコアレスで終了した。

 磐田は後半開始から宮崎智彦に代えて上原力也を投入する。鹿島は51分に遠藤康のクロスに金崎がダイレクトシュート。80分にはカウンターからレアンドロがゴールに迫ったが、シュートは惜しくも枠を外れた。さらに鈴木優磨、ペドロ・ジュニオールを送り出し、得点を狙いに行ったがJ1最小失点を誇る磐田守備陣を最後まで崩すことができず、試合は0-0で終了。

 他会場で行なわれた川崎フロンターレ対大宮アルディージャの一戦で、川崎が5-0と快勝した。この結果、両チームが勝ち点「72」で並んだものの、得失点差で川崎がJ1初優勝。鹿島はJ1連覇を逃した。

【スコア】
ジュビロ磐田 0-0 鹿島アントラーズ


勝てばVの鹿島、磐田とスコアレスでJ1連覇逃す…得失点差で川崎が初優勝

◆2017明治安田生命J1リーグ 第34節(オフィシャル)


明治安田J1 第34節

鹿島、J1連覇ならず。磐田とドロー、最終節で首位陥落。

J1連覇を果たすことはできなかった。最終節、ジュビロ磐田戦。ヤマハスタジアムに乗り込んだ鹿島は最後までゴールネットを揺らすことができず、0-0の引き分けに終わった。2位に転落し、タイトルを逃した。

1週間前、満員の聖地に歓喜の時は訪れなかった。カシマスタジアムに柏を迎え撃った、第33節。チケット完売のホーム最終戦、勝てば優勝という最高のシチュエーションだったが、1点が遠かった。放ったシュートは実に23本。しかし、ゴールネットを揺らすことはできなかった。失意のスコアレスドロー。それでもともに戦う背番号12が大きなチームコールを鹿嶋の青空に響かせる。限られた数しか参戦できないヤマハスタジアムのビジタースタンドへ、ファミリー全員の思いとともに。誓いを胸に、最終節へ向かう。

11月28日に練習を再開した選手はひたむきにボールを追い、さらなる向上を期した。29日には第33節第2日が行われ、2位の川崎Fが1-0と勝利。優勝争いの決着は最終節の結果に委ねられることとなった。

決戦前日のクラブハウス。指揮官は練習前後にチームを集めた。「良い時も悪い時もこのメンバーで乗り越えてきた。その集大成が今日の練習であり、明日であるということ。いつも通り、明日の試合にチーム全員で勝つために、準備をしていこう」。シーズン序盤の停滞、負傷者の続出、指揮官の交代。決して平たんな道のりではなかった。大会敗退の屈辱と向き合う夜が3度もあった。それでもチーム一丸で、総力戦で突き進んできた。そして迎える、今季最後の90分だ。

穏やかな青空に恵まれた磐田に、アントラーズレッドが続々と足を運ぶ。発売から間もなくしてチケット完売となった決戦。タイトルマッチ特有の高揚感と緊張感がスタジアムを包んだ。ビジタースタンドを情熱が埋め尽くし、勝利への渇望と連覇への決意がチームコールとなって降り注がれた。

今季最後の90分、指揮官は不動のメンバーを先発リストに並べた。GKは曽ケ端、最終ラインは右から西、植田、昌子、山本と、揃って日本代表に選出された面々が並ぶ。ボランチは三竿健斗とレオ シルバのペアで、2列目には遠藤とレアンドロ。そして前線では土居と金崎がコンビを組み、虎視眈々とゴールを狙う。ベンチにはGKのクォン スンテ、伊東、永木、帰還を果たした安部、小笠原、ペドロ ジュニオール、鈴木がスタンバイ。ベンチから外れたメンバーも磐田へと向かい、魂を込めてともに戦う。試合を重ねるごとに逞しく進化し、ついに代表に名を連ねるまでになった健斗は言い切った。「選ばれなかった選手や応援してくれる人のために頑張りたい」。思いを背負い、ピッチに立つ。



14時3分、戦いの火蓋が切って落とされた。公式戦全勝のセカンドユニフォームで大一番に臨んだ鹿島は開始早々の2分、金崎が敵陣に少し入った位置から思い切りよくロングシュート。枠を逸れたものの、得点への渇望を体現してみせた。

