「ずば抜けた“何か”を持っているほうが伸びやすい」
7年半ぶりに古巣・鹿島アントラーズに復帰した内田篤人。現在は、1月16日から始まった宮崎キャンプで精力的にトレーニングに励み、同23日にはテゲバジャーロ宮崎との練習試合でピッチに立ち、6-0の勝利に貢献。順調な仕上がり具合を見せている。
黙々とサッカーに打ち込む姿からは、やはり別格のオーラが漂う。キャンプ序盤には「練習中から激しく、年齢に関係なく要求し合う。俺が若い頃もそうしてきましたから。まだまだ(チームの雰囲気は)ピリピリできる」と話し、表情を引き締める。
今年3月には30歳を迎える内田に聞いてみた――かつての自分と今の若手を比べて、どんな印象を抱いているのか。
「上手いと思いますよ」
そう評価した後、「でも……」と正直な感想を口にする。
「特徴がない気がする。足がめちゃくちゃ速いとか、ヘディングが超強いとか。際立った飛び道具がないっていうのかな。全体的にボールを扱う技術は高くて、キープできて、相手をかわすけど、なんとなく“クセ”が見えにくい」
もちろん、「面白い」と感じる選手がいないわけではない。内田が興味深く見ているのが、鈴木優磨と安部裕葵だ。
前者については「『俺に点を取らしてください』ってアピールが強烈」、後者については「小さいけどドリブルでガンガン仕掛ける」と、それぞれのカラーについて言及する。
両選手とも、まだチームで絶対的な地位を確立しているわけではないが、内田は彼らの将来に小さくない期待を寄せているようだ。
「粗削りでも、ずば抜けた“何か”を持っているほうが伸びやすいと思う」
無限の可能性を秘めた若手の存在は貴重だ。「そういう選手が同じチームにいるのは、いいですよね」。タイトル奪還が最重要課題である今季の鹿島に、内田も確かな手応えを感じている。
取材・文●広島由寛(サッカーダイジェスト編集部)
【鹿島】「粗削りでも…」内田篤人が興味深く見つめるふたりの若手とは?