日刊鹿島アントラーズニュース

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2020年8月28日金曜日

◆その日、内田は7回「鹿島」と言った。 最も印象に残ったCLの試合の後で。(Number)






なぜ日本人サイドバックが欧州で重宝されるのか (宝島社新書) [ 北健一郎 ]


 この2年半、内田篤人に関する原稿は書かないできた。それは鹿島アントラーズに戻ってからの彼を取材していないからだ。

 この5年間でカシマスタジアムでのホームゲームを取材した回数、1回。鹿島の練習場を訪れた回数の方がまだ多い。「今」を書く資格のない筆者にも、「過去」を記録することなら許されるだろうか。

「こっちに来て思ったこととかを毎日ノートに書いているわけでもないんだよね。書けばいいんだろうけど、俺はそういうタイプじゃない。(中略)その記事を書いてくれて、ネットで見られるようにしてくれる。最高じゃないですか! だから、あのときの俺はこう思っていたんだなと、振り返れるんですね」

 CLで日本人初のベスト4に進出した戦いを振り返るNumber779号のインタビューで、内田はそう語っていた。

 ならばドイツでのフットボーラーとしての生き様を記録するのは意味があることかもしれない。未来のサッカー界のために――。


ラウールを救った内田のファール。


「オレは、つなぎたい派だから」

 これはもちろん手ではなくて、パスのこと。自陣の深い位置で奪ったボールを簡単に蹴ることはなく、信頼するチームメイトに送る。そんな風に語った内田は、確かに「つなぐ」人だった。

 2010年、10月20日。CLのグループステージ第3節、ハポエル・テルアビブ戦。内田にとってCLの2試合目、初めてフル出場した試合でもある。

 内田が衝撃を受けた外国人選手として引退会見で名前を挙げた、ラウール、フンテラール、ファルファンが関与し、鹿島での経験とつながるシーンがあった。

 前半17分、右サイドの高い位置にいた内田は、ペナルティーエリアにさしかかるところにいるラウールの足下へパスを出した。ラウールはこれを受けるフリをして、スルーした。よりゴールに近いところに入っていたフンテラールがボールを受ければチャンスになると判断したからだ。

 しかし、マークについていた相手CBのダ・シルバはラウールの意図をよみきり、パスをカット。右MFのファルファンは内田よりもさらに高い位置に立っていた。シャルケの右サイドはがら空きだ。

 だから、ダ・シルバはそのままドリブルで持ち出し、カウンターを繰り出そうとした。すると、内田は抱きかかえるようにダ・シルバの身体を両腕でつかんだ。当然、ファールだ。抱きかかえたのは、そのファールの目的が相手を痛めつけることではなく、相手カウンターのチャンスの芽を摘むためだったからだ。

 ドイツでは、この種のファールは「戦術的ファール」と呼ばれる。実行できて、当たり前。適切に犯さなければ、試合後のミーティングで映像を示されながら、雷を落とされる。

 その内田の戦術的ファールは、ラウールの些細な判断ミスを帳消しにするプレーでもあった。


ラウールは内田を信頼していた。


 内田がシャルケに移籍した2010年からの10年間で、ドイツの国営放送ARDが選ぶ年間最優秀ゴールを複数回受賞したのはラウールただ1人。それ以前に、彼がレアル・マドリー時代に残した功績はここで語るまでもない。

 2011年11月24日にシャルケにとって最も大切なダービーをひかえた練習を終えたあとにも、ラウールが内田と肩を組んで熱心にアドバイスを送っていたのを覚えている。

「『ウッシーはたまにディフェンスのときに裏をとられちゃうから、常にボールとマークする相手を見ていたほうがいいよ』と言っていた。『たまに集中力がないときがあるから、それがなくなればもっと良くなるんじゃないかな』みたいなことも言ってたなぁ(笑)。いつもはクロスとかパス出すタイミングとかだけど、ディフェンスのことに関しても、たまに指摘してくれるかな」


 期待しない者にアドバイスするほどレジェンドは暇ではない。信頼関係があるからこその苦言だった。


鹿島で「言われてきましたから」。


 話を戻すと、3-1で快勝した件のCLハポエル戦の試合後。脱力気味に、少しけだるそうにも見える様子で内田は記者からの質問に答えていた。

 しかし、前半17分の戦術的なファールのシーン直後の、スタンドのリアクションについてたずねると、風向きが変わった。

――あの場面、スタンドから拍手が起きていましたよ。気づきましたか?

「あぁ、そうなんですか! それがわかるというのは、『みんな、サッカーを知っているな』と。汚いプレーと言われたらアレだけど、ああいうところで自分が上がって、ボールを取られて、カウンターを食らうのはツライので。日本ではなかなか気づかれない部分で。そういうところ、目が肥えている……。良い環境でやれていますねぇ」

――カウンターの芽を摘んでおこうと?

