日刊鹿島アントラーズニュース

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2020年11月19日木曜日

◆交代後に2失点も力不足語った柴崎岳「自分たちの実力はこんなものだと捉えていい」(ゲキサカ)






[11.17 国際親善試合 日本0-2メキシコ グラーツ]

 ピッチに立っていた57分間はさすがのゲームコントロールを見せたが、チームの結果は伴わなかった。日本代表MF柴崎岳(レガネス)は「自分たちの実力はこんなものだと捉えていい。今日のメキシコのような相手に対して力不足を痛感している」と振り返った。

 試合前日のオンライン取材で「メキシコという強豪国相手でも、ヨーロッパの地でこれまでと同じベースでプレーできるかどうか。これまで積み上げてきた自分たちのプレーを、そういった相手に臆せずにチャレンジする部分が大きなテーマになる」と語っていた柴崎。柴崎が出場していた時間で言えば、日本代表ははまさにそのとおりのプレーを披露した。

 立ち上がりこそメキシコ相手に主導権を譲ったものの、これまでチームが重要視してきた「粘り強さ」で対応し、前半10分ごろからはコンパクトな守備ブロックでボールポゼッションを奪回。良い守備ができるようになったことで良い形で前に出られるようになり、狭いスペースでも背後へのダイナミックな展開でも効果的な攻撃を繰り出し続けた。

「後ろ重心にしたくなかったし、なるべくコンパクトになるよう僕と(遠藤)航のところで一人が出て、一人がバランスを取るという形。二人ともが後ろに重くならず、相手のインサイドハーフにしっかりプレッシャーをかけられるよう、FWの切り方も含めて指示を出していたし、自分が行くところの判断もうまくできていた」。守備への手応えをそう振り返った。

 ところが、チームは多くの決定機を迎えながらもゴールが遠かった。

 前半15分にFW鈴木武蔵がGKと1対1の決定機を止められた場面が象徴的で、フィニッシュの質には課題も露呈。「決め切れなかったらダメだと言われればそれまでだが、その場面までは持っていけていたし、決定的なチャンスはあった。コンビネーションではいい部分もあった」とディテールに目を向けた柴崎だが、「どれだけゴール前まで持っていっても、特に前線の選手は個人でいい判断や精度が求められてくる」と冷静に振り返った。

 結局、柴崎は4日前のパナマ戦で82分間プレーしていた影響もあり後半12分に途中交代。その後、チームは後半18分からのわずか5分間で2失点を喫した。

「時間が経つにつれて相手のインテンシティーが高まって、ビルドアップやコンビネーションのズレが出てきた。正直ベンチにいたのであまり見えていなかったが、押し込まれていた部分が多かったし、よくない奪われ方もあった。選手個々人の能力というか、メキシコの選手はテクニックがしっかりしていて、ちょっとそこで差が出てしまったと思う」。

 連続失点の場面をそう総括した柴崎は、メキシコから学ぶべき教訓も語った。

「コンパクトにミスも少なくビルドアップをしてくるし、ミスがあっても切り替えの速さや守備の強度が非常に高く、すぐに奪い返してくる。日本のコンセプトに近いものを感じた。チャンスができていたようにビルドアップや崩していく部分に関しては通用する部分もあったと思うが、インテンシティを上げてきた時の精度や、奪われた時の攻撃から守備への切り替えの強度はメキシコが徹底してきていた。見習うべきところがあった相手」。

 試合前日、柴崎が「この試合を今後どう捉えていくか、チームの一つの指標となる」と語っていたように、メキシコ戦は収穫もありながら多くの課題を突きつけられる実り多き一戦となった。「もっとチームとしての成熟度も高められるし、選手個々の能力も上げていかないといけない」(柴崎)。カタールW杯まであと2年、森保ジャパンはこの敗戦を基準にさらなる成長を遂げていく構えだ。

(取材・文 竹内達也)




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