日刊鹿島アントラーズニュース

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2015年9月3日木曜日

◆6連勝で首位を快走するアントラーズ。その強さは「本物」か(sportiva)


http://sportiva.shueisha.co.jp/clm/jfootball/2015/09/02/post_959/

浅田真樹●文 text by Asada Masaki 佐野美樹●撮影 photo by Sano Miki

 今季から2ステージ制が採用されたJ1リーグ。ファーストステージは浦和レッズが無敗で独走優勝を果たしたが、セカンドステージに入り、様相が一変している。

 浦和が思うように勝ち点を伸ばせずにいる一方で、ファーストステージでは不振だったクラブが巻き返しを見せているのだ。

 その筆頭格がセカンドステージで首位に立つ、鹿島アントラーズである。ここまで7勝1敗1分けの鹿島は、現在6連勝中と勢いに乗っている。



 ファーストステージで8位に終わった鹿島は、セカンドステージに入った当初も第3節までは1勝1敗1分けと、必ずしも巻き返しへ気勢が上がる状況にはなかった。潮目が変わったのは、セカンドステージ第4節FC東京戦だった。

 鹿島は前節で松本山雅に0-2で敗れたことを受けて、トニーニョ・セレーゾ前監督を解任。選手としてコーチとして、長らくクラブを支えてきた石井正忠監督を新たに据えた。当時を振り返り、DF昌子源(しょうじ・げん)は語る。

「監督交代はクラブ全員の責任だが、一番は選手の責任。不甲斐なかった」

 それだけに「僕ら選手が変わらないと意味がない」と昌子。「東京戦の前に選手だけで決起集会をやって、みんなで気持ちを入れ替えてやっていこうと話し合った」という。

 転機となる東京戦を苦しみながらも2-1で制すると、Jリーグ屈指の名門クラブは鮮やかに息を吹き返した。その後は、セカンドステージで首位を争うサンフレッチェ広島に1-0で勝利したのをはじめ、5戦全勝という急回復を遂げた。

 数字のうえでも変化は見える。ファーストステージでは1試合平均1.59点(17試合27得点)だった得点数は、セカンドステージに入り、同2点まで伸びた(9試合18得点)。大幅な得点力アップは好調の証である。特に最近の3試合は、3試合連続3得点という量産ぶりだ。

 だが、MF柴崎岳の見立ては少々異なる。23歳にしてチームの中心を担うボランチは、「普段からいい練習ができていることが、連勝を続けられる要因になっている」と言い、好調の理由についてこう語る。

「守備が安定してきて、失点も少ない。いい守備から攻撃につなげることができている」

 柴崎の言葉どおり、ファーストステージの鹿島は1試合平均1.47点(17試合25失点)を失っていたが、セカンドステージでは同0.89点(9試合8失点)まで失点を減らしている。石井監督就任後の6試合に限れば、同0.67点(6試合4失点)と、さらにその傾向が顕著になる。

 もともと、鹿島は伝統的に、攻撃力を売りにした派手な勝ち方をするクラブではない。水も漏らさぬ堅実な試合運びで勝ち点を重ねていくのが、鹿島の強さだと言っていい。

 確実に失点を1点以内に抑えたうえで、2点以上を取って相手を振り切る。総得失点数からも、鹿島らしい強さが戻ってきたことがうかがえる。

 6連勝を飾った第9節川崎フロンターレ戦でも、ボールポゼッションを高めた攻撃力を武器とする相手に対して、落ち着いた試合運びが目についた。石井監督は言う。

「川崎は中から攻めてくるので、外に追い込んでディフェンスしようと選手には伝えていた。自分たちの形で守備ができていたので、相手に攻められていても試合を支配して進めている実感はあった」

 結局、試合は2-0から1点を返されたものの、さらにダメを押しての3-1の勝利である。およそ5年ぶりとなる敵地・等々力での川崎戦勝利に、石井監督は「なかなか等々力では勝てなかったが、やっといい形で自分たちの戦いが表せた」と笑顔を見せた。

