「止める、蹴る」の差を痛感 「いろいろ勉強になりました」
日本代表は10日の国際親善試合ブラジル戦で1-3と敗れた。ベンチスタートとなったJ1浦和レッズのFW興梠慎三は出番がなかったものの、現在J1リーグで20ゴールを叩き込んで暫定の得点王に立つ31歳のストライカーは、「まだまだ差がある」と試合を振り返りつつ、日本の課題を指摘した。
日本はPKからFWネイマールに先制点を献上すると、DFマルセロに弾丸ミドルを叩き込まれ、さらにFWガブリエル・ジェズスにも追加点を奪われるなど、前半だけで3失点を喫した。後半にMF井手口陽介のCKからDF槙野智章が頭で合わせて1点返したものの、1-3で敗れている。
日本の戦いぶりをピッチ外から見ていた興梠は「一人に対して二人で挟み込むようなプレーをもっとできれば良い試合ができたと思う。まだまだ差はある。ただ個人的には楽しく見てました、いろいろ勉強になりました」と守備面の課題を挙げた。その一方で、具体的な両国間の差について問われると、正直に自身の考えを口にしている。
「これを言っちゃあおしまいかもしれないけど、能力ですよね。止める、蹴る。ささいなことですけど、そういう部分が違った。毎年言われていることだけど、そう簡単にはできないと思うし、だからこそトレーニングで激しさをもってやることが大切なのかなと思います」
「サコができなかったら僕もできないでしょう」
ブラジル戦の前線はFW大迫勇也を中心に、左ウイングが原口元気、右ウイングが久保裕也となったなか、最前線でボールを収める役割を期待された大迫は相手の激しいプレッシャーに苦戦を強いられた。
2009年から2012年まで鹿島アントラーズで大迫と共闘していた興梠は「体を当てるポストプレーを僕も得意としている」と語るが、ブラジル戦を想定して「サコができなかったら僕もできないでしょう」と本音を吐露した。
「サコも苦しめられたと思う。自分なりに考えながらボールを受けたりしないといけない。何個か背後を取ればまた違ってきたと思う。(大迫と試合後に)話しましたけど、同じような考え方だったし、僕も見ていてやりづらそうだと思っていた」
試合後に後輩の大迫と意見交換をしたという興梠。ベルギー戦での出場が予想されるなか、どのようなプレーを見せてくれるのだろうか。
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大木 勇(Football ZONE web編集部)●文 text by Isamu Oki
ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images