日刊鹿島アントラーズニュース

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2024年11月28日木曜日

◆日常を積み重ねた先でたどり着いた指導スタイル。鹿島アントラーズユース・柳沢敦監督が若鹿たちに注ぎ込む情熱の行方 高円宮杯プレミアリーグEAST 鹿島アントラーズユース×前橋育英高校マッチレビュー(JSPORTS)






「ヤナさんは一流の選手だったので、吸収する部分が本当に多いですし、フォワードの動き出しや受け方は勉強になっていて、そこはより意識するようになりました。普通はヤナさんに教われるなんてありえないことですし、ここのユースじゃなければ経験できないことなので、それは本当にありがたいと思っています」と話すのは、今季からユースに加入した吉田。


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◆日常を積み重ねた先でたどり着いた指導スタイル。鹿島アントラーズユース・柳沢敦監督が若鹿たちに注ぎ込む情熱の行方 高円宮杯プレミアリーグEAST 鹿島アントラーズユース×前橋育英高校マッチレビュー(JSPORTS)









「やっぱりそうですよね。僕もそう思います」

柔和な笑顔を浮かべながら、ワールドカップにも出場した日本サッカー史に残るストライカーは、こちらの言葉を優しく肯定する。その人は鹿島アントラーズユースを率いる指揮官。柳沢敦監督だ。

5年ぶりにプレミアリーグへと帰ってきた今シーズン。若鹿は快進撃を続けている。19節を終えた段階の順位は、堂々の首位。2位の横浜FCユースとは勝点も得失点差も並んでおり、総得点で上回って、リーグテーブルの一番上に名前を連ねている。

特筆すべきはそのメンバー構成の若さだ。ドイスボランチを任されている福岡勇和と大貫琉偉、リーグトップスコアラーの吉田湊海や前線と中盤を兼任できる平島大悟は1年生。さらに中学3年生の高木瑛人と小笠原央は、ジュニアユース在籍中にもかかわらずプレミアの出場機会を掴むと、どちらもゴールまで記録。とにかく思い切った選手起用が際立っている。

「『学年に関係なくチャンスがある』ということは示してきたつもりです。今は1、2年生が多く試合に出ている中で、そこに対して3年生の刺激もありますし、さらに中学生にも出られるチャンスはあるわけで、それを考えれば競争は激しくなっていると思いますし、みんなが『うかうかしていられないな』という気持ちになるでしょう。やはりアントラーズの哲学でもある『競争と結束』をキーワードにしながら、今のチーム作りに取り組んでいます」

柳沢監督はさらりと口にしたものの、プレミアリーグの舞台でこれだけの若き才能を使いながら、きっちりと結果も残しているのだから、振るってきたその手腕には恐れ入るほかにない。

この日のホームゲームの相手は、4連勝中と波に乗る前橋育英高校。難敵相手の一戦は開始2分でいきなり中川天蒼が先制点を記録。幸先良いスタートを切ったものの、以降は相手のパスワークにやや後手に回る展開を強いられ、守備の時間が長くなっていく。

67分にはセットプレーから失点。スコアを振り出しに引き戻されたが、柳沢監督はピッチの選手たちの表情を逞しく感じていたという。「僕は『まだ時間も全然あるし、切り替えられるな』と思っていたんですけど、選手たちも下を向くことなく、ピッチの中で『もう1回行くぞ』と声を掛け合っている状態だったので、『振り出しに戻っただけかな』と思っていました」。リーグ戦もこの日がちょうど20節。いろいろな経験を積み上げてきたチームは、小さくない自信を纏っていた。

86分。右サイドから大貫がFKを蹴り込むと、後半開始から投入されていた吉田が合わせたヘディングは鮮やかにゴールネットを揺らす。「ヤナさん(柳沢監督)からは『守備でハードワークしながら、ゴールも常に狙い続けろ』と言われました」という1年生アタッカーの今季10点目は、そのまま決勝点に。試合後の“クラハ”には選手とサポーターの笑顔が咲き誇る。