「カウンターがというよりは、自分たちの失い方が悪いと、やっぱりめんどくさい。もどらないといけないので。イエローをもららない程度に。あまり公共の場では言えないですけど(笑)」

――あれは「戦術的ファール」と言われ、ドイツでも高く評価されるわけですから、それができたというのは……

「まぁ、そうですけど、それは日本にいたときにも言われてきましたから」

 CLという世界最高峰の戦いで、たった1つのファールの価値をわかってくれるシャルケファンに感動を覚えた。ドイツでやる喜びを見出したと言い換えることもできる。

 では、なぜ、そんなプレーができるのかと言えば、Jリーグの名門鹿島アントラーズで鍛えられたからと胸を張った。


海外へ行く前に日本でできることがある。


 CLという世界最高峰とJリーグを内田は「つないで」見せたのだ。

 だから、引退会見でこう話したのもうなずける。

「海外に行きたいのはわかりますが、チームで何かやってから行けばいいのになと思います。それができないなら移籍金とか置いていけばいいのになって思います。間違ってますか? よく『海外に行きたいです!』って俺のところに話をしに来る選手もいますが、そんなに甘くないよっていう。行きたきゃ行きゃいいけど今すぐ。どうせすぐに帰ってくるんだろうなって思います」

 海外の魅力はもちろんある。内田は誰よりもそれを知っている1人だ。

 でも、日本で学べること、学ぶべきことはある。そして、やるべきことがある。

 置かれた場所で花を咲かせられないものは、海外に場所を移したところで、大輪の花を咲かせることはできない。

 そんな教訓を彼なりの表現で表わしていた。


人生で最も重要な試合の後にも。


 思えば、現役時代で最も印象に残った試合として挙げた2010-11シーズンのCLのラウンド16、バレンシアとのセカンドレグ。あの試合の後にも、CLについて話していたはずが気がつけば鹿島について語っていた。

 15分あまりの取材時間で、内田の口から「鹿島」というキーワードが出たのは7回。例えば、こんな感じで。

「『鹿島』なんかでも、1-0で勝つ試合が多いですけど、最後は守ります。でも、ある程度の時間はずっと攻めている。守りに入ったら、きついから。攻めて、攻めて、ジャブジャブで。相手が出てきたら、最後みたいにカウンター。うまくはまれば。今日ははまったんじゃないですか」

「『鹿島』のときなんかは、みんな(小笠原)満男さんとか監督がバランスをとってやってくれて、ゲームなんかでもやってくれますけど。こっちも個人個人、サッカーを知っている人が多いので。みんなで助け合いながらですから」

「頭が上がりません、ラウールさんには。『鹿島』のマルキ(マルキーニョス)とかは特にそうだったんですが、前の選手があれだけ走ってくれると、俺らも脚が動くというか。それがましてや、ラウールですから。まぁ人に刺激を受けながら、助けてもらいながら。またひとつ、ベスト8まで来れたので。またみんなで助け合いながら。もう1つ、2つ……」

「『鹿島』がなかったら、今の俺は考えられないし。現場の人だけじゃなくて、フロントだったり、そういうところが大事だなと。この前も大宮(アルディージャ)に引き分けたりしていたので、良い報告がみんなに届けば。『鹿島』のみなさんに、よろしくお伝えください!」

「本当にね、僕は恵まれていますよ。一緒に戦う集団……『鹿島』のときからそうですけど。その運は、僕、持ってますね。人を引き寄せる運は、かなり」

 内田はいつも、自分の受けた恩をかみしめていた。


内田篤人はいつでもごく自然に人を助ける。


「受賞すると関係者たちに恩を売られたりする」

 Number1007号のインタビューで、小説家の村上春樹氏はノーベル賞について聞かれそう答えていた。

 あいつは俺が育てた。

 苦しいときに私が助けてあげました。

 彼とは本当に仲良しで……。

 どの世界にも、恩を売ろうとする者は多い。成功者にどうにかしてかかわりを持ちたいからだろう。

 でも、内田の場合は正反対だ。

 現在は浦和レッズ所属で、かつてケルンでプレーしていた長澤和輝は内田の引退に合わせてこんなツイートをした。

「ドイツに渡って言葉も分からず友達もいない、そんな精神的にキツイ中で初めての練習試合がシャルケだった。

 無名の大卒選手である僕に試合後に連絡先を渡して、困ったらいつでも連絡して! と。嬉しかったし、どれだけ心強かったか 

 ありがとうございました。#内田篤人」

 長澤本人が明かしているが、内田は試合終了後に長澤に話しかけられなかったことを悔いてか、筆者にこう頼み事をしてきた。

「試合が終わった直後、長澤クンとほとんど話せなくてさ。悪かったなぁ……。オレの連絡先を渡してきてもらえる? いつでも連絡してね、と伝えて」


相手が有名か無名かは関係ない。


 他にも、渡独直後で初対面にもかかわらず内田が食事に誘った選手は複数いる。ドルトムントU-23に所属していた丸岡満などもそうだ。取材に応じるハードルがきわめて高い選手が、内田の引退に際してはきっちりコメントを発したりもしている。

