日刊鹿島アントラーズニュース

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2018年5月21日月曜日

◆2018明治安田生命J1リーグ 第15節(オフィシャル)




明治安田J1 第15節

鹿島、ホームで仙台に敗戦。鈴木の得点で反撃も及ばず。

14連戦の最終章は不甲斐なき黒星となってしまった。カシマスタジアムにベガルタ仙台を迎え撃ったJ1第15節、開始2分に先制点を許すと、65分にはセットプレーから2点目を失う。85分に鈴木が1点を返したが、反撃はこれだけだった。1-2で敗れ、今季6敗目を喫した。

苦しみ抜いた4月を経て、5月の鹿島は着実に結果を残してきた。長崎と浦和に競り勝ち、9日のACLラウンド16第1戦、上海上港戦では3-1と先勝。今季初の3得点を記録した一方で、重い意味を持つアウェイゴールを失った。そして1週間後、敵地での第2戦。繰り返されたラフプレー、不可解な判定で奪われたPKを乗り越え、2試合合計4-3と準々決勝進出を果たした。

リーグ戦2連勝、そしてACLラウンド16突破。一歩ずつ突き進んできた連戦は、ついに最終章を迎える。上海体育場のロッカールームから、見据える先は次なる戦いへ定まっていた。帰国から3日後のホームゲーム。W杯開催に伴うJ1中断前最後の90分、聖地での勝利だけを目指す準備が始まった。帰国翌日、18日の午前練習はリカバリーメニューが中心。出場機会を窺う面々は攻守のトレーニングを実施した。そして19日、前日練習ではルーティンワークをしっかりと消化。「選手たちは明るく、そして前向きな姿勢でやってくれている」と指揮官は頷いていた。

「誰が出場しても同じサッカーをして勝たないといけないと思う。どの選手も常に準備をしておかないといけない」。昌子はそう言って、チーム一丸で戦う姿勢を強調した。そして永木は「ACLでも気持ちを見せることができた。それ以上のテンションを出せば、相手がどこであっても関係ない」と、気迫をみなぎらせる決意を述べていた。

「ホームでの戦いであり、勝ち点3を取ることしか考えていない」と勝利を誓った指揮官は、上海上港戦から3名の先発変更を施した。右サイドバックに伊東を指名し、ボランチの一角に小笠原、2列目には中村を起用。その他、GKはクォン スンテ、最終ラインは伊東とともに植田と昌子、安西が並ぶ。ミドルゾーンには永木と遠藤が入り、前線では土居と金崎のコンビがゴールを狙う。そしてベンチにはGKの曽ケ端、犬飼、レオ シルバ、安部、ペドロ ジュニオール、鈴木、山口が座る。



「中断に入る前に、自分たちが優勝できるのだという思いと意識を持たなければならない。最後の笛が鳴るまで、ともに戦ってほしい」。ジーコから贈られたメッセージを胸に、アントラーズレッドの背番号12が続々と聖地へ足を運んでいった。中断前最後の90分、総力戦で勝利を――。ファミリーの思いは一つだ。青空のカシマスタジアム、常緑のピッチ。フットボールのある喜びを噛み締めながら、ボルテージを高めていく。GK陣、そしてフィールドプレーヤーがウォーミングアップに姿を現すと、割れんばかりのコールが鳴り響いていた。



14時3分、キックオフ。アントラーズレッドへ攻める前半、ホイッスルと同時に前を向いた金崎は右足を振り抜いた。ロングシュートは枠を逸れたが、勝利への渇望をさっそく示してみせる。だが、早々に落とし穴が待っていた。鹿島陣内右サイドからのゴール方向へクロスを上げられると、石原にダイビングヘッドを決められた。2分に喫した失点で、早くもビハインドを負うこととなった。

聖地で喫した不甲斐ない失点。反撃に転じる鹿島は4分、永木が敵陣左サイドから縦へ突破し、ペナルティーエリアへ。遠藤からのリターンパスを受けて右足で狙ったが、わずかに枠を逸れてしまった。「負けるわけにはいかない」と語っていた背番号6が気迫を見せたが、チャレンジは結実しなかった。









