
日刊鹿島アントラーズニュース
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2022年1月27日木曜日
◆新生・鹿島はなぜブラジル→欧州路線へ? 「もっとやるべきことがあったんじゃないか」…最多20冠の“常勝軍団”が抱いた危機感(FOOTBALLZONE)
【J番記者コラム】国内タイトルと無縁、“常勝”鹿島にとって受け入れがたい現実
勝っているチームはいじるな。
サッカーに限らず、勝負の世界の常套句だが、裏を返せば、勝てないチームは何かしらの手を打て、ということになる。
2018年にクラブの悲願であるAFCチャンピオンズリーグ(ACL)を初制覇し、歓喜に沸いた鹿島アントラーズも、その一方で、ここ5シーズン、国内タイトルからは遠ざかっている。これほどの“空白期間”はクラブ史上初めてであり、“常勝”という高い目標を自らに課す鹿島にとって受け入れがたい現実でもある。
危機感を募らせる理由がもうひとつある。
Jリーグ連覇中の川崎フロンターレに対し、終わってみれば、2年連続で勝ち点差20以上も引き離された。それはつまり、タイトルに手が届くどころか、タイトル争いさえも演じられなかったことを意味する。
このままではいけない――。常勝復権に向けて、さまざまな観点から検討が重ねられ、チーム改革に乗り出した。
これまでの鹿島といえば、クラブの基盤作りに尽力した御大ジーコがブラジル出身ということもあって、外国籍選手の獲得をはじめ、監督やコーチもジーココネクションを最大限に生かしてきた。それによって、クラブ創設30年間で、他の追随を許さない最多20冠を積み上げてきた成功体験がある。
だが、こうしたブラジル路線の恩恵にいつまでも浸ることなく、未来の鹿島を見据え、今、何をすべきか。具体的かつ明確な施策を次々に打ち出している。
掲げたテーマは「革新と挑戦」だ。クラブが育んできた「歴史と伝統」を重んじつつも固定観念にとらわれず、一からのチーム再建に挑む。
まず、指導陣が一新された。新指揮官に迎え入れられたのは、スイス国籍のレネ・ヴァイラー監督だ。現在48歳。母国のシャフハウゼンやアーラウといったクラブでキャリアを積み、アンデルレヒト(ベルギー)やアル・アハリ(エジプト)でリーグ優勝を経験するなど、野心に溢れる、叩き上げの人物であることが垣間見える。
コーチングスタッフにJリーグの大宮アルディージャや湘南ベルマーレでのプレー経験を持つセルビア国籍のドラガン・ムルジャコーチ、そしてフィジカル担当としてドイツ国籍のマヌエル・クレクラーコーチが就いた。ヨーロッパ出身の指導陣が就任するのはクラブ史上初めてであり、コーチ陣も含め、ずいぶん国際色豊かになった。
指導陣とともに、強化スタッフの体制も様変わり
とはいえ、ヨーロッパテイストの導入は今に始まったことではない。2020年に就任したザーゴ元監督はブラジル出身ながらヨーロッパでの選手経験や指導歴もあり、モダンフットボールの戦術に精通していたことから白羽の矢が立てられた。最新テクノロジーや練習の映像を駆使し、個々のプレーを可視化する指導スタイルはこれまでの鹿島には見られないものだった。
ザーゴ元監督が特に学んでいたのは、エナジードリンクメーカーのレッドブルグループが全面的にバックアップして打ち出されたスピーディーで、インテンシティーの高い戦術と、そのトレーニングメソッドだ。それはアンチポゼッションと言われるが、ザーゴ元監督が目指したのは、あくまでもボールを大事にするスタイル。自身のルーツであるブラジルとヨーロッパをブレンドしたサッカーと言えるかもしれない。だが、新たな戦術の浸透が進まず、結果も伴わず、わずか1年と数か月で、解任に追い込まれてしまった。
こうした試行錯誤を経ての、ヴァイラー監督の就任でもある。新型コロナウイルスの入国規制のため、いまだに来日できずにいるが、1月22日の新体制会見ではオンラインを通じ、こうメッセージを送っていた。
「選手個々の特徴を生かしたエンターテイメント性のあるサッカーを展開したい。シーズンの最後に皆で笑顔になれたらと思っている」
指導陣とともに、強化スタッフの体制も様変わりした。長年、チーム編成の最高責任者として手腕を発揮してきた鈴木満フットボールダイレクター(FD)が勇退し、後任である吉岡宗重フットボールグループプロチームマネージャーにバトンが渡された。クラブレジェンドのジーコテクニカルディレクター(TD)もその職を退き、クラブアドバイザーに就任。今後はチーム強化のみならず、さまざまな面から鹿島を後押しする。
かつて鈴木前FDが発したこの言葉が忘れられない。
「タイトルを獲ってももっと別のやり方があったんじゃないか、もっとやるべきことがあったんじゃないか。いつもそう考えている。これで安泰と思ったことなど一度もない」
危機感を原動力に変えながら生きながらえてきた鹿島。再びJリーグの主役に躍り出られるか。今季の関心事の1つといっていいだろう。
(小室 功 / Isao Komuro)
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