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<J1:柏1-3鹿島>◇第6節◇16日◇柏
日本代表バヒド・ハリルホジッチ監督(62)の目の前で、鹿島のDF植田直通(20)が、U-22日本代表NO・1の身体能力をいかんなく発揮した。0-0の前半46分、滞空時間の長いジャンプでMF柴崎のFKに合わせ、プロ初ゴールを奪った。アギーレ体制で日本代表に初招集され、1月のアジア杯メンバーに入った186センチのDF。日本人のフィジカル(体の強さ)に物足りなさを感じる指揮官の目に留まったに違いありません。
U-22日本代表担当としてハリルホジッチ監督に推したい男が、プロ初ゴールを決めた。前半ロスタイム1分、鹿島DF植田が日本代表MF柴崎の右FKに頭で合わせた。相手の前で闘牛のように足踏みし、臨戦態勢に。キックと同時に駆けだしてゾーン守備の網をすり抜け、186センチが空高く跳んだ。力強く首を振ってゴール左に流し込んだ。
普段から仲のいい柴崎と最後に抱き合うと「どうやって喜べばいいのか分からなかった」と照れつつ「3年目で初は遅いなと感じてます」。ハリルホジッチ監督と手倉森監督へのダブルアピールも、ストイックな男らしく課題を口にした。
昨年3月のプロデビューから1年に満たない1月、アジア杯代表に追加招集され、A代表入りした。鹿島で若手の出場が難しいセンターバックの定位置をつかみながら、無得点を反省していたことが印象的だった。日本代表DF昌子から「点を取れてへんの、お前だけやぞ」と指摘されたまま終わった前年の借りを返すべく、試合前に元日本代表DFの秋田氏や岩政のゴール映像を見て「鹿島のDFは点を取れる。自分も続きたい」と燃えていた。
筋力、走力、跳躍力。すべて鹿島トップクラスだ。ハリルホジッチ監督が国内組のフィジカル不足を指摘しているが、彼には当てはまらない。筋肉量や体脂肪率、LMI(筋肉指数)など全6項目で測る「体組成テスト」の数値はU-22代表NO・1。A代表の平均値も超えているという。柴崎も「FKは高く上げすぎたかなと思ったけど。植田の身体能力の高さを証明するゴール」と認める男だ。
先月はリオ五輪予選と重なったためハリルジャパンに呼ばれなかったが、すぐ返り咲くはずだ。「持ち味は強さ。上のレベルでも負けるつもりはない」と断言する植田が本当に戦えるのか、ぜひ手元に置いて見てもらいたい。<ハリルホジッチ監督への推薦状>【木下淳】
◆植田直通(うえだ・なおみち)1994年(平6)10月24日、熊本県宇土市生まれ。住吉中時代にテコンドーで中学日本一となり、世界大会3位。大津高時代の11年にU-17W杯で8強。手倉森ジャパンで、昨年1月のU-22アジア選手権(オマーン)も9月の仁川アジア大会(韓国)も、先月のリオ五輪1次予選(マレーシア)もフル回転した。家族は両親、姉、妹。体重76キロ。利き足右。血液型A。