 見事にチームを立ち直らせた新指揮官について、その印象を「石井監督は選手に“やらせる”」と語る昌子は、こんなエピソードを明かした。

 第8節モンテディオ山形戦(3-0)でのことだ。前半、自分たちの守備が狙いどおりにハマっていないのを感じた昌子は、センターバックでコンビを組むDF植田直通と話し合い、4-4-2でスタートした布陣を4-2-3-1に変化させるよう他のチームメイトに伝えた。言わば、選手が勝手に戦術を変えたわけだ。

 だが、ハーフタイムに昌子がそう判断した理由を石井監督に伝えると、返ってきた答えは、「選手が(ピッチで起きていることを)感じてやっていけ」。

 昌子が語る。
「セレーゾ監督のときは外(ベンチ)からの指示を受けるだけで、僕ら選手から発信できていなかった」

 6連勝でセカンドステージ首位に立つ鹿島。とはいえ、際立って良化した成績とは裏腹に、ピッチに立つ選手の顔ぶれに大きな変化はなく、目新しい戦術が取り入れられたわけでもない。システムこそ、前監督が主に用いた4-2-3-1から鹿島伝統の4-4-2に変わったものの、好調の要因として目に見える劇的な変化を見つけるのは難しい。

 それでも、シーズン途中の監督交代という劇薬を投与されたことで、選手たちの“内側”には明らかな変化が起きている。そして、それが短期間で鹿島らしい強さを呼び戻すことにつながったのは間違いない。石井監督は言う。

「連勝のことは考えず、ひとつひとつ、次の試合に勝つことだけを考えている。(6連勝は)それが、6つ重なったということ」

 手堅く淡々とゲームを進めながらも勝負どころは見逃さず、確実に相手を仕留める――。嫌らしいほどに強い鹿島が戻ってきた。

◆FC東京、終盤に中島が同点弾…好調鹿島との第1戦はドローに持ち込む(サッカーキング)


http://www.soccer-king.jp/news/japan/ync/20150902/346233.html


同点弾を決めたFC東京の中島翔哉(右)[]=瀬藤尚美


 2015Jリーグヤマザキナビスコカップ準々決勝第1戦が2日に行われ、FC東京と鹿島アントラーズが対戦した。

 J1でここ5試合無敗をキープするFC東京。対して鹿島はJ1で6連勝中と好調チーム同士の対戦となった。両チームの今季の対戦成績は鹿島が2戦2勝している。また、FC東京はDF森重真人とDF丸山祐市が、鹿島はMF柴崎岳が、ロシア・ワールドカップ・アジア2次予選に臨む日本代表メンバーに招集されたため不在。さらにFC東京はFWネイサン・バーンズもオーストラリア代表に選出され欠場している。

 開始1分、ファーストショートはFC東京。ペナルティエリア前中央から橋本拳人が右足を振り抜くと、シュートはゴール左隅に飛ぶが、GK曽ヶ端準に反応され弾き出された。一方の鹿島は11分、左CKの流れから、こぼれ球に反応したエリア内中央の山村和也がダイレクトでシュートを放つが、相手選手に当たり枠を捉えられない。

 すると15分、ホームのFC東京が先制する。左サイドの太田宏介がアーリークロス。ピンポイントのボールに河野広貴が頭で合わせると、ループ気味のシュートはゴール右隅に吸い込まれた。追い付きたい鹿島だったが、19分にアクシデント発生。昌子源が負傷しピッチに座り込むと、そのまま20分に青木剛と交代になった。

 鹿島は22分、味方の折り返しに、エリア手前中央の西大伍がダイレクトでシュート。これは相手選手にブロックされ、セカンドボールに小笠原満男が再びダイレクトで右足を振り抜くが、シュートは枠を捉えられずゴール左に外れた。FC東京は24分、中島翔哉がエリア手前左から右足を振り抜くが、シュートは曽ヶ端にセーブされる。

