日刊鹿島アントラーズニュース

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2023年5月19日金曜日

◆【鹿島】樋口雄太がFC東京戦へ「球際での勝負、そこで負けてはいけない」(サカノワ)



樋口雄太


昨季“ダブル”を喫した相手、「ここで勝たなければ上位へ行けない」。


[J1 14節] 鹿島 – FC東京/2023年5月20日15:00/カシマサッカースタジアム

 J1リーグ鹿島アントラーズのMF樋口雄太が5月18日、2日後のホームでのFC東京戦に向けて抱負を語った。チームは5連勝中。ホームでスタイル変更に着手する相手に対し、「まず球際での勝負になる。そこで負けてはいけない」と強い覚悟を示した。

 昨季はリーグ戦2敗と“ダブル”を食らった。もう、負けるわけにはいかない。

「昨年は上位陣との対戦でほとんど敗れていました。そこで勝っていかないと上に行けません。FC東京は昨年からサッカーが変わっていますが、メンバーはほとんど変わっていません。やはりまず球際での勝負になります。そこで負けてはいけないと思います」

 鹿島はリーグ戦5連勝中、7勝1分5敗と勝点を積み重て暫5位につける。一方、FC東京は5勝3分5敗で11位。好調の要因を問われたアントラーズの14番は、「全員で守備をして、全員で攻撃できているイメージがあります。そこが勝てている要因の一つだと思います」と語った。

 また樋口自身は最近ボランチのみならず、サイドハーフで起用されることも。前所属のサガン鳥栖でもサイドでプレーしていた時期があり、ただ最近起用された左は初めてだったそうだが、「景色が変わりますが、やるべきことは変わりません。僕のなかでは大きな変化はなかったです」。各ポジションの役割について、「全員が共通理解できています」と言い、戦況に応じてマルチに対応し、チームを勝利へと導く。





◆【鹿島】樋口雄太がFC東京戦へ「球際での勝負、そこで負けてはいけない」(サカノワ)





◆【鈴木優磨のスター性(2)】鹿島・岩政監督が「いかにして優磨のよさを出すべきか」と絶対的信頼を寄せる男。激しさと義理堅さを併せ持つからこその強い求心力(サッカー批評)



鈴木優磨


 ゴールという結果、最前線での存在感、一見ヤンチャにも見えるピッチ上での一挙手一投足含め、スター性抜群の鈴木優磨。三笘薫や久保建英ら日本代表選手の多くが欧州を主戦場としている今、彼の存在はJリーグにとって貴重なのは間違いない。

 岩政大樹監督も鈴木優磨に絶対的な信頼を寄せている。3~4月にかけてリーグ戦4連敗を喫した際、周囲からは「優磨を外せ」というネガティブな声が高まったが、指揮官は「いかにして優磨のよさを出すべきか」を熟考し続けた。2022年前半に上田綺世との2トップで輝きを放った彼自身のパフォーマンスに思いを馳せ、垣田裕暉との2トップ採用を決断。そこから5戦4発の固め取りを見せている。

 本人も今のゴールラッシュが自分1人の力だとは決して考えていない。

「沢山の人が俺に携わってくれて、今の俺が成り立ってる。今日もピッチに入る時に『これだけ素晴らしい環境でできるのは当たり前じゃない』と思ってた。ファンの多さを見ても分かる通り、本当に鹿島が作り上げてきたものは大きいし、僕たちが壊さないように、続けていけるようにしなきゃいけないって思う。身が引き締まる思いです」

 ジーコの御前で決勝弾を挙げた名古屋戦後、神妙な面持ちでこう語っていたが、彼は謙虚さと義理堅さも確かに持ち合わせている。「素の鈴木優磨」を岩政監督もチームメートもよく分かっているからこそ、信頼が揺らぐことは全くないし、看板エースとしてチームを引っ張ってくれると確信しているはずだ。


