日刊鹿島アントラーズニュース

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2019年6月26日水曜日

◆AFCチャンピオンズリーグ2019 ラウンド16 第2戦(オフィシャル)



土居聖真 Shoma.Doi


鹿島アントラーズ 2019 コンフィット半袖Tシャツ 8.土居聖真 クラブチーム...


2019年06月25日(火) 19:00キックオフ 広島広域公園陸上競技場
【入場者数】4,279人 【天候】晴れ、弱風、 気温25.8度、 湿度68.0% 【ピッチ】全面良芝、水含み
【主審】アリ・アルカイシ 【副審】アブドゥルハサン・アリ・ウバイディー 【副審】フセイン・アルウィンダウィ 【第4の審判員】ザイド・タメル・モハンメド



AFCチャンピオンズリーグ ラウンド16 第2戦

土居が決めた!アウェイゴールの差でACL準々決勝進出決定!

ACLラウンド16第2戦、アントラーズはアウェイでサンフレッチェ広島と対戦した。前半33分に土居が先制点を決めたものの、後半に入り、66分、72分と立て続けに失点を許してしまう。それでも、89分に再び土居が貴重なアウェイゴールを奪ってリードを広げた。試合終了間際の後半アディショナルタイムにPKを献上して失点を喫したが、2戦合計スコア3-3、アウェイゴールの差でアントラーズのACL準々決勝進出が決定した。

1週間前のACLラウンド16第1戦。立ち上がりから両チームともに失点のリスクを回避する慎重な試合展開となったが、前半24分にセルジーニョのゴールが決まると、アントラーズは1点のリードを最後まで守りきり、1-0で勝利を収めた。

試合後、指揮官は「ホームで戦う第1戦ということで、勝利、無失点が大事だった。この結果は非常に評価している。しかし、180分の戦いの前半が終わっただけ。しっかり分析、改善して、第2戦に向けて準備したい」と振り返った。

アウェイゴールをゼロに抑えての勝利は、第2戦に向けて大きなアドバンテージとなる。だが、ラウンド16突破が決まったわけではない。 第2戦を含めたトータルスコアで、広島を上回らなければ、アジア王者への道は断たれてしまう。

第1戦を終えた選手たちも、すぐに第2戦の戦いを見据えていた。右サイドでチームに落ち着きをもたらしたベテランの遠藤は、「ホームで1-0で勝てたことは、最低限の結果だと思う。相手が10人になってから押し込まれる時間もあったので、そこでもう一段階ギアを上げて、点を取りに行くという姿勢を見せたかった。もう少し守備の部分でもできるところはあったと思う。その部分を、来週もう一度みんなでやっていきたい」と、さらなる向上を誓っていた。

1日のオフを経て、チームは6月20日から練習を再開。まずは、リカバリーメニューを消化し、コンディションを整えた後、広島への対策を確認し、準備を整えていく。そして、試合前日の6月24日に広島へ移動。2年連続のアジア王者に向けて、決意と覚悟をもって決戦の地へと乗り込んだ。



迎えた試合当日。キックオフ1時間前に注目の先発メンバーが発表された。GKは守護神クォン スンテ、最終ラインは右から永木、チョンスンヒョン、犬飼、町田が入る。ボランチは、三竿とレオ シルバのコンビ。サイドハーフは右に遠藤、左には名古が起用された。前線は土居とセルジーニョが2トップを務める。ベンチには、曽ケ端、小田、関川、白崎、金森、伊藤、山口が座った。



平日開催にも関わらず、広島広域公園陸上競技場には続々と背番号12が詰めかけた。声援が選手たちを奮い立たせる。広島まで来られなかったアントラーズファミリー全員の気持ちも背負って、2年連続のアジア王者を目指した戦いへ臨んだ。

そして、19時。ついに、決戦の火蓋が切って落とされた。

試合開始直後の前半3分、アントラーズはいきなりアクシデントに襲われる。相手のクロスボールをクリアしたチョンスンヒョンが左足を負傷し、プレー続行不能となってしまった。不測の事態。ウォーミングアップもままならない状況で、スクランブル投入されたのは、新人の関川郁万だった。関川はACLグループステージ第4節慶南戦以来、公式戦10試合ぶりの出場となった。





緊急で投入された若武者に、周りの選手が声をかける。チーム一丸、総力戦でこの一戦を勝ちに行く。関川は味方の心強いサポートを得て、落ち着いたプレーで試合へ入っていった。







立ち上がりからアントラーズは自陣に押し込まれる展開が続いた。15分には、右サイドでフリーキックを献上すると、クロスボールから野上にゴール前でヘディングシュートを放たれてしまう。だが、これは守護神クォンスンテが見事なポジショニングでセーブし、チームの危機を救った。