 前半終了間際の43分、鹿島に同点ゴールが生まれる。左サイドでパスを受けた山本脩斗が相手選手を1人かわして、エリア内左に侵入し折り返す。ニアサイドに飛び込んだ赤崎秀平が合わせて、ゴールネットを揺らした。さらに前半アディショナルタイムの46分、味方の折り返しに反応した赤崎が、ダイレクトでシュートを放つが、クロスバー上に外れた。その直後、FC東京は河野がエリア内左に抜け出して左足でシュートを放つが、右ポストに弾き返され、ゴールとはならなかった。前半は1-1で折り返す。

 後半に入って勝ち越しに成功したのは鹿島。61分、ダヴィからのパスを受けた遠藤康がエリア手前右で、左足を振り抜くと、シュートは枠の右上隅に突き刺さり、ネットを揺らした。直後の62分、FC東京は左サイドからのクロスに橋本が頭で叩きつけると、シュートはゴール左隅を突くが、GK曽ヶ端の好セーブに阻まれた。そして63分、FC東京は前田遼一を下げて、平山相太を投入した。

 ホームで負けられないFC東京は終了間際の88分に追いつく。右サイドからのクロスに、ファーサイドへ走り上がったいた中島が、ダイレクトで左足を振り抜くと、シュートはゴール右隅に突き刺さった。

 試合はこのまま終了。ホームのFC東京は終了間際に同点に追いつき、鹿島と2-2の引き分けに終わった。

 第2戦は6日に、鹿島のホームで行われる。

【スコア】
FC東京 2-2 鹿島アントラーズ

【得点者】
1-0 15分 河野広貴(FC東京)
1-1 43分 赤崎秀平(鹿島)
1-2 61分 遠藤康(鹿島)
2-2 88分 中島翔哉(FC東京)


◆奈良の守備に決定機を阻止された鹿島MF中村「あそこで自分で行ける力を付けないと」(ゲキサカ)


http://web.gekisaka.jp/news/detail/?171052-171052-fl

[9.2 ナビスコ杯準々決勝第1戦 F東京2-2鹿島 味スタ]

 この試合の分かれ目になったと言えるだろう。鹿島アントラーズが2-1でリードして迎えた後半39分の場面だ。鹿島は右サイドからMF土居聖真がクロスを入れる。PA内でMF中村充孝がボールを受けると、背後からF東京のDF奈良竜樹に手で引っ張られる形で止められた。これによって中村はシュートを打てなかったが、主審のホイッスルは鳴らず。鹿島はベンチが総立ちになり判定に不満を示したが、プレーは続行された。

 仮にPKが与えられていて、仮に3点目のゴールが決まっていたら、鹿島は勝利に近づいていただろう。3つ目のアウェーゴールという点でも、準決勝進出に向けて大きな意味を持ったはずだ。だが、1点差のまま試合は続き、鹿島は試合終了間際、中島翔哉に得点を決められて2-2に追い付かれた。

 興味深いことに、シュートを打てなかった中村、結果的に好守備となった奈良は、ともにこの場面について反省の言葉を残している。中村は「ゴール前で何回チャンスがあっても決められなかったら意味がないので練習します」と言い、後半39分の場面について聞かれても、一瞬、答えに詰まってから「あそこで自分で行ける力を付けないと、上では残って行けないので頑張ります」と、あくまで自分のプレーを反省した。

 一方、対応する側だった奈良は、中村に侵入を許した自分のミスを挽回するためのプレーだったと説明する。すでにイエローカードを一枚受けていたが、「イエローを何枚もらっていたとか、自分がどういう状況だとかは考えていなかった」と言い、その時の思考を説明する。

「あの瞬間に中村選手が、どうしたらあのシュートを外すかしか考えていませんでした。その結果、ああいうプレーになりました。あのプレーがファウルか、ファウルじゃないかというのは、みなさんの判断に任せます。僕の対応のミスで、あの状況をつくったことは反省点です。その後、ああいうプレーになったことは、結果的に失点しなかったですし、僕としては何かプレッシャーをかけて『シュートを外してくれ』という気持ちだったので、そこについて考え過ぎることはないかなと思います」