「今日はよく『アントラーズらしい』と言われてきたような勝ち方だったと思うんですけど、これはやろうと思ってできることでもないので、ボールへの執着心とか、ゴールに向かっていく姿勢とか、最後まで諦めないところとか、最後のところはそういう1年間の積み重ねが出たのだと思いますし、こういう試合を勝ち切れたのはやっぱり彼らが素晴らしかったと思います」。今季のチームを象徴するような白星に、指揮官も確かな手応えを感じたようだ。

現役時代から日本を代表するようなストライカーにもかかわらず、控えめな人だと思っていた。ミックスゾーンでお話を伺ったこともあったが、穏やかで丁寧な口調が、その性格をよく表しているようにも感じていた。だから、意外だった。テクニカルエリアの一番前に立って、大声で指示を送る姿が。選手のイージーなミスに声を荒げる姿が。全身を使って劣勢のチームを鼓舞する姿が。

失礼を承知で言ってしまった。「あんなにテクニカルエリアで大声を出したり、選手を鼓舞するタイプの人だとは思いませんでした」と。それに対する答えが、冒頭の言葉ということになる。

「やっぱりそうですよね。僕もそう思います。あまりそういうタイプではないですけど、やっぱり言う時は言わないといけないですし、伝え方というのは声のトーンとか大きさも大事で、もちろん内容が一番大事ではあるんですけど、選手になるべく伝わるように、自分の感情が高まっていることも見せられたらとは思っています。そこは一緒に戦っているイメージですね」

「実は選手もそういうところを見ていますし、そういう姿を見ていると『頑張らなきゃ』という気持ちになってくれることもわかってきたので、それが見せかけではなくて、本当にみんなと向き合って、みんなと一緒に試合を戦っているという姿をしっかり見せることができれば、選手たちはそれに付いてきてくれるのかなと信じています」

今年で指導者の道に足を踏み入れて10年目。さまざまな指導者やさまざまな選手と濃厚な時間を共有してきた中で、たどり着いたのが今の『一緒に戦う』というスタイル。日々のトレーニングから高校生たちと真摯に向き合っている。

もちろん選手たちも、指揮官に対しては大きなリスペクトを払っている。「ヤナさんは一流の選手だったので、吸収する部分が本当に多いですし、フォワードの動き出しや受け方は勉強になっていて、そこはより意識するようになりました。普通はヤナさんに教われるなんてありえないことですし、ここのユースじゃなければ経験できないことなので、それは本当にありがたいと思っています」と話すのは、今季からユースに加入した吉田。キャプテンの佐藤海宏も「ヤナさんは自分からしても特別な人ですけど、『何か悩んでいることがあったら聞くぞ』と言ってくれますし、ちょっとイジってくれたりもするので(笑)、オープンにしてくれている分、良い関係性が築けているのかなと思います」と語るあたりからも、選手との良好な距離感が窺える。

コーチとして2年。監督として4年。高校年代の指導を続けてきたことで、見えてきたものがあるという。「やっぱり練習の中で受ける刺激の積み重ねの先に試合があって、そこでさらに大きく成長することもあるわけで、普段の積み重ねがない状態でいきなり試合にポンと出て活躍しても、本当に獲得できたものが多くないと、長くは続かないですよね。普段の厳しい練習の中で苦労しながら、自分で努力して積み重ねたものが、もちろん出る時もあれば、出ない時もありますけど、それも試合の中で学んでいくことで、ある時にグッと飛躍する時が来るんじゃないかなと思うんです」

「その飛躍を見られた時が本当に嬉しい瞬間でしょうね。今も我慢して、我慢して、努力を積み重ねている選手がいるので、そういう選手には試合に出て活躍して、さらに自信を付けて、次の試合もまた活躍できるように頑張ってほしいなと思います。もちろんみんなに頑張ってほしいですけど、まだまだそれぞれ波があるので(笑)、全員をそういうふうに持っていけたら最高ですね」。そう話して浮かべた笑顔に、指導者としての、また人としての在り方が滲んだ気がした。

