日刊鹿島アントラーズニュース

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2017年4月27日木曜日

◆AFCチャンピオンズリーグ2017 グループステージ 第5節(オフィシャル)


ACL第5節 vs蔚山現代FC

鹿島、ACL決勝T進出へ前進!金崎の2発、ペドロとレオのゴールで蔚山現代FCを粉砕!

鹿島がアウェイでゴールラッシュを見せた。AFCチャンピオンズリーグのグループステージ第5節、韓国の蔚山現代FCとアウェイで対戦すると、スコアレスで迎えた後半に金崎が均衡を破り、ペドロ ジュニオールが2分後に追加点を挙げて優位に立つ。さらに金崎の2点目、レオ シルバの強烈なミドルシュートも決まって、4-0と快勝。5試合を終えて3勝2敗とし、勝ち点を9に伸ばしてグループE突破へ大きく前進した。

鹿島は22日、J1第8節で磐田に0-3と完封負け。カシマスタジアムにライバルを迎えた伝統の一戦で屈辱的な惨敗を喫した。聖地に鳴り響いたブーイングを聞いた昌子は「それは仕方ないことだと思う」と、不甲斐なさと悔しさを胸に刻み、次なる戦いへの闘志を燃やしていた。

試合翌日のリカバリートレーニングを経て、24日に韓国へと発ったチームは、蔚山到着初日から練習を行った。25日には試合会場での公式練習に臨み、ピッチの感触を確かめながら最終調整を実施。集中力を高めていった。公式会見に臨んだ石井監督は「勝ち点3を取るために来た。しっかりと3ポイントを取って日本に帰りたい」と不退転の決意を語った。並んで出席したクォン スンテは「優勝のために、選手たちみんなで一緒に頑張っていきたい」と、母国で臨む一戦を前に、ACL制覇への抱負を言葉に並べた。



曇り空に覆われた蔚山。石井監督は磐田戦から先発メンバーを3名入れ替えた。GKにスンテ、ボランチの一角にレオ シルバ、そして前線にペドロ ジュニオールが復帰した。最終ラインは不動の4人、右から西、植田、昌子、山本が並ぶ。ボランチはレオとともに永木が務め、キャプテンマークを巻く。2列目は遠藤と土居の組み合わせで、前線ではペドロとともに金崎がゴールを狙う。そしてベンチには、GKの曽ケ端、伊東、レアンドロ、三竿健斗、21回目の誕生日を迎えた鈴木、金森が並んだ。帯同していた安部も含め、チーム一丸で大一番に臨む。



韓国まで駆け付けた背番号12が、ホームのサポーターに劣らぬ情熱と声量をピッチへと降り注ぐ。アウェイで迎えた大一番、ともに勝利を目指す姿勢を前面に押し出したサポーターの後押しを受け、選手たちはキックオフのホイッスルを聞いた。

開始直後から積極的に攻勢をかけてきたのは蔚山現代FCだった。ボールポゼッション率を高められ、鹿島は我慢の時間帯が続く。7分には右サイドの背後を取られ、ペナルティーエリア右側からシュートを打たれたが、グラウンダーのボールはわずかに枠を逸れた。いきなり肝を冷やすこととなったものの、鹿島は時間を追うごとに落ち着きを取り戻し、ボールキープの時間を増やしていった。







なかなかゴールへと迫れずにいた鹿島は、ペドロと金崎の2トップが両サイドのスペースへ流れてパスを引き出し、起点を作ろうと腐心する。右サイドハーフの遠藤も積極的に最終ラインの背後へと飛び出してゴールを目指したが、なかなかチャンスを作り出すことができなかった。







苦戦を強いられた鹿島、前半最初のシュートは35分だった。敵陣中央でパスを受けた永木が思い切りよく右足を一閃。強烈なミドルシュートは軌道を変化させながら枠を捉えたが、相手GKに弾き出された。それでも、ゲームキャプテンを務めた背番号6が示してみせたゴールへの意識が、試合を少しずつ動かしていく。37分には遠藤のFKから昌子がヘディングシュート。43分にも永木のFKから山本がニアサイドへ飛び込み、頭で逸らしてゴールを狙う。枠を捉えたボールは相手GKの正面を突いたが、得点への予感を漂わせながらハーフタイムを迎えることとなった。



0-0で迎えた後半、鹿島は立ち上がりから積極的にゴールを目指していく。49分、ペナルティーエリア右側でパスを受けた金崎が強引に突破。相手DFとの交錯で倒れ、笛は鳴らなかったものの、蔚山現代FCに脅威を与えた。

