日刊鹿島アントラーズニュース

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2015年9月10日木曜日

◆第95回天皇杯全日本サッカー選手権大会 2回戦(オフィシャル)


http://www.so-net.ne.jp/antlers/games/51694

天皇杯 2回戦 vsFC琉球

豊川がバースデー弾!山本は天皇杯初、杉本はプロ入り初ゴール!鹿島が琉球を破り、天皇杯初戦突破!

5年ぶり5回目のタイトル獲得へ、鹿島が初戦を突破した。天皇杯 2回戦、沖縄県代表のFC琉球をカシマスタジアムに迎え撃つと、豊川の直接FKで先制し、山本のゴールで突き放す。PKで1点を返されたものの、後半には途中出場の杉本がプロ初ゴールを決め、3-1で快勝。3回戦進出を決めた。

鹿島は3日前、ヤマザキナビスコカップ 準々決勝 第2戦でFC東京と対戦し、3-0で快勝した。攻守ともに盤石の内容で準決勝進出を決め、自信と勢いを掴むことができた。8月29日のJ1 2nd 第9節川崎F戦から始まった5連戦は、3試合が終了。残り2試合、まずは天皇杯の初戦となる2回戦に向けて、集中力を高めていった。

準備期間はわずか2日間のみ。石井監督はFC東京戦の翌日をチームオフとしたが、クラブハウスでは自主トレに励む選手たちの姿が見られた。そして試合前日には、紅白戦やセットプレー練習を敢行。雨風が強まる中、グラウンドでは激しい接触の応酬となった。石井監督の就任以来、競争意識は高い水準で持続している――。改めて、そう実感させられる、濃密なトレーニングだった。メンバーを入れ替えながら紅白戦を実施した指揮官は「思ったよりも良いプレーができていた。攻守ともに良かった」と、自信を見せた。

FC東京戦からの先発メンバー変更は6人。GKに佐藤が入り、センターバックの一角を植田が務めた。そして、大きく様変わりしたのが中盤。ルーキーの久保田が山村とボランチでコンビを組み、公式戦デビューを果たす。2列目には、今季初先発の豊川と、百戦錬磨の本山が並んだ。そして前線の一角には土居が入った。その他、両サイドバックは西と山本、センターバックに青木、前線に赤崎が入った。







台風の影響が心配されたカシマスタジアムだったが、曇り空に覆われたまま、雨が降ることなく開場を迎えた。人数こそ少ないながらも、平日の夜に駆け付けたサポーターは、声を枯らして選手たちを迎え入れた。久保田や豊川といったフレッシュな面々の背中を押すコールが、ピッチ上に降り注がれた。

19時4分、キックオフのホイッスルが鳴った。開始早々、鹿島は左サイドを攻め込まれ、クロスからのシュートが左ポストを直撃。肝を冷やしたものの、事なきを得た。立ち上がり、前線から積極的にプレスをかけてきた琉球に押し込まれる場面が目立ったが、鹿島は次第に落ち着きを取り戻していく。本山が中盤でタメを作り、ボールキープ率を高めていった。







そして19分、鹿島が均衡を破る。決めたのは、21回目の誕生日を迎えた豊川だった。ペナルティーエリア左手前で得たFKを直接蹴り込むと、鮮やかな軌道を描いたシュートが左ポストに当たり、ゴールへ吸い込まれた。「セットプレーでも結果を出せれば、アピールになるはず」と意気込んでいた背番号19が有言実行のファインゴールを決め、鹿島がリードを奪った。





1点リードとなり、鹿島が優勢に試合を進めていく。立て続けにCKを得て、豊川のキックからシュートチャンスを何度も迎えた。セカンドボールを拾い、敵陣でプレーする時間が増えていった。

そして、追加点は31分に生まれた。右サイドから攻め込み、西がペナルティーエリア右手前からスルーパスを繰り出す。反応した豊川がゴールライン際まで走り込み、中央へ折り返すと、赤崎が右足を一閃。シュートは相手GKにセーブされたが、ファーサイドへこぼれたところを山本が難なく押し込み、ゴールネットを揺らした。



順調に得点を重ね、鹿島は2点をリードした。しかし36分、ミス絡みで右サイドから崩され、最後はドリブル阻止を狙った佐藤がペナルティーエリア内でファウル。PKを与え、これを田中に決められてしまった。鹿島は1点を返され、2-1でハーフタイムを迎えた。





1点リードで迎えた後半も、立ち上がりは琉球にボールを持たれる時間が長くなった。決定機を作らせることはなかったが、鹿島もなかなかチャンスを迎えることができない。54分、左サイドでボールを持った久保田のクロスに合わせた豊川のヘディングは、力なく相手GKのもとへ。その後、赤崎と土居の関係から中央突破を目指す場面もあったが、シュートまで持ち込むことができなかった。停滞感が漂う中、石井監督は66分、豊川に代えて杉本をピッチへ送り出す。この交代が、のちに的中することとなった。