広島の勢いにのみこまれ、攻撃に転じることが出来ないアントラーズ。しかし、33分にようやくこの試合初めてのチャンスを迎える。レオ シルバからのボールを受けた名古が左サイドからゴール前にクロスを送る。惜しくも相手DFにクリアされたが、こぼれ球に素早く反応した土居が、胸トラップでボールをコントロールしてから、右足を鋭く振りぬく。低く抑えられたシュートは、土居の気迫を乗せたように、見事ゴールネットへ突き刺さった。これで2戦合計2-0。この試合初めてのシュートで、価値あるアウェイゴールを奪った。









優位な状況に持ちこんだアントラーズだったが、広島に攻められる苦しい展開が続く。41分、左サイドから川辺駿に突破を許し、シュートを打たれると、クォンスンテのセーブも及ばず、ボールはゴールへと転がる。だが、これはゴールライン際で永木が懸命に身体を伸ばしてクリア。勝利への執念をみせて、失点を防いだ。

広島の猛攻をなんとか耐え凌いだアントラーズは前半を1-0、2戦合計2-0のスコアで折り返した。



迎えた後半。広島は後半開始からパトリックを投入。アントラーズは自陣に押し込まれ、広島の猛攻をひたすら耐え凌ぐ時間が続く。



それでも、アントラーズはカウンターからチャンスをつくる。62分、最終ラインの裏に抜け出したセルジーニョが、GKの頭上を抜くループシュートを放った。しかし、これは惜しくも枠を捉えることができず、試合を決める得点には至らなかった。



試合は65分を経過。完全に広島が試合の主導権を握り、アントラーズを攻め立てる展開となる。残り25分間、2点を守り切れば、準々決勝進出が決定するーー。だが、アジア王者を目指す戦いは、やはり甘くなかった。

まずは66分、広島の柏に左サイドからクロスをあげられると、ゴール前でパトリックにヘディングシュートを決められて失点。2戦合計スコア2-1と追い上げを許してしまう。

アントラーズは失点直後に名古に代えて白崎を投入。決定的なアウェイゴールを狙いに行った。

しかし、防戦一方の展開で迎えた72分。再び左サイドから柏にクロスを上げられると、ゴール前の混戦となる。パトリックのシュートは守護神のファインセーブで防いだが、こぼれ球を佐々木に決められ、2失点目を喫した。アウェイゴールの差でリードしているが、2戦合計スコア2-2の同点と、完全に追い詰められていた。

失点直後の74分、今度はアントラーズにチャンスが訪れる。コーナーキックのこぼれ球を拾ったセルジーニョは、前線に残っていた土居へスルーパスを送る。土居はうまく相手DFと入れ替わり、前がかりになった相手GKのタックルを受けて転倒する。主審はGK中林に対して、一発レッドの判定を下した。アントラーズは残り時間を数的優位の状況で戦えることになった。















だが、相手GKの退場からつかの間、81分に、アントラーズは再び決定的なピンチを迎える。左サイドから柏に突破を許すと、ペナルティエリア内で倒れながらクロスを入れられる。このクロスをパトリックに合わせられ、ゴールネットを揺らされてしまった。しかし、柏が倒れながらクロスを入れたプレーで、シミュレーションの反則があったとして、柏にイエローカードが提示され、ゴールは認められなかった。判定にも助けられ、なんとかアントラーズがリードを保つ。

88分、アントラーズは最後のカードを切る。遠藤に代えて小田を投入。総力戦で逃げ切りを図った。

すると、交代直後の89分。コーナーキックを獲得した広島は、GKもペナルティエリア内に上げて、パワープレーを仕掛けてきた。アントラーズはゴール前に送られたクロスボールをなんとかクリアする。こぼれ球をセルジーニョ、土居、レオシルバと丁寧につなぎ、ボールを前進させる。レオ シルバからのリターンパスを受け取った土居は、ハーフウェイライン付近から無人のゴールへロングシュート。これが、見事にゴールネットへ吸い込まれた。2戦合計スコアは3-2。アウェイゴールの差で広島を突き放した。













このまま試合を終わらせたいアントラーズだが、広島の猛攻を受ける。ハーフウェイライン付近からアバウトなロングボールを送られると、ペナルティエリア内でパトリックを関川が倒してしまい、PKの判定が下される。これをパトリックに決められた。そして、パトリックのPKが決まった瞬間、試合終了のホイッスルが鳴った。





第2戦は2-3と敗戦。2戦合計スコアは3-3。後味の悪い試合となったが、アウェイゴールの差でなんとかアントラーズが準々決勝進出を決めた。改善点も多く見つかったが、我々はこの教訓を活かすチャンスを得た。アジア連覇への道は続いている。