■「アントラーズって特別な試合はあまりなくて」


 4月23日のアルビレックス新潟戦からのリーグ5連勝で勝ち点22の5位に浮上した鹿島。首位・神戸とのポイント差は7とまだ大きいが、岩政監督が選手として初タイトルを取った2007年は13節時点で首位・ガンバ大阪と8差の9位。そこから凄まじい巻き返しを見せ、最終的に浦和レッズを抜いて逆転優勝したことを考えれば、まだまだチャンスはあるはずだ。

 96年生まれの鈴木優磨は当時小学生。鹿島ジュニアの一員としてその光景を見ていたはずだ。イタリア・メッシ―ナから夏に復帰し、背番号40をつけて異彩を放った小笠原のパフォーマンスも覚えているに違いない。今、その偉大な番号をつけ、ピッチに立っている彼も大先輩のようなリーダーシップと結果を残す必要がある。

「アントラーズに関わる人なら分かると思うんですけど、やっぱりアントラーズって特別な試合はあまりなくて、どの試合も同じモチベーションでのぞむのが僕が知ってるアントラーズだし、僕が見てきた先輩方の姿。つねに高いパフォーマンスを出せるように頑張りたいと思います」と名古屋戦後にコメントした通り、5月20日の次戦・FC東京戦以降も高値安定を維持することが肝要だ。

 最終的に大迫越えを果たし、鹿島のスターからJリーグ屈指のスターへ飛躍を遂げられるのか。2023年のラストに鈴木優磨がどう大化けしているかを楽しみに待ちたい。

(取材・文/元川悦子)




◆【鈴木優磨のスター性(2)】鹿島・岩政監督が「いかにして優磨のよさを出すべきか」と絶対的信頼を寄せる男。激しさと義理堅さを併せ持つからこその強い求心力(サッカー批評)





◆【鈴木優磨のスター性(1)】鹿島歴代エースの柳沢、興梠、大迫とは異なる姿。関係者が語る、「そういったパフォーマンス含めてサッカーを盛り上げようとしている」(サッカー批評)



鈴木優磨


 5月15日に発足30周年を迎えたJリーグだが、オリジナル10で一度もJ2に落ちたことがないのは鹿島アントラーズと横浜F・マリノスだけ。横浜の国内タイトルは7冠だが、鹿島は同20冠。2017年AFCチャンピオンズリーグ(ACL)制覇を含め、常勝軍団の華々しい戦績は誰もが知るところである。

 30年の長い歴史を振り返ると、タイトルを獲得した時代には必ずと言っていいほど「絶対的エース」と言える日本人の点取屋がいた。

 90年代に活躍した長谷川祥之を筆頭に、2000年前後に活躍した柳沢敦、平瀬智行、鈴木隆行、2007~2009年の3連覇の頃に大きく飛躍した田代有三、興梠慎三、そして2010年台に看板FWとなった大迫勇也と、名前を挙げるだけでそうそうたるものがある。彼らが鹿島の攻撃陣をリードし、勝利をもたらしてきたのである。

 小学校1年から鹿島のスクールに通い始め、アカデミーで成長し、2015年にトップ昇格し、プロ9年目を迎える鈴木優磨はまさに今、その系譜を継いでいる存在だ。

 若い頃から才能を高く評価され、2018年ACL制覇時には大会MVPを獲得。2019年夏にはいったんベルギー・シントトロイデンに赴いたものの、2022年1月に古巣復帰。小笠原満男が背負っていた40番をつけ、チームの主軸としての自覚を強めていった。


■「腹が立っていたんで」


 今季はキャプテンマークを巻いてプレーする機会も多く、ゴール数もすでにJ1得点ランク2位タイの7得点をゲット。「ここ一番で点の取れる男」だということを自ら実証している。その勝負強さは歴代の名FWたちに通じる部分だろう。

