<明治安田生命J1:横浜0-2鹿島>◇第27節◇28日◇日産ス
鹿島アントラーズが横浜F・マリノスに2-0で快勝した。鹿島は強かった。
ボール保持率は横浜が68%、鹿島が32%で、圧倒的にボールを握られていたことを物語る。だが、鹿島はぶれることなく我慢を貫いた。高い位置でボールを取れなくても、中をしっかり締め、横浜をサイドに追い込む。「ボールを持たれても、最後だけはやらせなければいい」。そんな強い意思を感じさせた。
前線から最終ラインまで超コンパクトに保ち、1人が抜かれても、すぐ二の矢のプレスを掛ける。リスクマネジメントを含め「1つ破られたら崩れる」というもろい守備ではなかった。
攻撃も、縦に速いカウンターで2発。相手の隙を突き、少ないチャンスをものにする。球際の激しい攻防も含め「これぞ鹿島」という戦いぶりだった。
中でもボランチのMF三竿健斗、DF町田浩樹のハードワークが光った。三竿の走行距離はチームトップの12・181キロ。先制点も三竿のボール奪取から生まれ、まさに「水をくむ人」の働きぶり。町田はセンターバックだが、スプリント回数がチームトップの24回で、サイドに出て、横浜の右サイドの攻撃の芽を摘む場面も多く見られた。
相馬直樹監督も「高い攻撃力のチームに対して、最後まで粘り強く体を張り、助け合って(失点が)0で終え、勝ち点3をとってくれた選手に感謝したい」とし、守備面で、高い位置でプレスをいなされても「どこだったら運ばせていいか」をチームとして整理していたことを明かした。続けて「選手達が、やられそうなところをカバーする気持ちが非常に高かった。そこが一番、チームを引き受けていて、うれしいところで」と目を細めた。
8月に入り5試合を消化し、無失点が3試合。残り2試合も最少の1失点に抑えている。リーグ最多得点の横浜を無失点で抑えたことは、チームにとって大きな自信になるだろう。したたかな鹿島らしい戦いを続ければ、さらに上位に食い込めるはずだ。【岩田千代巳】
◆これぞ鹿島したたかな強さ発揮!リーグ最多得点の横浜を抑えた強い意思(ニッカン)