
日刊鹿島アントラーズニュース
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2018年1月19日金曜日
◆涙で引退の鈴木隆行、シンデレラストーリーの原点は奥野僚右の言葉(報知)

鈴木隆行の涙を、初めて見た。13日にJ2水戸の本拠地であるケーズデンキスタジアム水戸で行われた引退試合、最後のセレモニーの途中で言葉を詰まらせた。
引退試合に出場していた元日本代表FW柳沢敦(現鹿島コーチ)や同MF藤田俊哉(現英リーズ・コーチ)でさえも「(涙は)見たことがない」と驚き、満席に近い9155人の大観衆がもらい泣きした。
鈴木は95年に鹿島アントラーズへ入団したが、厚い選手層に阻まれほとんど出場機会のないまま6年目の00年を迎えた。初めてJ1に昇格した川崎フロンターレにレンタル移籍したが、結果を残せず夏場には“戦力外”のような立場になった。ちょうどそのころ、シドニー五輪にFW柳沢、平瀬智行、MF本山雅志らが出場した鹿島が、手薄な攻撃陣を補うため鈴木の復帰を要請した。普通なら大喜びするところだが、鈴木はともに移籍したDF奥野僚右(現福岡コーチ)に告げた。
「奥野さんたちと一緒に頑張ろうと移籍してきたのに、自分だけが鹿島に戻ることはできないよ」
奥野は答えた。
「お前と俺の人生は違う。戻れと言われていることは、多少なりともチャンスがあるはずだ。ここに残って才能を発揮しないのはもったいない。鹿島に帰るべきだ」
プロとして自分の甘さに気がついた。鹿島への復帰を決めると、鬼気迫るプレーを続けてブレイクした。11月のナビスコ杯(現ルヴァン杯)制覇に貢献し、リーグ第2ステージでは柳沢との2トップで得点を量産して優勝。横浜F・マリノスとのチャンピオンシップも制した。天皇杯も獲得してJリーグ史上初の3冠を達成。01年4月に初めて日本代表に選ばれ、02年日韓W杯ベルギー戦で伝説の「つま先ゴール」を決めた。出来すぎているほどのシンデレラストーリーの原点は、奥野の言葉にあった。
涙の後に「奥野さんの言葉があったから代表にまで行くことができた。現役生活は辛いことばかりだったけど、いろんな人に助けられて続けられたんです」と感謝した。私は99年~00年に鹿島と川崎の担当を務めており、奥野と鈴木の深い絆を目の当たりにしてきた。鈴木はシャイで口ベタでやんちゃだったけれど、自分に正直で芯の強い選手だった。奥野は父親のような温かい目で鈴木の成長を見守り、ことあるごとに相談に乗っていた。
引退試合が終わった夜、奥野に電話をかけた。福岡で仕事があったため試合には来場できなかったが、鈴木の涙の件を伝えると「心が温まりますね。うれしい、としか言いようがない。これから指導者として彼の活躍が始まると思うと感慨深いですよ。いつか一緒に仕事をしたいですね」と喜んでくれた。
鈴木は現在、弊紙の評論家を務めている。私と原稿の打ち合わせを行う時は、現役時代さながらの熱い口調で「球際の強さ」や「戦える選手」の重要性を説くだけでなく、代表への誇りも口にする。初代表の選手に対しては「チャンスは1回あるかないか。そこを死にもの狂いでモノにしないと」と話したことも。崖っぷちから数少ないチャンスをつかんだ男の言葉には説得力がある。
Jリーグの監督就任に必要なS級ライセンスは今年度中に取得できる見込み。引退セレモニーは「人生をかけて戦っているプロの世界に、監督として戻りたい。選手に愛され、選手を愛せるような監督になりたい。みなさん、いつかまたピッチでお会いしましょう」と締めくくった。5か国10クラブを渡り歩いた激動の現役生活に別れを告げ、再び戦いの場に戻ってくる日が待ち遠しい。(記者コラム・岩崎 敦)
涙で引退の鈴木隆行、シンデレラストーリーの原点は奥野僚右の言葉
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