勝つことで自信を取り戻す。日本代表MF柴崎岳(ヘタフェ)は1-1で引き分けた23日のマリ戦(1-1)から中3日で迎える27日のウクライナ戦に向け、「ウクライナはマリよりも戦術的に成熟しているし、技術も高い。チームとして、ある程度ランクは上がるのかなという印象がある」と指摘。とはいえ、W杯本大会を見据えたとき、乗り越えていかなければならない相手であることも確かだ。
「W杯で対戦する相手よりはランクの落ちる相手とやっている。そこにいい試合をして勝利しないと、チームとしての自信もつかない」。チームに漂う閉塞感を打破する意味でも、「練習もあまりできないけど、短い期間でどれだけコミュニケーションを取って、いい試合ができるかが自信にもつながる。今はそこがちょっと欠けているのかなと思う」と力説した。
「選手一人ひとりが思うものもあるし、チームとしての危機感もある」。ベンチから見守ったマリ戦について「一人ひとりミスも多かったし、メンタル的な準備が十分でなかったのかなと、見ていて印象を受けた」と率直に振り返ると、「風潮として、チームのやりたい方向性が見えないというのもあるけど、自分たちのパフォーマンスの低さにフォーカスすべきかなと思う」と、まずは個々の部分を見つめ直す必要性を説いた。
「個人のパフォーマンスが上がれば、チームのパフォーマンスも上がる。もっとそこに集中してプレーすべきだと思う。他に原因を求め過ぎなのかなと」。縦に急ぐのか、パスをつなぐのか。そうした戦術云々の前に個々の準備が足りていなかったというのが柴崎の見方だ。「その場の状況に合ったプレーを出すのが最適解。一つのことに固執してはいけない」と冷静に語った。
(取材・文 西山紘平)
戦術云々ではなく個にフォーカスする柴崎「他に原因を求め過ぎ」