日刊鹿島アントラーズニュース

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2018年7月22日日曜日

◆オイペン豊川雄太、ベルギーで学んだコツ/岩政大樹(ニッカン)



豊川雄太 Yuta.Toyokawa


 サッカー元日本代表DF岩政大樹(36=関東1部リーグ東京ユナイテッド所属)が、ベルギー1部リーグのオイペンFW豊川雄太(23)に海外挑戦の現状について聞いた。

 岩政はスカパー!のサッカー情報番組「スカサカ!ライブ」の対談コーナー「今まさに聞く!」のメーンキャストとして、鹿島アントラーズ、ファジアーノ岡山でも活躍したFW豊川をインビュー。ワールドカップ(W杯)で3位と躍進したベルギーは、身体能力に優れた選手が多く、クロスボールが飛び交う展開が多いという。そんな中で豊川は屈強な選手とどう渡り合っているのか、その核心を突いた。

 7月27日(金)の初回放送(21時~)を前に、サッカーファン必見のインタビューの一部をここで紹介する。

    ◇     ◇

 岩政 J2から海外に行くというのはなかなかないと思いますが、決断した時の気持ちは?

 豊川 海外には小さい時から行きたかったので、本当にたまたま運が良かったのですが、ベルギーの今のチーム(オイペン)からオファーがありました。その時の迷いはなかったですね。行かないという選択肢はゼロで、飛び込みたいという気持ちだけで、英語もゼロの状態で、ただ飛び込みました。

 岩政 じゃあ向こうに渡るってことがご自身の目的としてあって、チームなり国なりというのはあまり問わずに行きたかったということですか?

 豊川 そうですね、とりあえず出たかったというか、向こうでチャレンジして、サッカーをやりたいという気持ちだけでしたね。

 岩政 それは世界の最前線と言われるところに触れてみたいということですか? それとも向こうで生活してみたいとか?

 豊川 生活してみたい気持ちもありましたし、でも一番は小さい時から海外のサッカーばっかり見てて、こんなところで(いつか自分も)やりたいなと思っていたので、その気持ちが本当に強かったなとは思います。

 岩政 将来の不安どうこうっていうよりもまず行ってみたいという気持ちがあったのですよね?

 豊川 そうですね、失敗したらどうしようとかっていうのは全くなくて。

 岩政 もともとそういう(失敗を恐れる)タイプではないですよね?

 豊川 そうですね、とりあえず行こうと思って行きました。

 岩政 ベルギーに行ってみて最初の印象はどうでした?

 豊川 スピード感とか当たりの強さとかJリーグと違う部分があって、やっぱりもたもたしていたら吹っ飛ばされてボール取られましたし、ちょっと悩みながら最初はサッカーやっていました。

 岩政 当然、日本と向こう(ベルギー)との違いって良くも悪くもよく言われるじゃないですか。そのスピードっていうのは走る速さのことですか?

 豊川 もちろん。アフリカ系がベルギーって多いのですが、そのスピードはなんでそんな速い? っていうくらいの選手もいましたし、なんでそんなにごついんや? みたいな選手ばっかりなので、ほんとフィジカルリーグみたいな感じですね、ベルギーリーグは。

 岩政 単純にまずフィジカル的な違いの大きさが第一印象としては強いですか?

 豊川 そうですね。そこは強くありました。

 岩政 もう一つスピードっていう面で言うと、「一瞬の速さ」と「加速していく速さ」で言えばどっちですか?

 豊川 「一瞬の速さ」ですね。一瞬が速いですし、日本では足が出てこないようなところに(足が)出てきたりとか、日本ではなかなか経験できないようなことを経験させてもらっていますね。

 岩政 ご自身で練習しながらスピード感の違いに戸惑っていたと思うのですが、どのように最初適応していこうと思って練習していたのですか?

 豊川 とりあえず相手を見るようになりましたね。(岩政)大樹さんの評価を上げたくはないですけど(笑)、連絡して色々相談させてもらっていましたから。結局当たり前のことですけど、相手を見るってことにたどり着いたなって思っています。

 岩政 それはヨーイドンで走り出すとなかなか難しいっていうことがあって、(Jリーグ)より相手(のマーク)をうまく外すってことにフォーカスしないといけないってことですかね。

 豊川 はい。Jリーグでできていたことがあっちに行ってできなくなったってことがあって、相手を見ないでボールを触ったりすると、本当に鞭打ち並に当たってきますから、怖いんですよ。怖いからよく見るようになって、相手の逆をつくとかもできるようになりましたし。ここに相手がいて、ここにフリースペースがあるっていうことがより見れるようになったのが、成長した部分ではあります。

 岩政 実際に試合においてのベルギーリーグの特徴って何ですか?