そして52分、待望の先制点は背番号33によってもたらされた。ペナルティーエリア左側、最終ラインの背後へ抜け出した土居が右足でファーサイドを狙ったシュートを放つ。相手GKに弾かれたが、そこにしっかりと金崎が詰めていた。1-0。エースが難なく押し込み、歓喜の時を迎えた。





敗れればグループステージ敗退が決まる蔚山現代FCを相手に、アウェイで均衡を破った鹿島。浮き足立つ相手の心理状態を見透かしたかのように、ミスを突いて追加点を奪う。金崎の先制弾から2分後、敵陣でのプレスでボールを奪ったペドロがペナルティーエリア手前から縦へ突進。スピードを上げてゴールへ迫った背番号7は、迷うことなく左足を振り抜いた。強烈な一撃がゴールへ突き刺さる。2-0。2トップ揃い踏みとなるペドロのゴールで、鹿島がリードを広げた。







2点をリードし、鹿島が優位に立った。蔚山現代FCは長身の選手を次々と投入してゴール前に高さを加えて反撃を狙ってきたが、鹿島は高い位置でのプレスを臆することなく敢行し、相手の自由を奪っていく。次第にロングボール中心の攻撃へ傾斜した蔚山現代FCに対し、ゴールマウスに立ちはだかるスンテが安定したセービングを連発。ハイボール処理でミスを犯さず、チームに安心感をもたらした。

すると67分、鹿島が次のスコアを刻む。相手DFのバックパスが正確性を欠き、処理しにくい軌道でバウンドしながらGKのもとへ。トラップからクリアを試みたホームチームの守護神、そのキックが空を切って弱々しく浮き上がった瞬間、プレスをかけていたのが金崎だった。ゴールエリア左側でボールを奪うと、冷静かつ強烈な右足シュートを突き刺した。3-0。金崎のこの日2得点目で、鹿島が勝利を引き寄せた。





鹿島は70分以降も得点への意欲を失わない。石井監督は鈴木、レアンドロと攻撃的な選手を次々に投入し、追加点を目指していく。蔚山現代FCにボールをキープされる時間は長くなったが、ゴール前でエアバトルを繰り返した昌子と植田がしっかりと身体を張り、両サイドバックの西と山本も惜しみない上下動とカバーリングで攻撃の芽を摘み続けた。











金森もピッチに送り出され、攻撃的な姿勢を示し続けた指揮官の思いを反映するかのように、鹿島は4点目を奪ってみせる。後半アディショナルタイム、ゴールラッシュの締めくくりは中盤の支配者が主役となった。左サイドからの攻撃、細かいパスを連ねて中央へ進出し、ペナルティーエリア手前でレオが前を向く。思い切りよく右足を振り抜くとうなりを上げてゴールを襲った強烈なミドルシュートがクロスバーを叩き、ゴールネットを揺らした。ワールドクラスの一撃で、鹿島が蔚山現代FCの戦意を喪失させた。



4-0。アウェイでの快勝で、鹿島が決勝トーナメント進出へ大きく前進した。グループステージ5試合を終えて3勝2敗、勝ち点は9。日本時間21時30分キックオフの一戦でムアントン・ユナイテッドがブリスベン・ロアーFCを相手に引き分け以上の結果を残せば、鹿島は1試合を残して決勝トーナメント進出を決めることとなる。仮に今節での突破が決まらなくても、鹿島はグループステージ最終節で敗れない限り、ラウンド16へ駒を進めることとなる。









グループステージ最終節は5月10日、ムアントンをホームに迎える。アウェイで敗れた相手に、カシマでしっかりとリベンジを果たさなければならない。そして鹿島は次戦、4日後にJ1第9節で鳥栖と対戦。帰国後まもなく迎えるホームゲーム、そしてゴールデンウィークの連戦へ。今この時から、次なる歓喜に向けた準備は始まっている。

【この試合のトピックス】
・今大会でのアウェイ初勝利となった。
・韓国勢相手のアウェイでの勝利は、2010年3月9日のACL第2節全北現代戦以来だった。
・今季初の4点差勝利となった。
・金崎が今季初の1試合2得点を記録。今大会での得点数を3とした。
・ペドロが今大会2得点目を挙げた。
・レオが強烈なミドルシュートを決め、ACL初ゴールを記録した。

監督コメント

[ハーフタイム]
鹿島アントラーズ:石井 正忠


蔚山現代FC:キム ドフン


[試合後]
鹿島アントラーズ:石井 正忠
まずはアウェイに来て勝ち点3を取って帰るという目的を果たせて良かった。選手全員が90分間、集中力を保ってくれた。激しい戦いになることはわかっていたが、前半から相手にしっかりとプレッシャーをかけることができた。後半も同じようにプレッシャーをかけて相手のミスを誘って得点を決めることができた。90分間、選手たちがタフに戦ってくれた成果だと思う。

Q.直近の試合(磐田戦)で0-3で敗れていたが、どのように修正したのか?

