◆◆Forbes JAPAN(フォーブスジャ / 2020年10月号
ザーゴ監督は選手時代の96年から97年にかけて柏でプレー
鹿島アントラーズのザーゴ監督は8月27日、練習後にオンライン上で取材に応じ、自身も選手時代にプレーした柏レイソルとの一戦へ、想いを語った。
今季はセットプレーの失点も重なり、先制を許す苦しい展開が多いなか、10節のヴィッセル神戸戦(2-2)や、内田篤人の引退試合となった12節のガンバ大阪戦(1-1)と、ここにきて終盤で同点に追いつく粘りも見せていた。
26日のFC東京戦では、前半アディショナルタイムのオウンゴールで1点のビハインドを負ったものの、後半の2ゴールで逆転勝利を収めた。
このことについてザーゴ監督は「昨日だけでなく、神戸戦やG大阪戦では同点に、昨日は逆転するなどここ最近は結果もついてくるようになりました。(新体制になってから)これだけ時間も経っているので、選手たちも何を実行すべきか理解していますし、当然結果がマイナスであれば自信も低下していきますが、ここ最近、結果が付いてくることで選手たちも個々の自信を取り戻せ、本来できることが表現できるようになってきました」
さらに、個々に自信がついてきたことで「チームとしても自信を取り戻せた。当然精度というところはまだまだ上げていかなければいけませんが、パスひとつ、クロスひとつ、声掛けひとつにしてもそれぞれ良い方向に変化が生じてきています」と振り返る。
7月26日のFC東京との前回対戦ではセットプレーから2失点を喫していたが、この日は見事に弾き返した。守備の改善には「やり方はいろいろありますが、一番大きいのは気持ちの部分。絶対にセットプレーでやられないという気持ちだと思います。すべてはプラスの結果が出ることで、自信が深まり、ここ数試合はセットプレーからの危ない場面が減ったと思います」と好循環になりつつあることを強調した。
そんななか次節は柏と敵地で対戦する。ザーゴ監督も選手時代に1996年から97年にかけて所属していたクラブだ。指揮官は「日本でプレーした唯一のチームなので特別な想いはあります。クラブだけでなく、柏市民にも多くの友人がいます。彼らと再開できるのは非常に楽しみにしています」とする一方、「チームとしては勝点が必要で、一桁順位に上げるためには勝利が必要です」と語る。
26日の平日開催のJ1リーグはACL出場チームの日程に配慮した変則開催。横浜F・マリノス、神戸、FC東京絡みの試合以外は開催が無かった。中2日で挑む鹿島に対して柏は中5日となる。そんな厳しい条件下の戦いでも、さらなる好循環を呼び込めるか。敵将として乗り込む古巣・柏戦がひとつのターニングポイントとなりそうだ。
構成●サッカーダイジェストWeb編集部