今季のプレミアも残りは2試合。次節は3位の横浜FCユースとの上位対決が控えており、その試合に勝ったうえで、2位の柏レイソルU-18が引き分け以下に終われば、鹿島ユースの6年ぶりとなるプレミアEAST制覇が決定する。そんな条件は百も承知。だが、指揮官のマインドにはいさかかのブレもない。

「もう一戦一戦全部勝つしかないと思っていますし、まずは次の横浜FCさんとの一戦が大事なので、そこを勝ったらその次というイメージで、まず考えるべきは目の前の試合ですね。その試合に向けた準備という部分で、結局はトレーニングがすべて試合のピッチに繋がっていくので、いつも『今日の練習でできることを大事にしましょう』と選手には伝えています。すべてはそれの積み重ねですから」

目の前の日常を積み重ねることで、ワールドカップのピッチを踏みしめるまでのキャリアを築いた努力の人。柳沢監督が惜しみなく注ぎ込んでいく溢れんばかりの情熱は、未来のクラブを担うべき若鹿たちが携えている『鹿島のDNA』に、間違いなく刻み込まれている。

文:土屋雅史

◆鹿島FW鈴木優磨「ずっと反省していた」 出場停止明けC大阪戦で“みそぎ”の勝利&来季ACL出場権必ず(スポニチ)






 「ACL(アジア・チャンピオンズリーグ)の可能性もある。(出場権を)獲得できるか否かで、今シーズンの出来も変わってくる。何としても可能性がある以上は獲りにいきたい」。5位で迎える残り2試合。最終節で直接対決を控え、来季ACLE出場圏内の3位・町田とは勝ち点4差。4位でACL2出場権を得る可能性は残るが、19年を最後に遠ざかるアジアの舞台に戻るには連勝が絶対条件になる。


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◆鹿島FW鈴木優磨「ずっと反省していた」 出場停止明けC大阪戦で“みそぎ”の勝利&来季ACL出場権必ず(スポニチ)







 鹿島のFW鈴木優磨(28)が27日の全体練習後に取材に応じた。9日の名古屋戦でキャリア初の退場処分を受け、17日の前節・京都戦は出場停止。30日の敵地C大阪戦(ヨドコウ)が“みそぎ”の一戦になる。

 エースは「結果的には退場になり、チームに迷惑を掛けた。みそぎの期間が長くて試合で取り戻せなかったので、ずっと反省していた」と苦笑いを浮かべながら、3週間ぶりとなるピッチへ闘志を高めた。

 「ACL(アジア・チャンピオンズリーグ)の可能性もある。(出場権を)獲得できるか否かで、今シーズンの出来も変わってくる。何としても可能性がある以上は獲りにいきたい」。5位で迎える残り2試合。最終節で直接対決を控え、来季ACLE出場圏内の3位・町田とは勝ち点4差。4位でACL2出場権を得る可能性は残るが、19年を最後に遠ざかるアジアの舞台に戻るには連勝が絶対条件になる。

 「ACLがないことによる試合数の少なさは、チームとしても寂しい思いはある。サッカー選手である以上、試合が多いことはきついことではあるけれど、やっぱり幸せなこと。試合をこなしていくうちに成長し、チーム全体もレベルアップしていく」。ACLが持つ重みを知るからこそ、3位フィニッシュをノルマに課した。

◆鹿島 得点力不足解消へ…“ボランチ”知念慶の“FW”起用も「チャンスがあれば取りたい」(スポニチ)






 中後雅喜監督からは「得点が欲しい最後の方だけしか考えてない」と試合終盤のオプションであることを伝えられたといい、「得点が欲しい時は、ボランチから自分が上がっていく場面は多い。そこまで大きくは変わらない。より少し前めになる」と冷静に受け止めた。