鹿島は少しずつ敵陣へ押し込む時間を増やしていったが、なかなかシュートチャンスを作ることができない。仙台に両サイドの背後を狙われる場面も多く、深い位置からクロスを上げられてゴール前での競り合いを繰り返すこととなった。16分には植田が中盤まで進出して狙い済ましたボール奪取。そのままドリブルで敵陣へ持ち出し、ペナルティーエリア手前から縦パスを出したものの、シュートには至らない。19分には相手の最終ラインへプレスをかけた金崎がボールを奪い、直後に倒される。相手にイエローカードを出させたプレーで、エースがチームに活を入れた。

だが、鹿島は決定機を生み出せない。24分には右サイド深くからクロスを上げられ、至近距離からダイビングヘッドを打たれる。絶体絶命の大ピンチだったが、ボールは枠を越えた。事なきを得て、1点差のまま試合は続いていった。もがきながらもチャンスを窺う鹿島はセットプレーに活路を見出し、33分には右CKのこぼれ球を拾った昌子のパスに安西が反応。右足ダイレクトで狙ったが、枠の左へ逸れていった。35分には昌子が繰り出したロングパスを遠藤が受け、最終ラインの背後を取る。絶妙なタイミングで飛び出したように見えたが、判定はオフサイド。シュートまで持ち込めなかった。





次第に激しいボディコンタクトが増え始め、ピッチは秩序を失っていく。44分には鹿島ベンチ前のマッチアップから金崎が倒され、直後にプレスをかけた小笠原にイエローカード。判定を巡って大岩監督が抗議の意を示すなど、スタジアムは怒号が響いた。0-1。前半はビハインドで終了した。

残り45分、意地を見せなければならない。指揮官はハーフタイム明けから2選手の交代を断行。犬飼と鈴木を投入し、3バックへの変更を選択した。犬飼と昌子、植田が最終ラインに並び、前線には鈴木と金崎。仙台のシステムに噛み合わせる形で、ミラーゲームを展開して逆転を期した。





鹿島は攻勢をかけた。スタートポジションがより高い位置となった安西が果敢な突破を繰り返し、左サイドからチームを牽引。52分にはペナルティーエリア手前までドリブルで運び、スルーパスを繰り出す。金崎には通らなかったが、チャンスを演出してみせた。63分にも深い位置からクロスを上げるなど、突破口を見出そうと腐心していた。





だが、次のスコアはビジターチームのものだった。65分、スンテが間一髪の反応でミドルシュートを防いだ直後。左CKをニアサイドで逸らされると、板倉に頭で押し込まれた。許してはいけない、セットプレーからの失点。0-2。重くのしかかる、2点のビハインドを負った。

鹿島は3分後、伊東が右サイドから早いタイミングでクロスを送ると、ニアサイドに鈴木が飛び込む。瞬時の判断で相手DFの先手を取ったが、合わせた右足にボールが当たることはなかった。77分には敵陣右サイドでの空中戦で伊東が相手と交錯し、顔面から出血。抗議の声を上げた遠藤にイエローカードが提示された。



大岩監督は81分、安部を投入して活性化を図る。すると85分、遠藤がペナルティーエリア右側へ送った浮き球に鈴木が反応。ヘディングでの落としに安部が反応して頭で返すと、走り込んだ鈴木が右足ダイレクトで合わせてゴールネットを揺らした。1-2。残り5分、ようやく反撃の狼煙を上げた。









アディショナルタイムを含めた10分間、鹿島は必死にゴールを目指した。両サイドからのクロス、セットプレーからペナルティーエリア内で競り合いを繰り返す。だが、その時は訪れなかった。1-2。聖地の青空に、失意が広がってしまった。中断前最後の90分、3月31日から突き進んできた連戦の最終章は屈辱の結末に終わった。




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次戦は6月6日、天皇杯2回戦だ。インターバルを挟んで迎える、トーナメント初戦。チームは24日からトレーニングを再開する。14試合を終えて、勝ち点18。現実と向き合い、這い上がらなければならない。

【この試合のトピックス】
・鈴木が今季のJ1で4得点目を挙げた。
・伊東が今季のJ1で4試合目の先発出場を果たした。
・中村が5月2日に行われたJ1第12節の長崎戦以来、公式戦4試合ぶりの先発出場を果たした。


