日刊鹿島アントラーズニュース

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2016年5月22日日曜日

◆2016明治安田生命J1リーグ 1stステージ 第13節(オフィシャル)


http://www.so-net.ne.jp/antlers/games/51786

明治安田J1 1st 第13節

カイオの劇的弾!鹿島、全員で逆転勝利をつかむ!

ナビスコカップ敗退の嫌な雰囲気を全員が一丸となって払拭した。アウェイ豊田スタジアムでの逆転勝利で鹿島はリーグ暫定2位に浮上した。



植田がU-23日本代表のトゥーロン遠征、西が累積警告での出場停止、そして金崎が体調不良と主力3選手を欠くという苦しい状況の中、石井監督は、無残な逆転負けを喫した湘南戦で思うようなプレーができなかったブエノ、鈴木、そしてカイオを先発に起用した。またジネイのパートナーには土居に代えて赤崎を入れるなど選手たちの奮闘を期待するかのように11人を信頼してピッチへと送り出した。



前半、その期待に応えるべく選手たちは散水ですべりやすくなった豊田スタジアムのピッチを駆け回った。特に目立ったのが、昌子とブエノのCBコンビ。特にブエノは相手のスピードスター永井を力業で押さえつけ、湘南戦とは別人のようなプレーを見せた。また中盤ではキャプテンの小笠原がセカンドボールへの素早い寄せを見せ、試合の主導権を握ろうと奔走した。













だが30分過ぎには今日トップ下に入った田口を中心に攻め込む名古屋に押される展開となる。何とか粘り強い守備でゴールを許さず、前半45分を終えた。

そして後半に入り、試合はすぐ動いた。46分、一瞬の隙を突かれ、田口にスーパーなミドルシュートを決められる。前半安定したセービングを見せていた曽ケ端にとっても全く防ぎようのない圧巻のシュートで鹿島はリードを許してしまった。





だがこの劣勢からチームは崩れなかった。53分、赤崎に代わり土居がピッチに立つと前線へのくさびのパスが目立つようになる。そして56分、カウンターからカイオが同点弾を決め、試合は振り出しに戻った。







64分、更なる活性化を目指し、石井監督はキャプテンの小笠原に代え、永木をピッチに送り出す。永木のボール奪取力と展開力に期待した交代策だったが、この2分後、CKから竹内に追加点を決められ、2-1。鹿島は窮地に追い込まれた。



絶対に負けられない戦い。この窮地にも誰1人諦めるものはいなかった。そして86分、左サイドに張った永木が絶妙のクロスをゴール前へ送ると、鈴木が得意のヘッドで起死回生の同点ゴールを決めた。







こうなると鹿島の勢いは止まらない。同点狙いで消極的となった名古屋に対し圧力を高め、ついにアディショナルタイムも5分経ったところでカウンターからカイオが劇的な逆転弾を名古屋ゴールに叩き込んだ。





後半、何度も体を張ったスライディングを見せたブエノ、そしてシモビッチを完璧に抑え込んだ昌子のCBコンビも素晴らしかったが、相手の決定的なシュートを神がかり的セービングで何度も止めた曽ケ端も素晴らしかった。そして何より全員が最後まで勝利のために力を合わせて戦ったことが素晴らしかった。



内容は決してほめられるべきものではない。しかしこの苦しい状況で、全員が一丸となって手に入れた勝ち点3。順位も暫定ながら2位となった。ナビスコカップというタイトルを失った悔しさが消えるものではないが、ここからまた歩みを進めることができる。そんな希望の灯が見えた勝利だ。



【この試合のトピックス】
・カイオの1点目が、リーグでの対名古屋戦通算100ゴール。

監督コメント

[ハーフタイム]
鹿島アントラーズ:石井 正忠
・相手の早いリスタートに注意しよう。しっかり、お互いに声をかけあうこと。
・相手陣内では、早いテンポでボールを繋いでいこう。
・後半も中央をしっかりと絞って、相手を外に追いやることを徹底しよう。

名古屋グランパス:小倉 隆史
・相手のサイドチェンジに合わせてお互いにカバーするように。
・相手のリズムをキープして、最後まで落ち着いて繋ぐこと。
・攻守において積極性を持ってプレーしよう。

[試合後]
鹿島アントラーズ:石井 正忠
今日は、この前のナビスコカップグループステージ敗退の次ということで、入りが大事だと思っていた。その点は選手たちがいい入り方をしてくれたし、90分間最後まで諦めないということを貫いてくれた。本当に選手たちのパフォーマンスに感謝したい。僕らは逆転優勝のために負けられない戦いが続く。先ず1つ勝って優勝へ向けてつなげられた。今日もたくさんのサポーターの方々がアウェイの地へ駆けつけてくださった。その方々と一緒に喜べて本当に良かったと思う。

