日刊鹿島アントラーズニュース

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2015年9月3日木曜日

◆2015Jリーグヤマザキナビスコカップ 決勝トーナメント 準々決勝 第1戦(オフィシャル)


http://www.so-net.ne.jp/antlers/games/51692

ナビスコ決勝トーナメント 準々決勝 第1戦 vsFC東京

赤崎と遠藤がゴールも、勝ち切れず。鹿島、FC東京とアウェイでドロー。

3年ぶりの聖杯奪回へ、鹿島の初戦はドロー決着となった。ヤマザキナビスコカップ準々決勝 第1戦、FC東京とアウェイで対戦すると、開始15分に先制点を許したものの、43分に赤崎、そして61分に遠藤のゴールで逆転に成功。しかし終了間際の88分に同点弾を奪われ、2-2の引き分けに終わった。

鹿島は4日前、J1 2nd 第9節で川崎Fとアウェイで対戦し、3-1と快勝した。等々力陸上競技場で挙げた久々の勝利で、アウェイスタンドは歓喜に包まれた。これでリーグ戦6連勝とした鹿島は、2ndステージ首位を快走。勢いに乗ったまま、9月へと突入した。

リーグ戦はしばしのインターバルに入ったが、戦いは続く。3年ぶり、6回目のヤマザキナビスコカップ制覇へ、準々決勝第1戦の相手はFC東京だ。リーグ年間3位につける強敵とのアウェイゲームを、中3日で迎えることとなった。

川崎F戦の前日、「この試合でメンバー外になった選手にも、ヤマザキナビスコカップや天皇杯でチャンスがいつ来るかわからないから、準備をしていてほしい。チーム一丸で頑張っていかないといけない」と、選手たちに伝えた石井監督。総力戦と強調する指揮官の言葉に応えるように、選手たちは高い競争意識を示し続けた。試合2日前の紅白戦では、大幅に入れ替えたメンバーでの布陣もテスト。そして前日には、誕生日を迎えた赤崎を手荒く祝福し、最高の雰囲気でトレーニングを締めくくった。

川崎F戦からの先発メンバー変更は4人。日本代表に選出された柴崎が不在のボランチに、山村が入った。さらに2トップには、ダヴィと赤崎のペアが指名され、2列目の一角を中村が務める。その他、ボランチで山村とコンビを組むのは小笠原、右サイドハーフには遠藤が入り、最終ラインは右から、西とファン ソッコ、昌子、山本が並んだ。そして最後尾には、曽ヶ端が立ちはだかる。





久しぶりに、厳しい暑さに見舞われた味の素スタジアム。平日のアウェイゲームだが、サポートは強い日差しを受けながら、待機列を作って開場を待っていた。3年ぶりの大会制覇へ、強い思いを込めたチームコールがピッチ上へと降り注がれる。人数では劣っていても、その熱量と密度はホームチームを上回っていた。19時4分、熱烈なサポートを背中に受け、選手たちはキックオフのホイッスルを聞いた。

開始直後、鹿島は中盤でのボールロストからミドルシュートを打たれ、いきなりピンチを迎える。しかし、曽ヶ端が横っ飛びで弾き出して先制点を許さない。その後、立ち上がりはなかなか主導権を握れず、FC東京にボールキープを許す時間が続いてしまった。

すると15分、先制点はFC東京のものだった。右サイドから上げられたアーリークロスから、中央で河野に打たれたヘディングシュートがゴールへと吸い込まれてしまった。鹿島がアウェイでビハインドを負い、苦しい展開を強いられた。

1点を追う形になった鹿島に、さらにアクシデントが襲う。20分、昌子がセンターサークル内で倒れ込み、交代を要求。急遽、青木がピッチへと送り出された。右膝を痛めた昌子の離脱で、早くも交代枠を1枚使うこととなってしまった。





しかしここから、鹿島は盛り返していく。まずは22分、中村が敵陣左サイドを突破し、マイナスのクロス。走り込んでいた西のシュートはブロックされたが、両サイドを広く使った攻撃でFC東京を押し込んでいった。28分には、遠藤のFKからヘディングシュートがゴールネットを揺らしたが、これはオフサイドで得点とはならず。しかし、同点弾の予感が少しずつ漂い始めた。

前半残り15分、ダヴィと赤崎が前を向いてボールを受ける場面が増えると、敵陣でのプレー時間も増えていった。そして、待望の同点弾は43分に生まれた。遠藤が蹴った右CKの流れから、左サイドで山本がボールを拾うと、中村とのワンツーで縦へ突破。ゴールライン際まで持ち込んで中央へ折り返し、ニアサイドへ飛び込んでいた赤崎が押し込んだ。前日に24歳を迎えた背番号18。1日遅れのバースデーゴールが決まって、鹿島がスコアを1-1とした。







ハーフタイムを迎える前に、スコアをタイに戻した鹿島。後半開始早々、ダヴィがペナルティーエリア右手前から縦へ突破し、ゴールを脅かす。得点への渇望を隠さない背番号11の突進で、鹿島が逆転への意欲を示した。その後、FC東京に押し込まれる時間帯もあったが、曽ヶ端が好セーブを連発し、チームを後方から支えた。