立ち上がりから激しいマッチアップの連発となり、肉弾戦の様相を帯びていった。出足の速いプレスを敢行してきた磐田に対し、鹿島は押し込まれる展開が続く。前線で起点を作れず、セカンドボールの攻防から自陣深くまで突破される場面が何度もあった。それでも、複数で囲い込んでボールを奪う守備を徹底。苦しみながら耐えしのぎ、時計の針を進めていった。









しかし11分、アクシデントが鹿島を襲う。ペナルティーエリア内で相手のドリブル突破に対応し、身体を投げ出した西が負傷。プレー続行不可能となり、右サイドバックに伊東が送り出された。

思いがけない形で、早くも1人目の交代を強いられることとなった鹿島。15分経過後も磐田の攻勢は続いた。両サイド深くまで攻め込まれる場面も少なくなかったが、身体を張って応戦し、決定機を作らせることはなかった。ただ、なかなか攻勢に転じることができずに30分が経過。前線の金崎や土居がパスを引き出そうと腐心したが、起点を作ることができなかった。











それでも43分、遠藤が浮き球に反応し、競り合いを制してペナルティーエリアに入る。クロスに金崎が飛び込むと、相手DFにブロックされて右CKを獲得。遠藤が蹴ったボールに反応した植田がヘディングシュートでゴールネットを揺らした。ついに訪れた瞬間。しかし、植田の後方で相手と交錯し、もつれあいながら倒された昌子のファウルという判定で得点は認められなかった。抗議の意を示しても、覆ることはない。前半はスコアレスで終了した。



ビジタースタンドを埋め尽くしたアントラーズレッドは、ハーフタイムも勝利への渇望を歌声に変えて戦い続けた。ピッチへ帰還した選手たちを鼓舞し、そしてともに戦う。最後の45分が始まった。



前半とは打って変わって、敵陣でのプレータイムを増やして攻勢をかけたのは鹿島だった。健斗が鋭い読みとプレスでセカンドボールを拾い続け、波状攻撃を仕掛けていく。48分、金崎が左サイド深くから中央へ折り返すと、ペナルティーエリア右奥に走り込んだ伊東がトラップからシュート。しかし、相手GKに阻まれてしまった。52分には右サイドの背後を取った土居の折り返しに金崎が飛び込んだが、枠を捉えることはできなかった。55分にもセカンドボールを拾ったレオが強烈なミドルシュートを放ったが、相手GKの正面を突いてしまった。







0-0のまま、60分が経過した。次第にスペースが空き始めてオープンな展開となっていく。磐田にセットプレーを与える場面も多くなったが、カウンターから敵陣ペナルティーエリアへ迫るプレーが増えていったことも事実だった。70分にはレアンドロが敵陣(中央)を縦へ突破したものの、シュートまで持ち込めず。76分、大岩監督は2枚目の交代カードに鈴木を指名。背番号9は左サイドを主戦場とし、身体を張ったポストプレーで起点を作った。



とにかくゴールを奪わなければならない。78分には金崎がペナルティーエリア内で反転し、強烈なボレー。しかし、相手GKの正面を突いた。81分にはカウンターからレアンドロがペナルティーエリア右奥へ突破。鋭い切り返しから左足で狙ったものの、枠を捉えることはできなかった。





大岩監督は82分、ペドロをピッチに送り出して得点への望みを託す。86分には伊東のクロスに山本が飛び込んでダイビングヘッドを放ったが、無情にも枠を越えた。最終盤は植田を前線に上げたパワープレーも敢行。しかし、最後の最後まで目的を果たすことはできなかった。

0-0で試合終了。最終節で首位の座を明け渡し、追い求め続けたものを手にすることはできなかった。勝ち点72、得失点差で2位。2017シーズンは無冠で終了した。







【この試合のトピックス】
・勝ち点72はクラブ最多記録タイ。前回は2007年だった。


監督コメント

[ハーフタイム]
鹿島アントラーズ:大岩 剛
・一人一人のボールを持っている時間ぎ長いので、もっとシンプルにボールを動かそう。
・相手の嫌がる位置、もっとバイタルでボールを受けること。
・あと45分、お互い声を掛け合って、やるべきことを思い出そう。