 ポイントは違うものの、一つの場面から自身の成長の必要性を口にした両選手。4日後の第2戦では、2人の駆け引きを見るのも面白いポイントになるかもしれない。

(取材・文 河合拓)

◆F東京の弱点を突いた鹿島FW赤崎「ニアに弱いという情報があった」(ゲキサカ)


http://web.gekisaka.jp/news/detail/?171050-171050-fl

[9.2 ナビスコ杯準々決勝第1戦 F東京2-2鹿島 味スタ]

 狙いのハマった同点ゴールだった。1点ビハインドの前半43分、鹿島アントラーズはCKの流れの中からFW赤崎秀平がゴールネットを揺らした。左サイドをDF山本脩斗がドリブルで突破して深い位置まで侵入する。そこから低く、早いボールをゴール前に送ると密集の中でゴールの嗅覚を示した赤崎がゴールネットを揺らした。その後、鹿島は追加点を挙げて一度は逆転するものの、FW中島翔哉に同点ゴールを許して2-2で引き分けた。

 1ゴールという結果を残した赤崎だが、満足はしていない。「勝っている状態で3点目を取るチャンスがあったので、そっちの方が(印象に強い)。そこをしっかり決めていれば終わっていた試合なのかなと思います。ここ(アウェー)で勝てれば本当に大きな勝利になっていたし、全員そのつもりでやっていました」と、悔しさを前面に出した。

 同点ゴールについては、チームの分析がうまくいっていたことを明かす。「相手がクロスから失点が多いことは、データで試合前から言われていました。なおかつニアに弱いという情報があったので、そこは逃さずに入りました」。

 切れ味鋭いドリブル突破からアシストをした山本も「クロスからの得点が多いのが(FC東京の)特徴でもありますし、実際にそれで失点してしまいました。でも、逆に失点も多いというのは情報としてあったので、そこはチームとして意識していました」と、同調する。そして、アシストのシーンについては「相手が来るのは分かったので、うまく股を通せました。最後あそこしかコースがなかったので、見えてはいなかったのですが『誰か来てほしいな』と思って蹴ったら、秀平がうまく入って来てくれてよかったです」と、分析を結果につなげられたゴールを振り返った。

 このゴールを含めて、アウェーで2ゴールを挙げた鹿島。第2戦に向けては、アドバンテージを得たと考えられる。それでも赤崎は、「引き分けで満足している選手は、うちにはいないと思う。全員悔しい想いを持っている。次、ホームでしっかり勝てるように、少ない時間ですけど、しっかり準備をしたい」と、あくまで勝利にこだわる姿勢を見せた。

 山本はもう少し慎重だが、やはり勝利にこだわる姿勢を見せた。「アウェーで2点取れたのはプラスです。追いつかれましたが、そこはプラスに捉えていきたい。もちろん勝つことを前提に、勝利を狙いながら、最悪1-1、0-0でも準決勝には行けるので、勝つことを最優先に考えながら、そのときの展開に応じて戦いたい」と、中3日で迎える第2戦について語った。第2ステージ、リーグ戦でも7勝1分1敗と好調の鹿島は、ピッチ内外でチームの意思を統一して、2012年以来のナビスコ杯制覇を目指す。

(取材・文 河合拓)

◆鹿島 敵地でもったいないドロー…後半43分に同点弾許す(スポニチ)


http://www.sponichi.co.jp/soccer/news/2015/09/03/kiji/K20150903011055570.html

FC東京戦の後半、2点目のゴールを決め、サポーターの声援に応える鹿島・遠藤

 ナビスコ杯準々決勝第1戦の4試合が各地で行われ、最多5回の優勝を誇る鹿島はアウェーでFC東京と対戦し、2―2で引き分けた。0―1の前半43分に同点に追いつき、後半16分にいったんは勝ち越したが、同43分に同点弾を許した。ベスト4を懸けた第2戦は6日に行われる。