 反面、ストレートな物言い含めて喜怒哀楽が前面に出るところは、さまざまな先人たちと異なる部分かもしれない。

 Jリーグ30周年スペシャルマッチと位置づけられた14日の名古屋グランパス戦(東京・国立)でもそういったシーンがあった。前半12分に樋口雄太の右CKをヘッドで合わせた先制点がVAR判定で取り消されたことを不服に感じた背番号40は、前半29分に自ら奪った真の先制弾の場面で木村博之主審を睨みつけるようなパフォーマンスを披露。物議を醸した。さらに試合後のミックスゾーンでも「腹が立っていたんで」とストレートに発言。メディアを驚かせたのである。

 4月15日のヴィッセル神戸戦後に罵声を浴びせたサポーターに対して「まだ巻き返せる」と大声で叫ぶなど、思ったことをハッキリと口にしたり、闘争心を前面に押し出すところは鈴木優磨の大きな魅力だ。しかし、その行動が誤解されがちな部分もある。

 かつて所属したシントロイデンの関係者は「優磨はそういったパフォーマンス含めてサッカーを盛り上げようとしている人間」と語っていたが、その見方通り、彼は意外とサービス精神旺盛なタイプなのかもしれない。

 注目される人間というのは賛否両論がついて回る。鈴木もそれを分かったうえで行動しているようにも感じられる。

(取材・文/元川悦子)




◆【鈴木優磨のスター性(1)】鹿島歴代エースの柳沢、興梠、大迫とは異なる姿。関係者が語る、「そういったパフォーマンス含めてサッカーを盛り上げようとしている」(サッカー批評)





◆「終盤に完成形を見たい。それでタイトルを」J30周年試合で岩政監督が改めて誓う新たな“常勝・鹿島”の構築(サッカーキング)



岩政大樹


 Jリーグ30周年記念スペシャルマッチと位置付けられた5月14日の鹿島アントラーズ対名古屋グランパス。国立競技場には5万6000人超の大観衆が押し寄せ、RADWIMPSのライブパフォーマンスが行われるなど、華やかな雰囲気に包まれた。

 一部の鹿島サポーターからは「国立開催はありえない」といった抗議の横断幕も出されたが、新たな観客獲得や集客増に向けたプロモーションという観点では多少なりとも意味があったのではないか。岩政大樹監督も選手たちも非日常の空気を感じながら、高いモチベーションで挑めたという。

 鹿島対名古屋は30年前、1993年5月16日のJリーグ初戦と同カード。ジーコがハットトリックを達成し、5-0で圧勝したところから鹿島の常勝軍団の歴史が始まった。

 当時、瀬戸内海に浮かぶ山口・周防大島の小学校5年生だった岩政監督は、Jリーガーになることも、監督になることも想像していなかった。「そうやって自分の人生を俯瞰して考えると不思議な気持ちになりますね」と13日の前日会見で感慨深げに語っていた。

 その後、2004年に東京学芸大から鹿島入りし、守備の大黒柱として2007~09年のJリーグ3連覇に貢献。10年間の在籍期間で7冠を経験している。その後、タイのテロ・サーサナやJ2のファジアーノ岡山、関東1部の東京ユナイテッドで独自のキャリアを築き、2018年に引退。指導者ライセンスを取得し、古巣の再建に全力を注ぐべく、2022年から鹿島のコーチに。そしてレネ・ヴァイラー監督の解任を受けて8月に指揮官となった。

 とはいえ、Jリーグで指導経験の乏しい指揮官が名門クラブを率いて成功した例は非常に少ない。2016年に名古屋を指揮した小倉隆史監督(現FC.ISE-SHIMA監督)は1年も経たないうちに解任され、2018年7月~2021年5月にガンバ大阪を率いた宮本恒靖監督(現JFA専務理事)もリーグ2位、天皇杯準優勝という成績を残した年もあったが、最終的に更迭の憂き目に遭っている。岩政監督もそうなるリスクがないとは言えなかった。

「常勝の看板を下ろしていい」と選手たちに伝え、新たな伝統、歴史を作る覚悟でスタートした彼だったが、2022年J1では就任後、2勝6分2敗と厳しい結果を余儀なくされた。それでも昨季はシーズン途中の就任だったこともあり、「本当の勝負は今季」という見方が根強かった。実際、指揮官自身もシーズンスタートから入念な準備ができるアドバンテージを生かし、主導権を握りながら敵を凌駕できるスタイルを模索していく腹積もりだった。