次なる戦いは、中4日で迎える明治安田J1第17節。激闘を演じた広島と再び聖地で相まみえる。アジア王者を目指す前に、まずは国内タイトル奪還に向けた、重要な一戦を勝利しなければいけない。選手たちは連戦の疲労も溜まっているだろう。総力戦の戦いになる。だからこそ、聖地、カシマスタジアムに集う背番号12とともに、厳しい戦いを乗り越えよう。その先に歓喜の瞬間が待っていると信じて。これからも戦いは続く。

【この試合のトピックス】
・ACL準々決勝進出が決定
・土居が今大会初ゴール

監督コメント

[ハーフタイム]
鹿島アントラーズ:大岩 剛


サンフレッチェ広島:城福 浩


[試合後]
鹿島アントラーズ:大岩 剛
次のラウンドに進めるということが、今日の一番評価できるところ。試合の中で様々なアクシデントがあり、色々な見方があると思う。しっかりと改善すべきところを洗い出して、次のJリーグ、ACL準々決勝に向けて切り替えていきたい。

Qチョン スンヒョン選手が負傷退場したあとのプラン変更はあったか?

A. プラン変更はない。プラン変更している時間もなかった。スンヒョンの代わりに郁万が入ったというだけ。「落ち着いていけ」などと色々な指示も出せたと思うが、まずはゲームに入り、雰囲気に慣れさせてから彼のいいところを出していく方が重要だと思っていた。そのアクシデントで、自分たちが後ろへ下がってしまったところは反省すべき点だと思う。

Q. 1-2になったときに、何か指示は出したのか?

A. 1-2になったところで、試合の流れと相手の出方を見て落ち着くというところとポジションの修正をした。ただ、相手の人数や駆け引きの部分で、少しネガティブな反応をしてしまった。

Q. 第1戦と第2戦での広島の違いは?

A. 第1戦と第2戦での広島の違いは、あまり感じていない。試合の途中で少しシステムが変わった場面もあったが、おおむね予想通りだった。選手が多少変わった部分もあるが、自分たちのアクシデントの方が大きかった。相手云々よりも自分たちがどのように試合を進めていくかが重要だった。

Q.土居選手のパフォーマンスに対しての評価は?

A.得点はもちろん、前線からのチェイスやボールを引き出すポジショニング、味方を助けるボールの引き出し方、彼の持っているものがすべて出たゲームだったと評価している。

サンフレッチェ広島:城福 浩
選手はよく頑張ってくれたと思う。持てる力を発揮してくれたし、次のラウンドへ進む執念を見せてくれた。冷静に受け入れることのできない厳しい試合だったが、これを黙って受け入れなければいけないのが、サッカーの世界なのかもしれない。この悔しさを晴らすことができるのは、この大会だけ。サポーターは最後まで背中を押してくれた。次の試合は、サポーターと一緒に喜びを分かち合いたい。


選手コメント

[試合後]

【犬飼 智也】
自分たちで、試合を難しくしてしまった。第1戦を無失点で終えていたことが、かなり大きかった。相手がやることをはっきりさせ、勢いを持って攻めてくるのは分かっていたので、その勢いを持った相手を止めなければいけなかった。最初の失点も、自分のところから与えてしまった。次のJリーグでは、しっかり抑えていきたい。

【永木 亮太】
前半は耐えるところは耐えて、聖真が点を決めてくれたので、理想的な形だった。後半はパトリック選手が入ったことによりパワーが増して、そこで起点を作られて相手のやりたいようにやらせてしまった。そこは反省していかないといけない。

【名古 新太郎】
今日はいつもと違うポジションでの出場だったが、前を向いてプレーすることが多くなるので、思い切ってプレーしようと思っていた。1対1で仕掛けることはできていたが、最後のクロスの精度がとフィニッシュまで持っていく部分が課題となった。シュートまで持っていくことがあまりできていなかったので、シュートまで持っていく形を自分の中で持っておかないといけないと感じた。

【町田 浩樹】
負けてしまったので、誰も満足はしていない。ただ、次につながったことが何よりの収穫。難しい試合だった。前半は相手に何もやらせなかったが、後半に相手がメンバーを変えてきてから、対応に手こずってしまった。そこの対応力はまだまだかなと感じた。

【土居 聖真】
どちらのゴールも、押し込まれている中で決めることができたので、それが大きかったと思う。自分のゴールでチームを助けることができてよかった。

【小田 逸稀】
個人的には、課せられたミッションを達成することができたと思う。チームとして、次に進めたことは喜ばしいこと。次のJリーグやACLに向けて、下を向かずに、前を向いてやっていきたい。




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