 長澤が「無名の大卒選手」だったかどうかはともかく、相手が有名か無名かにかぎらず、いつでも自然に人のために行動するのが内田だった。

 高校時代の後輩の結婚式のために、シャルケの本拠地フェルティンス・アレーナが背景に映るところにまで行って、ビデオメッセージを撮影したこともある。

 内田さんにお世話になりました。

 内田さんに良くしてもらいました。

 内田さんに希望をもらいました。

 引退の発表をしてから、そんな声が鳴り止まない。


内田には貯まりに貯まったものがある。


 内田がシャルケのユニフォームを来て最後にプレーしたのは2016年12月8日だった。それは約1年9カ月ぶりの復帰戦であり、ELのザルツブルク戦でもあった。ヨーロッパの舞台で内田と同じピッチに立った最後の日本人になった南野拓実はその夜、シャルケファンが内田に向けた感情を目の当たりにして、こう誓っていた。

「(内田に)シュートをブロックされたのは悔しいですけど、日本を代表するような選手が復帰したことは、とても嬉しいですし、少しでもマッチアップ出来て良かったというか……。逆に、僕も刺激をもらいましたね。僕も、『ファンから歓迎されるような選手になっていきたいな』と」

 引退会見で、信頼するスポーツ報知の内田知宏記者の質問に、内田篤人はこう答えていた。

「自分の貯金をいくら持っているかも分かっていない状態なので、奥さんはそこら辺の心配は多少していましたけど、まぁ、なんとかなるでしょう」

 とんでもない、「なんとなかなる」ではすまない。内田にはプロサッカー選手として、貯まりに貯まったものがある。

 一生かかっても使い切れないほどの「信頼貯金」である。

 内田がつないだ信頼は、この先、必ず返ってくる。チームメイトに丁寧に「つないだ」パスが、自分の足下に返ってくるように。



◆その日、内田は7回「鹿島」と言った。 最も印象に残ったCLの試合の後で。(Number)




◆【セルジオ越後】内田篤人は最後に物凄いメッセージを残してくれた。本当によく頑張ったと讃えたい!(サッカーダイジェスト)






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いろんなものを抱えながら、乗り越えながら32歳まで続けたことは凄いことだ


 鹿島アントラーズの内田篤人が23日のガンバ大阪戦を最後に、現役を引退したね。20日に引退を発表してから、わずか3日後にラストマッチ。まさに電撃引退という形だったけど、鹿島やシャルケ、そして日本代表で華やかな活躍をしてくれた選手だったね。

 世間では32歳の引退は早すぎるとか、ラストマッチでのパフォーマンスを見ればまだまだできるとか、惜しまれる引退という見方がされているよね。でも僕は、彼がこれまで歩んできた山あり谷ありのサッカー人生を考えたら、よくぞここまでやってきた、頑張ったねと讃える以外に言葉は見つからない。膝の怪我や長いリハビリ生活、その後のパフォーマンスの低下など歯がゆさはあったと思う。そうしたいろんなものを抱えながら、乗り越えながら32歳までやってきたというのは凄いことだ。

 僕は国内で大して実績を残していない日本人選手の海外移籍には懐疑的な見方をしているんだけど、内田は鹿島で高卒1年目からレギュラーを掴み、2年目からは3連覇に貢献。国内でしっかりと実績を残して、ドイツでも屈指の強豪であるシャルケに移籍し、そこでも早々に主力の座を掴んだよね。

 そして、チャンピオンズ・リーグでも長友のいるインテルに勝って4強まで勝ち進んだり、サポーターからも「ウッシー」の愛称で親しまれる存在にまでなった。そうしてハイレベルな環境で継続して試合に出場できたという意味でも、まさしく海外移籍のお手本だよ。だから、これから海外を目指す若い選手にも、ぜひ内田のような歩みを期待したい。エージェントが売り込むとかではなくて、国内でしっかりと実績を積み上げて、向こうからしっかりとしたオファーをもらって海を渡るという移籍を目指してほしいんだ。

 内田はワールドカップでは、岡田監督の採った戦術によって南アで出番をもらえなかったり、ブラジルでは怪我をおしてのプレーを強いられたりと、決して良い時ばかりでもなかった。そしてドイツで負った膝の大怪我が引退を早めることになったけど、そうした厳しい試練に晒されながらも32歳まで現役を続けてきたことには、大きな価値があるんじゃないかな。


現役の選手たちにプロ選手のあるべき姿を示してくれた内田


 そして内田は、引退のセレモニーで本当に物凄いメッセージを残してくれた。プロ選手とは、やはりしっかりと試合に出てこそ価値があるんだということをはっきりと言ってくれたんだ。とりわけ結果を求められるアントラーズでは、良いコンディションで全力で戦えなかったら、いる意味がない、いちゃいけないということを今所属している選手たちに身をもって教えてくれた。

 周りも監督たちもまだやれると言ってくれたというけど、内田自身はアントラーズの先輩たちが築いてきた伝統に対して、誠実でいたかったんだろうね。だって、続けようと思ったら12月まで引退を引っ張って給料をもらうことだって出来たはずだ。それでも「ダメだ」と思った瞬間に潔く、自ら身を引くなんてことは誰にでも出来ることじゃない。最後のメッセージは、これからプロを目指す人たちや現役のプロ選手たちはもとより、社会的にもいろんなひとの心に響いたんじゃないかな。