 豊川 それは最近分かってきて、クロスがめちゃめちゃ多いです。どのチームもクロスが多くて、意外とクロスからフリーになるシーンも多いです。だからそう思ってからは、クロスからの入り方とか、相手の外し方とかに重点を置くようになりました。

 岩政 じゃあイメージだと、何か仕掛けに行ってどんどんシュートを打つとかじゃなくて、サイドからのボールに対して、入り方を工夫したってことですか?

 豊川 そうですね。実際その半年間でとった得点も、ほぼクロスからのゴールが多いですし、(ベルギーリーグの)そういう特徴を知れたっていうのはでかいですね。

 岩政 クロスからのボールって体の大きさよりも入り方が大事で、アフリカ系の選手とかは前向きのボールとかはすごく強いですし、正面から仕掛けていくとすごいスピードもあるので、なかなか崩していくのも難しいです。でも横からのボールに対しては視野から消えられるので、日本人選手ももっと工夫すれば外からの攻撃も有効なものが打てるのではないかと僕はずっと思っているのですが、やっぱりそこの部分は身体能力が高い選手相手でも出し抜けるなという感覚は行ってみてありましたか?

 豊川 それはありましたね。それこそ大樹さんに教えていただいた、相手を見て逆をつくとか、そういう入り方とかで、この形は結構(ディフェンスを)外せるなとかつかんだものはありましたね。だからヘディングでも決めれましたし、足で触ってゴールっていうのもありましたし、入り方次第で高さっていうのはそんなに関係ないのかなっていうのは感じました。あとはボールの出し手と合うか合わないかですけど、ディフェンスを外しておくのが大事かなっていうのは思いましたね。

 岩政 日本人のセンターバックと(ベルギーでの)クロス入るときの違いってありますか?

 豊川 (ベルギーは)食いつきますね。ニアに決めたい時に、ファーにちょっと行くと、結構勢いで食いついたりしますね。で、パッと見失ったりするので、その間にボールに向かったりして点を取れたシーンもありましたね。

 岩政 その点でいうと、日本人選手の方が動かないで突っ立っていることが多かったってことですよね。逆にいうと豊川選手にとっては海外の方がやりやすかったってことですか?

 豊川 そうですね。俺は全然やりやすいですね。日本人だと、俺はこっちに引っ張っているのに全然ついてこねえなっていうのがJリーグでもすごいありました。だから海外の選手が食いついてくれているっていうのはありがたいですね。

 岩政 1シーズン終わってみて、今年の目標は?

 豊川 オイペンでやることが決まったのですが、結果ですね。海外ではフォワードは、数字のことしかないですね。今年半年で7点取れましたから、というか7点とっちゃったから、オイペンの強化部には今年は20点いけるだろとか軽く言われて、だいぶ期待されているっていうのを感じます。だから相当な結果を残さないといけないなと思っています。でもゴールを取るのが仕事ですから、チームを勝たせられる選手になっていきたいなと思っています。

 岩政 じゃあ新シーズンはゴール数っていうのがまず自分のバロメーターでもあるということですか?

 豊川 まあそうですね。どれだけいいプレーをしても、ゴールを取らないと、日本にもニュースが入ってこないですから。しっかりと点を取って数字を残せるようにしたいなと思っています。

 岩政 そこに向けて、具体的に言うと、新シーズンにはこういうふうなプレーを増やしたい、こういう動き出し、もしくはこういう意識を持ちたいとか、今描いているものはありますか?

 豊川 まだゴール前を磨けるところが多くあるので、そこを磨きたいです。オンでも取れるようになりたいですし、ボールを持ってもっとドリブルで仕掛けてゴール取れるようになりたいですし、フリーキックもそうですし、いろんなところから点を取れるように、いま練習をしていますね。

 岩政 形を増やしていくようにしたいと?

 豊川 そうですね。いいストライカーってどんなところからでも点を取ったりするので。ヘディングとかも身長関係ないですから、いろんな得点のパターンを増やしていきたいなと思っています。なぜかあいつ点とっているなと思わせられるくらいでも全然いいと思っているので。俺はうまい選手じゃないから、別にうまい選手になろうとは思ってないですから、どれだけ相手にとって怖い選手になれるかっていうのは常に意識してやっていますね。そこを求めてやっていきたいですね。

    ◇     ◇

 スカパー!では2018~19年ベルギーリーグの日本人選手所属クラブの試合を生中継予定!「今まさに聞く~オイペン豊川雄太篇~」前編は7月27日(金)21:00~「スカサカ!ライブ」内で放送。



オイペン豊川雄太、ベルギーで学んだコツ/岩政大樹


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