日刊鹿島アントラーズニュース
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2017年4月5日水曜日
◆地元紙記者 柴崎はまだ“広告塔”慣れた時こそ本来の輝き放つ(スポニチ)
スペイン移籍初先発を果たした柴崎に対する地元ファンの期待について、テネリフェを熟知する名物記者ラモン・エルナンデス氏(ラジオ・マルカ)がスポニチに特別寄稿した。
柴崎岳は初先発したオビエド戦で、テネリフェファンの愛情とサポートを再び満喫した。ボールに触れるたび、観衆から惜しみない拍手が送られたのだ。柴崎は大きな期待を背負っている。プレー面はもちろん、マーケティング面でもだ。テネリフェは柴崎の日々の出来事をSNSで伝え、日本に彼とクラブをアピールしている。もはやテネリフェは海を越え、極東の地に届く存在となった。
もちろん柴崎の獲得理由は、第一に質の高い選手であるからだが、現時点ではマーケティング面が先行していると言わざるを得ない。オビエド戦は彼にとって満足のいくものとならなかった。マルティ監督は柴崎をサイドに配置。前線に非常に近く、ほとんどウイングと言っていいポジションで孤立しているようにも映った。それでも積極性と意欲は買うべきだろう。何度もボールを要求し、少ないながらもそれを受けた際には、フリーの同僚に質の高いパスが出せることを証明した。
多くのテネリフェファンは、柴崎がトップ下やボランチとしてプレーすべき選手と考えている。このオビエド戦は前節カディス戦に続き、アイトール・サンスがトップ下の役割を務めた。だが彼は柴崎よりも守備的な選手で、日本人MFの方がゲームメーカーとして有用であることは明らか。その役割をしっかりと務められる選手こそ、これまでのテネリフェに欠けていたのだ。
リーガ2部は、1部よりも激しく、荒い。特にバイタルエリア中央ではそれが顕著。そこでプレーするには、ファウルすれすれのタックルの雨あられをくぐり抜ける必要がある。マルティ監督が柴崎を今回ピッチ中央で起用しなかったのは、それが理由かもしれない。
だが柴崎がこのリーグの荒さやリズムに慣れた時には、中央でプレーして本来の輝きを見せられるはず。オビエド戦ではボールを受けた際に他の選手にはないひらめきと視野の広さを示した。テネリフェファンが何より目にしたいのは広告塔ではなく、荒いプレーをものともしない、洗練されたプレーを見せる司令塔の柴崎である。
▽スペイン2部 正式名称は「ラ・リーガ2」。22チームで構成され、ホーム&アウェー総当たりのリーグ戦で長丁場の42試合を戦う。レアル・マドリードとバルセロナの2強が突出している1部よりも、チーム力、予算規模で拮抗(きっこう)。上位2チームが1部に自動昇格し、3〜6位がプレーオフ(トーナメント)を行い、勝者が1部に昇格する。下位4チームが3部降格。現在首位レバンテが勝ち点72で独走しており、2位ジローナは勝ち点58。柴崎のテネリフェは2連勝で勝ち点を52に伸ばして3位に浮上し、2位と6差で逆転を狙える位置にいる。元柏のDF鈴木大輔のタラゴナは現在18位。
▼ラモン・エルナンデス 1983年生まれ。03年からラジオ・マルカのテネリフェ支局に勤務。テネリフェのテレビ番組にも頻繁に出演する地元の名物記者。06年から13年まではマルカ紙でテネリフェの番記者を務めた。
http://www.sponichi.co.jp/soccer/news/2017/04/04/kiji/20170403s00002000303000c.html
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