 内田はあんなに甘いマスクを持っているのに、現役生活では浮ついたところがなくて変な噂もなかった。いろんなところに出しゃばることもないし、サッカー界では自分らしい“立ち位置”を持ったひとだったよね。きっと引退後も、指導者なのか、フロントなのか、解説者なのか分からないけど、少し様子を見ながら、自分らしくサッカー界に貢献してくれるんじゃないかな。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部




◆【セルジオ越後】内田篤人は最後に物凄いメッセージを残してくれた。本当によく頑張ったと讃えたい!(サッカーダイジェスト)




◆人のためなら頑張れる…内田篤人、知られざる「ケガとの壮絶な戦い」(現代ビジネス)






日本サッカー 頂点への道 [ 西川結城 ]


デーピングがぐるぐるに巻かれた右足から、その渾身のパスは放たれた。アディショナルタイムは残りもうわずか。逆サイドのペナルティーエリアに送られたボールを味方が必死につなぎ、最後は犬飼智也がヘディングで押し込んで同点に追いついた。

8月23日、カシマスタジアムでの鹿島アントラーズ-ガンバ大阪との一戦は、現役引退を表明した内田篤人のラストマッチとなった。

まだ32歳。しかしながらケガとの戦いを続けてきた右ひざはもはや限界だったという。鹿島の未来を後輩たちに託すような右足からの“ラストパス”。

劇的すぎる幕引きはピッチに立てば光沢を帯びてきた彼らしくもあり、これで見納めかと思うと寂しさが募る。そんな複雑な思いを抱いたファンはきっと多かったはずである。


内田を苦しめた右ひざのケガ


内田を苦しめた右ひざのケガ。だがそこには「誇り」というものが見えてくる。

ケガとの戦いが特にクローズアップされたのが2014年のブラジルワールドカップだった。シャルケの主力として変わらず活躍していたが、2月の試合中に右ひざを押さえて座り込んで動けなくなる。





診断の結果、右太もも裏の肉離ればかりでなく右ひざ裏の腱損傷が判明。4ヵ月後に控えるワールドカップに間に合うかどうかは微妙であった。クラブからは手術を勧められたというが、彼は手術を回避しての保存療法で早期復帰を目指すことになる。

日本に帰国してJISS(国立スポーツ科学センター)でリハビリを始め、ひと段落ついたところでドイツに戻り、日本代表のメディカルスタッフはシャルケに向かっている。シャルケと代表のドクター同士が密に連絡を取り合うなどクラブと代表がタッグを組んで内田を全面的にバックアップした。

その結果、5月12日に発表された23人のワールドカップメンバーに選出され、壮行試合となった同27日のキプロス戦で3ヵ月半ぶりにピッチに立った。前半のみの出場ながら、こぼれ球を押し込んで決勝ゴールを挙げている。

試合後のフラッシュインタビューで「今日のゴールはちょっと狙っていた」と明かし、そしてこう言葉を続けた。

「足を治してくれて、強くしてくれて、ドイツにも治療スタッフが来てくれていたので、ゴールした後、ベンチのほうに行きました」

ゴールの後、内田はベンチに向かってリハビリを支えてくれた池田浩ドクター、前田弘トレーナー、早川直樹コンディショニングコーチたちと抱き合っている。


復活を遂げたキプロス戦の舞台裏


昨年のことだった。

V・ファーレン長崎でフィットネスを担当する早川コーチに会った際、ずっと気になっていたことを聞いてみた。あのキプロス戦で抱き合いながら何と言葉を交わしていたのか、を。





彼はこう明かした。

「僕はベンチから離れてウォーミングアップエリアにいたんですけど、篤人がわざわざ来てくれて。肩を叩いて『良かったな』と伝えたら、僕の耳もとで『ありがとう』って言ってくれて……。ワールドカップの戦いはもちろんこの先になるんですけど、まずピッチに戻れたことで感謝したかったというのはあったんじゃないですかね。彼はああ見えて凄く律儀というか、とても硬派な人なので」

リハビリ期間、「篤人は自分から何をやればいいですかと聞いてくるタイプじゃない」ため、マメに連絡を取るようにしていたという。

コンディションの状況を聞いて「焦らなくていい」「ひざが痛くないようならフィットネスバイクを入れてみたほうがいい」「このタイミングになったら筋トレを入れていけばいい」などと出来る限りのアドバイスを送った。

日本代表に合流してからも、ずっと内田のコンディションを注視してきた。グラウンドでもちょっとした変化も見逃さないようにした。彼は状態のアップダウンを繰り返しながらも、何とか本大会に合わせた。


記憶に残る2014年W杯のファインプレー


残念ながら日本代表は本大会で1勝もできず、グループリーグ敗退に終わる。だが内田のパフォーマンスは光った。シャルケでのプレーを、そのまま発揮していたという印象がある。

