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9月27日(土) 2014 J1リーグ戦 第26節
徳島 0 - 5 鹿島 (19:04/鳴門大塚/10,493人)
得点者:39' カイオ(鹿島)、40' 土居聖真(鹿島)、58' カイオ(鹿島)、59' 遠藤康(鹿島)、71' 遠藤康(鹿島)
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攻撃面に幾らかの変化は感じられたと言えよう。高崎寛之は最近の数試合消えていた相手を背負う強さを再び見せてし、回数こそ少なかったが津田知宏にも前へ向かうドリブルや長いスプリントがあった。まだまだ不十分とは言え、それでも彼らが何とかしなければという気持ちをプレーに表現しようとしていたのは間違いない。
しかし、そのようなプラス面も全体の戦いにおいては微々たるもの。内容を変えられるほどでは全くなく、その結果徳島はまた今節も敗戦。しかも0-5という言い訳できないスコアで敗れ、チームはスタジアムへ足を運んでくれたファン・サポーターを大きく失望させてしまった。
その大敗の原因は他でもない、選手たちに見られた“雑さ”だ。
残念ながらこの一戦は序盤からそれが数多く見られた。立ち上がりの時間帯すぐ鹿島に連続決定機を作られた時には守備対応で簡単に裏を取られる雑なところをさらけ出したし、運良くそれを凌ぎながらその後今度は繋ぎのパスなどに気遣いの足りない不正確な部分を露呈。そのためせっかくボールを奪ってもロングボール以外なかなか前へ進めないなど、徳島はそれの目立つ戦いを続けたのである。
すると、やはりと言うべきか、そうした雑さは痛手となって自分たちへ降り掛かってくる。まず39分、藤原広太朗がフリーであったにもかかわらず自陣ペナルティエリア内からクリアともパスとも取れない中途半端なボールを中央エリアへ蹴り出すと、それを鹿島のカイオに拾われて強烈なミドル弾を叩き込まれてしまう。さらにその僅か1分後には、またしても守りの対応にそれが。右サイドから上げられたクロスに対しフォアサイドのマークをルーズにしたことで、あっという間の追加点を許してしまった。
そして守備の雑さは後半も消えないまま。3失点目を喫したCKの場面ではゴール前へ走り込んできたカイオに誰も付いておらず、4失点目と5失点目の時には最終ライン裏へ入り込んだ遠藤康を見ることさえ出来ていなかった。遠藤に奪われた2つの失点場面で徳島守備陣は手を上げてオフサイドを主張していたが、当然どちらもそうではなく、背後へも集中を巡らせしっかり人を捕まえる必要があったところに雑さを見せたがゆえの罰と言わざるを得ないだろう。
こうして徳島は泥沼の5連敗。巻き返しが求められたこのシーズン終盤時期に、ひとつの勝点も上積みできていない。しかも今節では甲府、C大阪、仙台、大宮が揃って勝点を伸ばしたとあって、置かれた立場はよりいっそう崖っぷちとなった。
「しっかり責任を感じてやっていきたいと思います」と高崎は沈痛な面持ちで言葉を絞り出したが、果たしてチームは次節こそ自らの姿を変えられるのだろうか。いや、ファン.サポーターの信頼を少しでも取り戻すために徳島は何としても変わらなければならない。
さて勝利した鹿島について述べると、格の違いを存分に示したというところだろう。切り替えや動き出しの早さ、選手の距離感やポジショニングの妙、また全体のイメージ共有などにもレベルの違いを強烈に見せつけた。そのうえ鹿島は優れた個の力が今非常に上手く組織として噛み合っている印象であった。小笠原満男の冷静な戦況判断が攻撃のリズムを導けば、柴崎岳の類い希なるパス能力が決定機を創出。西大伍のタイミング良い攻め上がりが攻めの幅を作ると、カイオの積極的な仕掛けは崩しの選択肢を大いに広げていたと言える。
いずれにしても鹿島はこの大勝でより強い勢いを纏ったに違いない。ここへ出場停止中のダヴィが戻ってくれば、その進撃はきっと頂きを取って代われるだけのものとなるであろう。
以上
2014.09.28 Reported by 松下英樹