石井監督は59分、殊勲の赤崎に代えて土居を投入する。前線を活性化して2点目を奪いに行くと、逆転ゴールは2分後に生まれた。61分、敵陣右サイドで西が巧みなトラップを見せ、タッチライン際で相手を抜き去ると、ダヴィへ縦パス。ダヴィが中央へ戻すと、遠藤がペナルティーエリア右手前からカットインする。得意の位置に入った遠藤は、左足を一閃。鮮やかな軌道を描いたシュートが、右ポストに当たってゴールへ吸い込まれた。







歓喜に包まれるアウェイ側スタンド。遠藤のファインゴールで、鹿島がリードを奪った。さらに2分後には、右サイド深くに進入した遠藤のクロスに中村が反応。華麗なヒールシュートは枠を捉えたものの、惜しくも左ポストに阻まれてしまった。3点目を奪って突き放すことはできなかったが、鹿島が攻勢を強めていった。





ラスト15分は、前線の人数を増やしたFC東京に押し込まれる展開となる。それでも曽ヶ端を中心に応戦し、身体を張った守備でゴールを許さない。83分には、ペナルティーエリア内でボールを収めた中村が背後から相手選手に引っ張られて倒される場面があったが、笛は鳴らず。1点差のまま、残り5分へ突入した。



88分、鹿島は痛恨の失点を喫してしまった。左サイドからのクロスがファーサイドへ流れ、最後は中島にボレーシュートを決められた。2-2の同点となり、再び攻撃に転じた鹿島は、後半アディショナルタイムに中村がペナルティーエリア内で前を向くチャンスを迎えたが、シュートまで持ち込むことはできなかった。







試合は2-2で終了。第1戦は、終盤に追いつかれての引き分けに終わった。悔しさが残る一戦となったが、アウェイゴールを2つ奪ったことは、前向きに捉えたい。次戦は4日後、6日の準々決勝第2戦、FC東京とのホームゲームだ。今夜勝てなかった悔しさ、タイトルへの強い思いをカシマスタジアムへ持ち帰り、サポーターとともに、総力戦で勝利を掴みに行く。



【この試合のトピックス】
・FC東京との今季の対戦は、リーグ戦を含めて3戦無敗となった。
・FC東京とヤマザキナビスコカップで対戦するのは3年連続で、連敗を2で止めた。通算成績は2勝2分3敗となった。
・曽ヶ端が、ヤマザキナビスコカップ通算70試合出場を達成。現役選手の中では単独トップで、歴代でも9位タイとなった。
・赤崎が2試合連続のゴールを決めた。
・遠藤が、8月22日のJ1 2nd 第8節の山形戦以来、2試合ぶりのゴールを決めた。


監督コメント

[ハーフタイム]
鹿島アントラーズ:石井 正忠
・誰が競って、誰がカバーするのか。自陣での役割と意思表示をハッキリしよう。
・相手を自由にサイドチェンジをさせないことと、セカンドボールの対応を徹底して欲しい。

FC東京:マッシモ フィッカデンティ
・チャンスは作れているので、ラストパスの精度を高めていこう。
・守備に関しては、全員でまとまって冷静に対応しよう。

[試合後]
鹿島アントラーズ:石井 正忠
選手たちはよくファイトしてくれた。アウェイで2ゴールを取れたことは非常に大きいと思う。終盤、FC東京が高さを生かして攻撃してきて、そこに対応できなかったことは残念だった。すぐに第2戦があるので、そこへ向けて準備したい。

Q.前半、FC東京の中島選手に突破を許したが、後半はどのように対策をしたのか?

A.中島選手は、サイドチェンジの起点になるプレーが多かった。そこで、サイドへ追い込むように中盤の選手に対応させた。

Q.2-2になった後、互いに勝ちに行ったと思う。最終ラインをしっかりと整備したうえで、攻め合っていた。それは意図したものなのか?

A.当然、今日の試合は勝ちに行った。選手たちを抑えるような指示は出していない。それを選手たちが感じ取ってくれたんだと思う。

FC東京:マッシモ フィッカデンティ
試合を観た人は、非常に良い試合だったと言うのではないだろうか。前半は非常に良かった。良い時間帯に先制して、1-1の同点にはされたが、後半の入り方も悪くなかった。相手の2点目は素晴らしかった。少し時間を与えすぎた。その後、しっかりと追いつくことができた。最後まで諦めないという強い気持ちを持っていることが見えたと思う。勝利を信じていた。2-2で第1戦を終え、アントラーズが少し有利な状況にはなったが、最後まで諦めずに自分たちのサッカーをしたいと思う。


選手コメント

[試合後]

【赤崎 秀平】
FWとして、ゴールを決め、プラスアルファの仕事をしなければならない。ゴールを決めることができるように、常に準備している。引き分けで満足する選手なんていない。短い時間だけど、次のホームで勝てるように準備をしたい。

【遠藤 康】
ゴールの場面は、シュートで終わろうと思って打ったら、入った。思っていたよりもきれいな軌道だった。勝てた試合だったし、悔しい。アウェイゴールを2つ決められたのは良いことなので、次に切り替えてホームで勝てるようにしたい。

【中村 充孝】
勝つことがベストだったけど、この結果を受け止めて、次のホームゲームで勝つことだけを考える。最後の仕上げの部分が課題。チャンスを作っても、1本も決められなければ意味がない。またこれから、練習する。

曽ヶ端選手、山本選手、山村選手、土居選手、青木選手のコメントは、アントラーズモバイルをご覧ください。

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