日刊鹿島アントラーズニュース

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2020年7月26日日曜日

◆茨城の鹿島神宮、コロナ禍終息願い「大助人形」設置(日本経済新聞)






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茨城県鹿嶋市の鹿島神宮は全国に点在する鹿島神社の総本社で、関東最古の神社とされる。武道の神である「武甕槌大神(たけみかづちのおおかみ)」をまつり、防人(さきもり)が道中の無事を祈った「鹿島立ち」の場として知られる。

鹿島則良宮司は「御朱印ブームが示すように若い方の参拝が増えた。神道の作法が伝わりつつあることに新鮮な印象を受けている」と語る。

森には多様な植物があり、鹿園や奥宮、御手洗池(みたらしいけ)など見どころは多い。境内の奥の要石(かなめいし)は地震を起こすナマズの頭を押さえているといわれる。





新型コロナウイルスで4~5月はバスツアーが影を潜めたが、参拝客は徐々に戻り始めた。祈祷(きとう)の人数を制限したり、お参りする人の間隔を確保したりと感染対策を徹底している。

安全確保のため、9月の「神幸祭(じんこうさい)」はみこしを出さない居祭(いまつり)と呼ぶ祭儀に変更し、関連の「提灯(ちょうちん)まち」は中止する。鹿島宮司は「地域にも痛手。早く落ち着いた世の中になるよう願う」と語る。




そんな思いから6月、「大助(おおすけ)人形」を設置した。10体のわら人形の腰に竹刀を差し、墨で書いた顔を半紙に描いた。鹿島の神が香取の神と東北を平定した際に加勢した兵の姿とされ、疫病などを防ぐとの言い伝えがある。茨城県北部には今も大助人形を飾る風習が残るという。8月18日に取り外して焼き、灰を川に流す予定だ。

「歴史を受け継ぎながら新しいものも採り入れ次世代にバトンを渡したい」(鹿島宮司)。混雑緩和などのため、2014年に祈祷殿や社務所を竣工。20年1月にはお札やお守りを扱う授与所の運用を始めた。





6月には鹿島アントラーズとのコラボで限定1800冊の御朱印帳を販売し、2日で売り切れた。「アントラーズは平成の歴史の一ページ。手を取り合っていきたい」。歴史の重みに加え、時代の変化も感じられる場所だ。

(水戸支局長 竹蓋幸広)


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