 あと一歩のところでアウェー勝利を逃した。前半15分に右サイドを崩されて先制を許したが、同43分にDF山本の突破からFW赤崎が決めて追いつき、後半16分に遠藤が左足で決めて勝ち越し。それでも後半43分に追いつかれて引き分けで終了。就任以来続いていた公式戦の連勝が6で止まった石井監督は「最後は相手の反撃に対応できなかったけど。敵地で得点を取れた。すぐに第2戦があるので準備したい」と話した。

◆鹿島、終盤に引き分けに持ち込まれ6連勝で止まる/ナビスコ杯(サンスポ)


http://www.sanspo.com/soccer/news/20150902/jle15090222350004-n1.html

後半、2点目のゴールを決め、サポーターの声援に応える鹿島・遠藤=味スタ

 ヤマザキナビスコ・カップ準々決勝第1戦(2日、FC東京2-2鹿島、味スタ)鹿島は石井監督の就任以来続いていた公式戦の連勝が6で止まった。終盤に引き分けに持ち込まれ、監督は「最後の高さを生かした攻撃に対応できなかった」と悔やんだ。

 先制された後に追い付き、一時は勝ち越した。指揮官は「アウェーの2点は大きい」と前向きに捉えたが、豪快なミドルシュートで2点目を奪った遠藤は「勝てた試合だったと思う」と表情はさえなかった。(共同)

◆2015Jリーグヤマザキナビスコカップ 決勝トーナメント 準々決勝 第1戦(オフィシャル)


http://www.so-net.ne.jp/antlers/games/51692

ナビスコ決勝トーナメント 準々決勝 第1戦 vsFC東京

赤崎と遠藤がゴールも、勝ち切れず。鹿島、FC東京とアウェイでドロー。

3年ぶりの聖杯奪回へ、鹿島の初戦はドロー決着となった。ヤマザキナビスコカップ準々決勝 第1戦、FC東京とアウェイで対戦すると、開始15分に先制点を許したものの、43分に赤崎、そして61分に遠藤のゴールで逆転に成功。しかし終了間際の88分に同点弾を奪われ、2-2の引き分けに終わった。

鹿島は4日前、J1 2nd 第9節で川崎Fとアウェイで対戦し、3-1と快勝した。等々力陸上競技場で挙げた久々の勝利で、アウェイスタンドは歓喜に包まれた。これでリーグ戦6連勝とした鹿島は、2ndステージ首位を快走。勢いに乗ったまま、9月へと突入した。

リーグ戦はしばしのインターバルに入ったが、戦いは続く。3年ぶり、6回目のヤマザキナビスコカップ制覇へ、準々決勝第1戦の相手はFC東京だ。リーグ年間3位につける強敵とのアウェイゲームを、中3日で迎えることとなった。

川崎F戦の前日、「この試合でメンバー外になった選手にも、ヤマザキナビスコカップや天皇杯でチャンスがいつ来るかわからないから、準備をしていてほしい。チーム一丸で頑張っていかないといけない」と、選手たちに伝えた石井監督。総力戦と強調する指揮官の言葉に応えるように、選手たちは高い競争意識を示し続けた。試合2日前の紅白戦では、大幅に入れ替えたメンバーでの布陣もテスト。そして前日には、誕生日を迎えた赤崎を手荒く祝福し、最高の雰囲気でトレーニングを締めくくった。

川崎F戦からの先発メンバー変更は4人。日本代表に選出された柴崎が不在のボランチに、山村が入った。さらに2トップには、ダヴィと赤崎のペアが指名され、2列目の一角を中村が務める。その他、ボランチで山村とコンビを組むのは小笠原、右サイドハーフには遠藤が入り、最終ラインは右から、西とファン ソッコ、昌子、山本が並んだ。そして最後尾には、曽ヶ端が立ちはだかる。





久しぶりに、厳しい暑さに見舞われた味の素スタジアム。平日のアウェイゲームだが、サポートは強い日差しを受けながら、待機列を作って開場を待っていた。3年ぶりの大会制覇へ、強い思いを込めたチームコールがピッチ上へと降り注がれる。人数では劣っていても、その熱量と密度はホームチームを上回っていた。19時4分、熱烈なサポートを背中に受け、選手たちはキックオフのホイッスルを聞いた。

