東アジア杯(20~28日・韓国)で再出発する日本代表が、若手主体のチーム編成になることが9日、分かった。日本サッカー協会関係者によると、同杯の予備登録メンバー約40人のうち、半数近くがMF柴崎岳(21)=鹿島=、FW柿谷曜一朗(23)=C大阪=らロンドン五輪世代の有望株になる模様。15日に大会メンバー23人が発表される予定で、残り1年を切ったブラジルW杯を見据え、新戦力を発掘する。
海外組が不在の間に、伸び盛りの若手がレギュラー奪取へアピールする。コンフェデ杯で3戦全敗したザック・ジャパン。課題を持って出直す東アジア杯メンバーの大枠が分かった。東アジア杯は国際Aマッチデーでないため、国内組での参戦が決定済み。日本協会は、ここ数日間で予備登録メンバーにパスポート提出を求めた。顔触れは若手中心だという。
特に注目のボランチは主将のMF長谷部、MF細貝ら海外組のほか、G大阪のMF遠藤が招集されない。その穴を埋める筆頭候補が、昨季Jリーグの新人王「ベストヤングプレーヤー賞」に輝いた柴崎だ。広い視野と正確なキックを武器に「代表には入りたい」と意欲を示している。
絶対的な存在がいない1トップもアピールの場になる。柿谷は現在Jリーグで得点ランク2位タイ(9得点)と好調を維持。高い技術で2列目もこなせる。ほかにも磐田のMF山田や鹿島のFW大迫ら、Jで「旬な」選手が予備登録されているという。
10年南アW杯でのMF本田の例もある。大会前まで先発の当落線上だったが、1トップ起用で2得点し、日本のエースへ階段を駆け上がった。ザッケローニ監督の方針もあり、日本代表はメンバーが固定されているが、結果でアピールを続ければ、レギュラーに割り込める。ブラジルで日本の主役に躍り出る可能性さえあるのだ。
◆柴崎 岳(しばさき・がく)1992年5月28日、青森・野辺地町生まれ。21歳。野辺地小2年時にサッカーを始める。青森山田高2年時の2009年2月に鹿島入りが決まり、Jリーグ史上最速のプロ内定。12年はナビスコ杯決勝(対清水)で2得点しMVPを獲得。Jリーグのベストヤングプレーヤー賞を受賞。175センチ、69キロ。利き足は右。家族は両親と兄2人。
◆柿谷 曜一朗(かきたに・よういちろう)1990年1月3日、大阪市生まれ。23歳。4歳でC大阪下部組織に入団。12歳から世代別の日本代表を経験し、2006年にはクラブ史上最年少の16歳でトップ昇格。09年途中から徳島に期限付き移籍し12年にC大阪に復帰。今季は14試合9得点でランク2位タイ。177センチ、68キロ。利き足は右。家族は両親と姉。
◆東アジア杯(開催地・韓国) 日本、韓国、中国、オーストラリア(ゲスト参加)の4か国が総当たりのリーグ戦を行う。女子は日本、北朝鮮、韓国、中国が参加。2年ごとに日本、韓国、中国の順で開催され、今回で5回目。旧名はダイナスティ杯、東アジア選手権。