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◆鹿島 得点力不足解消へ…“ボランチ”知念慶の“FW”起用も「チャンスがあれば取りたい」(スポニチ)








 鹿島は27日、敵地C大阪戦(30日、ヨドコウ)に向けて鹿嶋市内で全体練習を行った。紅白戦の終盤では、今季ボランチに転向したMF知念慶(29)がFW鈴木優磨(28)と2トップを組んでプレー。昨季まで“本職”だった場所でストライカーらしさを見せ、鈴木のパスから鋭いシュートでゴールネットを揺らす場面もあった。

 中後雅喜監督からは「得点が欲しい最後の方だけしか考えてない」と試合終盤のオプションであることを伝えられたといい、「得点が欲しい時は、ボランチから自分が上がっていく場面は多い。そこまで大きくは変わらない。より少し前めになる」と冷静に受け止めた。

 中後監督就任後の4試合のうち、3試合がスコアレスドロー。攻撃陣は台所事情が苦しいだけに、知念のFW起用は切り札になり得る。

 コンバートされた中盤で新境地を開いたデュエル王は「ゴール前で少し足りない部分もある。そこは今の課題。もし自分にチャンスがあれば取りたい」と得点への意欲を口にした。

2024年11月27日水曜日

◆試合前日から醸成されていた「アントラーズらしい」一体感。前橋育英と激闘を繰り広げた鹿島ユースはプレミアEAST戴冠に一歩近づく劇的勝利!(ゲキサカ)






MF大貫琉偉(1年)「自分が一番恩返ししたいと思っているのは3年生で、1,2年生が多く試合に出ている中でも、3年生が凄くサポートしてくれているからこそ、自分たちもこうやって思い切りやれているので、3年生には絶対に優勝して鹿島のユースから巣立ってほしいですし、残りマックスで3試合を全部勝てるように、3年生のために全力で戦います」


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◆試合前日から醸成されていた「アントラーズらしい」一体感。前橋育英と激闘を繰り広げた鹿島ユースはプレミアEAST戴冠に一歩近づく劇的勝利!(ゲキサカ)







[11.24 プレミアリーグEAST第20節 鹿島ユース 2-1 前橋育英高 鹿島アントラーズ クラブハウスグラウンド]

 勝利への飽くなき執念。諦めない気持ちが呼び込む勝負強さ。それを後押しする会場の雰囲気。終盤に挙げた決勝点には、きっとこのクラブが長い時間を掛けて積み上げてきたものが、過不足なく滲んでいたのではないだろうか。

「今日はよく『アントラーズらしい』と言われてきたような勝ち方だったと思うんですけど、これはやろうと思ってできることでもないので、ボールへの執着心とか、ゴールに向かっていく姿勢とか、最後まで諦めないところとか、最後のところはそういう1年間の積み重ねが出たのだと思いますし、こういう試合を勝ち切れたのはやっぱり彼らが素晴らしかったと思います」(鹿島アントラーズユース・柳沢敦監督)

 首位攻防戦を逞しく制して、クラハに響き渡った歓喜の歌声。24日、高円宮杯 JFA U-18サッカープレミアリーグ 2024 EAST第20節で、勝点35で首位の鹿島アントラーズユース(茨城)と勝点32で5位の前橋育英高(群馬)が激突した一戦は、1-1で迎えた後半41分にFW吉田湊海(1年)のゴールで勝ち越した鹿島ユースが2-1で逃げ切り、貴重な白星を手繰り寄せている。


 試合は開始早々に動く。前半2分。鹿島ユースは左サイドでFKを獲得すると、MF大貫琉偉(1年)は短く蹴り出し、MF福岡勇和(1年)のリターンを受けて中央へ。そのこぼれ球にいち早く反応したMF中川天蒼(2年)がプッシュしたボールは、ゴールネットへ到達する。電光石火の先制劇。ホームチームがいきなりリードを強奪する。

