2019年04月24日(水) 19:00キックオフ 県立カシマサッカースタジアム
【入場者数】7,193人 【天候】 曇、弱風、 気温18.2度、 湿度80.0% 【ピッチ】 全面良芝、乾燥
【主審】アリ・アルカイシ 【副審】アブドゥルハサン・アリ・ウバイディー 【副審】フセイン・アルウィンダウィ 【第4の審判員】ザイド・タメル・モハンメド
ACLグループステージ 第4節
後半に痛恨の失点。グループステージ突破は次戦以降に持ち越し
アントラーズは、明治安田J1第8節仙台戦から中3日で韓国の慶南FCと対戦した。前半からアントラーズは主導権を握れず、苦しい立ち上がりとなる。それでも、三竿と関川の急造CBコンビが慶南の攻撃をなんとか凌ぎ、スコアレスでハーフタイムを迎えた。後半に入ると、アントラーズが徐々に攻撃を仕掛けられるようになったが、63分に一瞬の隙を突かれて痛恨の失点を喫してしまう。その後、反撃に出たが、最後まで得点を奪うことは出来ず、0-1で敗北を喫した。
FC東京戦の惨敗から6日後、チームは仙台戦で再び自信を取り戻した。結果は1-0の完封勝利。指揮官がトレーニングで改善を要求していた「ボールを受ける位置」、「前線との関わり」、「攻守の切り替え」の3点を、ボランチの永木亮太とレオ シルバが見事に完遂してみせた。最終ラインも最後まで集中を切らすことなく仙台の攻撃に対処し、無失点に抑える。そして、決勝点は苦境に立たされていた犬飼が奪った。屈辱を晴らす会心の勝利。指揮官は選手への賛辞を惜しまなかった。
「前節から今節に向けて、非常にいい準備ができたなかでのゲームだった。特に中盤の選手にはいろいろな要望を出したが、前向きにやってくれたことがゲームに出ていた。クリーンシートで終えたことも非常に評価できる。本人たちは、非常に充実した90分だったと思う。しかし、これは最終ラインだけのことではない。全体がしっかり連動していたからの結果であり、そういうところが評価できるところだと思う」
仙台戦から一夜明け、チームは休む間もなく次なる戦いへの準備を進めた。慶南戦はここまで公式戦10試合連続で最終ラインを支えていた町田、犬飼が累積警告による出場停止で欠場する。苦しい事情の中、総力戦でアジアの戦いに挑まなければならない。
そして、迎えた決戦当日。キックオフ1時間前に注目の先発メンバーが発表された。ゴールマウスは我らが守護神クォン スンテが守る。町田、犬飼が欠場したセンターバックには、公式戦初出場となる関川、本職はボランチの三竿が入った。右サイドバックは3試合連続の先発出場となる小田、左サイドバックは安西が務める。ダブルボランチは、ACL第1節ジョホール戦以来の組み合わせとなる名古と永木。サイドハーフは右に遠藤、左に白崎、前線にはセルジーニョと金森が入った
前半立ち上がり、最終ラインがいきなりバタついた。3分、公式戦初出場の関川が中盤から戻されたボールの処理を誤ると、相手フォワードにボールを奪われて、独走を許してしまう。相手のミスに助けられ、失点には至らなかったが、関川としては肝を冷やす場面になった。
相手のミスで事なきを得たアントラーズの若き最終ラインは、徐々に落ち着きを取り戻していった。プレーが止まるたびに声を掛け合い、細かい部分の擦り合わせを重ねる。課題の立ち上がり、慶南の攻撃を無失点で抑えた。
しかし、前半は全体的に動きが重く、慶南の積極的なプレーに後手を踏む場面が目立つ展開となる。アントラーズはボールを握れず、主導権を奪えないまま時間が経過していった。最初の決定機が訪れたのは、前半アディショナルタイムに突入してからだった。攻撃参加を控えていた安西が、初めて左サイド深くまで突破してクロスを入れると、ゴール前で待つ遠藤がフリーで決定的なシュート。だが、ボールは大きく枠を超えてしまった。
このまま前半が終了。アントラーズは立ち上がりから相手に主導権を握られる展開となるも、最終ラインがなんとか相手の攻撃を凌ぎ、スコアレスでハーフタイムを迎えた。
後半に入ると、時間の経過とともにアントラーズが攻撃のリズムを掴んでいく。左サイドから楔のボールを入れ、落としたボールを再びサイドへ展開。少しずつ得点を予感させるプレーが増えいった。
そんな中、迎えた63分。アントラーズは一瞬の隙を突かれてしまう。左サイドからジョードン マッチにクロスを入れられると、邦本にファーサイドで上手く合わせられて痛恨の失点。警戒していたはずの邦本にまたしても得点を許してしまった。
反撃に出たいアントラーズは、白崎に代えて安部、遠藤に代えて山口を投入する。だが、選手間の距離が離れ、思い通りのテンポでボールが回せない。もどかしさが募る時間が続く。
すると79分、大岩監督は停滞した攻撃にアクセントをつけるべく、最後の交代カードを切る。ボランチの名古に代えて伊藤を投入。残り10分で逆転を狙う。
ゴール裏に詰めかけた背番号12が、後方からアントラーズの攻撃を後押しする。選手たちはそれに呼応するように攻勢を強めていった。
後半アディショナルタイムは3分。ペナルティエリア内に人数を集め、両サイドからクロスを入れて同点弾を狙ったが、ボールの精度を欠き、最後までゴールを奪うことは出来なかった。
このまま0-1で試合終了。ACLグループステージ突破はアウェイで迎える第5節ジョホール戦に持ち越しとなった。しかし、下を向いている時間はない。次戦はリーグ戦に戻り、中3日で迎えるアウェイ横浜FM戦だ。この悔しさを忘れず、必ずや勝ち点3を掴み取ろう。
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【この試合のトピックス】
・関川が公式戦初出場
・白崎がACL初出場
監督コメント
[ハーフタイム]
鹿島アントラーズ:大岩 剛
慶南FC:ギム ジョンブ
[試合後]
鹿島アントラーズ:大岩 剛
非常に残念なゲームになってしまった。関川や三竿は非常にいいパフォーマンスを見せてくれた。しかし、相手の守備を最後のところで崩すことができなかった。守備でも、攻撃でも、場面場面でもう少し改善が必要だと感じた。次のリーグ戦、ACLのグループステージに向けて、切り替えていきたい。
