[4.14 J1第8節 鹿島2-0名古屋 カシマ]
開幕戦以来のピッチでチームの連敗ストップに貢献した。右太腿裏痛で離脱していた鹿島アントラーズDF内田篤人が2月25日の清水戦(0-0)以来、7試合ぶりに復帰。右サイドバックで先発すると、序盤の積極的な姿勢がチームに先制点をもたらした。
2連敗で3試合勝利から遠ざかっていたチーム状況について「立ち上がりが良くないのは知っていた」からこそ、「押し込むために俺も上がった。きれいな形でなくてもいいからゴリゴリ押し込むことが立ち上がりは大事」と果敢に攻撃参加。前半5分、MF中村充孝がボールをキープしている間に背後を駆け上がり、パスを受けると、マイナスに折り返して中村がシュートを打った。
前半9分にもオーバーラップした内田がゴール前にクロス。これはGKに直接キャッチされたが、その1分後にFW金崎夢生が先制点。1点をリードすると、今度は守備で粘り強く対応し、後半16分にはファウル覚悟のスライディングタックルでイエローカードを受けた。
後半32分に交代したが、2枚目のイエローカードを避けるために自らベンチに要求したという。「ケガをしたとか、体力がないとかではなく、イエローをもらっていたから。(退場で)DFラインが削れるのは良くない」と、その意図を説明した。
7年半ぶりに鹿島に復帰した今季は2月14日のACL開幕節・上海申花戦(1-1)にフル出場。2月25日のJ1開幕節・清水戦も先発し、後半39分までプレーした。しかし、その後は右太腿裏の張りを訴え、戦線離脱。48日ぶりの復帰戦が今季公式戦3試合目の出場で、自身の出場試合では初勝利となった。
「久しぶりの勝利給だね」。冗談めかして語った内田は自分自身のプレーについて「そんなに良くはなかったけど、DFは(チームが)勝って評価される」と指摘。5月中旬まで過密日程が続くが、「キャンプもできているし、最後は根性というか、コンディションは問題ない」と、連戦での出場も辞さない構えだ。
その頭には代表への思いもある。「監督、代わったらしいし」。日本代表はバヒド・ハリルホジッチ前監督が解任され、西野朗新監督が就任。監督交代については「俺は呼ばれていたわけでもないし、協会の人の判断。俺がどうこう言う話じゃない」と言及を避けたが、西野監督は就任会見で「過去の経験、実績、プラスここ1か月の状況を正確に見極めたい」と選手選考の基準を語っている。
内田の経験、実績は申し分ない。あとはコンディション。鹿島で試合に出て、どんなプレーを見せるかにかかっている。「俺は試合に出ないと話にならない。それで見てくれれば」。そのことは内田自身が一番理解している。「やれるってことが分かれば、気にはなってくると思う」。大逆転のメンバー入りへ。過酷な連戦も、アピールには絶好のチャンスになる。
(取材・文 西山紘平)
「監督、代わったらしいし」48日ぶり復帰の内田篤人が語る日本代表との“距離”