 19分も鹿島ユースにチャンス。MF小笠原聖真(3年)を起点に、中川の右クロスにDF佐藤海宏(3年)がヘディングで合わせるも、軌道は枠の左へ外れると、以降は「相手は技術の高い選手が多い中で、細かいボール回しに苦戦して、ズルズル下がってしまうシーンが多かったですね」と佐藤海宏が振り返ったように、プレミアと高校選手権予選を合わせて公式戦7連勝中と勢いに乗る前橋育英は、ドイスボランチを組むMF石井陽(3年)の配球とMF柴野快仁(2年)の持ち出す推進力を軸に、少しずつ攻撃のリズムを生み出していく。

 30分はアウェイチームにビッグチャンス。前線でよくボールを収めていたFW佐藤耕太(3年)がここも基点を作り、FWオノノジュ慶吏(3年)の関わりからこぼれたボールをMF平林尊琉(2年)が枠内シュート。ここは鹿島ユースGK岸野瑛太(3年)がファインセーブで凌いだものの、あわやというシーンを創出すると、38分にもオノノジュ、DF瀧口眞大(2年)とパスが回り、佐藤耕太のフィニッシュはわずかにゴール右へ。前橋育英が押し返した前半は、1-0のままで45分間が終了した。

 リードこそしているものの、やや守備の時間が長くなっていった鹿島ユース。「早い段階で点は入りましたけど、まだ時間も全然あるので向こうも余裕がありますし、そういう流れを考えてもハーフタイムには『1点リードしたというよりは、0-0の気持ちでもう1回前から行け』とは言いましたね」と話した柳沢監督は、後半開始からベンチスタートだった吉田を投入。もう一度全体のねじを巻き直す。

 それでも後半の攻勢も前橋育英。6分には柴野が右へ振り分け、オノノジュのシュートは岸野が丁寧にキャッチ。14分にはMF黒沢佑晟(3年)とのワンツーで右サイドを抜け出したオノノジュのクロスに、ニアで合わせた佐藤耕太のシュートはわずかに枠の左へ。「ハーフタイムにみんなで『もっとスイッチを入れよう』と話していました」とはセンターバックのDF鈴木陽(3年)。アウェイチームもアクセルを踏み込み直す。

 22分は前橋育英にセットプレーのチャンス。右サイドでCKを手にすると、石井がストレートに蹴り込んだ軌道へ、飛び込んだDF久保遥夢(2年)が高い打点のヘディングで叩いたボールは、力強くゴールネットを揺らす。公式戦8連勝を目指すタイガー軍団の咆哮。1-1。スコアは振り出しに引き戻された。

 25分。前橋育英に決定機。平林のラストパスにオノノジュがフリーで抜け出すも、枠内シュートは岸野がビッグセーブで応酬。「失点した後もチームにあまり慌てる感じはなくて、『点は獲れるな』と思っていました」(大貫)。守護神の大仕事が、鹿島ユースに再び勇気の灯をともす。

 41分。鹿島ユースは右サイドでFKを獲得する。キッカーは大貫。「(大川)佑梧が蹴る前に来てくれて、『相手は高さがないから中央に上げて』と言われたので、ピンポイントというよりは、中央のスペースを狙って、『あとは誰か来てくれ』という感じで蹴りました」。鋭い軌道の落下点に、40番のストライカーが潜り込む。

「『自分のところに来たらヘディングしてやろう』という想いはあって、ボールはマイナス気味に来たんですけど、そこからうまくひねって合わせられたので良かったです」。自らの頭で合わせたボールが右スミのゴールネットへ吸い込まれたのを見届けると、吉田はスタンドに向かって走り出す。

「自分自身が生きている中で、あの瞬間が一番楽しいし、嬉しいし、本当に生きがいという感じです」(吉田)。土壇場で叩き込んだエースの決勝点で勝負あり。「今日みたいな拮抗した試合が多い中で、多くの人が応援に来てくれたことが本当に力になっていますし、それがモチベーションにも繋がっているので、こういう雰囲気に助けられて、自分たちも勝負強さを見せられているのかなと思います」と佐藤海宏も口にした鹿島ユースが2-1でシビアなゲームを勝ち切って、勝点3を積み上げる結果となった。

