日刊鹿島アントラーズニュース

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2022年7月5日火曜日

◆綺世は大学時代からモンスターだった 法政大時代の恩師・長山一也氏が語る凄さ(スポニチ)






 今季も相手サポーターから「理不尽」と恐れられたパワーショットを何度も決めた日本代表FW上田綺世(23)は大学時代から“モンスター”ぶりを発揮していた。11月開幕のW杯カタール大会でもメンバー入りが期待される若きストライカーはフィジカルだけではなく、練習に取り組む姿勢も怪物級。法大時代に指導した長山一也氏(40)に“ニュー・モンスター”の原点を振り返ってもらった。

 水も漏らさぬ鉄壁の布陣を敷いても、規格外の一発で試合を決める。相手サポーターから「理不尽」とも呼ばれる上田は大学時代から異次元の存在だった。成長を見守ってきた長山氏はいう。「綺世のシュートは外国人選手並み。指導して教えられるものじゃない。大学サッカーの枠には収まりきらない選手だった」と振り返る。

 怪物のベースとなるのは、やはりフィジカルだ。今でこそ1メートル82、76キロと日本代表FW陣の中でも一、二を争う体格の持ち主だが、鹿島の下部組織に所属していた中学時代には線が細いこともあってユース昇格を見送られたほどだった。ただ、当時の上田を診断したドクターは「筋肉は付きやすいタイプ。肉体的には良いものを持っている」と非凡な能力を認めていた。

 長山氏が上田のフィジカルの強さに舌を巻いたことは何度もあるが、最初は入学前。法大の練習試合で年上の大学生の頭上から強烈なヘディングシュートを決めた場面だ。「あれを見て獲得を決めました」と振り返るほど、高校3年間で成長した上田は、か細い少年ではなかったという。

 今季Jリーグで何度も見られた「理不尽ミドル」の原型は1年の17年総理大臣杯決勝にさかのぼる。後半22分、劣勢の中でも距離があったにもかかわらず放った一発が決勝点に。入学直後から体力測定でチームトップの数値を叩き出した逸材は、一振りで試合を決められるエースとなった。「日本人離れした内転筋の強さもあると思うが、シュートが綺世の強さ。フリーキックも裏抜けもある。得点に特化しようと努力していた」と感じた。

 練習の虫ならぬ、練習の“モンスター”でもあった。全体練習後にはほぼ毎日、後輩を引き連れてシュート練習に明け暮れた。ただのシュート練習ではなく、ボールを受ける体の向きや足の振り方など実戦を想定して細部にこだわった。長山氏は練習の鬼となった上田に目を丸くしていたというが「プロでもそこまでやらないくらい、居残り練習のレベルを超えていた。それがシュートのバリエーションにつながっている」とみている。

 ケガからの回復力も常人のそれを凌駕(りょうが)するモンスター級だ。18年全日本大学選手権では上半身をケガしていたが、30分限定で優勝に貢献。東京五輪は直前に肉離れしたが、ぎりぎりで戦列復帰した。「時間限定でも仕事してくれる。普通の選手なら間に合わない」と笑う。

 日本を代表する点取り屋となった男は今季J1トップの10得点を挙げベルギー1部セルクル・ブリュージュへ新天地を求めた。W杯のメンバー入りも期待される上田には常々「世界で戦える選手になろう」と伝えていたという長山氏は「日本人にこんな凄いストライカーがいることをゴールで証明してほしい」と怪物が世界で大暴れすることを期待している。

 ◇長山 一也(ながやま・かずや)1982年(昭57)4月1日生まれ、鹿児島県出身の40歳。山梨・帝京三高から法大に進学し、MFとして活躍。卒業後はJFLアローズ北陸に加入し、10年にJ2富山で現役を引退した。14年から法大サッカー部監督に就任し、総理大臣杯などのタイトルを獲得。現在は同部アドバイザーで、JFAのS級公認コーチのライセンス取得に向けた養成講習会を受講している。

 ◇上田 綺世(うえだ・あやせ)1998年(平10)8月28日生まれ、水戸市出身の23歳。茨城・鹿島学園高から法大へ進学。19年夏に法大サッカー部を退部し、前倒しで鹿島へ加入した。5月29日のFC東京戦でクラブの日本人選手として26年ぶりとなる3年連続2桁ゴールを達成。今年2月にはモデルの由布菜月(24)と結婚を発表した。昨年は東京五輪にも出場。日本代表では9試合0得点。1メートル82、76キロ。利き足は右。





◆綺世は大学時代からモンスターだった 法政大時代の恩師・長山一也氏が語る凄さ(スポニチ)