レシフェで行なわれた初戦のコートジボワール戦、忘れもしないファインプレーがあった。

本田圭佑のゴールで先制しながらもドログバが入った途端に2分間で2点を奪われ、日本は全体的に浮足立った。後半42分、日本はコーナーキックからのボールを拾われて逆にカウンターを浴びる。





ここで内田が全速力で自陣に戻り、相手と駆け引きしながらスライディングでパスカットした。誰もが疲れているときの、もうひと踏ん張り。ここでもう1点奪われてしまえば、次の試合に向けてダメージがさらに深くなっていた。大きなプレーであった。

こうやってピンチの芽を1つずつ潰していたのが背番号2だった。スピードのあるジェルビーニョに対しても優位性を保ち、アタッカーに対して常にニラミを利かせていた。

2度目のワールドカップにして初めての出場。しかし彼のなかに「自分のため」はなかった。ベースキャンプ地でのイトゥで、彼はこのように語っていた。

「自分は人のために頑張ったほうが、頑張れるような気がする。今まではチームのためもありますけど、自分のためというか。ケガをして、サポートしてもらっているのがひしひしと伝わってきて……それは考えつかなかったこと。ケガしていいとは思わないけど、サポートしてくれる人がいるんだってこの右足を見て思えるのは、無駄じゃなかったんじゃないかって。そのためにも今回のワールドカップじゃないですか」

支えてもらっている人への感謝と恩返し。ひいては「チームのため」なのかもしれないが、勝つことが何よりも喜んでもらえると考えていたはず。「人のため」にプレーすることが、彼のモチベーションになっていた。

完敗したコートジボワール戦を終え、前を向く彼の姿があった。

「もう1回チームとして、力がグッと出せるようじゃないとダメなのかなと。せっかく4年間やってきて、(失点した)その2分で無駄にするのはもったいないですからね」

結果こそ出なかったが、内田の落ち着いたプレーと強い精神力はチームの希望でもあった。右ひざの不安を抱えながらも、彼は3試合すべてに先発フル出場を果たしている。結果を求め、最後の最後まであきらめようとしなかった。


最後の最後まで自分らしく


その後も右ひざのケガとの戦いは続いていく。

翌2015年には手術に踏み切り、復帰には1年9ヵ月も掛かった。シャルケを離れてウニオン・ベルリンに移籍し、2018年からは鹿島に復帰。本調子に戻っていかないもどかしさが彼のなかにはずっとあったに違いない。





しかし彼はブラジルワールドカップと同じく、最後の最後まであきらめようとしなかった。右ひざの回復を求め、限界まで踏ん張った。それは決して「自分のため」ではなく、支えてくれる人、応援してくれる人のためだったのではないだろうか。
ガンバ戦のあの“ラストパス”にはしびれた。

ケガが原因による引退であっても、彼はケガに屈しなかった。勝利への執念も、痛がる素振りや喜びを過度に見せないクールな表情も。

最後の最後まで、彼は自分らしくあり続けた。


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◆バルセロナB所属の安部裕葵、新型コロナ陽性反応…クラブが発表、体調に問題はなし(GOAL)






サッカーラボ 1カ月でプレーがどんどん進化する! [ サッカーラボ編集部 ]


【欧州・海外サッカー ニュース】バルセロナBの安部裕葵が、新型コロナウイルスに感染したことが明らかとなった。


バルセロナBに所属する安部裕葵が、新型コロナウイルスに感染した。公式HPで伝えている。

バルセロナの発表によると、安部は不快感を感じた後、25日に行われたPCR検査で陽性反応を示したようだ。現時点で健康上の問題はないものの、サン・ジュアン・ダスピにある自宅で隔離生活を送ることになるという。

バルセロナBは31日からジョアン・ガンペル練習場でプレシーズンを開始する予定となっていたようだが、安部は合流しないことが確定。まずは安静に過ごすこととなった。



◆バルセロナB所属の安部裕葵、新型コロナ陽性反応…クラブが発表、体調に問題はなし(GOAL)


◆柴崎岳がデポルティボの練習に合流! 残留ならスペイン3部でプレーか(ゲキサカ)






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 デポルティボは27日、日本代表MF柴崎岳がトレーニングに合流したと発表した。クラブは公式サイトに柴崎の練習写真を掲載し、「前日からの目新しさはガクの存在だ」と記している。

 デポルティボは昨季、ラ・リーガ2部を19位で終えたため地域別の2部B(実質3部)に降格することが決定している。一方、クラブは最終節が一斉開催で行われなかったことに抗議しており、残留が叶わなければ法的措置も視野に入れた手続きを継続中。依然として結論は出ていない状況だ。

 柴崎は延期された最終節を欠場していたが、来季に向けたトレーニングには26日から復帰。チームはフィジカルを高めるサーキットトレーニングからスタートし、シュート練習、守備に重点を置いた戦術練習、試合形式のトレーニングを行ったという。