 前橋育英戦の前日のこと。鹿島ユースの大半の選手たちは、IFA(茨城県)リーグ1部の試合会場に顔を揃えていた。リーグの優勝争いを演じているBチームの選手たちを応援するため、翌日にプレミアの試合を控えているAチームの選手たちも朝7時半に集合して、バス移動でアウェイのグラウンドへと詰めかけたのだ。

「やっぱり『プレミアに出ているから自分たちが上だ』というような考えではなくて、チーム全体としてプレミアもIFAも戦ってきたことを強調したいですし、みんなで進んでいくというマインドでやっていきたいですからね」とは柳沢監督。1年生の大貫も「普段から自分たちも応援されている立場でもありますし、自分は結構応援するのも好きなので、楽しく応援していますね。それがチームということだと思います」と言及している。
 
 IFAリーグの試合後は再びいつものグラウンドへと帰ってきて、Aチームは夕方の4時過ぎから練習開始。Bチームは90分間を戦ったばかりの選手を含めて、その練習のサポートをこなしていたという。

 その流れはこの日も同じだった。プレミアの大一番を応援していたBチームの選手たちは、試合後に自分たちのトレーニングへ取り組む。Aチームの選手たちは会場の撤収作業を終えた者から練習場へとやってきて、サポートに回る。3年生の小笠原と1年生の福岡が笑顔を浮かべつつ、2人で同じテントを片付けている姿も微笑ましい。

「そういう部分も含めてチームだということはヤナさん(柳沢監督)から強調して言われているので、自分もそういうことを意識していますね」とは佐藤海宏。Bチームのトレーニングが終わると、先ほどの試合で先制点を決めた中川がボールを集め、決勝点を挙げた吉田がそのボールが入ったネットを担いでいく。そんなちょっとした一コマに、このチームが1年間を掛けて築き上げてきた一体感が垣間見えた。

 勝点で並んでいた横浜FCユースが今節のゲームで敗れたため、次節でプレミアリーグEAST制覇が決まる可能性も出てきた中で、大貫は改めてタイトル獲得へのモチベーションをこう語る。

「自分が一番恩返ししたいと思っているのは3年生で、1,2年生が多く試合に出ている中でも、3年生が凄くサポートしてくれているからこそ、自分たちもこうやって思い切りやれているので、3年生には絶対に優勝して鹿島のユースから巣立ってほしいですし、残りマックスで3試合を全部勝てるように、3年生のために全力で戦います」。

 キャプテンの佐藤海宏が口にした言葉も印象深い。「3年生にとっては残り2試合になるか、3試合になるかというところで、最後に優勝にプラスしてファイナルで勝つところまで持っていきたいと思いますし、その中で3年生が後輩たちに何を残せるかが大事になってくると思うので、普段の練習でも、練習以外の姿勢のところでも、何か後輩たちの心に残るものがあればいいなと思います」。

 勝利への飽くなき執念。諦めない気持ちが呼び込む勝負強さ。それを後押しする会場の雰囲気。そして、みんながみんなを思いやる一体感。すべてを結集して掴んだこの日の1勝の意味は小さくない。いよいよ戴冠目前。2024年の鹿島ユースは、間違いなく強い。

(取材・文 土屋雅史)

◆【蹴トピ】24年森保Jで飛躍した3人 航基、彩艶、町田の活躍に迫る(スポニチ)







【町田 最終予選唯一のフル出場】
 6月から3バックの左を主戦場にしているDF町田はフィールド選手では唯一の最終予選6戦フル出場。1メートル90の長身を武器に空中戦勝利が最多の50勝、勝率も75%と高く、エアバトルを制した。