Q. いつもとは違うディフェンスラインだったが、どのようなところに注意していたか?
A. まさに急造のディフェンスラインだったが、守備というものは最終ラインだけではなく、ボランチ、中盤、フォワードから始まる。前線からしっかり相手のプレーを制限して、特長を抑えながら、全体がしっかりコンパクトに、コレクティブにプレーするように話した。その点は、非常によくやってくれたと思う。しかし、失点のシーンは自分たちのジャッジが悪かったと言わざるを得ない。しっかり改善することが必要。90分を通して、リスクマネジメント、ビルドアップ、組織的に守ること、そういったところはよくできていたと評価している。
Q. ポジティブに評価しているポイントは?
A. この試合に限らず、いろいろな状況のなかで送り出した選手たちが、アグレッシブさだったり、意欲的な部分を見せていることは非常に評価できる。急造であったが、関川にしても三竿にしても、非常に責任感あるプレーを見せてくれた。しかし、攻撃ではなかなか相手のウイークポイントを突くことができなかった。個人的な技術の面であったり、コンビネーションのところは、もう少し整理する必要がある。
Q. 関川選手にどんな言葉をかけて送り出したか?
A. 関川には、個人的にアドバイスをした。彼のポテンシャルを発揮するためには、あまり言いすぎてはいけないと感じて、ポイントだけ伝えた。それをサポートする三竿には、こと細かく伝えた。関川は非常によくできていたが、その後ろに三竿がいて、永木がいて、そういったサポートがあったからこそと評価している。
Q. 失点する直前に相手の選手交代があり、ポジションが入れ替わったが、予想されていたことだったか?
A. 相手の交代でポジションが変わることは分析済みだった。選手たちにも当然伝えていた。失点の場面は、人に対する味方同士のジャッジというものがおろそかになってしまった。もう少し緻密にやるべきだったと思うし、こちらの交代が遅かったと言われれば結果的にはそうなってしまった。そういったところは、しっかり改善したいと思う。
慶南FC:ギム ジョンブ
アントラーズはディフェンディングチャンピオンであり、アジアでの経験も豊富なチームだ。今日はセンターバックの選手に出場停止があったが、いい試合をされ、少し苦しい状況になった。そのなかで勝利できてよかったと思う。
選手コメント
[試合後]
【安西 幸輝】
ボールをもっとスムーズに回していかないと左から攻めていけない。すごくフラストレーションが溜まった。もっと一人一人が激しく戦わないと、ACLは獲れないと思う。
【金森 健志】
チャンスはあったし、そこで決めきる力をもっとつけないといけないなと思う。もっと安定した試合運びができればよかったし、ミスも全体的に多かった。細かいミスで、攻撃にいけなかった部分もたくさんあった。そこはチーム全体の課題だと思うし、ゴールまでの形をもっと増やしていかないといけない。
【白崎 凌兵】
向こうは慌てて前に出てくると思った。それを上手く掻い潜れることができればチャンスになると思った。その中で、自分たちのミスが多すぎたし、なかなかリズムも作れなかった。自分たちの距離感だったり、立ち位置だったりがもっとうまくできたと思う。
【名古 新太郎】
亮太君と健斗、郁万と相手の22番と80番の2人がキーになるので、1試合を通して自由にさせてないようにと話していた。守備のときは真ん中のスペースを空けないこと、攻撃のときはリスクマネジメントを心がけた。相手にボールを持たれる時間が長かったが、もっと自分がボールに絡んでピックアップしていかないといけない。それが今日の反省点。
【関川 郁万】
自分の強みであるヘディングの強さや高さを発揮できなかった。相手も自分より身長が低い選手だっただけに、悔しい。もっと声を出してリーダーシップを発揮することが課題。日々の練習で今日出た課題に取り組んでいきたい。
◆AFCチャンピオンズリーグ2019 グループステージ 第4節(オフィシャル)