<J1:鹿島2-0名古屋>◇第8節◇14日◇カシマ
鹿島アントラーズDF昌子源の声は枯れていた。「久々にのどが痛い。久々にいっぱい声を出した気がする」。それだけ必死だった。思いはプレーに乗り移っていた。
公式戦で4試合ぶりに復帰した守備の大黒柱は、ブラジル代表の名古屋FWジョーを決して、自由にはさせなかった。許したシュートは1本だけ。名古屋自体にも4本だけしか許さなかった。
では、どんな声をかけ続けていたのか。「励ましの声よりも『もっと行けよ』と。シュートを外して『あぁっ』となっている声なんていらんから、もっとやれやって、ちょっと厳しい声をかけていました」。
リーグ戦で2連敗、3試合勝ちがない状況のチームに、足りないのは厳しさだと判断した。「誰かの不用意なミスを怒りましたし、自分が不用意なミスをしたときは(MF三竿)健斗が怒りました。健斗には常に言っている。『もっとオレに怒っていい。その声で集中力を維持するから』と。今のチームに足りないことは、そうだったんじゃないかと思う」。決して、けんか腰などではない。勝利を追求する思いを引き出す声だ。その声が、鹿島に強さをもたらして、リーグ4試合ぶりの勝利が生まれた。
鹿島昌子「もっとやれや」勝利へ厳しさ追求し強烈檄