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◆【蹴トピ】24年森保Jで飛躍した3人 航基、彩艶、町田の活躍に迫る(スポニチ)







 森保ジャパンは8大会連続8度目のW杯出場に王手をかけ、一年を締めくくった。24年の日本代表で起用された選手は計43人。今回は「データスタジアム」各種個人通算スタッツで飛躍を遂げた3人に焦点を当てる。 (記録課・海鋒 宏樹)

【小川 空中戦無類の強さ誇る】
 今年は全試合アジア勢との対戦で、得点は97年以来の年間50得点に到達。没収試合を除く15試合全てで得点を挙げ、22年W杯スペイン戦から続く連続試合得点は歴代最多の27試合まで伸ばしている。得点ランク3位で6得点のFW小川は、出場時間がともに7得点の上田(808分)と南野(805分)の半分以下となる312分ながら、少ないチャンスをものにして結果を残した。6得点全てワンタッチゴールでうち5得点が頭。敵陣の空中戦勝率は上田の46%を上回る71%と強さを誇り、ゴールを量産した。上田不在の11月シリーズは2試合に先発し、年内最終戦の19日の中国戦では2得点を挙げ勝利に貢献。A代表デビューから9試合で9得点は、釜本邦茂ら4選手の8得点を塗り替える新記録となった。

【彩艶 歴代2位タイの4完封】
 GK鈴木も今年の森保ジャパンで大きく成長を遂げた一人だ。24年の最終予選全6試合にフル出場し、14年W杯同予選で川島がマークした歴代2位の4完封に並ぶなど正守護神に定着。起用された他のGK3人は短い出場時間で枠内シュートを打たれておらず、セーブは0。鈴木は最多の13試合に出場し16セーブ、セーブ率62%の成績を残した。また、ペナルティーエリア外からの被枠内シュートは7セーブで無失点。森保ジャパン通算でも同エリア5セーブ以上の歴代GKの中で唯一の失点0だ。

【町田 最終予選唯一のフル出場】
 6月から3バックの左を主戦場にしているDF町田はフィールド選手では唯一の最終予選6戦フル出場。1メートル90の長身を武器に空中戦勝利が最多の50勝、勝率も75%と高く、エアバトルを制した。足元の技術も兼ね備え、攻撃のスイッチを入れる縦パスを多く供給、アタッキングサード(ピッチを3分割した最も敵陣側)へのパスはDF最多の138本を成功させた。主要メンバーは固定化されつつあるが、3月初戦で突破を決めれば、新たなメンバーを試す機会は増えそうだ。今後は新戦力発掘とさらなるチームの底上げが期待される。

《上田は7得点で2年連続最多》
 最多7得点を挙げたのがFW上田とMF南野の2人。上田は昨季に続く7得点で2年連続最多とエースの活躍を見せた。

 6アシストでトップのMF伊東はクロスも2位以下を大きく離す40本。6アシスト中、2アシストがクロスで直近19日の中国戦でもピンポイントクロスで小川の得点をお膳立てした。

 ドリブル(仕掛け)最多は伊東とMF中村のSランスコンビで19回。中村は10月のオーストラリア戦で20分の出場時間ながらドリブル3回全て成功、後半31分には縦の突破からの折り返しで、同点オウンゴールを誘発している。

 MF久保はスルーパス38本、ラストパス24本でトップ。セットプレーのキッカーも務め、CKからのラストパスが9本、うち2本がアシストとなった。9月のバーレーン戦では自陣センターサークル内でボールをキープすると、相手のゴール前へグラウンダーのロングスルーパスを中村に通した。

 中盤の底から攻守で輝きを放ったMF守田は、こぼれ球奪取が最多の44回、守備の指標となるCBI(クリア、ブロック、インターセプトの合計)も32回で5位と安定したプレーを見せた。広い視野で周りの状況を把握し、ゲームの組み立てや攻撃にも参加。得点4、シュート16、ラストパス12と攻撃項目でも高い成績を残した。

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