◆これぞ伝統の力。鈴木優磨のふたつのプレーに鹿島の勝負強さを見た(サッカーダイジェスト)






鈴木の鋭い勝負勘が垣間見えた

 敵将のネルシーニョ監督が「良いゲーム内容だった」と胸を張る試合だったが、結果は鹿島アントラーズが柏レイソルに2-1で勝利。最大の立役者はFWの鈴木優磨だろう。

 前半アディショナルタイム、自陣の左サイドでCBのキム・ミンテがボールを持った瞬間、対角の敵陣右サイドにいた鈴木は膨らむ動き出しで斜めのロングフィードを呼び込む。助走をつけた甲斐もあって相手DFに競り勝ち、ヘディングで土居聖真のチャンスを演出した。この決定機は相手GKに阻まれたがCKを獲得し、樋口雄太のアシストからキム・ミンテが先制点を決めている。

 63分に同点に追いつかれ1-1で迎えた82分にも、鈴木は左サイドでスローインを受けてファーストタッチでペナルティエリア内に侵入し、対峙した相手DFのファールを誘ってPKを獲得した。これをエヴェラウドが決め、勝ち越しゴール奪取に大きく貢献している。

 柏に14本のシュート(鹿島は8本)を打ち込まれた劣勢のゲームで、鈴木の勝負強さは圧巻だった。前半アディショナルタイムのヘディングは、相手の守備が緩慢になった一瞬の隙を見逃さない嗅覚もさることながら、勝てばチャンスにつなげられる空中戦で力強く戦った姿も印象深い。

 82分のPK獲得シーンも、選手交代で相手の守備陣がわずかにフワっとした瞬間であり、ペナルティエリア内にグッと入り込んだ強引な持ち運びが素晴らしかった。どんなゲーム内容でも、勝利を手繰り寄せる重要局面はあり、ふたつのプレーに鈴木の鋭い勝負勘が垣間見えた。

 とはいえ勝負強さとはデータなどで可視化できるものではないので、何が源となって養われるのか分かりづらいものでもある。勝ち続けてきた男にしか身につかない感覚なのだろうから、鹿島で多くのタイトル獲得に貢献してきた名良橋晃氏に以前、平瀬智行氏とのレジェンド対談企画にて、「鹿島がJクラブ最多の20冠を獲得できた要因は?」と聞いたことがある。

「目には見えないけど、鹿島の練習場にはピリっとした“空気感”があります。そういう緊張感を伝統として受け継いできました」

 どれほどの空気感なのか、対談相手の平瀬氏は「練習に行きたくないと思うほどのピリピリとした異常な雰囲気。怖すぎました」という。伝統は鈴木に継承されているのだろう。柏戦で勝利を手繰り寄せたふたつのプレーは、日々のトレーニングで徹底的に勝負にこだわっているからこそ、成せる大きな働きだったはずだ。


自らが獲得したPKをエヴェラウドに譲った理由も最高だった




 また、リーグの覇権を奪還するためには、柏戦での鈴木の活躍はかなり大きかっただろう。得点ランキングトップの上田綺世が海外移籍で退団したあとのファーストマッチで、63分に同点弾を奪われて逆転されてもおかしくない流れのなかでのPK獲得。直後に鈴木は鹿島サポーターの目の前で力強いガッツポーズを見せ、客席を煽る。「鈴木がいれば鹿島は沈まない」と強く印象付けられたワンシーンだった。

 そして鈴木は自らが獲得したPKをエヴェラウドに譲った。その理由もまた最高だった。

「エヴェラウドにかかる期待はすごく大きい。鹿島に復帰したなかで、個人的な目標としてもエヴェをもう一度復活させるのは自分のなかで大きなミッションでした。綺世も素晴らしい選手ですけどエヴェも負けないくらい素晴らしい選手。今日、僕が決めて勝つのとエヴェが決めて勝つのだったら、みんながエヴェのゴールを待っているし、みんなが彼の復調を待っているので、彼が蹴って自信を取り戻してほしいという思いで譲りました」

 リーグ優勝を絶対目標にしているからこそ、今後も見据えた判断だったのだろう。試合後に鈴木は「シャー!」と大きく声を上げた。勝利の雄たけびは、柏戦がタイトルレースにおいて重要な一戦と捉えていたからだろうか、三協フロンテア柏スタジアムの夜空にかなり大きく響いていた。

取材・文●志水麗鑑(サッカーダイジェスト編集部)




◆これぞ伝統の力。鈴木優磨のふたつのプレーに鹿島の勝負強さを見た(サッカーダイジェスト)