開始直後、鹿島は中盤でのボールロストからミドルシュートを打たれ、いきなりピンチを迎える。しかし、曽ヶ端が横っ飛びで弾き出して先制点を許さない。その後、立ち上がりはなかなか主導権を握れず、FC東京にボールキープを許す時間が続いてしまった。

すると15分、先制点はFC東京のものだった。右サイドから上げられたアーリークロスから、中央で河野に打たれたヘディングシュートがゴールへと吸い込まれてしまった。鹿島がアウェイでビハインドを負い、苦しい展開を強いられた。

1点を追う形になった鹿島に、さらにアクシデントが襲う。20分、昌子がセンターサークル内で倒れ込み、交代を要求。急遽、青木がピッチへと送り出された。右膝を痛めた昌子の離脱で、早くも交代枠を1枚使うこととなってしまった。





しかしここから、鹿島は盛り返していく。まずは22分、中村が敵陣左サイドを突破し、マイナスのクロス。走り込んでいた西のシュートはブロックされたが、両サイドを広く使った攻撃でFC東京を押し込んでいった。28分には、遠藤のFKからヘディングシュートがゴールネットを揺らしたが、これはオフサイドで得点とはならず。しかし、同点弾の予感が少しずつ漂い始めた。

前半残り15分、ダヴィと赤崎が前を向いてボールを受ける場面が増えると、敵陣でのプレー時間も増えていった。そして、待望の同点弾は43分に生まれた。遠藤が蹴った右CKの流れから、左サイドで山本がボールを拾うと、中村とのワンツーで縦へ突破。ゴールライン際まで持ち込んで中央へ折り返し、ニアサイドへ飛び込んでいた赤崎が押し込んだ。前日に24歳を迎えた背番号18。1日遅れのバースデーゴールが決まって、鹿島がスコアを1-1とした。







ハーフタイムを迎える前に、スコアをタイに戻した鹿島。後半開始早々、ダヴィがペナルティーエリア右手前から縦へ突破し、ゴールを脅かす。得点への渇望を隠さない背番号11の突進で、鹿島が逆転への意欲を示した。その後、FC東京に押し込まれる時間帯もあったが、曽ヶ端が好セーブを連発し、チームを後方から支えた。





石井監督は59分、殊勲の赤崎に代えて土居を投入する。前線を活性化して2点目を奪いに行くと、逆転ゴールは2分後に生まれた。61分、敵陣右サイドで西が巧みなトラップを見せ、タッチライン際で相手を抜き去ると、ダヴィへ縦パス。ダヴィが中央へ戻すと、遠藤がペナルティーエリア右手前からカットインする。得意の位置に入った遠藤は、左足を一閃。鮮やかな軌道を描いたシュートが、右ポストに当たってゴールへ吸い込まれた。







歓喜に包まれるアウェイ側スタンド。遠藤のファインゴールで、鹿島がリードを奪った。さらに2分後には、右サイド深くに進入した遠藤のクロスに中村が反応。華麗なヒールシュートは枠を捉えたものの、惜しくも左ポストに阻まれてしまった。3点目を奪って突き放すことはできなかったが、鹿島が攻勢を強めていった。





ラスト15分は、前線の人数を増やしたFC東京に押し込まれる展開となる。それでも曽ヶ端を中心に応戦し、身体を張った守備でゴールを許さない。83分には、ペナルティーエリア内でボールを収めた中村が背後から相手選手に引っ張られて倒される場面があったが、笛は鳴らず。1点差のまま、残り5分へ突入した。



88分、鹿島は痛恨の失点を喫してしまった。左サイドからのクロスがファーサイドへ流れ、最後は中島にボレーシュートを決められた。2-2の同点となり、再び攻撃に転じた鹿島は、後半アディショナルタイムに中村がペナルティーエリア内で前を向くチャンスを迎えたが、シュートまで持ち込むことはできなかった。







