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第5世代(5G)移動通信方式が今秋に本格運用されるのを前に、携帯各社はスポーツ競技場などで実証実験を加速させている。大規模な国際大会を控え、スポーツ産業を収益化する狙いがある。一方、スポーツや音楽イベントで人が集まる競技場は、集中する通信への対応など、5Gの実用化に向けた課題の縮図でもある。スマートフォン決済などの導入で、新サービスの実験場となっており、スポーツ産業は大きな転換期を迎えている。
「コミュニケーションの進化がここで生まれる」
ソフトバンクのモバイルネットワーク本部の野田真本部長はこう力説した。ソフトバンクは21日、福岡市のヤフオクドームで行われたプロ野球福岡ソフトバンクホークス対東北楽天イーグルスのオープン戦で、仮想現実(VR)ゴーグルを装着し、仮想空間で観戦する実証実験を実施した。将来的には球場から遠く離れた数人がVR空間に集まって同時に観戦できるようになる仕組みで、2020年度中の商用化を目指す。
実験では、球場内に実際にあるVIPルームをVR空間に再現。利用者の目の前に3次元(3D)の立体映像で試合風景を映し出す。捕手の後ろのフェンスや一、三塁側のベンチ付近、右翼側観客席の上段の4カ所にカメラを設置しており、自由に視点を切り替えられる。高速大容量の5G通信で、映像のデータ量は従来のVRの5倍以上になっており、臨場感が高まった。
米大リーグやサッカーの欧州リーグの収益が増加傾向にあるのに比べ、日本のスポーツ産業は伸び悩みをみせる。今秋にはラグビーワールドカップ(W杯)が開催され、東京五輪・パラリンピックを控えているとあって、各社ともビッグイベントをてこにサービスを拡大させる考えだ。
NTTドコモは17年7月にJリーグと協業を開始。今年2月、サッカーJ1の鹿島アントラーズとも提携した。一人一人が持っているスマホに好みに合った映像配信を目指し、実験を重ねている。スポーツ&ライブビジネス推進室の馬場浩史室長は「21年ごろには5G端末も普及する。さらにサービスが多様化する」と分析する。
KDDI(au)は16台のカメラを自由に切り替えてタブレット端末で野球観戦できる実証実験を成功させているほか、既にプロ野球のVR映像の配信も始めている。
楽天はイーグルスの本拠地、「楽天生命パーク宮城」とサッカーJ1ヴィッセル神戸の「ノエビアスタジアム神戸」(神戸市)で、チケットや飲食物の販売や物販で、スマホ決済などを導入して完全キャッシュレス化する大胆な取り組みを開始。さらに、高画質な画像を5Gで通信し、瞬時に顔認証するなど、スタジアムの“スマート化”を推し進める計画だ。(高木克聡)
◆5Gで変わるスポーツ観戦 VR活用 ソフトバンクが実証実験(SankeiBiz)