
日刊鹿島アントラーズニュース
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2016年4月2日土曜日
◆「金崎夢生は真のプロフェッショナル」…現地関係者が語るポルトガルでの素顔とは(サッカーキング)
http://www.soccer-king.jp/news/japan/national/20160401/426686.html
元川悦子
日本代表から海外まで幅広くフォローするフリーライター。
ポルトガルの地で自らの“原点”を思い出したという金崎夢生(鹿島アントラーズ)。彼のサッカー人生を大きく変えたポルティモネンセには、果たして何があったのか。そして彼はいかにして変わっていったのだろうか。
金崎が2013年夏から約1年半、そして2016年1月から約1カ月プレーしたポルティモネンセは、1980年代半ばまでポルトガルリーグ1部で戦いながら、この15年間はずっと2部に主戦場を移している。彼の在籍期間も2013-14シーズンが7位、2014-15シーズンは14位と1部昇格には手が届かなかった。その間、3人の指揮官が采配を振るったが、方向性が思うように定まらなかったという。2014-15シーズンは前半戦終了時にチーム最大の得点源だった金崎が抜けた点も後半戦の失速につながったようだ。
とはいえ、かつてフィジカルコーチを務めていたジョゼ・アウグスト監督が就任した今シーズンはまずまずの成績を残している。37試合終了時点の順位は6位。目下、自動昇格できる2位のシャーヴェスとは勝ち点3差につける。今後の結果次第で昇格圏に浮上できる可能性も十分にある。今年1月に一時的ながら同クラブに復帰した金崎もわずかながら力を尽くしており、古巣の動向には逐一、目を光らせているという。
「夢生くんはポルティモネンセにいる間、ずっと本気で1部昇格を目指して戦っていました」
金崎と同じタイミングでポルティモネンセに移籍した東京ヴェルディジュニアユース出身のMF亀倉龍希は、現地での様子をこう証言する。「今いるところで何をするかが一番大事」というポリシーどおり、日々真剣にサッカーに向き合い続けたのである。
同クラブのホームスタジアム、ムニシパル・デ・ポルティモンは6000人収容。本田圭佑(ミラン/イタリア)や吉田麻也(サウサンプトン/イングランド)がヨーロッパでのキャリアの一歩を踏み出したVVVフェンロ(オランダ)の本拠地とほぼ同規模だ。とはいえ、ポルトガル2部の公式戦では1000人程度の入場者数があればいいほうだとか。平日昼間に開催された2月17日のジル・ヴィセンテ戦には700人程度しか集まらず、クラブ関係者は「満員になるのはスポルティング、ベンフィカ、FCポルトのビッグ3がカップ戦などで来る時だけ」と説明していた。
ピッチ状態も日本のように美しく整備された芝生とは異なり、スリッピーでところどころが剥げている。亀倉がそのスタジアムで共有した金崎との記憶を回顧する。
「こういう環境だと球際や寄せが強くなければ戦えない。夢生くんは難しい中でも自分の長所をうまく出してタフに戦っていました。2年目以降は僕が左MF、夢生くんがブラジル人FWのファブリシオと2トップを組む形でよく試合に出ましたけど、困ったらほとんど夢生君にボールを預けていた。彼の存在が一つの戦術だったと言っても過言ではないと思います。ポルトガル2部とはいえ、サポーターの要求は相当厳しいんです。僕なんか移籍1年目に右サイドバックで出た際に、パスを2本ミスしただけでブーイングされましたから。僕たち二人は“助っ人”選手なので、かなり文句を言われたと思います。そんなファンを納得させるのは結果しかない。夢生くんは1年目に7点、2年目には前半戦だけで9点を取って存在感を示した。本当のプロフェッショナルの意味を教えてもらった気がします」