 迎えた今季。2月18日の京都サンガF.C.との開幕戦で白星発進し、新戦力の佐野海舟も鮮烈な印象を残すなど、スタートは悪くないように思えた。が、続く川崎フロンターレ戦で終盤にひっくり返されたところから躓きが始まり、3月18日の横浜F・マリノス戦からはまさかのリーグ戦4連敗。4月15日、ホームでのヴィッセル神戸戦で大量5失点はあまりに衝撃的だった。

 その時期の岩政監督は苦悩の色がアリアリと表れており、かつて一緒にプレーしたことのある土居聖真も「監督というのは本当に大変な仕事だと改めて感じた」と神妙な面持ちで語っていたほど。本人は「僕はメディアの質問にはいつも笑顔で答えていますよ。記者の質問が多いのは負けている時だけ。現金ですね」と冗談交じりと語っていたが、実際、顔がこわばることも多く、心理的にはギリギリのところまで追い込まれたのではないか。

 そこで講じた策が鈴木優磨と垣田裕暉の2トップ起用と選手の入れ替えだった。前線で体を張れる垣田、走れて相手をかく乱できる名古新太郎と仲間隼斗をサイドに配することで鈴木がゴールに専念できる時間が長くなり、そこから背番号40のゴール量産が始まったのだ。

 4月23日のアルビレックス新潟戦を2トップ揃い踏みで勝ち切ると、G大阪、北海道コンサドーレ札幌戦、セレッソ大阪、そして名古屋戦で5連勝。鈴木はこの5戦で4得点の固め取りに成功し、鹿島躍進に不可欠な「確固たる得点源」が確立されたのだ。

 もう一つ大きかったのが守備の安定。岩政監督が関川郁万と広瀬陸斗を抜擢したことで、最終ラインの落ち着きが増し、気づいてみれば5戦連続無失点での5連勝というクラブ新記録を達成。特に名古屋戦でキャスパー・ユンカーを完封した関川の出来は素晴らしかった。

「以前は数試合よければ少しミスがあって…という連続だったけど、彼自身が乗り越えて、今はかなりのレベルになっている。まだ22歳ですからね。大卒1年目の自分自身を考えると完成度が高いと思います」と指揮官も絶賛。「優れたCBが揃った時の鹿島は強い」という伝統を具現化しつつあるのだ。

 第13節終了時点で鹿島は首位の神戸と7ポイント差の5位。まだ頂点は遠いが、岩政監督が現役時代に初タイトルを獲得した2007年に似た流れになっているのは確かだ。オズワルド・オリヴェイラ監督体制1年目だった同年は序盤5戦未勝利からスタート。13節時点では首位のG大阪と8差の9位にとどまっていたが、チーム状態が良くなったところで、小笠原満男がイタリアから復帰。一気にギアが上がり、ラスト9戦全勝で最終的に浦和レッズをかわして逆転優勝というミラクルな軌跡を辿った。

 16年前の過去を岩政監督にぶつけると「あの頃はそんなに多くのことを作り込んでやる必要がなかったので、ただ勝って自信をつけていけば良かった」と前置きしつつ、「いろいろなものを付け加える作業を繰り返して、シーズン終盤に完成形にすることを信念持って続けるだけ」と自らに言い聞かせるように語った。「その上でタイトルを取ってしまえば、さらに強いチームになることは僕も経験してきたこと」と語気を強めたが、彼らにとって今はまさにその重要局面。ここで走るのか、停滞が続くのか…。大きな岐路に直面していると言っていい。

 30周年記念試合で上位の名古屋を2-0で叩き、新時代の“常勝・鹿島”を作るべく、決意を新たにした岩政監督。最悪の時期を乗り越え、力強い歩みを見せ始めた41歳の指揮官のマネジメント力にさらなる期待を寄せたい。

取材・文=元川悦子







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