Q 水曜日の敗戦後、主力のいない中でどうチームを作ったか。

A 自分たちとしては負けられない試合が続く。選手たち自身もそれは理解しているわけだから、いつもと変わらない準備をした。日数もなかったので、練習ではセットプレーの確認などをした。名古屋さんはセットプレーが強いのでその確認とコンディションの維持を重点的にやった。試合前もキャプテンの小笠原がナビスコカップというタイトルを失って、この試合がとても大事になるということを自然にいっていたし、源も同じことをいっていた。選手たち全員がそういう気持ちで途中交代の選手たちもいいパフォーマンスを見せてくれ、意識の高さを感じた。

Q 3点目が決まった時、ゴール裏まで走っていったようだったが。

A 必ず逆転して勝って勝ち点3を持って鹿嶋へ帰ろうとベンチで選手たちと話していたので、そういう気持ちが自然に出てしまった。途中で転んでしまいましたが。

Q 先制した段階で早々と交代策を打ったが、その意図は。

A 前半からピッチがかなりスリッピーでボールがお互いに落ち着かなかった。前線でボールを収めたいという気持ちがあって、早くから交代カードを切った。中でもボールを収められるようにした。基本的にはサイドからの崩しが有効的だと考えていた。それは後半から徹底しようと話した。

名古屋グランパス:小倉 隆史
非常に残念。いい内容の時間帯が長かっただけに勝てた試合だった。選手たちも戦う気持ちは見せてくれた。それは非常に出ていたので、内容はポジティブ。ただ失点シーンもそうだが、色々な場面で勿体ないところがあった。もう1点、2点決められるところもあった。そういう意味で勿体ないなと。内容が良かったのに勝たせてあげられなかったのは、選手たちにもサポーターの皆さんにも申し訳ないと思う。


選手コメント

[試合後]

【土居 聖真】
攻撃を活性化しようと思って入った。ある程度は出来たと思う。得点に絡めて良かった。ナビスコカップ敗退から全員が変わらなくてはいけないと思っていたし、戦わなきゃいけないと思っていた。同じ失敗を繰り返さないことは、チームが成長した部分だと思う。細かいミスはたくさんあった。それも点を取るためのチャレンジ。バースデーアシストになった。本当は点が取りたかったけど、チームが勝つのが一番大事な事。続けてやらないといけない。誕生日に初めて勝った。

【伊東 幸敏】
試合中、守備陣で色々と修正しながらやった。失点の仕方が良くない。チーム全体で勝てたと思う。攻撃はいけるという感覚はあった。1-2になった時に少し焦りはあった。勝つことが一番大事だと思う。

【永木 亮太】
自分が入ってすぐに失点してしまったが、勢いを落としてはダメだと思ってプレーしていた。ベンチのみんなも一緒に戦っているということをピッチ上の選手たちに伝えたかった。サイドで起点を作っていこうと話していた。(2回目の同点シーンは)チームとして狙っている形。アーリークロスに優磨が入ってくれた。優磨は練習の時から、そういうボールに合わせるのがうまく、嗅覚も持っている。外したシュートも同じような形。いいボールを蹴れたし、あの点が大きかった。

【ブエノ】
先制されたシュートを止めるのは難しい。あれはシュートが素晴らしかった。(永井選手に対する)シュートブロックは足を投げ出して止めた。今日は本当に負けたくなかったので、勝てて良かった。

【カイオ】
守備も攻撃も完璧に出来る選手は存在しないが、守備ではチームの手助けをしたいと思っていた。逆転ゴールは見ている人にとっては時間的に余裕があったように見えるかもしれないが、瞬時の判断だった。相手の短所を読んで、上手く1対1の状況を作れたのは良かった。落ち着いて決める事が出来た。アントラーズは勝たないといけないチーム。引き分け狙いとか負けてもいいという試合は存在しない。

【鈴木 優磨】
少し肩の荷が下りた。これで慢心することなく、初心に戻ってやっていきたい。これからも謙虚な気持ちを忘れずにやる。疲れてくると軽いプレーが出る。そこは反省しないといけない。自分の点よりチームの結果が出て良かった。点を決めた後、逆転するために気持ちを切り替えた。シュートを外してもネガティブにならず、剛さんからもいけるといわれていた。夢生くんがいなくて勝てたことはチームにとって大きい。

【昌子 源】
ピンチの数でいえば負け試合だった。でも、どんなにピンチがあっても結果は勝った。セットプレーからダイレクトで決められたのは反省点。最後まで諦めないのが、アントラーズ。一致団結した力を見せて、俺らは前に進んでいるということを示せたと思う。次はナビスコカップだけど、リーグ戦につなげるいい試合をしたい。

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