A.スコアは0-3だったが、内容的には結果通りのものではなかったと思っていた。やるべきことをしっかりとやれれば、今日は勝つと信じていた。

Q.去年のクラブW杯で準優勝をした鹿島を含め、ACLで日本のクラブが好成績を残している理由は?

A.自分は好成績ではないと思っている。日本勢はなかなかACL王者になれていないし、我々は開催国枠でクラブW杯に出場して良い成績を残せたが、ACLチャンピオンになってクラブW杯に出ることが我々の夢なので、そこに向かってしっかりとやっていきたい。JクラブがACLで良い成績を残しているとは思わない。

Q.「自分たちのサッカーをすれば勝てると信じていた」と話していたが、蔚山についてどのようなことを分析したか?

A.対戦相手に対してこちらから何かを言うことはできない。我々がやるべきことをしっかりとやったということで、蔚山についてのコメントは差し控えたい。

Q.前半、蔚山の8番の選手がビルドアップに加わって捕まえにくい位置にいたと思うが、どのように対処したのか?

A.ミーティングでは、ボランチが縦関係になって見る形にするか、FWの2人が守備の時にはボランチを捕まえることになっていた。うまくいっていなかったとは思わないが、パスをつなげられた部分もあった。とはいえ、チャンスを多く作られたわけではないので、話は特にしていなかった。

蔚山現代FC:キム ドフン
アントラーズ戦に向けて準備をしてきた通り、前半はうまくプレーできたと思う。チャンスを作っていたし、パスをうまくつなぐこともできた。相手の裏のスペースを狙うこともできた。後半は失点してからチーム全体がミスがあった。あってはならない場面が出てしまって、敗戦につながってしまった。


選手コメント

[試合後]

【金崎 夢生】
前半はあまり良い形はなかったけど、90分を通して戦う姿勢を出せたことが良かったと思う。相手のミスもあってのゴールだったけど、しっかりと得点を決められたことは自分にとっても大きい。次も頑張りたい。アウェイでなかなか勝てない中でもサポーターが来てくれて結果を出せた。試合は続くけど、こういうゲームをできるように頑張っていきたい。

【昌子 源】
危ないシーンはあったけど、前半を無失点で抑えて1点を取れば勢いに乗れると思っていた。本気でやっているという気持ちを後半に見せないといけない中で、勝ちに来たという姿勢を見せることができたのが勝因だと思う。後半は理想通りだった。前からのプレッシングがあったので無失点だった。前線の選手に感謝したい。

【クォン スンテ】
グループステージを突破するために大事な試合だった。韓国に来て勝ち点3を取れたのは嬉しい。ハーフタイムに「立ち上がりの失点をなくそう」と話した。そして「激しく行って、走り回ろう」と伝えた。選手たちが良い準備をして、このような結果につながったと思う。

【永木 亮太】
予想通り、激しい試合だった。相手はホームで後がない状況だったから、タイトに来ることは分かっていた。前半を無失点で抑えたのが今日のポイントだと思う。得点の場面もセカンドボールを拾えていたし、相手のミスを突くことができた。

【ペドロ ジュニオール】
このスタジアムでゴールを決めることができて嬉しく思うが、それよりも勝利という目標を達成できて良かったと思う。グループステージ突破のためにも勝利が欠かせない試合だった。与えられたチャンスの中でチームの勝利に貢献したいという思いでプレーしている。

【レオ シルバ】
前半は球際のバトルが激しかった。過去のアウェイでの2試合は、前半に失点して相手のペースになって苦しんでいた。その反省をみんなで活かそうと考えてやっていた。ゴールは前半から狙っていた形。後半はあの1回だったけど、蹴った瞬間に入ったという感覚だった。バーに当たってヒヤっとしたけど、入って良かった。




http://www.so-net.ne.jp/antlers/games/51964

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