◆【E-1メンバー予想 鹿島アントラーズ編】今こそ鈴木優磨をサッカー日本代表に招集すべき!!新CBや長友佑都や中山雄太のライバル候補の招集を【図表】(サッカー批評)






 EAFF E-1サッカー選手権2022が2022年7月19日から27日にかけて日本で行われる。森保一監督は国内組の招集を明言しており、ワールドカップ本番前に新戦力の発掘が期待できる。

 今回は、鹿島アントラーズで招集される可能性のある選手4人を選出した。


■闘志むき出しのFW


 今こそ鈴木優磨を日本代表に招集するべきだろう。Jリーグで一番点を取っている上田綺世がベルギー1部のサークル・ブルージュへの移籍が決定。そのそのトップスコアラーの招集がなった今、ベルギー帰りのストライカーが日の丸のユニフォームに袖を通すべきかもしれない。鈴木は、2018年のキリンチャレンジカップを負傷で辞退して以降、代表招集はない。今回も森保監督が招集する可能性は低いかもしれない。

 それでも今季のJリーグで見せているプレーは、そして6得点を取っている実力は、今回のEー1で呼ばれるにふさわしいものだろう。闘志むき出しで向かってくる鈴木の泥臭さは、今の代表をさらに力強くするだとう。それだけではなく海外で培ったフィジカルの強さ、ワンタッチシュートのうまさ、シュートのバリエーション、そして、状況を見てのチームのために動ける姿など、招集すべき理由は多くある。

 センターフォワードの位置は、負傷している大迫勇也やベルギー移籍が決まった上田、海外組の古橋亨梧などライバルが多いが、是非とも代表のCF争いをさらに活性化させてほしい。果たして、鹿島が誇る点取屋はメンバーリストに名前が載るだろうか。


■樋口は日本代表ではIHで起用か


 樋口雄太も鹿島から日本代表に招集してほしい選手の一人だ。流れを見極めてゲームを組み立てる能力が高い樋口は、司令塔という言葉がとにかく似合う。鹿島ではボランチの位置でゲームを作りながら、いざという時はゴール前まで飛び込んでチャンスメイクに参加し、さらには自らゴールを奪うこともできる。強烈なミドルシュートもあり、少し離れた位置からでもゴールを狙える。

 今季からサガン鳥栖から加入となった樋口だが、常勝軍団・鹿島で主力に定着。ここまで公式戦26試合に出場2得点10アシストを記録している。シーズン中盤ですでにアシスト数を二桁に乗せている事実を見れば、樋口がいかにチャンスメイクが得意かが一目瞭然。7月2日に行われたJ1リーグ第19節柏レイソル戦ではCKから正確無比なキックでキム・ミンテの移籍後初ゴールをアシストした。樋口は、セットプレー時の新たなキッカー役となる可能性も秘めている。

 樋口を4-3-3に当てはめるとすれば、IHが有力だろう。あるいは、新たなアンカー像を構築できるかもしれない。そう考えると、日の丸の中盤で発揮しそうなユーティリティさは武器になる。

 今季の鹿島で新境地を開拓しているのが三竿健斗だ。本来のポジションはボランチながら、今期はCBで出場を重ねている。もともと守備にも定評のある三竿は、1対1の守備で勝つことを求められる鹿島でさらに対人が強くなったようにも見られる。ピトゥカと樋口のコンビが中盤の底で躍動する今期の鹿島で、三竿は1列ポジションを下げることとなった。すると、最終ラインで対人の激しさとともにボールの配給役としても機能している。


■鹿島から複数選手を呼ぶ可能性


 日本代表でも過去には、阿部勇樹氏や今野泰幸などボランチとCBの両方で出場していた。今期の三竿はCBでプレーする試合が多いが、7月2日の柏レイソル戦では9試合ぶりにボランチとしてプレー。中盤と最終ラインの両方でプレーできることを改めて証明した。ボランチとCBの両方でプレーできる選手は、代表では板倉滉がいる。アンカーでもプレーできる三竿は遠藤航と競争させても面白い。ワールドカップ本番前に代表でも計算できる選手にまでなれるかどうか注目だ。

 現在27歳の安西幸輝は左サイドバックのポジション争いをうかがうかもしれない選手だ。そのプレースタイルは、積極果敢な攻撃参加から鋭いドリブル突破や的確なクロスを供給できるサイドバックである。海外経験もあり、さらに日本代表経験もあるこのサイドバックは、森保監督がEー1で目をつけてもおかしくない。日本代表の右SBとして活躍した内田篤人氏が背負っていた背番号2をつけ、約9か月ぶりの代表復帰となるだろうか。