 地元紙『ラ・バングアルディア』によると、柴崎は日本からガリシアへの航空便を見つける際にトラブルがあり、21日のキャンプ初日には合流できず。その後、到着後の25日にメディカルチェックを受け、フィジカルトレーナーと別メニューで調整していた。


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◆柴崎岳がデポルティボの練習に合流! 残留ならスペイン3部でプレーか(ゲキサカ)





◆鹿島、29日の柏戦の鍵はオルンガ封じ ザーゴ監督「彼にボールを供給しないことが大事」(スポニチ)

 



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 鹿島のザーゴ監督が29日の敵地・柏戦を前に、好調の相手FWオルンガを警戒した。今季14ゴールで得点ランキング首位を独走中のケニア代表FWについて「柏の攻撃はオルンガで始まり、オルンガを経由し、オルンガで終わっている」とし、「彼にボールを供給しないことが大事」と強調した。

 指揮官にとっては現役時代にプレーした古巣相手となるが、強烈なストライカーを封じることが勝利の鍵となりそうだ。


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◆鹿島、29日の柏戦の鍵はオルンガ封じ ザーゴ監督「彼にボールを供給しないことが大事」(スポニチ)



◆【鹿島】FC東京戦勝利で「チームとしても自信を取り戻せた」!ザーゴ監督が語る次節の“古巣”柏戦(サッカーダイジェスト)






◆◆Forbes JAPAN(フォーブスジャ / 2020年10月号


ザーゴ監督は選手時代の96年から97年にかけて柏でプレー


 鹿島アントラーズのザーゴ監督は8月27日、練習後にオンライン上で取材に応じ、自身も選手時代にプレーした柏レイソルとの一戦へ、想いを語った。

 今季はセットプレーの失点も重なり、先制を許す苦しい展開が多いなか、10節のヴィッセル神戸戦(2-2)や、内田篤人の引退試合となった12節のガンバ大阪戦(1-1)と、ここにきて終盤で同点に追いつく粘りも見せていた。

 26日のFC東京戦では、前半アディショナルタイムのオウンゴールで1点のビハインドを負ったものの、後半の2ゴールで逆転勝利を収めた。

 このことについてザーゴ監督は「昨日だけでなく、神戸戦やG大阪戦では同点に、昨日は逆転するなどここ最近は結果もついてくるようになりました。(新体制になってから)これだけ時間も経っているので、選手たちも何を実行すべきか理解していますし、当然結果がマイナスであれば自信も低下していきますが、ここ最近、結果が付いてくることで選手たちも個々の自信を取り戻せ、本来できることが表現できるようになってきました」

 さらに、個々に自信がついてきたことで「チームとしても自信を取り戻せた。当然精度というところはまだまだ上げていかなければいけませんが、パスひとつ、クロスひとつ、声掛けひとつにしてもそれぞれ良い方向に変化が生じてきています」と振り返る。

 7月26日のFC東京との前回対戦ではセットプレーから2失点を喫していたが、この日は見事に弾き返した。守備の改善には「やり方はいろいろありますが、一番大きいのは気持ちの部分。絶対にセットプレーでやられないという気持ちだと思います。すべてはプラスの結果が出ることで、自信が深まり、ここ数試合はセットプレーからの危ない場面が減ったと思います」と好循環になりつつあることを強調した。

 そんななか次節は柏と敵地で対戦する。ザーゴ監督も選手時代に1996年から97年にかけて所属していたクラブだ。指揮官は「日本でプレーした唯一のチームなので特別な想いはあります。クラブだけでなく、柏市民にも多くの友人がいます。彼らと再開できるのは非常に楽しみにしています」とする一方、「チームとしては勝点が必要で、一桁順位に上げるためには勝利が必要です」と語る。

 26日の平日開催のJ1リーグはACL出場チームの日程に配慮した変則開催。横浜F・マリノス、神戸、FC東京絡みの試合以外は開催が無かった。中2日で挑む鹿島に対して柏は中5日となる。そんな厳しい条件下の戦いでも、さらなる好循環を呼び込めるか。敵将として乗り込む古巣・柏戦がひとつのターニングポイントとなりそうだ。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部


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◆【鹿島】FC東京戦勝利で「チームとしても自信を取り戻せた」!ザーゴ監督が語る次節の“古巣”柏戦(サッカーダイジェスト)





◆【鹿島】狙いを体現し、力を証明した1G1A。ファン・アラーノ「手ごたえを感じている」(サッカーマガジン)






【中古】 世界一に迫った日 増補改訂版 鹿島アントラーズクラブW杯激闘録 ELG...


