鹿島――終盤に意地の同点ゴール
[J1第22節] 鹿島1-1神戸/7月16日/県立カシマサッカースタジアム
【鹿島|採点】
スタメン)
GK
クォン・スンテ 6.5
DF
常本佳吾 6.5
三竿健斗 6.5
キム・ミンテ 5
広瀬陸斗 6
MF
和泉竜司 7
中村亮太朗 6.5(72分OUT)
ディエゴ・ピトゥカ 5.5(80分OUT)
アルトゥール・カイキ 5.5(80分OUT)
FW
エヴェラウド 5.5(72分OUT)
鈴木優磨 7
途中出場)
DF
安西幸輝 6(72分IN)
関川郁万 6(72分IN)
MF
舩橋 佑 ―(80分IN)
土居聖真 ―(80分IN)
監督)
レネ・ヴァイラー 6
【鹿島|寸評】
10分にピトゥカの強烈なFKから徐々に押し込む時間帯を増やしたが、決定機までは作り出せず。一方で相手の効果的な攻撃も許さなかったが、時折見せるイニエスタのパスにやや翻弄される。後半は立ち上がりに失点。大迫にゴールを許すと、さらに60分、抜け出した大迫をキム・ミンテが倒してしまい、この日2枚目のイエローカードで退場に。ひとり少なくなったあとも、中盤の中村がCBを務めるなど、決してペースは手放さず。粘り強さを発揮し、終盤に意地の同点ゴール。87分に鈴木のヘディングでの折り返しを和泉が決めてドローに持ち込んだ。
3日前の天皇杯で好調ぶりを見せたMF中村は中盤で存在感を発揮。ひとり減った後もCBをこなすなど、個人としてはアピールに成功。ハードワークし、テクニックも併せ持つMF和泉がゲームを引き締め、FW鈴木、CB三竿、GKクォン・スンテら中心選手はこの日も安定したパフォーマンスを披露した。チームとして神戸にやられていた部分は多くなかったが、組み立てに絡み、サイドに開く鈴木が作り出したスペースを突くことができず。天皇杯でゴールを奪い復調傾向のエヴェラウドもこの日は不発に終わるなど、フィニッシャーの不在を痛感させられた。
しかし、諦めない姿勢が87分の同点弾につながるなど、最後まで奮闘した和泉をMOMに選出。ひとり減ったなかで、なかなか選手交代をしなかったレネ・ヴァイラー監督だが、送り出した先発選手たちへの信頼が最後の追い上げにつながったとの見方もあるか。
神戸――武藤が負傷で途中交代に
【神戸|採点】
スタメン)
GK
飯倉大樹 6
DF
山川哲史 6.5
菊池流帆 6.5
小林友希 6
酒井高徳 6
MF
橋本拳人 6
山口 蛍 6.5
飯野七聖 6(HT OUT)
アンドレス・イニエスタ 6(75分OUT)
汰木康也 5(89分OUT)
FW
武藤嘉紀 5.5(39分OUT)
途中出場)
MF
佐々木大樹 ―(75分IN)
FW
大迫勇也 7(39分IN)
ムゴシャ ―(89分IN)
小田裕太郎 6.5(HT IN)
監督)
吉田孝行 6.5
【神戸|寸評】
前半で武藤が負傷交代するアクシデントがあったが、交代した大迫が大活躍。52分に先制弾を決めると、60分には巧みな抜け出しから、キム・ミンテの2枚目のカードを誘発。さらにアディショナルタイムには決勝弾のチャンスも。さらに加入直後の飯野を先発させ、FWムゴシャも終盤にピッチに立つなど、今後に向けての布石も打った。
「本来なら半分(の時間)以内の予定だった」と指揮官も明かした大迫が先制弾を決めるなどチームを牽引。鹿島の和泉、鈴木と「7」の高採点も、ひとり少ない相手に終盤に追いつかれた点を考慮し、MOMは和泉に譲った。またイニエスタは相変わらずのプレークオリティで会場も息を呑むパスを供給していた。編成上の問題もあるだろうが、ベンチには攻撃的なキャラクターばかりで、強度の高い戦いのなかで中盤の山口と橋本にかかる負担が増え、後手に回るシーンも。動きが良く、度々チャンスに絡んでいた汰木だが、数えきれないほどの決定機があっただけに評価は厳しめに。吉田監督はタレント揃いのチームを上手くまとめる部分で手腕を発揮。送り出した選手が活躍するなど、チームに良い循環を呼び込んでいる。
※MAN OF THE MATCH=取材記者が選定したこの試合の最優秀選手。
※採点は10点満点で「6」を及第点とし、「0.5」刻みで評価。
※出場時間が15分未満の選手は原則採点なし。
取材・文●渡邊裕樹(サッカーダイジェスト編集部)
◆【J1採点&寸評】鹿島1-1神戸|MOMは同点弾の和泉。鈴木、大迫ら3人が「7」の高評価に(サッカーダイジェスト)