ジュビロ磐田:名波 浩
・セカンドボールを取った後、前選択とサイドチェンジを意識すること。
・守備は常時最終ラインの背後を意識してケアすること。


[試合後]
鹿島アントラーズ:大岩 剛
非常に悔しい気持ちでいっぱい。ヤマハスタジアムまで来てくれたサポーターの皆さんには非常に感謝している。勝利を届けられず、責任を感じている。この悔しさを次につなげようと、選手たちにも話した。選手は非常によく頑張って戦ってくれた。彼らを勝たせてあげることができなかった。私自身の経験不足を痛感している。

Q. 西選手の負傷で交代枠を使ったが、ゲームプランへの影響は?

A. 彼は我々のキープレーヤー。彼の負傷が痛かったのは確か。しかし、その後、伊東やそのほかの選手が非常に戦ってくれて、前半の磐田の圧力にも決して下がらずにやってくれた。後半は特にアグレッシブにやってくれていたので、交代が痛かったのは確かだが、選手たちは非常によくやったと感じている。

Q. 川崎Fの状況をどのように把握して、選手たちに伝えていたか?

A. まったく情報は入れていない。選手にも伝えていない。まったく影響はなかった。

Q. シーズン途中での監督就任となったが、難しさを感じていたか?

A. 今、冷静になって考えることはできないが、就任以来、攻守ともにアグレッシブにやっていこうと話して、やってきた。選手も勢いをもってやってくれて、それが得点数にも表れていた。選手たちも自信を持ってやっていたと思うが、最後の2試合でなかなかうまく力を出してあげることができなかった。そこに、私自身の力のなさを感じている。もっとバリエーションだったり、選手起用によって変化を与えたりして、得点への形をたくさん作りだすことができなかった。


ジュビロ磐田:名波 浩
ここ最近のゲームでは、我々が先に点を取ると相手が前から出てきてバランスを崩してくれる試合があった。60分、70分まで我慢しようというゲームが続いていたが、アントラーズは逆に80分過ぎから、ものすごい圧力と我慢強さを発揮するチーム。どこで攻撃的にシフトするかが非常に難しいゲームだった。西がいたら難しいベンチワークになったかもしれないが、実は我々も俊輔(中村選手)から前半の20分過ぎぐらいに左のふくらはぎが張ってきたと訴えがあり、早々に何人かをアップさせていた。川辺は交代する7分ぐらい前から足がつっていた。その2分後に小川も足がつり、少し難しいシステムチェンジのタイミングになってしまった。ゲームとしては、球際、そしてセカンドボールが拾えていた前半と、逆にそこで負けてしまった後半。アグレッシブな90分ではあったと思うが、かたよるという意味では、前半我々のゲーム、後半はアントラーズのゲームだったと思う。前半は圧力をかけて深い位置までボールを運ぶことができた。シュートまでいけていたので、あそこで1本決めていれば、相手のゲームプランをぶちこわすという意味でも、我々のゲームになったのかなと思う。来シーズンはより自信を持って戦いたい。今年以上のチームができればと思っている。


選手コメント

[試合後]

【遠藤 康】
プレッシャーの中でも良い仕事をして、その中で勝ち続けるのがアントラーズの選手としての使命。磐田の守備に手こずったのはが自分たちの弱さ。今日はどうしても勝ちたかった。

【昌子 源】
今は何と言えばいいかわからない。勝ちに来ていたので、川崎Fの途中経過は関係なかった。今日の試合は、あまり思い出すことができない。

【土居 聖真】
言葉にすることが難しい。何も残らない。悔しさしか残らない。チーム全員で招いてしまった。今は何も考えたくない。「これがあったから」というサッカー人生にしたい。

【鈴木 優磨】
自分がチャンスをもらったのに決められなかった。自分に対して腹が立つ。今は冷静に考えられない。この悔しさを必ず次につなげたい。


2017明治安田生命J1リーグ 第34節

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