鹿島アントラーズは26日、アウェーのFC東京戦に臨み、2-1で勝利を飾った(J1第26節)。リーグ戦で4試合ぶりとなる白星獲得に貢献したのが、右サイドハーフで先発したブラジル人MFファン・アラーノだ。1得点1アシストの活躍だった。


■2020年8月26日 J1リーグ第26節(観衆4,390人/@味の素)
FC東京1ー2 鹿島
得点:(F)OG
   (鹿)エヴェラウド、ファン・アラーノ


練習で繰り返しやっている形


 勝利の立役者と言っていいだろう。エヴェラウドが決めた同点ゴールをお膳立てして、逆転ゴールは自ら決めた。ここまでノーゴールだったのが不思議なくらい。この日、ピッチで勇躍したファン・アラーノはスタートから83分にベンチに下がるまで、常にゴールを生み出す雰囲気を醸し出していた。

 先発して務めたポジションは右サイドハーフ。相手がアンカーシステムを採用しているため、サイドに張ったままでいるよりは内側に入り、いわゆる『アンカー脇』のスペースで頻繁にプレーした。それは同サイドでタンデム(縦関係)を組む小泉慶の攻め上がりを促すと同時に、相手の混乱を誘発した。相手のサイドバック(SB)が見張るのか、アンカーがケアするのか、はたまた相手の左センターバックがつかまえるのか、何ともファジーな位置取りで、たびたびFC東京守備陣の監視を逃れることになった。

 同点ゴールの場面も、この位置取りが大きく関係している。左からのビルドアップに合わせて中に絞っていたファン・アラーノはピッチ中央でボールを引き取り、高い位置まで進出していた右SBの小泉へ展開。自分のポジションから大きく動いたことで自身のマークがいない状態となっていたファン・アラーノは再び右サイドのやや内側で小泉からのリターンを受けると、フリーな状態から狙いすましてエヴェラウドに浮き球を送った。もちろん、相手DFよりも頭一つ抜け出てシュートしたエヴェラウドの技術も、ドンピシャのボールを届けたファン・アラーノのキックも見事だが、そこに至る過程でチームがしっかり連動し、相手の監視が届かない場所と時間を作り出していたことも見逃せない。同点弾は、こうして生まれた。

 ファン・アラーノが自ら決めた2点目もまた、位置取りと連係の賜物だ。左サイドハーフの荒木遼太郎がやや内側に入って監視を逃れた瞬間に三竿健斗からの縦パスを受けて前を向き、ドリブルを開始。それに合わせてファン・アラーノは斜めに走り出した。走り込んだコースは、相手左CBのジョアン・オマリと相手左サイドバック小川諒也の間。この2人のDFがその存在に気付くよりも早く荒木がパスを出すと、ファン・アラーノは抜群のボールコントロールから左足を振り、ネットを揺らした。トップ下を務めていた土居聖真もこの瞬間には2人のCBの間を割って入るように走り、相手の注意を引きつけていた。まさに練習してきた通りのコンビネーションで生んだゴールだった。

「練習で繰り返しやっている形。ハーフタイムに監督に背後を狙えと言われました。練習ではサイドハーフが斜めに走って、そこにパスを出すという形はやっているので。(ここまで無得点で)自分に変なプレッシャーがかかっていたので、ゴールできてよかったです」

 フラッシュインタビューで、練習通りの快心のゴールだったとファン・アラーノは振り返った。そして試合後には『攻撃の形』についての手ごたえを口にしている。

「自分がエヴェラウドにあげたクロスも、永戸(勝也)があげたものもフィニッシュまでつながりました。(チームの攻撃に)手ごたえは感じています。これからまた、その精度を磨いていきます。もっとゴールできるように、チーム全体で頑張っていきたい」

 そう言って胸を張った。チームの中で機能し、チームの狙いを体現して記録した1得点1アシスト。ファン・アラーノがこの日刻んだその数字を、さらなる活躍のサインとみるのは、ごくごく自然なことだろう。

取材◎佐藤 景



◆【鹿島】狙いを体現し、力を証明した1G1A。ファン・アラーノ「手ごたえを感じている」(サッカーマガジン)





◆鹿島ファンアラーノ来日初ゴールが決勝弾 待望1発「『早く決めないと』という変な焦りがあった」(中スポ)






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◇26日・J1第26節 FC東京1ー2鹿島(味の素スタジアム)


 ファンアラーノが1ゴール1アシストの活躍で鹿島の逆転勝利に大きく貢献。「監督から常に相手の背後を狙え、顔を出していけと言われていた。(絡んだ2点とも)練習通り」と胸を張った。

 後半12分の決勝弾は自身来日初ゴール。公式戦出場14戦目にして出た待望の1発に「『早く決めないと』という変な焦りがあった。欲していたゴールが決まって良かった」と素直に喜びつつ「それ以上にチームが勝ち点を持って帰れることの方がうれしい」と最後は“優等生発言”だった。




◆鹿島ファンアラーノ来日初ゴールが決勝弾 待望1発「『早く決めないと』という変な焦りがあった」(中スポ)


◆J1初先発の鹿島18歳MF荒木、“駆け引き”光った決勝アシスト「まず顔を上げたときに…」(ゲキサカ)






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[8.26 J1第26節 FC東京1-2鹿島 味スタ]