杉本は攻守に精力的な動きを見せ、激しく相手と競り合った。戦う気持ちを示した背番号32は、ピッチに立ってから15分後、チーム3つ目の、そしてアントラーズ加入後、自身初となるスコアを刻んでみせる。81分、右サイドからのパスを受けると、ドリブルでカットイン。思い切りよく左足を振り抜くと、強烈なミドルシュートがゴールへ突き刺さった。停滞感を打ち破るような鮮やかなゴールで、鹿島が琉球を突き放した。









試合はこのまま、3-1で終了。鹿島が2回戦突破を決めた。試合終盤には鈴木優磨も途中出場し、トップチームデビューを飾った。試合運びには課題が残ったとはいえ、若手選手がピッチに立ち、難しいトーナメント初戦をしっかりとモノにしたことは収穫だ。3回戦の相手は、J2の水戸ホーリーホック。今年2月の「いばらきサッカーフェスティバル」以来となる茨城ダービーで、しっかりと勝利を収めなければならない。



そして次戦は3日後、12日に開催されるJ1 2nd 第10節のガンバ大阪戦だ。5連戦のラストは、カシマスタジアムで迎える大一番。琉球戦を終えた今この時から、チーム一丸での準備は始まっている。



【この試合のトピックス】
・琉球との初対戦で、勝利を収めた。
・2年ぶりに、天皇杯2回戦を突破した。
・豊川が今季初の先発出場。今季初ゴールとなる直接FKを決めた。
・山本が、天皇杯で自身初となるゴールを決めた。
・途中出場の杉本が、アントラーズ加入後初ゴールを決めた。
・久保田が初先発でフル出場。公式戦デビューを果たした。
・鈴木優磨が87分に途中出場。公式戦デビューを果たした。


監督コメント

[ハーフタイム]
鹿島アントラーズ:石井 正忠
・守備は決めたことを徹底して行うこと。
・1回でプレーを止めるのではなく、連続してプレーを続けよう。
・次の1点が勝負を決める。しっかり守備から入って追加点を狙おう!

FC琉球:薩川 了洋


[試合後]
鹿島アントラーズ:石井 正忠
天皇杯は相手はできあがっているチーム状態、こちらはメンバーを入れ替えて臨むことになるので、その辺で厳しい戦いになった。1失点したことは悔しいが、しっかり3点目が取れたのはよかった。Jリーグで試合に出られなかった選手を起用して、いいパフォーマンスを見せてくれたことで、チーム力の底上げになる。次の試合に勝ちあがることができていい試合だった。

Q. 次のG大阪戦は大一番だと思うが、どう臨むか?

A. 川崎戦から始まった連戦の最後の試合と位置付けている。選手たちにもミーティングで伝えているが、そこまでしっかり戦い抜こうと言っている。

Q. G大阪の長谷川監督の印象は?

A. 大学のころから対戦していて、僕らの世代ではアイドル的な存在だった。監督としてもいい成績を残しているし、日本人監督のチームがタイトルを獲るのはうれしいこと。僕も同じ立場としてタイトルを狙いたい。

Q. タイトルに向けて、G大阪戦のカギは?

A. 自分たちから積極的にボールをうばうこと。そこができれば非常にいい戦いになると思う。G大阪は攻撃的なサッカーをするが、そこを出させないようなサッカーができればうちの流れになり、勝てると思う。


FC琉球:薩川 了洋
見ての通り完敗です。J3という2つ下のカテゴリーとして、できた部分、できなかった部分があるが、この経験を今後に生かしていきたい。鹿島は技術が高く体も強い。もちろん勝ちたかったが、そう簡単に勝てるとは思っていなかった。チャレンジャーとして、失点はなるべく少なくしたかったが、ミスからFKを与えてしまい、前半で2点取られたことはもったいなかった。チームとしても個人としても勉強させてもらった。J3では調子もいいので、一番大切なリーグ戦につなげていきたい。


選手コメント

[試合後]

【豊川 雄太】
結果を出せて良かった。ゴールの場面はあまり覚えていないけど、狙い通り。流れの中からシュートを打てたことも良かったと思う。これからまた、どんどんメンバーに入って、ゴールに絡んでいきたい。

【杉本 太郎】
思っていたよりも冷静で、そこまで興奮はしていないけど、やっぱり嬉しい。ゴールの場面は、前が空いたので、迷わずシュートを打ちに行った。

【久保田 和音】
反省点が多い試合。前半は攻撃参加はできたけど、最後のところで決めきれなかった。後半はボールを奪ってから、うまくパスをつなぐことができなかった。修正していきたい。

鈴木優磨選手、山村選手、本山選手のコメントは、アントラーズモバイルをご覧ください。

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