 現時点で、クラブからの招集人数の縛りやレギュレーションは分かっていない。しかし、鹿島からは複数の選手が呼ばれてもおかしくないだろう。




◆【E-1メンバー予想 鹿島アントラーズ編】今こそ鈴木優磨をサッカー日本代表に招集すべき!!新CBや長友佑都や中山雄太のライバル候補の招集を【図表】(サッカー批評)





◆鹿島FWエベラウド PKを譲り受けた鈴木優磨に直接お礼 「彼の姿勢が我々の考えを代表している」(報知)






 鹿島のFWエベラウドが4日の練習後、オンライン取材に応じ、2日の柏戦でPKを譲り受けたFW鈴木優磨に「直接お礼を申し上げた」と明かした。1―1で迎えた後半36分、今季初ゴールとなるPKを決め、勝利に貢献。ベルギー1部サークル・ブリュージュに移籍したエースFW上田綺世不在となった初戦を白星で飾った。

 鈴木の行動を、エベラウドは「全員がチームの一員であり、チーム力が問われる(試合だった)。そういう意味で彼の姿勢が、我々のチームを代表しているのではないか。個人のエゴではなく、一人ひとりを上昇させることが我々の考え」とくみ取ったという。個人としても、この今季初ゴールを「多くの得点のスタートになれば」「(2020年に記録した)18得点6アシストのエベラウドに戻すことを最大限やらなくちゃいけない」と誓った。

 この先、気温の上昇が見込まれ、リーグ、天皇杯と連戦となる。「どこかのタイミングで今出ていない選手も必要になってくる。全員で力を合わせて、手をつなぎ、勝利を手にすることができればと思います」。次戦はホームのC大阪戦(6日)。「(首位の)横浜FMに引き離されないためにも勝ち点3を手にしなければならない」と見据えた。





◆鹿島FWエベラウド PKを譲り受けた鈴木優磨に直接お礼 「彼の姿勢が我々の考えを代表している」(報知)


◆【番記者の視点】上田移籍の鹿島が団結の1勝 助っ人の2得点に「居場所を作る」伝統を見た(報知)






◆明治安田生命J1リーグ▽第19節 柏1―2鹿島(2日・三協フロンテア柏スタジアム)

 彼らがどんな時間を過ごしてきたかが、伝わってきた。CKから先制点を決めたDFキム・ミンテはチームメートから祝福を受け、ベンチ前でレネ・バイラー監督と強く手を合わせた。鈴木優磨からPKを譲られたFWエベラウド。左に勝ち越し点を突き刺すと、ベンチを含めて駆け寄った全員から笑みを向けられた。ともに19節目にして今季初得点。助っ人としては遅いくらいだ。

 ミンテは開幕当初、ミスを連発し、先発から外れた。ただ、ベンチからピッチへ向かう彼のダッシュは点差に関係なく、いつもハツラツとし、見ている側の気持ちまで前向きにさせた。昨年から体調不良に悩まされたエベラウドも復帰後は、大きな体でボールを追う姿が印象に残る。出場機会の少ない彼らは練習でも同じ姿勢で、チームの空気を引き締めることに一役買っていたことは言うまでもない。

 2人の得点後の光景を見て、内田篤人さんの言葉が思い出される。「鹿島っていうチームは、どんな人にも居場所を作ってあげる。(自分からは居場所を作りにくい)静かな人、試合に絡めない人にも居場所がある。それぞれの良さを認めるっていうことだと思う」。実際の効果までは言わなかったが、プライドを持つ助っ人が出番がなくとも「チームに貢献したい」と思うことと、無関係には思えない。

 今季10得点をたたき出した上田綺世は、ベルギー1部のサークル・ブリュージュへ移籍が決まった。上田不在でもやっていけるか、を内外に示す必要があった柏戦。PKを譲った鈴木は「綺世が抜けた今、エベラウドにかかる期待は、すごく大きい。エベが決めて勝った試合だったら(次への力が大きくなる)。みんながエベのゴールを待っていた」と言った。今も「居場所を作る」伝統が引き継がれていることを示す1シーンだ。

 「(先発できず)苦しい時期だったが、自分は絶対できると信じていた。腐ることなく頑張ってきたことが、結果に表れたと思う。アントラーズには良い選手が多くいる。自分たちの力を出していくことができれば、タイトルに近づいていける」とミンテ。バイラー監督が策を講じ、上田に託していた責任を、他の選手が引き継ぐプレーをみせた。今後を見据えても、ただの1勝ではなかった。(鹿島担当・内田知宏)





◆【番記者の視点】上田移籍の鹿島が団結の1勝 助っ人の2得点に「居場所を作る」伝統を見た(報知)


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