試合は2-2で終了。第1戦は、終盤に追いつかれての引き分けに終わった。悔しさが残る一戦となったが、アウェイゴールを2つ奪ったことは、前向きに捉えたい。次戦は4日後、6日の準々決勝第2戦、FC東京とのホームゲームだ。今夜勝てなかった悔しさ、タイトルへの強い思いをカシマスタジアムへ持ち帰り、サポーターとともに、総力戦で勝利を掴みに行く。



【この試合のトピックス】
・FC東京との今季の対戦は、リーグ戦を含めて3戦無敗となった。
・FC東京とヤマザキナビスコカップで対戦するのは3年連続で、連敗を2で止めた。通算成績は2勝2分3敗となった。
・曽ヶ端が、ヤマザキナビスコカップ通算70試合出場を達成。現役選手の中では単独トップで、歴代でも9位タイとなった。
・赤崎が2試合連続のゴールを決めた。
・遠藤が、8月22日のJ1 2nd 第8節の山形戦以来、2試合ぶりのゴールを決めた。


監督コメント

[ハーフタイム]
鹿島アントラーズ:石井 正忠
・誰が競って、誰がカバーするのか。自陣での役割と意思表示をハッキリしよう。
・相手を自由にサイドチェンジをさせないことと、セカンドボールの対応を徹底して欲しい。

FC東京:マッシモ フィッカデンティ
・チャンスは作れているので、ラストパスの精度を高めていこう。
・守備に関しては、全員でまとまって冷静に対応しよう。

[試合後]
鹿島アントラーズ:石井 正忠
選手たちはよくファイトしてくれた。アウェイで2ゴールを取れたことは非常に大きいと思う。終盤、FC東京が高さを生かして攻撃してきて、そこに対応できなかったことは残念だった。すぐに第2戦があるので、そこへ向けて準備したい。

Q.前半、FC東京の中島選手に突破を許したが、後半はどのように対策をしたのか?

A.中島選手は、サイドチェンジの起点になるプレーが多かった。そこで、サイドへ追い込むように中盤の選手に対応させた。

Q.2-2になった後、互いに勝ちに行ったと思う。最終ラインをしっかりと整備したうえで、攻め合っていた。それは意図したものなのか?

A.当然、今日の試合は勝ちに行った。選手たちを抑えるような指示は出していない。それを選手たちが感じ取ってくれたんだと思う。

FC東京:マッシモ フィッカデンティ
試合を観た人は、非常に良い試合だったと言うのではないだろうか。前半は非常に良かった。良い時間帯に先制して、1-1の同点にはされたが、後半の入り方も悪くなかった。相手の2点目は素晴らしかった。少し時間を与えすぎた。その後、しっかりと追いつくことができた。最後まで諦めないという強い気持ちを持っていることが見えたと思う。勝利を信じていた。2-2で第1戦を終え、アントラーズが少し有利な状況にはなったが、最後まで諦めずに自分たちのサッカーをしたいと思う。


選手コメント

[試合後]

【赤崎 秀平】
FWとして、ゴールを決め、プラスアルファの仕事をしなければならない。ゴールを決めることができるように、常に準備している。引き分けで満足する選手なんていない。短い時間だけど、次のホームで勝てるように準備をしたい。

【遠藤 康】
ゴールの場面は、シュートで終わろうと思って打ったら、入った。思っていたよりもきれいな軌道だった。勝てた試合だったし、悔しい。アウェイゴールを2つ決められたのは良いことなので、次に切り替えてホームで勝てるようにしたい。

【中村 充孝】
勝つことがベストだったけど、この結果を受け止めて、次のホームゲームで勝つことだけを考える。最後の仕上げの部分が課題。チャンスを作っても、1本も決められなければ意味がない。またこれから、練習する。

曽ヶ端選手、山本選手、山村選手、土居選手、青木選手のコメントは、アントラーズモバイルをご覧ください。

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