監督コメント

[ハーフタイム]
鹿島アントラーズ:大岩 剛
・情けない45分。迷ったり、びびったり、球際にいかないと試合には勝てない。
・サイドを積極的に使って、追い越していく動き、ボックスの中に入る動きをもっと増やそう。
・1対1に絶対に負けず、この45分に自分たちのすべてをぶつけよう。


ベガルタ仙台:渡邉 晋
・守備を整理しよう。
・シンプルに味方を使ってあげよう。
・リスク管理は手厚く


[試合後]
鹿島アントラーズ:大岩 剛
先制点を早い時間に与えてしまったこと、後半、セットプレーから失点してしまったこと、時間帯もそうだが、ともに与えてはいけない失点だった。しかし、最後まで選手たちはゴールを目指して戦ってくれた。負けはしたが、最後まで戦う姿勢を見せてくれたことは評価している。

Q. ここまでの戦いは総力戦となったが、その評価と三竿健斗選手の状態は?

A. 前半戦はケガ人が多くて、若い選手がチャンスをつかむ試合が何試合かあった。連戦のなかで必要なものは、リカバリーと改善、継続、そのあたりのバランスが非常に難しかった。ACLではいい成果が出ている。なかなかリーグ戦に反映できていないが、継続と改善を引き続きやっていきたい。若い選手を含めて、全体の底上げをやっていきたい。天皇杯があって、ブレイクに入るこのタイミングで、しっかりチーム力を上げていきたい。三竿は、おそらく大丈夫だと思う。大丈夫だからこそ、代表にも召集された。今日も練習ができていた。

Q. 今日の前半は難しい試合になった。システムではずしてくるチームに対して分が悪い印象だが。

A. その通り。3-4-3、3-6-1のシステムは、4-4-2に対して非常に有効的なサッカーだと思う。分析もしている。選手にも言っているが、そのなかで自分たちのストロングポイントを消してはいけない。相手のストロングを消しながら、自分たちが相手のメリットをつぶすことを引き続きやっていく。システムを変えるのか、今の4-4-2のままやるのかは、今後の課題。我々スタッフの課題だと感じている。今日の後半は思い切ってシステムと人を代えたが、ある程度の手応えは感じた。トレーニングをやっていないなかであれだけできたので、少しの手応えと改善を持って、ブレイク期間中にやっていきたい。


ベガルタ仙台:渡邉 晋
今日も大勢のサポーターがカシマスタジアムまで駆けつけてくれた。一体感があり、パワーのある応援をしてくれて、すごく大きな力になった。15連戦の締めのゲームだったが、ようやくケガ人も戻ってきた。仙台らしいパフォーマンスを見せて、結果につなげることができた。戦術的な狙いも当然だが、今日は球際で勝ち切る、走りきるというところでしっかり表現したからこその勝利だと思う。もう一度原点を見つめなおして、後半戦に向けていい準備をしたい。


選手コメント

[試合後]

【安西 幸輝】
立ち上がりに失点してしまって、難しい試合になってしまった。「絶対にやられないように」という話をしている中で決められてしまって、とてももったいない試合だった。逆転する気持ちは全員が持っていたし、最後まで努力したけど、うまくいかなかった。

【植田 直通】
自分たちで苦しい試合にしてしまった。ピッチの中で判断して、もっと早く修正しなければいけなかった。

【永木 亮太】
集中して試合に入ったけど、あの時間帯に先制されて勢いに乗られてしまった。シャドーや前線のところでボールを奪えていればチャンスになったと思うけど、取れなかった。相手の前線がポジションチェンジを繰り返す中、ポジショニングが難しい試合だった。

【犬飼 智也】
マークをはっきりさせるために3バックにした。前半の途中からそういう話はあったので、準備はできていた。

【昌子 源】
少しでも上の順位で中断を迎えたかった。負けて中断を迎えるとネガティブになりがちだけど、上を向いて練習から100%で取り組んでいきたい。この中断をチームとしてプラスに変えないといけない。


2018明治安田生命J1リーグ 第15節

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