亀倉は今シーズンここまで11アシストを記録しており、彼自身も着実に成長を遂げている様子。それも“金崎効果”の一端なのかもしれない。2012年に岡田武史監督(現FC今治代表/日本サッカー協会副会長)率いる広州緑城(中国)でプレーしたことのある25歳のファブリシオも、お互いを生かし合いながら成長できたと語り、金崎にエールを送ってくれた。
「夢生とはピッチ内外でいい関係だった。ポルトガル語や日本語をミックスして喋ったり、ポルトガル料理や日本料理を一緒によく食べに行っていたので、彼が日本に帰ってしまったのはやっぱり寂しい。彼がポルティモネンセに来たことでチームのスタイルは前向きに変わった。夢生はチームで一番技術が高く、前線で体を張ってボールをキープして、チームが苦しい時によく救ってくれた。グループ全体のモチベーションも上げてくれたね。彼とコンビを組むことで自分もゴール数を増やすことができたと思う。そういうレベルなので、もともと2部にいるべき選手じゃなかった。それなのにわざわざここに来て、今年1月にも戻ってきてくれた。本音を言えば、スポルティングとかポルトとかに移籍してくれれば夢生のプレーを間近に見れて良かったけど、Jリーグに戻ったのも将来を考えてのこと。この先は日本代表で大活躍してほしいね」
いつか金崎と一緒に日本でプレーすることを夢見るファブリシオは、今シーズンの公式戦で13得点をマーク。親友の飛躍をいい刺激にして、攻撃の大黒柱としてチームをけん引しているのだ。
金崎が2015年に鹿島へ期限付き移籍する前から彼と関わってきたジョゼ・アウグスト監督も、日本復帰の道を選んだ教え子にエールを送っている。年下の選手たちにいい影響を与え、成長を促してくれた金崎の献身には、素直に感謝の意を表していた。
「金崎はハイレベルで偉大なプロフェッショナルな選手。彼と一緒に仕事ができてとてもうれしかったし、私にとってもいい経験だった。彼は勝利のために常に献身的に働いてくれたし、勝つために何をすべきかを他の選手たちに身をもって示していた。それは大きな意味のあること。龍希のような若い選手にとってはいい見本となったことだろう。彼がチームを去ってしまったのは残念だが、大きな可能性のある選手はもっと大きなターゲットに向かって進むべきだ。彼は日本でトップ10に入るタレント。ワールドカップのような舞台で活躍できると信じています」
古巣の人々が自分自身の成功を願ってくれていることを、金崎もうれしく思っているはずだ。
「日本人の中には『ポルトガルへ行ってすごく良かったね』って言う人もいれば、『そんな知らないところに行って、もったいない時間を使った』という見方をする人もいるでしょう。いろいろな見方があるのはいいと思います。ただ、ポルティモネンセには優れた選手がたくさんいた。ファブリシオだってFKを蹴れて、点を取れるいい選手だったし。そういう中で僕は戦うことの大切さを痛感した。加えて言うと、走れる体になったのも大きかったかな。名古屋グランパスの2年目から始めたチューブトレーニングの効果も含めて、いいコンディションを維持できるようになった。どんなに気持ちがあっても、走りたいと思っても、『肉離れで走れません』では意味がない。ベストなコンディションを作る方法が自分なりに分かったのも大きかったと思います。ポルティモネンセの選手はみんな個性やスタイルがあるから、チームの全員とケンカしたけど、最終的にみんなで求めたのは勝利。その目標が一致してるから、いざという時にまとまることができる。そういうことの大切さも感じられた。本当に僕を支えてくれた人たちに感謝しています」
ポルトガルで得た貴重な経験を糧に、さらにスケールアップしたフットボーラーになろうとしている金崎。その思いをポルティモネンセの仲間たちもしっかりと受け取り、それぞれの未来へと生かしていくことだろう。フィジカル強化、戦う姿勢、団結力、そして自然体での立ち居振る舞い――。現在、金崎のプレースタイルを支えるベースが、ポルトガル南部の小さな町ポルティモネンセに隠されていた。
文・写真=元川悦子
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