
日刊鹿島アントラーズニュース
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2019年1月1日火曜日
◆「鹿島の魂」。叩き込まれてきた勝利のスピリッツとともに、昌子源は新天地へ向かう(GOAL)
12月29日、鹿島アントラーズDF昌子源のフランス1部トゥールーズへの完全移籍が発表された。ロシアW杯から約半年、ACL制覇という結果と尊敬する先輩からの後押しを受け、新たな一歩を踏み出す。
12月27日ミスター鹿島アントラーズ小笠原満男の引退が発表された夜、ある食事会が開かれていた。小笠原の21年間に及ぶ現役生活をねぎらうために集まったのは、同期の曽ヶ端準、中田浩二、本山雅志をはじめ、名良橋晃、柳沢敦、そして野沢拓也、大迫勇也など歴代のOBたちだった。その輪になかに、フランス・トゥールーズへ移籍することが決まっていた昌子源がいた。
「ミツさんのための会なのに、気がつくと皆さんが『お前ならやれる』と言ってくださった。本当にうれしかった」
■自分の可能性を広げたロシアW杯
数少ない国内組として出場したワールドカップ・ロシア大会。昌子にとって初めてとも言える日の丸を背負っての世界舞台でベスト16進出。日本を代表するセンターバックとして飛躍の場となった。
「僕がダメだったら、Jリーグ、国内でプレーしている選手すべてがダメだということになる。その責任をすごく感じ、『唯一国内組』と呼ばれるのが嫌でしたね。でも、今思えば、守備面は当然ですけど、ビルドアップの縦パスとか、本当に強気な姿勢でプレーできた」
未知の場所で、世界のトッププレーヤーを相手に果敢なチャレンジ精神が引き出される。それは新しい自分の可能性を広げるような体験だったに違いない。20代初めには抱いていたもののいったんは冷めていた海外移籍への熱は当然高まった。そこへ届いたのがフランス、リーグアン・トゥールーズからのオファーだった。しかし、すでに後輩植田直通のベルギー移籍が決まっていた。「お前のリーダーシップはクラブに欠かせない」と慰留された。
念願だったACLタイトル獲得の可能性もあり、昌子はその時点での移籍を断念。それでも、トゥールーズは引き続きオファーを出し続けた。クラブ関係者が来日し、「能力はまったく問題はない。それ以上に初めてのW杯であれほど堂々と世界と渡りあってプレーしていた。そのメンタリティが素晴らしい」と高い評価を示してくれた。
■W杯での手ごたえ以上に大切なもの
鹿島残留を決めたものの、W杯後に再開されたJリーグで左足首を負傷してしまう。ビルドアップの武器として「左足からのパス」を意識していたというのに。復帰まで数カ月を要したが、夏の終わりには復帰。しかし、ACL準決勝セカンドレグでは自身のプレーから失点している。久しぶりの実戦だったとはいえ、CBとしてはあってはならないことだった。
このとき、目が覚めた。W杯で手にした手ごたえや自信以上に大事なのは、目の前の試合。そこで勝つことだと。勝つためにやるべきプレー、やってはいけないプレー……。
「勝利にこだわり、そこから逆算したプレーをしなければならない」
常勝軍団鹿島アントラーズで、叩き込まれた大切なことをこの失点で昌子が再確認したのだ。
続く決勝戦を無失点で抑えて、20冠目となるACLタイトルをクラブにもたらすことができた。安堵感と同時に、「もっと向上したい」という欲が芽生えた。しかし、フランスへの移籍を即座に決断したわけでもなかった。欧州へ行けば、当然のように今とは違う厳しい競争が待っている。この年齢、この身長で戦っていけるのか? CBとして大事なリーダーシップを示すために言葉の壁は高くて大きい。自分を育ててくれた鹿島への想いもある。不安を打ち消すだけの自信もあるが、迷いもあった。
ACLというタイトルを獲ったこと。そして、少なくはない移籍金も残せたこと。かつて自身が描いていた欧州移籍への条件はそろった。あとは自分の覚悟だけだった。
そんな昌子の背中を押したのは、小笠原の言葉だった。
「自分で手にしたオファーなんだから、胸を張って移籍すればいい。心の底からお前のことを応援している」
中田や内田篤人など、欧州でのプレー経験を持つ先輩たちの言葉も力にはなったが、ずっと背中を追い続けてきた小笠原の言葉は格別だった。自分のキャリアを「認められた」という想いを抱いたに違いない。だから想う。
「ミツさんのためにも頑張らなくちゃいけない。ミツさんがいるから頑張れる。あの人を喜ばせたい」
■「鹿島の3番」を背負う覚悟
鹿島の背番号には、さまざまな意味がある。どの番号にも歴代その番号をつけた選手たちの責任や意地、覚悟が染みついているからだ。
秋田豊、岩政大樹がつけた背番号3を譲りつけた昌子だったが、歴代の選手たちの持つヘディングの強さは持ってはいなかった。先輩たちとは明らかにプレースタイルが違っていた。だから、鹿島の3番、CBが持つスピリッツを受け継ぐ覚悟で戦い続けてきた。それでも、負ければ非難にさらされた。それを乗り越え、それらを力に変えて、「鹿島の3番」を自分の色に染めたのが昌子だった。だからこそ、そのスピリッツをW杯でも発揮することができたのだろう。
「大して身長が高いわけでもない僕が、ヨーロッパで活躍できれば、日本の選手にとどまらずアジアの選手にも勇気を持ってもらえるかもしれない。どんなプレーができるのか、自分がどんなプレーをするのかはわからないけれど。ジーコさんにも言われた通り『鹿島の魂』を忘れず、鹿島で教わったこと、学んだことをそのままフランスへ持っていきたい」
新天地での体験は、昌子の想像を超えるだろう。かつての常識では乗り越えられない壁もあるにはずだ。それでも、プロサッカー選手としてやるべきことは変わらない。
「献身・誠実・尊重」
勝利へのこだわりを支えるジーコ・スピリットが世界共通であると信じて、戦うだけだ。
文=寺野典子
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