 J1リーグ戦初先発の鹿島アントラーズMF荒木遼太郎が後半12分、絶妙なパスでFWファン・アラーノの決勝ゴールをアシストした。

「まず顔を上げたときにパスとシュートの選択肢を浮かべて、(土居)聖真くんが見えたけど厳しいかなと思った。次にアラーノが見えて、前に高萩選手がいたのでためながらパスを出した」。そう冷静に振り返ったとおり、パスコースは駆け引きに定評のあるMF高萩洋次郎の逆を取っており、非凡なプレービジョンが光った場面だった。

 前節までの12試合で8試合に出場していたが、いずれも途中出場。ルヴァン杯を除けば先発出場はこの日が初めてだった。それでも「(三竿)健斗くんが『ミスをして取られても、俺が取り返してやる。どんどん自分の良さを出して行け』と言ってくれた」と先輩の助言を受け、立ち上がりから堂々のパフォーマンス。試合後には「自信を持ってプレーできた」と手応えを語った。

 第10節の神戸戦では後半アディショナルタイムに劇的な同点弾を決めるなど、すでに常勝軍団の大きな戦力となっている東福岡高出身1年目の18歳。「守備の部分のフィジカルがまだ全然足りていないのは課題」とまだまだ過信に陥ることなく、「ゴールへの迫力をさらにつけていきたい」と成長を続けていく構えだ。


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[J1リーグ26節前倒し分]FC東京1-2鹿島/8月26日/味の素スタジアム


鹿島――関川はオウンゴール献上も…


【チーム採点・寸評】
鹿島 6.5
敵の背後を突く攻撃がハマり、逆転勝利。2-1としたあとの守備が特に素晴らしく、試合巧者ぶりが光った。

【鹿島|採点・寸評】
GK
31 沖 悠哉 6
オウンゴールでの失点は致し方なし。クローズアップすべきは47分に原のシュートを止めて追加点を許さなかったこと。試合を振り返ると、そこがひとつのターニングポイントだった。

DF
14 永戸勝也 6
27分にエヴェラウドへ絶妙のクロスを送るなど、キックの精度は相変わらず高かった。セットプレーでも戦力的価値を示す。

33 関川郁万 6.5
オウンゴールを献上も、気迫溢れる守備で逆転勝利に貢献。後半は身体を張った守備でFC東京の攻撃を上手く凌ぎ切った。

37 小泉 慶 6
高い位置取りで52分には柔らかいクロスから好機を演出しそうになった。ポジショニングはなかなかで右SBの仕事を無難にこなした。

39 犬飼智也 6.5
関川とのCBコンビでFC東京の攻撃を跳ね返す。自陣ゴール前に入ってきたボールへの対応はまずまずで、大きなミスはなかった。

MF
6 永木亮太 5.5(64分 OUT)
6分のパスミスは減点対象。縦へのフィードで変化をつけようとするが、なかなかFC東京の守備陣を揺さぶれなかった。

7 ファン・アラーノ 7(83分OUT)
48分にエヴェラウドへの縦パスで好機を演出すれば、57分に豪快なボレーシュートで逆転ゴール。決定的な仕事をやってのけた。

20 三竿健斗 6.5
カウンターを食らったらまずい局面で相手を巧みに潰す。試合の流れを踏まえてのテクニカルファウルはいぶし銀だった。

MAN OF THE MATCH
26 荒木遼太郎 7(90分OUT)
ドリブルよし、パスよし、キープよしと攻撃面で良質な働きを披露。特にファン・アラーノのゴールをアシストしたパスには痺れた。J1初先発でこの出来は、称賛に値するだろう。





鹿島――エヴェラウドの同点弾は大きかった


FW
8 土居聖真 5.5(64分OUT)
11分の右サイドからの崩しでは味方とのコンビネーションが光った。惜しむらくはシュートがなく、得点に絡めなかったところか。

FW
9 エヴェラウド 6.5
26分に決定的なヘディングシュートを外したのはいただけない。それでも48分に抜群の動き出しから同点ゴール。チームに命を吹き込んだという意味で、この1点は大きかった。

交代出場
MF
4 レオ・シルバ 6(64分IN)
優れた危機察知力でピンチの芽を摘む。激しい展開でも冷静に振る舞い、中盤をしっかりと引き締めた。

MF
11 和泉竜司 6(64分IN)
効果的なタメで味方に呼吸を整えさせるシーンも。得点に絡んだわけではないものの、前線で気の利く動きをしていた。

DF
3 奈良竜樹 -(83分IN)
犬飼、関川と3バックを組んでFC東京の攻撃をストップ。デリケートな時間帯に投入されながらもすんなりと試合に入っているように映った。

MF
25 遠藤 康 -(90分IN)
クローザーとしての役割をまっとう。次節以降の試合での活躍を期待したい。

監督
ザーゴ 6.5
前半終了間際に先制されても慌てず、後半に立て直した。最後は3バックにして逃げ切るなど、柔軟な采配で勝利を手繰り寄せた。

取材・文:白鳥和洋(サッカーダイジェスト編集部)

※MAN OF THE MATCH=取材記者が選定するこの試合の最優秀選手。
※採点は10点満点で「6」を平均とし、「0.5」刻みで評価。
※出場時間が15分未満の選手は原則採点なし。



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